自然の豊かな場所に家を建てたり、畑や田んぼだった土地を何かに使ったりするには、土地を整えなくてはいけません。
自然の土地は整えないと、傾いているため工事をしますが、このことを造成と言います。
造成にはどのくらいの金額がかかるのでしょうか?
この記事では、土地造成にかかってくる相場や基礎知識について解説しています。是非参考にして頂き、造成の費用を知って節約できるように役立ててください。
埋め立てたりする造成の基礎知識
土地を整えて何かに活用しようと考えているなら、業者に造成の相談をする方がほとんどでしょう。
業者に依頼する前に、自分自身でも相場を知ることや、造成の知識を入れておいた方が良いです。
何故なら、何も知らないと業者に言われるがまま判断してしまうもの。
まずは、造成の基礎を知っていきましょう。
土地造成とは何?
造成とは、土地を使いやすいように整えることを言います。
家やお店、駐車場など人が利用する全ての土地は、平らになっているものです。
造成されていない自然の土地は、平らなことはほとんどなく、大体は凸凹です。
土地を使いやすくするために造成を行いますが、どのような工事かと言うと、地面を削って低くしたり、反対に土を盛り上げて高さを出したり、斜めになっている部分を平らにさせるのです。
また、海辺や湖などに近い土地では埋め立てをしたり、土地を干したりして新しく使用します。
造成後は、地盤が弱くなっていることが多いので、専門家である業者に依頼して行います。
造成のルール
自然が多い土地を造成する際には、環境に悪影響を及ぼすことも。
山では、土や岩などが自然に納まっていて、滅多に崩れ落ちてこないですが、造成を行うと危険なことがあるため、国では制限をしています。
土地造成を行う上で、知っておきたい法律は以下になります。
宅地造成規制法
規制されている区域は、造成をすることで崖のような危険な形状になってしま恐れがあるエリアです。
この区域では、行政の許可を取らないと工事ができません。
都市計画法
都市計画法に当てはまるエリアも、許可を取らないと造成ができないのです。
都市計画法で制限さているのは他にも、農地を変更して宅地にしたり、広い土地を分割して敷地に道路を作ったりなどもあります。
さらに、細かく区域が分類されていて、区域ごとに開発の決まりがあります。
例えば、郊外にある市街化調整区域では、基本的に建物を建築ができず、造成も許可を取らないといけません。
所有している土地がどの区域に当てはまるのか、予め調べておいてから造成を検討すると良いです。
また、詳しいことは役所や業者に問い合わせしておきましょう。
造成に関する用語
土地造成と一緒のような意味で、整地や更地の用語がありますが、それぞれ定義があるので比べてます。
- 整地:建築物を取り壊し、残造物を片付けて土地を平らの状態にすること。
- 更地:土地に付着している建築物などが無いこと。
同じような意味だと思っていても、こういった違いがあるというもの。
造成とは、整地にするという意味が近いです。
基本的に造成は、建物を建築することを目的として土地を整えることを言います。
土地造成の順序
造成を行うまでの順序を紹介していきます。
- 業者に見積もりを出して貰う
- 行政から許可を取る
- 測量や調査
- 造成の工事
- 整地にして完了
業者から見積もりを出して貰う
見積もりを出して貰う時は、複数の業者に依頼した方が良いです。
いくつかの業者から提示して貰った金額を比べることで、偏った考えにならず、適正な価格なのか確認できます。
最も注目する点は、予算の中で思った通りの工事が行えるかです。
よって、金額も大事ですが工事内容もきちんと確かめるようにします。
詳細がよく分からなかったり、不明な点があったりしたら直ぐに質問して、納得がいかないようなら、他の業者を探して、自分に合う業者を見つけてください。
行政から許可を取る
造成に制限があるエリアもあるため、工事の際には行政から許可を取らないといけません。
土地の持ち主が申請するものですが、他の人でも可能です。
持ち主の同意や、造成に使う道路の担当者の同意なども必須になります。
申請には、土地を何に使うか明らかにして許可を得るので、造成後は申請した内容で土地を使用しなくてはいけません。
測量や調査
土地の形を明確にしてから、土地を高くしたり、削ったりする土を計算して準備します。
地面を削って土地を整えるので、地盤が弱くなることが多く、そうなると改善する必要があるというもの。
そのため、事前に測量や調査をしっかり行ない、工事のプランを立てます。
昨今ではGPSを使った測量もしています。
測量にかかる相場は100坪以下なら70万円前後です。
また、土地の境界も明らかにしないと、隣の土地の持ち主と後から揉めることになります。
測量は高額になりますが、境界がはっきりしていない場合など、きちんと行う必要があります。
造成の工事
工事をする前に、地鎮祭(じちんさい)と言って、土地の神に安全祈願する儀式があります。
終わったら、重機などが入って造成工事を開始。
状態が悪い土などは捨てて、地盤が緩まないように硬い土を投入していきます。
重機を使って土を固めて行き、何回も行うことで土地は整えられていくのです。
また、安定材を使って土をさらに固めて、地盤に水があるようなら取り除く作業をします。
整地にして完了
土地の広さや状態でも異なりますが、早くて1週間から遅くても1ヶ月くらいで整地となります。
造成をする前に家を解体していた場合は、滅失登記を法務局で行うようにしましょう。
造成しなくてはいけない土地
どんな土地を造成しなくてはいけないのですか?
造成をしなくてはいけない土地はどんな状態なのか、主に2パターンあります。
高い所や低い所がある土地
崖などの傾斜が激しい所で家を建てようとする場合は、建築基準法で安全な処置をすることが義務となっています。
そのため、造成は必ず行わないといけません。
傾斜が30度以上の場合は条件に該当するので、下記のアプリを使って調べてみると良いでしょう。
地盤が弱い土地
平らな土地でも、以前に田んぼや窪んだ土地だった場合は、地盤が弱いので固くしなくてはいけません。
造成で行われる作業内容
どのような内容で造成されるのか詳しくは下記の項目になります。
整地
建築物を解体して、残骸などを掃除して何もない状態にすることです。
重機で土地を平らにして、仕上げにコンクリートで固めることもあります。
造成の基礎となる工事ですが、最後の工程として行われることも多くあります。
伐採と抜根
何もない状態に整地してキレイに掃除しても、月日が流れると雑草などが生い茂ってくるものです。
したがって、家を建築する時に草木の根を抜く抜根(ばっこん)をして、雑草防止シートを貼ってカバーします。
また、木が沢山生えている場所では伐採をしますが、切った木を処理するための代金がかかってきます。山など木が多い所で造成をするなら、廃棄料を調べておくと良いでしょう。
地盤改良
ずっと手入れされていない土地や、昔に田畑として使用されていた土地は、地盤が緩くなっていることが多いです。
地盤が不安定な状態で家を建築してしまうと、そのうち地面が沈んでいって建物も傾いてしまうので、地盤改良をして固めていきます。
土の中に固化材を入れて土地を固めたり、杭を打ったりして地盤を補強する作業を行います。
切土
土地が高い場所にある場合は、削り取って土地を低くする作業をします。
土盛
土地が低い場合、家を建てられる高さにするため、土を盛って地上げすることです。
土止
土を盛って埋め立てをした所が、豪雨などで崩れ落ちる可能性もあるため、それを防ぐための工事になります。鉄筋コンクリートなどを使って壁を作り、斜面の土を止めます。
造成の費用相場
相場は業者が決めているのではなく、地域ごとに国税局が定めています。
造成する予定の土地がどこにあるのかで、費用は変わってくるのです。
また、傾きが激しくなると造成費も高くなります。
造成費は、土地の傾斜によって分けて出しています。
- 傾斜が3度以下の平らな土地
- 傾斜が3度以上ある土地
国税庁の「財産評価基準書」を開いて、造成する土地の地域をクリックして、造成費の金額を確かめましょう。
傾斜が3度以下の平らな土地の相場
平らな土地の造成の相場が下記の表になります。
こちらは令和2年分の相場ですが、毎年金額は新しく変わります。
1㎡あたりの単価
国税局 | 整地 | 伐採 抜根 | 地盤改良 | 土盛 | 土止 |
札幌 | 600円 | 1,000円 | 2,100円 | 6,600円 | 72,900円 |
仙台 | 700円 | 1,000円 | 1,900円 | 7,500円 | 69,500円 |
関東信越 | 700円 | 1,000円 | 1,800円 | 7,100円 | 69,700円 |
東京 | 700円 | 1,000円 | 1,800円 | 6,900円 | 70,300円 |
金沢 | 700円 | 1,000円 | 1,900円 | 6,900円 | 69,300円 |
名古屋 | 700円 | 1,000円 | 1,800円 | 7,000円 | 71,500円 |
大阪 | 700円 | 1,000円 | 1,800円 | 6,600円 | 67,600円 |
広島 | 700円 | 1,000円 | 1,800円 | 6,600円 | 66,400円 |
高松 | 700円 | 1,000円 | 1,900円 | 6,600円 | 71,800円 |
福岡 | 700円 | 1,000円 | 1,800円 | 6,700円 | 56,100円 |
熊本 | 600円 | 1,000円 | 1,800円 | 6,700円 | 52,300円 |
沖縄 | 700円 | 1,000円 | 2,400円 | 7,200円 | 57,900円 |
傾斜が3度以上の傾いている土地の相場
傾きが強くなるにつれて工事費用が高くなるのが分かります。
1㎡あたりの単価
傾斜度 | 3〜5° | 5〜10° | 10〜15° | 15〜20° | 20〜25° | 25〜30° |
札幌 | 18,700円 | 23,300円 | 35,600円 | 51,000円 | 56,300円 | 56,400円 |
仙台 | 19,200円 | 23,300円 | 35,300円 | 49,700円 | 55,200円 | 59,000円 |
関東信越 | 18,400円 | 22,600円 | 34,600円 | 49,100円 | 54,400円 | 57,100円 |
東京 | 18,600円 | 22,800円 | 34,900円 | 49,500円 | 54,700円 | 57,900円 |
金沢 | 18,400円 | 22,500円 | 34,100円 | 47,800円 | 53,000円 | 56,900円 |
名古屋 | 18,100円 | 22,200円 | 33,500円 | 47,000円 | 52,100円 | 55,300円 |
大阪 | 18,700円 | 22,200円 | 33,900円 | 47,800円 | 53,000円 | 59,100円 |
広島 | 17,700円 | 21,400円 | 32,800円 | 46,200円 | 51,300円 | 55,300円 |
高松 | 18,100円 | 22,200円 | 34,000円 | 48,000円 | 53,100円 | 55,200円 |
福岡 | 16,900円 | 20,100円 | 31,600円 | 43,900円 | 48,900円 | 54,800円 |
熊本 | 16,700円 | 19,500円 | 31,700円 | 44,400円 | 49,500円 | 55,300円 |
沖縄 | 17,700円 | 21,000円 | 31,400円 | 42,800円 | 47,900円 | 56,800円 |
引用元:財産評価基準書|国税庁
造成費がどのくらいかかるかシミュレーションをする
業者に依頼して見積もりを出して貰えば、どのくらい金額がかかるか把握できますが、自分でも造成費の計算はできます。
費用の予測がつくとプランを立てやすいので、算出してみます。
造成の相場の表にあるのは、1㎡の価格を表しているので、最初に土地の面積を確かめておきます。
面積がわかると造成費を出すことができます。
- 土地の面積×1㎡の単価=大体の造成費
具体例
- 東京の平らな土地で、一般的な戸建て面積130㎡を「整地」する金額
- 130㎡×700円=9万1,000円
- 東京の5〜10°傾いている土地で、面積130㎡を「造成」する金額
- 130㎡×22,800円=296万4,000円
平らな土地と傾きがある土地の造成費には、かなりの差額があります。
しかし、こちらの計算で出す費用はあくまでも目安になる金額なので、実際にかかる費用は業者や専門家に依頼して見積もりを出して貰うのが良いです。
造成した後にかかる金額
造成の相場が大体分かりましたが、次に造成後にかかってくる費用は何があるのか紹介していきます。
残土の処理費
造成は土地の傾いている部分を、削り取って平らにしていきます。
削った時に土が崩れ落ちますが、その土は不要になるので捨てるためには処理費が発生するというもの。
不要な土を捨てる費用は、土の質で代金が異なり、それぞれ地域で廃棄場所が決まっています。
そこまで悪くない質の土だと、1㎡6,000円前後の廃棄費用がかかり、土が汚染されてしまっていると浄化してから処理しないといけないので、1㎡5万円前後かかることもあります。
造成後の地盤を調べる費用
造成工事が終わった後に、そこの土地が弱くなっていないか確かめるため、調査が必要です。
調査方法によっても金額が変わるので事前に把握しておきましょう。
調査方法 | 費用の目安 |
スウェーデン式サウンディング試験 | 5万円 |
ボーリング調査 | 30万円 |
平坂載荷試験 | 5万円 |
ポータブルコーン貫入試験 | 5万円 |
レイリー波探査法 | 8万円 |
色々な方法がありますが、よく行われているのは、スウェーデン式の調査でSWS試験とも言われています。調査には約1日かかります。
コンクリートなどで固める代金
造成後の土地をコンクリートなどで固めて補強する代金は、面積で違ってきます。
コンクリートの他にもアスファルトにして固める方法もありますが、コンクリートの方が補強に優れていています。
- アスファルト:1㎡の相場は5,000円。
- コンクリート:1㎡の相場は1万円。
土地の使い道別の相場
土地の使い道によって造成費は変わってきます。
大体の相場になりますが、比較してみましょう。
使い道 | 費用 | 方法 |
農地から駐車場へ | 100万円弱 | 伐採して、コンクリートで固める |
田んぼから宅地へ | 150万円弱 | 土盛して斜面をコンクリートの壁で土止する |
更地から居住用宅地へ | 500万円弱 | 下水道の配管を通し、土地を固める |
広い土地を駐車場へ | 1,000万円弱 | 地盤改良をして土地を固める |
造成の費用を安く済ませるポイント
どのくらい代金がかかるのか分かってきましたが、安価にできるのなら方法を知っておきたいです!
次に、造成費を節約するポイントを紹介していきます。
土地の広さに合わせて業者に依頼する
造成の相場は、それぞれ地域の国税局で決められていますが、専門業者でも金額は違ってきます。
不動産会社から業者を紹介して貰うとスムーズに進みますが、そこには紹介料がかかってくるので、自分で業者を探した方が安く済むというもの。
紹介料の相場は造成費の約10%なので、工事代が300万円なら30万円の節約になるということです。
土地の広さによって依頼する業者を分けて、何社かに見積もりを出して貰うと比較できておすすめです。
家を建てるための広さ
そこまで広くない土地だと、解体業者に依頼すると良いです。
重機も小さいもので済むことや、庭の工事も一緒にお願いできるので一石二鳥になります。
100坪以上の広さの造成
広大な土地を造成するには、大きい重機を使わないといけないので、解体業者は取り扱っていません。そのため、土木業者に依頼して、地盤調査なども行って貰います。
不要な物がある場合は自分で処理する
造成前に不要な物が土地に置いてあるなら、自分で処分しておいた方が良いです。
一般的なゴミは自分達で、粗大ゴミなどで処分できる量がほとんどです。
これを業者に頼んでしまうと、人件費がかかってくるので、自分で捨てられる物は全て処理します。
また、造成中に出る不要物も、自分で廃棄物処分場に持ち込んだり、リサイクルショップに持っていったりする方が節約に繋がります。
ただし、造成した時に出るゴミを処理するには注意して欲しい点があります。
不正な処分の仕方だと産業廃棄物の法律によってペナルティを課せられることがあるのです。
正しい処理をしているか管理票に記す必要があるので、産業廃棄物であれば適切な処分の仕方をするようにしてください。
節約するつもりが、ペナルティ代がかかってしまうと本末転倒と言えます。
造成工事が終わったら早めに家を建てる
造成してから家を建てる予定なら、造成と建築のタイミングをきちんと把握しておくと費用を安く済ますことができます。
理由は、固定資産税の税金が変わってくるからです。
税額は1月1日〜次の年の1月1日の間に決定します。
例えば、2月に家を取り壊して、次の年の2月に家を建てたとすると、取り壊した年は土地だけの固定資産税がかかることになり、住宅用地の控除が利用できなくなります。
よって、造成したらなるべく早く建築して、年内に全て終わらせるようにしましょう。
家を建築するなら土盛を避ける
造成の時に、傾きがある土地なら高さを出したり、削ったりするため費用が高くなりがちです。
家を建てる場合は、なるべく土盛を避けると節約になります。
具体的には、家を建てる際に基礎を高い場所にして貰うことで、土盛をしなくて済みます。
設計の時点で造成費を節約できるように考えることは大切です。
業者と納得いくまで話し合う
造成の費用は工事の内容や、土地の質で大きく異なるものです。
全てを専門業者に託してしまうと、整地になった時、想像と違った仕上がりになっていることが少なくありません。
業者に造成を頼む時点で、自分の希望通りになるか納得いくまで話し合うことが大事です。
また、工事の内容と造成費については、工事が始まる前にきちんと説明を聞いておきましょう。
複数の業者を比較することで知識も付き、適正な価格なのか判断もできるようになります。
造成費用をなるべく安くする場合のポイント
安くするポイントを紹介してきましたが、次に造成費を安くする時に気をつておきたい点を解説します。
きちんと作業してくれる土地造成業者の選び方
造成する土地の近くの工務店や大手の支店など、色々な会社の中から選択することがおすすめです。
他にも、昔から知っている人からの紹介や、付き合いのある社長さんの会社など、あらゆる会社の中からじっくり考えて決めます。
工事の費用は、土地の質や傾き加減によって高額になってきますが、最も重要な点は信頼できる業者に工事を任せることです。
地盤が弱い土地で、固める作業が必要な場合は、造成の内容で後々大きな問題を避けられたり、反対に問題になったりするケースがあります。
そのため、自分にとって信頼できる業者をじっくり選んで決めて欲しいです。
費用を安くするのも重要ですが、将来のことを考えると業者選びはもっと気をつけて選ぶようにしてください。
固定資産税の関係で土地造成をスタートする時期
費用を節約するポイントでも紹介しましたが、造成した後は直ぐに建物を建築した方が良いです。
固定資産税が関わってくるためでしたが、家が建っている状態より、更地にした方が税金は高くなるのです。
更地にしておかないで、早めに家を建てた方が特例も使えます。
特例がある場合とない場合の計算式はこちらです。
固定資産税の算出 | |
住宅が建っている土地(特例) | 小規模住宅用地(200㎡までの部分)【評価額×1/6×1.4%】一般住宅用地(200㎡を超える部分)【評価額×1/3×1.4%】 |
更地(特例なし) | 【評価額×1.4%】 |
土地の場所が市街化区域内の場合は、都市計画税も一緒にかかります。
ただし、課税標準額が「家屋20万円、土地30万円」以上ではないと、税金はかかりません。(※課税標準額とは、税金を出すための基準となる価額のこと)
都市計画税の算出 | |
住宅が建っている土地(特例) | 小規模住宅用地(200㎡までの部分)【評価額×1/3×0.3%】一般住宅用地(200㎡を超える部分)【評価額×2/3×0.3%】 |
更地(特例なし) | 【評価額×0.3%】 |
特例を受けられる住宅とは、集合住宅のアパートやマンションなども入ります。
宅地として利用するなら、税金を減らすことができる特例です。
1月1日に固定資産税は決定するので、造成を始めてから年末までに建物を建築していれば、税金を抑えることが可能です。
また、造成をする季節も地域によって注意しておきます。
例えば、雪が多い地方や、台風が発生しやすい地方などは、その時期を避けて工事をした方が良いでしょう。
災害があると工事はストップになるので、その分の費用もかかってきます。
造成業者に予算を提示しておく
造成の工事が終わった後、自分の家を建てる予定なら、いつ建築するか決めた内容も予算と一緒に業者に提示しておくと良いです。
計画通りにさせるためには、業者も把握しておく必要があるので、造成を期日や建物に合わせて行っていくことになります。
例えば、造成した後アパート建てるのか、又は資材置き場として使用するのかで、工事内容や費用も違ってくるというもの。
また、工事の依頼が多くなる時期や、大きな行事があって作業が増える時期は、費用が割高になることが多いです。
造成した土地は何に活用するか、いつまでに建物を完成させたいか、という内容は最初の段階で話しておくことでスムーズにいくものです。
見積もりが安いだけで選ばない
費用を節約することは大事ですが、金額だけで業者を選んでしまうと、そこには大きなリスクが潜んでいる場合があります。
あまりないケースですが、費用が安い業者だと工事の質を落として作業している所があります。
安いからといって工事に手を抜いてしまうと、後々地盤沈下して家が斜めに傾いて、亀裂が入ってしまうこともあるでしょう。
依頼している以上は、満足のいく工事をして貰いたいので、業者との関係は重要になります。
土地造成を行う際は事前に近所の人へ伝えておく
工事によっては、大型な重機が必要になることもあるため、土や砂が舞ってしまったり、かなり大きな騒音になったりと近所の人に不快な思いをさせてしまう可能性があります。
造成工事で発生する埃は、人体に悪い影響を与えるので、業者にはきちんと対応措置をとって貰うようにしてください。
造成する前には、最低でも隣や向かえの家に近所周りをして、工事のことを伝えておきましょう。
どちらでも良いですが、挨拶周りに行った時、粗品も渡してあげると嫌な気持ちになる人はいないので、トラブル防止に繋がると言えます。
土地造成費用で住宅ローンは使える!?
自分でも造成の大体の費用を計算できるのが分かりましたが、高額になることが多いです。
そうなるとローンを利用したいと考えると思いますが、住宅ローンは基本的に家が対象となっているので使えません。
しかし、家を建てるための造成なら、工事費用の分もローンを利用できる場合があります。
どのようにしたら良いか解説していきます。
住宅ローンを利用する場合
銀行の融資の基準によって違いますが、家を建てるための造成なら、工事費用を入れた金額でローンを組めます。
造成をしなくてはいけない土地に家を建てる人もよくいるので、銀行によって審査は変わってきますが、工事費用を入れた金額で融資をするのは積極的に考えてくれるでしょう。
とはいえ、造成費を入れたローンを組むには、銀行に造成をしなくてはいけない理由を説明して納得して貰わないといけません。
銀行によって判断が違ってくるので、もし審査に落ちてしまっても、他の銀行で再度申し込んでみてください。
他の銀行では審査に通ったという例はよくあるので、諦めないで複数の銀行に申し込むことをおすすめします。
注意しておきたい点は、後から工事費用がプラスされても、ローンに回すことができないので、追加費用がある時は「つなぎ融資」を利用すると良いです。
つなぎ融資を利用する場合
銀行で造成費を入れたローンを組めなかった時や、工事の追加費用があった時は、つなぎ融資を利用します。
この融資は、住宅ローンを受ける前に、銀行が必要な資金を立て替えてくれるローンのことを言います。
住宅ローンは、家を担保に融資を実行するので、家がないと担保にする対象がないため、ローンを組めないのです。
とはいえ、家をこれから建築する場合は、造成費や建築費など大きい資金を払わなくてはいけません。
大体の人は、自己資金だと難しくなるので、その時に利用するのが「つなぎ融資」です。
銀行から資金を立て替えて払って貰い、家が完成したら住宅ローンとして清算する流れになります。
平らではない土地でも見あった使い道がある
傾斜のある土地は、平らにするために造成費が高くなることが多いです。
傾斜が激しい現在の土地の状況から、家を建てられるレベルになるまでの変貌が大きくなるほど費用も比例して高額になっていきます。
造成費が高額になってしまうなら、そのまま土地を売る方が工事費用はかからないので損をしないで済むと考える方は少なくないでしょう。
とはいえ、どんな土地でも改善していくことで、将来プラスに変わる土地になるケースがあります。
所有している土地が山にあり傾斜が激しく、造成を諦めようと思うような土地だったとしても、専門家に診てもらってから判断しても良いでしょう。
例えばこちらです。
- 眺望の良いマンションを建てられる
- 広いバルコニーを設置して快適な空間を作れる
- 日当たりや風通しの良い物件
- 太陽光発電を設置できる
傾斜の土地にしかない利点を活かして、土地を活用することは利益に繋がります。
造成費は高くなるデメリットはありますが、その分回収ができるなら問題ないと言えます。
必ず専門家に土地の状態を診断して貰ってから検討するようにしてください。
やっぱり活用が困難だと判断したら、土地を売ることも視野に入れおくと良いでしょう。
まとめ
土地の造成とは、土地活用しやすいように平らに整える工事のことを言います。
造成の費用は業者が確定しているのではなく、国税局が金額を決定しています。
それぞれ管轄している国税局で金額は違うので、自分の土地のエリアで金額を調べてください。
金額は決められているので、土地の面積が分かれば造成工事の相場が分かるようになります。
ただし、あくまでも目安の金額になるので、詳しい造成費は業者に見積もりを出して貰うことが大事です。
見積もりは何社かに依頼して比較するようにしましょう。
また、造成をする際には行政に許可を貰わないと工事ができない区域もあるので、役所や専門家に問い合わせておきます。
なるべく造成費を節約できるように、自分でできる範囲は行うようにして、工事を行うタイミングにも気をつけてください。
信頼できる業者を見つけて希望通りの整地にしましょう。
参考にします!