築40年を超える中古マンションの売却を検討しているものの、「本当に売れるのか」「きっと売れないだろう」と不安を抱えているオーナーさんは少なくないようです。
どうすれば良いのか分からず、マンションが空き家の状態になったままになったり、賃貸で貸し出す事を検討する方もおられます。
確かに新築で購入した後、マンションは資産価値が下がり続けると言われているため、築40年のマンションは売れないのではないかと思われるのも理解できます。
しかし築40年超の中古マンションでも、きちんとポイントを押さえておけば売却を成功させることは可能なので諦めないようにしましょう。
これから築40年超中古マンションの売却を成功させる方法や注意点を紹介するので、参考にしてください。
目次
築40年超中古マンションは売却出来ないのか?
マンション売却について検討していると、築浅(ちくあさ)マンションと築古(ちくふる)マンションという言葉を目にするかもしれません。
築古マンションは、一般的に売却が難しいと紹介されている事が多いですが、築40年超の中古マンションは築古マンションに含まれるのでしょうか?
築40年超の築古マンションとは?
まず確認しておきたい点ですが、築古の中古マンションについての定義はありません。
不動産業界で通例として築浅、築古マンションという言葉が使われているにすぎません。
とはいえ、不動産業界では一般的に築20年を超えた中古マンションのことを築古中古マンションと呼んでいます。
ですから築20年超、築30年超、築40年超の中古マンションはすべて築古マンションと言えるでしょう。
ではなぜ築20年以上の中古マンションは築古と呼ばれるのでしょうか?
マンションは新築で購入され、住み始めるとすぐに10%の資産価値の下落が始まります。
資産価値の下落は築10年を超えるとスピードが速くなり、10年超の中古マンションでは約30%の下落となります。
もちろん資産価値の下落は、マンションの立地や構造によっても変化するため、必ず資産価値の下落が30%になるという事ではありません。
とはいえ、中古マンションは基本的に価値が下がっていくものと考えて、間違いはありません。
あくまで参考ですが、首都圏の中古マンションの資産価値の下落率は次のように報告されています。
築年数 | 東京地区マンション資産価値下落率 | 大阪地区マンション資産価値下落率 |
---|---|---|
新築 | 100% | 100% |
築10年 | 80% | 70% |
築20年 | 60% | 45% |
築30年 | 60% | 40% |
築40年 | 55% | 35% |
上記の表を見てみると、東京付近のマンションの下落率は、大阪のマンションよりも小さいことが分かります。
つまり地域によってマンションの価格変動は異なるという事です。
とはいえ、地域差はあるものの資産価値は共に右肩下がりになっていることもよく分かります。
ではマンションの資産価値は、同じペースで下がり続けるのでしょうか?
築年数によるマンションの資産価値の変化にも注目してみましょう。
築10年超となったマンションの資産価値は、約20%~30%の下落が見られ、築20年超は40%、築30年超からは下落率は横ばいになっていきます。
資産価値の面から中古マンションを見てみると、築20年超と築40年超の中古マンションでは資産価値は新築時と比較して10%ほどの変化しかないという事になります。
確かに資産価値は下がるものの、築古マンションとなる築20年を超えてからの資産価値低下率は緩やかになるんですよね
ですから築40年超の中古マンションには価値がないと決めつけないようにしましょう
築40年超のマンションであっても資産価値は十分残っている事が分かりました。
しかし築40年の中古マンションを売却する方の中には、マンションの耐用年数が47年であるという説明を聞いて心配される方もおられるようです。
もしマンションの寿命が47年という意味であれば、確かに売却は難しいと言わざるを得ません。
ではマンションの耐用年数という言葉の意味を正確に理解していきましょう。
築40年超中古マンションの耐用年数とは?
資産価値という面から築40年超のマンションの価値について見てきましたが、ここからは築40年超の中古マンションの耐用年数の観点から売却可能かを分析していきます。
最初に確認する必要があるのは、耐用年数の意味です。
耐用年数という言葉をあまり聞いたことのない方にとっては、マンションの耐用年数=マンションの寿命と思われるかもしれません。
つまり耐用年数を超えたら、マンションとしての安全性を維持する事ができないため、建て替えるか取り壊さなければならないと感じる方がいるわけです。
しかし一般的に耐用年数という言葉は、法定耐用年数の事を指して使われており、税金の支払いに使用するための基準となる数字を意味します。
つまりマンションの寿命の事ではありません。
法定耐用年数とは、減価償却費用の計算に必要となる指標であり、法定耐用年数を超えた時点でマンションの資産価値が税務上ゼロになったと判断され、減価償却が終わります。
もし法律によって法定耐用年数が決まっていないとどうなるのでしょうか?
建物や設備の使用可能期間を企業や個人が自由に決められるようになり、マンション購入に関する経費の計上金額を企業の経営状態に合わせて変更できてしまいます。
このような状況を避けるため、国によって建物や車、設備、物などの耐用年数が決められているわけです。
建物の法定耐用年数は、以下のように構造や材料ごとに法律によって定められています。
建物の構造(住宅) | |
---|---|
鉄骨鉄筋又は鉄筋コンクリート造 | 47年 |
れんが、石、ブロック | 38年 |
金属造(骨格材の肉薄四ミリ超) | 34年 |
金属造(骨格材の肉薄三超~四ミリ以下) | 27年 |
金属造(骨格材の肉薄三ミリ以下) | 19年 |
木造・合成樹脂造のもの | 22年 |
上記の表の中で、マンションは鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造になるため、法定耐用年数は47年になります。
繰り返しになりますが、マンションの税務上の耐用年数が47年という意味であり、実際の寿命ではありません。
稀にマンションの寿命を表す時にも、耐用年数という言葉を使う方もいるので注意が必要になります。
マンションの寿命については、国土交通省が2013年に鉄筋コンクリートの耐久実態を調査した結果、耐久実態は50年以上になると結論を出しています。
さらにマンションの消耗度から出した物理的寿命は117年とも計算しており、外装塗装の状態によっては実際の耐用年数は150年にもなると計算しています。
ですから築40年超の中古マンションであったとしても、通常であれば人が住めなくなるほど老朽化することはなく、建物としての価値がなくなるわけではありません。
築年数だけで中古マンションの価値が決まるわけではない
確かに築年数が増えることで中古マンションの資産価値が下がっていくのは事実です。
しかし必ず資産価値が下がるというわけではありません。
いくつかの実例をご紹介していきます。
2002年6月に建設された赤坂にあるマンションの価格推移を確認してみましょう。
年月 | 1m2単価 |
---|---|
2014年10月 | 99.5万 |
2015年10月 | 126.7万 |
2016年10月 | 137.8万 |
2017年10月 | 134.4万 |
2018年10月 | 131.1万 |
2019年10月 | 134.5万 |
2020年10月 | 133.8万 |
立地条件が良いとは言え、築年数12年の時期からマンションの価格は上昇し、築14年目にはm2単価は約35万円も上昇しています。
通常の中古マンションの下落率通りであれば、価格推移は下がり続けるものですが、マンションの条件などによっては築年数が増えても価値が上がるマンションもあるわけです。
他にも港区にある築年月2002年のマンションの価格推移も、上記の赤坂のマンションと同じようになっています。
年月 | 1m2単価 |
---|---|
2014年10月 | 55.7万 |
2015年10月 | 55.7万 |
2016年10月 | 59.7万 |
2017年10月 | 66.5万 |
2018年10月 | 68.3万 |
2019年10月 | 78.4万 |
2020年10月 | 80.8万 |
上記の港区の中古マンションの価格は、築12年の時点m2単価55.7万円から、築18年時点で80.8万円まで上昇しています。
もちろん上記の2つのケースは立地や条件が良いマンションであり、すべての中古マンションでこのような価格推移が起きるわけではありません。
しかし築年数だけで売却金額が変わるわけではないことが分かるはずです。
ですから築40年超の中古マンションであっても、「きっと売れない」と諦める必要はありません。
築40年超のマンションでも売れる可能性があることが、よく分かりました。
重要なのは、「売れない」と諦めてしまわないことと築古マンションを売却する正しい方法を意識することです
では、築40年超中古マンションの売却を成功させるには、どのような方法があるのでしょうか?
築40年超中古マンション売却を成功させる方法とは?
築40年超えの中古マンションでも売却する事は可能であるものの、築年数の浅いマンションよりはハードルが高いのも事実です。
築古マンションの売却を成功させるための6つの方法について見ていきましょう。
- 空き家が目立つ前に売却する
- メリット・デメリットをはっきり理解しておく
- ハウスクリーニングで清潔さをアピール
- 管理費や修繕積立金の明確にする
- 住宅診断を行っておく
- ターゲットを明確にする
売買契約を成約するための方法について1つずつ見ていきましょう。
空き家が目立つ前にマンションを売却する
築年数が増えてくると、空き部屋が占める割合が増えてくるかもしれません。
築40年超の中古マンション売却を成功させるためには、空き部屋が増える前に売却の準備を始めることが重要です。
空き部屋が増えてくると、マンションの売却自体が難しくなる可能性が高くなります。
空き部屋が増えると、なぜマンションの売却が難しくなるのでしょうか?
マンションには管理費に加えて、将来必要となるマンション全体の改装費や修繕費を事前に積み立てる修繕積立金というものがあります。
修繕積立金は、各部屋のオーナーや賃貸契約を結んでいる借主が毎月支払う事になっています。
それぞれが毎月修繕費を積み立てることで、以下のようなマンションの関係する修繕を行うことができます。
- 屋根や屋上の改修
- 外壁の改修
- 給排水の交換工事
- 集合ポストの交換や修理
- 共用スペースの工事
- 手すりなどの設備のペンキ塗装
もし修繕積立金がきちんと支払われていないなら、将来必要となる上記のような修繕や改修を行えなくなり、マンションの耐久性や美観にも影響を与える事になるでしょう。
近年、問題になっているのが、積立金や修繕積立金の滞納です。
国土交通省の2014年の報告によると、37%のマンション管理組合が管理費と修繕積立金を3か月以上滞納する住戸がいると回答しています。
修繕積立金を一度滞納してしまうと、そのまま連続して滞納するケースも少なくないため、管理組合が十分な修繕費を集められなくなります。
特に空き部屋の多いマンションでは、修繕積立金が滞納するケースが増えています。
借主が見つからないオーナー所有の部屋、売却予定の部屋、相続した部屋などは管理費や修繕積立金が滞納する傾向が見られます。
マンションを購入する買主が、管理組合の修繕積立金が不足している事を知ると、将来の修繕や改修に不安を感じてしまう可能性も出てきます。
ですから築40年超の中古マンションを売却するなら、空き部屋が増えてくる前に売却に向かって行動する事が大切です。
築40年超の中古マンションなりのメリット・デメリットを理解しておく
築40年超の中古マンションのメリットを買主にきちんと伝える事も、売却を成功させる大切な方法です。
確かに、40年を超えた築年数はマンション売却の時のデメリットになります。
しかし築40年超の中古マンションには、大きなメリットもあります。
40年前に建てられたマンションの多くは、築浅マンションよりも立地が良いと言えます。
今よりもマンションが少なかった時代であるため、立地条件の良い場所を選んで建設しており、駅や学校施設からも近く、買い物にも便利な場所にある事が多いです。
建物は古かったとしても立地が良いことは、買主に対して十分アピールできる強みである事を忘れないようにしましょう。
築40年超の中古マンションを売却するというよりも、駅近優良物件を売却するという気持ちで買主と交渉する事も売却を成功させる重要な要素になるでしょう。
その他にも実際に住んでいたからこそ知っているマンションの魅力的な情報を購入希望者に伝えることも重要です。
- 近所のスーパーの特売情報
- 近くのおいしい料理屋
- 学校までの通学路
- 部屋の上下左右の住人の情報
- 公園までのルート
- 安全性
- 交番の情報
こうした情報を伝えるなら、築40年超マンションの魅力は大幅に増すはずです。
ハウスクリーニングでマンション内の清潔さをアピール
販売されている中古マンションの中で、最も売れているのはどれくらいの築年数のマンションなのでしょうか?
築年数 | 2017年売却成約割合 | 2007年売却成約割合 |
---|---|---|
築0~5年 | 10% | 16.70% |
築6~10年 | 16.30% | 19.50% |
築11~15年 | 17.50% | 14.30% |
築16~20年 | 13.40% | 12.10% |
築21~25年 | 9.30% | 12.60% |
築26~30年 | 8.40% | 11.30% |
築31~ | 25.00% | 13.60% |
上記の表からも分かるように、2017年に売買が成約したマンションの築年数で最も割合が高いのが築30年超のマンションです。
2007年は、どの築年数も同じような水準だったのに対し、2017年はでは築30年超のマンションの人気が明らかに高くなっています。
この傾向は年々強くなっているので、築40年の中古マンションだから売れないという事はありません。
ではどのような築古マンションが成約に至っているのでしょうか?
大きな要素になっているのは、古くても清潔感のあるマンションです。
たとえマンションの構造や間取りが古かったとしても、部屋や水回りが清潔に保たれているなら、築40年超のマンションであっても買主が魅力的に感じるという事です。
ですから売却予定のマンションは、購入希望者に見せる前にハウスクリーニングでキレイに掃除してもらうようにしましょう。
自分で掃除をするのも良い方法ですが、やはり掃除のプロの仕事と比較すると結果に大きな違いがあります。
すでに古いマンションだから、多少汚くても構わないと感じるオーナーの方もいますが、清潔感があるかは売却に大きく影響します。
プロの清掃業者に水回りを重点的に掃除してもらい、少しでも印象を良くする事も売却を成功させるための秘訣です。
マンション管理費や修繕積立金の明確にする
築40年超の中古マンションでも売りやすい物件とは、よく管理されていたマンションです。
先ほどは、清掃業者によってハウスクリーニングを行なう事で、よく管理された部屋であることをアピールしました。
次の売却を成功させるための方法は、マンション全体がよく管理されている事をアピールする事です。
築40年を超えていたとしても、マンションがよく管理されていることは、以下の方法によってアピールできます。
- これまでの修繕履歴の開示
- 今後の修繕計画の開示
- 管理費・修繕積立金の滞納の有無
築年数が古かったとしても、管理組合によって適切に管理されているマンションであれば、大きなマイナスポイントにはなりません。
上記の3点の情報は不動産仲介業者を通じて管理会社に開示請求することによって入手する事が可能です。
マンション売却時に購入希望者に上記の情報を提示することで、マンションの過去のメンテナンス、現状、未来の修繕予定を購入希望者にイメージしてもらうことができます。
現在の修繕積立金と将来の修繕計画費用に大きな差が生じているなら、管理会社(管理組合)の管理能力が低いことになり、買主に将来への不安を抱かせることになるでしょう。
逆に将来の修繕予定に見合うだけの修繕積立金があるのであれば、今後も定期メンテナンスが適切に行われる保証となり、築年数の古さから生じる不安を払拭できるはずです。
今のマンションの状態だけでなく、過去と未来のマンションの管理状況を伝えることも築40年超中古マンションの売却を成功させる方法です。
住宅診断(ホームインスペクション)を行う
築40年超のマンションが売りにくいとされている理由の1つは、耐震基準の違いです。
1981年6月以前のマンションは旧耐震基準に従って建設されており、1981年6月以降に建設が始まったマンションは新耐震基準によって建設されています。
建設期間があるため、築年月で言えば1983年のマンションから新耐震基準に従って建設されたと言えるでしょう。
築40年超中古マンションということは、旧耐震基準である可能性が高いため、地震の多い日本では敬遠されてしまう可能性も否定できません。
では築40年超マンションのすべてが耐震性に問題があるという事なのでしょうか?
そうではなく、マンションの中には管理組合によって耐震工事が行われている物件も多くあります。
もし自主的に住宅診断(ホームインスペクション)を行っておくなら、耐震性について専門的な情報を買主に提示する事ができます。
仮に旧耐震基準のマンションであり、さらに耐震工事が行われていないなら、管理組合に耐震工事をするように要請することも可能です。
耐震基準が曖昧な状態のままでは、購入希望者に不安を抱かせることになるため、住宅診断は必ず受けておきましょう。
仮に住宅診断によってマンションに瑕疵が見つかってしまったら、より売却が難しくなってしまうのではと心配されるオーナーさんもいらっしゃいます。
しかしマンションの売主には瑕疵担保責任があるため、売却後に瑕疵が見つかった場合、売主は責任を負わなければなりません。
しかし事前に住宅診断を行ない、瑕疵を明らかにして買主の了承を得ているなら、売主は瑕疵担保責任を免除される事になります。
さらに住宅の欠陥について専門家(住宅診断士)によって明確にされていることで、「何か欠陥があるのでは?」「購入後にトラブルになるかも」といった買主の不安を取り除く事もできます。
ですから住宅診断を受けておくなら、築40年超の中古マンションでも売りやすい状況になり、売却の成功率を高くする事が可能です。
中古マンション売却のターゲットを明確にする
マンションの買主によっては、築年数の古さが問題にならないケースもあります。
- 自分でリノベーションができる方
- 最重要視項目が価格の安さという方
- 外国人
上記のような方であれば、築40年超のマンションであっても大きな障害になる事がないため、成約に至る可能性も高くなるでしょう。
特に海外では中古物件を購入するのが当たり前という文化であるため、外国人の方は築年数が古いマンションにも抵抗がありません。
上記で紹介したような方を対象にして、マンションの売却を進めるなら良い買い手が見つかる可能性も高まるでしょう。
不動産仲介業と相談をして、英文によるマンション紹介文を準備しておくことも、築40年超の中古マンション売却を成功させる良い方法です。
築40年超というだけで売れにくいだろうと思っていましたが、売却方法をよく考えることでチャンスを広げることができるんですね
ただマンションを紹介するだけではなく、売却しやすい方法を活用することが大切なんです。
築古マンションを売る時には、さらに注意しなければならないこともあるので引き続き見てみましょうね
築40年超中古マンションを売却する時の注意点
築40年超マンションを売る場合、売却を成功させる方法に加えて、5つの注意点があります。
少なくとも以下の点に注意してください。
- リフォームの必要性
- 売れない時は賃貸に出すべきか
- 焦りは禁物
- 不動産買取再販業者への売却は慎重に
- 築40年超の中古マンションを少しでも高く売れる不動産会社を選ぶ
上記の注意点を1つずつ確認していきましょう。
マンションリフォームやリノベーションは必要なの?
築40年以上のマンションを売却する場合、「リフォームしないと売れないのでは?」と思われるオーナーさんも少なくありません。
確かに築40年のマンションの内装や床、設備をリフォームするなら、見た目を非常に良くする事ができ、良いアピール材料になるでしょう。
しかし考えなければならないのは、どのような人が築40年以上経過したマンションの購入を検討しているのかという点です。
大きく分けると築40年超マンションの購入を検討しているのは、以下のような方です。
- 購入予算が限られている方
- 安く購入して自分でリフォームしたい方
- 安く購入してリフォーム後に売却する業者
つまり少しでも安くマンションを購入したいと思っている方が、築40年超の中古マンションを探しているという事です。
仮に売却予定金額400万円のマンションを600万円かけてリフォームしたとします。
マンションの部屋は相当キレイになっているはずですが、1,000万円で売却できるでしょうか?
築40年超の中古マンションを探している方にとって、1,000万円の物件は予算オーバーになる可能性が高くなるはずです。
1,000万円を出すのであれば、もっと新しいマンションの購入も可能になってくるでしょう。
ですから築40年超の中古マンションを売却する時は、基本的にリフォームをする必要はありません。
リフォームした費用だけ、高く売却できるという保証はないので、現状のまま安く販売できるようにした方が良いでしょう。
築古マンションを賃貸に出すのは控える
築40年超のマンションは、売却に時間がかかる事もあり、オーナーの方の中には「賃貸で貸し出しながら売却を進めても良いのでは?」と思われる方もいます。
確かに買い手が見つかるまでの間、家賃収入が入ることになるため、賃貸物件として貸すことも良い方法と思われるかもしれません。
しかし売却予定の築古マンションを賃貸で貸し出すのは避ける方が良いでしょう。
普通借家契約によって賃貸契約を結んでしまうと、マンションの買い手が決まった時に立ち退き交渉を行う必要が生じることになります。
一般的に立ち退きを求める場合、立ち退き料を用意する必要があり、状況によっては数十万以上の出費になる可能性もあります。
定期借家契約であったとしても、マンションの売却のタイミングと賃貸契約終了のタイミングが合う可能性は低いため、良い買い手を逃すことにもなりかねません。
家賃収入を得るために、せっかく見つかったマンションの買い手を失ってしまっては本末転倒です。
築40年超のマンションを購入希望の買い手はなかなか見つからないものなので、タイミングを逃さないように、賃貸契約による貸し出しは避けるよう注意してください。
築40年超の中古マンション売却は時間がかかることを忘れない
一般的にマンションを売却するには、6か月ほどの時間がかかるものです。
売却予定の不動産が築40年超の中古マンションであれば、さらに時間が必要になることもあります。
できるだけ早く売却を終わらせたいという気持ちは理解できますが、焦らないようにしましょう。
マンションを売る時間が足りないと、購入希望の方との値段交渉に応じる事になり、想定よりも安い金額での売却になる可能性も出てきてしまいます。
ですから長期戦になる覚悟で、築40年超のマンションを売却するようにしましょう。
マンション買取再販業者への売却は慎重に
築年数の古いマンションを購入する買い手の中には、リノベーションをして再販する専門業者もいます。
どうしても買い手が見つからない時は、不動産買取再販業者へ売却することも検討できます。
しかし一般的にマンション再販業者に売る場合は、通常よりも価格が安くなってしまう傾向があります。
少しでも高く売却を希望されるのであれば、不動産買取再販事業を行う業者への売却は慎重に行いましょう。
逆に特別な事情のために、少しでも早く売却を行うことを希望している場合は、再販業者を候補に入れることで、売却成功率を上げることができます。
マンション売却で何を最優先にするのか、しっかりと決めておくことも重要になります。
築40年超の中古マンションを少しでも高く売却出来る不動産会社を選ぶ
同じ不動産会社でも、築古マンションの売却に強い不動産会社と築浅物件の販売に強い不動産会社もあります。
これまでに築古マンションの売却を多く行っている不動産会社を仲介会社として選ぶなら、築40年超の中古マンションでも良い買い手が見つかる確率は高くなります。
リノベーションを希望する買い手が集まる不動産会社を選ぶことも、築古マンションの売却を成功させる秘訣です。
「不動産会社ならどこでも同じだろう」という認識でいると、良い買い手が現れる可能性は限りなく低くなります。
さらに買い手が見つかったとしても、リノベーションについての交渉や提案のできない不動産会社では買い手を逃す結果になることもあります。
ですからマンション売却の仲介を行ってくれる不動産会社の選択は慎重に行いましょう。
古いマンションの売却実績の多い不動産会社を見つけるために、不動産一括査定サイトを利用するのも良い方法です。
注意点を守らないと、売れるはずだったマンションが売れなくなることもあるんですね
せっかく見つかったマンションの買い手を失ってしまわないように、しっかりと注意点を覚えておいてくださいね
今は「築40年超の中古マンションは売れない」という時代ではありません。
築30年を超えたマンションへの需要が高まっているため、築40年超マンションでも売却は十分可能です。
しかし売却を成功させるためには、売却のタイミングを逸しない事やマンションの管理を良い状態に保つ必要があります。
さらに住宅診断を行うことや管理費・修繕積立金の情報を開示する事で、買主の不安を払拭することも売却を成功させる重要な要素です。
今回紹介した売却を成功させる方法を意識しながら、売却を計画するなら良い購入希望者を逃すことはないでしょう。
「きっと売却できないだろう」と考えるのではなく、「きちんと準備してきたので、きっと良い買い手が見つかる」という強い気持ちを持つ事も重要です。
今後、築年数の多いマンションの需要はさらに大きくなる可能性があるので、希望を捨てることなく、良い不動産会社を選んで築40年超の中古マンションを売却していきましょう。