査定は売却を成功させるための大事なターニングポイントです。
適当に査定をすると、相場から大きくずれた売却価格を設定してしまいやすいです。
また不動産会社選びにも影響を及ぼすため、査定をする前に下調べをすることが大事になります。
そこで今回は査定に関する情報をお伝えしますが、査定と一言でいってもいくつか種類があります。
どの査定を依頼すべきかというのは、状況に応じて考えるべきです。
売却をどの程度本気で検討しているのか、査定に費やせる時間的猶予があるのかなどが、選ぶ際の基準となります。
簡易査定や匿名査定、訪問査定などそれぞれの査定種類に関する特徴を学びましょう。
目次
最も簡単にできる不動産査定が匿名査定
不動産を売却する時、最初におこなうステップが査定です。
そして不動産査定と一言でいっても、その種類には大きく3種類あります。
以下の表をご参照ください。
項目 | 特徴 | 個人情報の入力 | 査定結果が出るスピード |
---|---|---|---|
匿名査定 | おおよその所在地や築年数など、簡単なデータのみで査定をおこなう | 不要 | 速い |
簡易査定(机上査定) | 基本的なデータを用いて不動産会社が査定をおこなう | 必須 | 速い |
訪問査定 | データ情報にプラスして、不動産会社の査定員が現地に訪れて査定をおこなう | 必須 | 遅い |
このように3種類ある不動査定の中でも、最も簡単に利用できるのが匿名査定です。
スマホやパソコンから簡易的なデータを入力することで、おおよその売却査定結果を無料で表示してくれるサイトになります。
不動産匿名査定サイトの特徴は?
匿名査定サイトの特徴をもう少し深堀して見ていきましょう。
これまでの査定方法と異なり、個人情報や具体的な物件が特定されることなく利用できるサイトです。
住所も番地までの入力は不要で、詳細エリアだけの入力で査定結果を教えてくれます。
個人情報の入力もいらないため、本当に物件におけるおおよその特徴を入力するだけで査定可能です。
一戸建てに対応している匿名査定サイトもあればマンション中心のサイトもあるため、売却を希望している物件に合ったサイトを選びましょう。
具体的な物件を明かしていないのに、査定金額を出すことなんて出来るんですか?
周辺の売り出し事例などを参考にしているため、おおよその相場を表示してくれるイメージです
概算を知れるってことですね!
匿名査定サイトには、こんなサイトがある!
従来の不動産査定サイトでは、不動産会社が査定をおこなってくれるものが主流でした。
匿名査定の場合、不動産会社ではなく不動産ポータルサイトやIT企業が手掛けているサイトが多いです。
たとえば有名どころでは以下のサイトがあります。
- ハウマ
- イエシル
- ふじたろう
- ライフルホームズ
このような匿名査定サイトではAIによる査定を実施しているところもあり、おおよそのデータのみとはいえ案外信憑性の高い結果を出してくれます。
不動産会社に査定依頼をするわけではないため、そのまま訪問査定や仲介依頼に進めるサイトは多くありません。
あくまでも査定のみで完結するのも、匿名査定サイトにおける特徴でしょう。
不動産匿名査定サイトのメリットは?
匿名査定サイトのメリットは、何と言っても匿名で利用できるところです。
従来の不動産査定では物件の詳細はもちろんのこと、電話番号などの所有者自身に関する情報も伝える必要がありました。
重要な個人情報を、まだ売却するか決めかねている状態でお渡しするのは気が引けるものです。
昨今では個人情報を利用した悪質な犯罪も増えていますから、なるべく情報提供を控えたいと思うのはある意味当然の心理でしょう。
もちろんほとんどの会社が個人情報の取り扱いには気を付けていますが、不動産会社によっては営業電話をかけてくることもあります。
個人情報流出や営業電話の心配なく使えるツールであることが、匿名査定サイトの魅力です。
また匿名査定サイトなら簡単な情報の入力だけで済むため、時間がかかりません。
隙間時間にでも手軽に使いやすいのも、匿名査定サイトの良さでしょう。
不動産匿名査定サイトのデメリットは?
気軽に使いやすいというメリットがある一方、デメリットとしては正確性にやや欠ける点です。
匿名査定サイトは少ないデータだけを用いて査定するものになるため、概算値しか知ることができません。
物件個別の事情に関しては反映されず、一般的な価格しか分からないため、実際に売却可能な金額とズレが生じることもあります。
不動産には同じ物件というのは存在しません。
売却時の金額も一律で決められているわけではなく、需要と供給の関係で成り立っています。
それゆえに物件個別の事情は、売却値に大きく影響を及ぼします。
匿名査定の査定額は、この部分を無視した金額ですから精度としてはイマイチと言わざるを得ません。
よって参考にはなりますが、具体的な売却値を決める段階では使いにくいのがデメリットでしょう。
不動産匿名査定サイトの利用がおすすめなのはこんなケース
以上の説明を踏まえて匿名サイトの利用がおすすめなのはこんな人です。
- 本格的に売却を検討する前の段階で、おおよその相場を知りたい人
- 売却を全く検討していないけれど、興味本位で知りたいという人
- 自身の物件ではない他人が所有している物件の売却額を知りたい人
- 不動産会社の査定額が妥当なものか検討したい人
自分自身の連絡先を入力する必要がないため、自身の物件以外の価値を知りたい時にも使いやすいです。
たとえばこれから購入を検討している物件を将来的に手放すことになった場合、どれくらいの金額で売却できるのか知る目安として活用できたりもします。
また不動産会社に査定依頼をしたけれども、その査定額に不信感がある際には、相場調べのツールとしても利用しやすいでしょう。
簡易査定はデータのみで判定する不動産査定の方法
簡易査定は机上査定などとも呼ばれます。
物件に関する概要を不動産会社に提供し、それを基に査定価格を算出してもらう方法です。
パソコンやスマホから依頼することができ、結果もメールで届きます。
よって実際に不動産会社の人に会うことなく、やり取りを完結させることが可能です。
不動産会社に個別依頼してもよいのですが、近年では不動産一括査定サイトの利用が一般的でしょう。
一括査定サイトを利用すると、一度の申し込みで複数社に査定してもらえます。
よって入力にあたっての手間などが省けますし、査定結果を簡単に見比べられるため便利です。
また一括査定サイトを活用すると、単に簡易査定を受けられるだけではなく、さまざまなサポートを利用することもできます。
たとえば売却に関するコンテンツを無料で購読できたり、個別の不動産会社情報などを提供してくれているサイトもあります。
内容は一括査定サイトによりけりですから、どんなサイトを利用するかというのもポイントになってくるでしょう。
机上査定の不動産査定額の算出方法は?
机上査定では物件に関する基本的なデータを基に査定をおこないます。
実物となる不動産を見ることなく査定額を算出するため机上査定と呼ばれるのですが、不動産会社は主に以下の情報を参考にしています。
- 類似物件の成約価格
- 周辺物件の売り出し価格
- 公的な価格
- 景気動向
このようなデータと照らし合わせて査定額を導くため、実物を見なくてもある程度推測することが可能です。
それぞれの算出方法を具体的に紹介していきます。
類似物件の成約価格と比較
査定額を算出するうえで参考になるのが、類似物件の成約価格です。
実際に買主と売主間で合意に至った金額ですので、非常に信憑性の高い金額となります。
そのため不動産会社でも成約価格を参考にしますが、条件の近い事例を参考にするのがポイントです。
たとえば築年数や敷地面積が同程度の物件であったり、出来るだけ直近の売買であればさらに信憑性が高まります。
気を付けなければならないのは、成約事例の中には極端なケースも混ざってしまっている点です
どういうことでしょうか?
急ぎで売却するため、相当安値でも合意した場合などが該当します。他にも、特殊な事情がありどうしてもその物件が欲しかったため、相場より高かったけど無理して買ったケースなどです
市場価格とかけ離れた取引をおこなったということですね
売り出し中物件の価格を参考にする
現在売り出している中古物件の価格も、判断材料の一つです。
似たような物件がどの程度の値段を付けているかを知ることで、相場を把握することが可能です。
特にマンションの売買価格は、過去に同じマンション内で取引がおこなわれた場合には、その金額に引っ張られやすいです。
よって今もし同じマンション内で販売している物件があり売却まで至った際には、自分の物件もその価格で売れる可能性が高くなります。
ただし売り出し物件の価格は、あくまでも売主の希望価格にすぎません。
物件の中には相場から大きく離れた金額をつけている物件もあります。
市況を知るうえでの判断材料にはなりますが、偏った金額を付けている物件だけを基にすると正確性に欠けてしまいます。
そのため不動産会社は、数多くの販売価格を参考にして査定結果を出しています。
公的な価格を参考にする
市況動向だけでなく公的な価格も判断材料として用いています。
建物価格に関しては個別事情が強くあまり参考にはなりませんが、土地価格を調べる際には有効な方法です。
公的な土地価格として、たとえば以下があります。
地価公示は国土交通省が設定している土地の適正価格のため、相場に近い価格と捉えてよいでしょう。
固定資産税評価額は相場のおおよそ7割程度の価格、相続税路線価は8割程度の価格で設定されているのが特徴です。
いずれも税負担軽減のために、相場よりも少し抑えた価格となっています。
不動産簡易査定のメリットは?
匿名査定を利用し、AIなどに診断してもらった方が気楽な感じもしますが、簡易査定を利用するメリットもきちんとあります。
簡易査定は机上ではありますが、不動産会社とコンタクトを取れる査定方法です。
よってもし査定結果に納得し売却する場合、そのまま不動産会社に仲介依頼をしやすいです。
匿名査定ですと売却を決意しても、不動産会社と直接連絡を取れる訳ではないため、不動産会社探しからスタートしなければなりません。
売却はスピードが命ですから、より早く売却活動を開始できるという点は簡易査定に軍配が上がります。
また他にも簡易査定ならではのメリットがあります。
詳しく見ていきましょう。
不動産会社選びの材料になる
いくつかの不動産会社に簡易査定を依頼すると、会社の対応を比較することが可能です。
たとえば丁寧かつスピーディーに査定結果を送ってくれる会社もあれば、そうでない会社もあります。
メール一つ見ても、何となく会社の良し悪しが分かるのではないでしょうか。
また肝心の査定書も見るべきポイントがいっぱいあります。
どうしても査定額に目がいってしまいがちですが、確認しておくべきはなぜその金額になったかという根拠です。
この根拠がしっかりしている会社はきちんと調べ査定をおこなっていますし、逆に根拠があやふやな会社はしっかりと評価をおこなっていない可能性があるでしょう。
また流通性比率という項目もチェックが必要です。
こちらの項目は不動産の売れやすさを示すものですが、1.0%が基準となります。
ただし不動産会社独自の判断でマイナス15%からプラス10%まで調整することが可能です。
流通性比率も査定価格に影響を与えますので、不動産会社によってはこの項目を調整して、人為的に査定価格を変える場合もあります。
もちろんきちんとした理由があって流通性比率が1.0%以外になっているのであれば、問題ないです。
しかし根拠があやふやなまま流通性比率を変えられている場合、信頼のおける不動産会社とは言い難いでしょう。
このように査定書をチェックすれば、不動産会社の考えなどが読み取れるため、不動産会社選びをするうえで非常に参考になります。
不動産匿名査定サイトよりは結果に信憑性がある
簡易査定は現物確認こそしませんが、かなり詳しいデータを基に査定価格を算出してもらいます。
匿名査定ですと入力する項目は数個だけですが、簡易査定を行う際の情報量はもっと多いです。
よって簡易査定の方が匿名査定よりも正確性は高くなります。
匿名査定はあくまでも相場を示すものに近いため、物件個別の事情はほぼ反映されません。
簡易査定も現地を直接見たわけではないため、個別事情が全て反映されるというわけではないものの、不動産会社の経験則などからある程度調整をしたうえで査定価格を提示してくれます。
よってデータの信憑性に関しては、不動産会社による簡易査定の方が優れているでしょう。
また匿名査定の場合、売却予想金額の提示以外にあまり詳しいデータはもらえません。
一方簡易査定ではさまざまな項目が書かれた査定書を貰えるため、情報量に差があります。
より詳しいデータが欲しい場合には、簡易査定の方がおすすめでしょう。
不動産簡易査定のデメリットは?
簡易査定では不動産会社とコンタクトを取ることで、相性の良さを確かめることが可能です。
また匿名査定よりも信憑性のあるデータが得られるため、売却すべきか決定する大きな判断材料となります。
一方で簡易査定にはデメリットもあります。
入力項目も少なく簡単な匿名査定と比べると、やや手間がかかります。
またその他にもデメリットがあるため、紹介していきます。
不動産会社からの営業電話の心配あり
匿名査定とは異なり、簡易査定の場合には個人情報の入力項目があります。
ゆえに査定後も訪問査定のステップに進ませるために、しつこく営業電話をかけてくる会社も少なからず存在します。
また複数社に査定依頼をしている際は、全ての会社と対応しなければならないため手間がかかります。
しつこく営業電話をかけてくる会社は稀ですが、どの会社も1回くらいは契約を結ばないかコンタクトを取ってくるでしょう。
よってその気がない場合、いちいちお断りを入れなければならないのは、かなりの労力です。
対策としては、一括査定を依頼する際にメッセージ欄がある場合はそちらを活用しましょう。
連絡は電話ではなくメールにしてほしい旨を書いておくのがおすすめです。
よって一括査定サイトを比較する際には、このようなメッセージ欄が設けられているかという点も確かめておきたいポイントになります。
またもし営業電話が悪質な場合には、一括査定サイトに報告してしまうのも手段です。
悪質な業者に関しては、一括査定サイトの評判にも影響を及ぼすためきちんと指導が入ります。
それでも改善されないようなら業者を排除してくれるため、どうしても不快な場合には連絡をするとよいでしょう。
精度は不動産会社の訪問査定に劣る
簡易査定は匿名査定より信憑性が高いものの、訪問査定と比較すると精度は落ちます。
訪問査定では直接現地を見るため、データだけでは分からない情報も得られるからです。
個別事情を詳しく反映した価格となるため、より信頼度の高い査定結果なのは訪問査定になります。
できるだけ簡易査定でも精度を上げるために、入力項目はミスなく正確に埋めるようにしましょう。
また物件に関して気になる点がある際には、メッセージ欄などに情報を入力しておくのもおすすめです。
ただそれでもやはり現物を見ないと、正確性には欠けてしまいます。
よって本格的に売却を視野に入れているのであれば、訪問査定のステップに移りましょう。
不動産簡易査定がおすすめなのはこんなケース
簡易査定がおすすめなのは、まだ売却すべきか迷っている人です。
査定価格を基に売却を決めたい方にとっては、匿名査定より精度の高いデータが得られる分、よい判断材料となるでしょう。
また不動産会社選びに迷っている人にもおすすめです。
実際に現地まで査定員が来る訪問査定はハードルが高いですが、簡易査定なら気軽に複数社の対応を比較できます。
周囲の人に知られることなく売却話を進めていきたいという人も、まずは簡易査定をおこなうのがベストでしょう。
不動産売却を決めたら必須なのが訪問査定
売却を視野に入れたら、訪問査定のステップに進む必要があります。
訪問査定では簡易査定時のデータにプラスして、直接現地まで査定員が足を運び状態確認をおこないます。
物件の劣化状況や周辺環境など、直接見ないと分からない情報も加えたうえでの査定です。
よって簡易査定よりも正確性がアップするため、訪問査定による査定金額を知ることで、売却成功の可能性が高まるでしょう。
簡易査定と訪問査定の具体的な違いに関しては、下記の表を参考にして下さい。
項目 | 精度 | 申し込みから査定結果が出るまでの日数 | 書類の準備 | 不動産会社の見極め |
---|---|---|---|---|
簡易査定 | やや低い | 短い | 不要 | ややできる |
訪問査定 | 高い | 長い | 必要 | しっかりできる |
不動産会社の訪問査定で見られるポイントは?
訪問査定では、机上査定では分からないポイントを中心に見ていきます。
たとえば以下の箇所があげられます。
- 建物の劣化具合
- 立地条件
- 窓からの眺望
- 周辺環境
- 日照条件
- 建物の基礎状態
- シロアリ被害の有無など
- 周辺商業施設の充実具合
またマンションの場合ですと、部屋の階数や位置なども重要なポイントです。
たとえば同じマンションでも最上階や角部屋ですと付加価値がつくため、査定価格が高くなります。
他にも訪問査定の際には、いくつか質問も受けることになるので、事前にある程度回答を考えておくとよいでしょう。
よく聞かれる質問には以下があります。
- 売却する理由
- 住宅ローンの残債状況
- 住み替えを検討しているのかどうか
- 希望する売却額
- 退去する時期
特に嘘をついたりする必要はないため、ありのままを伝えれば大丈夫です。
ただしあまりにも焦っている感じが伝わると安値で売られてしまう可能性が出てくるため、余裕を持った態度で挑むのがポイントでしょう。
不動産会社の訪問査定メリットは?
訪問査定のメリットは、3種類ある査定方法の中でも一番精度の高い査定結果が得られることです。
事前準備など手間暇はかかるものの、実際に売れる可能性の高い売却額を知ることができます。
個別事情を反映したうえでの現実的な価格のため、査定価格をそのまま売却額にしてもよいでしょう。
また直接不動産会社の人と会う機会を設けられるため、アドバイスなども貰いやすいです。
売却に関して分からないことがあった際には質問できる貴重な機会となります。
直接対面で話をすることができるので、メールでのやり取りだけでは伝えにくいことも話せるでしょう。
訪問査定での対応を見ることで、不動産会社の良し悪しを決める判断材料となります
どんなところを見ればよいのですか?
誠実に質問に答えてくれているか、真摯に向き合ってくれているかなどですね。他にも提案力に優れていれば安心してお任せできるため、相性も含めて判断するとよいでしょう
不動産会社の訪問査定デメリットは?
訪問査定のデメリットは時間を取られるところです。
1回の訪問で1~2時間かかるため、それに合わせて時間を調整しておく必要があります。
また家まで訪問されるとなると、少なからず気を遣うものです。
事前に軽く掃除をしておくなど、準備をしておかなければいけません。
書類なども揃えておかなければならないため、労力を費やすことになります。
そしてわざわざ自宅まで来てもらうわけですから、本気度が低い段階では依頼しにくいのもデメリットでしょう。
当然訪問査定を終えた後は、媒介契約を結ぶように話を進めてきます。
直接対面で話している手前、断りにくいものです。
よって本気で契約を結ぶか悩んでいる会社しか査定依頼しにくいのが難点になります。
このように、訪問査定は気軽に依頼できる査定方法ではないため、売却を視野に入れている時しか頼みにくいです。
不動産会社の訪問査定がおすすめなのはこんなケース
訪問査定は急いで売却したい人におすすめです。
査定から売却が完了するまでは数か月時間を要します。
よって売却を急いでいるのであれば、出来るだけ早く訪問査定を済ませておくのが得策でしょう。
また、既に契約を結びたい不動産会社をある程度絞れている方にも訪問査定が向いています。
訪問査定時の対応で最終的に判断できるため、直接会う機会をつくるとよいでしょう。
いずれにしろ売却を決めたら訪問査定は必ずお願いした方がよいです。
匿名査定や簡易査定を済ませたら、実際に媒介契約を結ぶ前に訪問査定を受けておくようにしましょう。
不動産査定を成功させるために知っておくべきポイント
売却を成功させるためには、まず査定を成功させなければなりません。
査定の段階でミスしてしまうと、誤った売却金額を設定しまったり、実力のない不動産会社と媒介契約を結んでしまう可能性があります。
そうなると売れるものも売れません。
逆に査定を成功させれば、スムーズに買主が見つかり3か月程度で売却完了できるものです。
勝負は査定の段階から始まっていると言っても過言ではないでしょう。
そこで査定を成功させるためのポイントを紹介していきます。
不動産の査定価格と売却価格は異なる
大前提として、査定価格と売却価格は異なるということを覚えておきましょう。
査定価格は、この金額で売れるだろうという予想値です。
必ず査定価格で売れるという保証をしているわけではないため、査定価格の高さで一喜一憂する必要はありません。
むしろ不動産会社によっては契約を結びたいために、あえて査定価格を高く提示するところもあります。
大切なのは査定価格の高さではなく、なぜその金額になるのかという根拠です。
根拠をきちんと提示してくれる不動産会社は信頼におけますし、そうでなければ契約を結ぶのはおすすめしません。
最終的な売却価格の決定権は売主にあります。
よってどんな金額を付けても自由ですが、あまりにも相場から逸脱した金額だと買主が見つかりません。
売却可能なギリギリの金額を見極めるうえで、不動産会社の力が必要です。
査定価格が高値であっても売れなければ意味をなさないため、無駄に高値を提示してくる会社は良心的とは言えないでしょう。
公的な書類が必要なら不動産鑑定士に依頼しよう
通常不動産査定と言うと、この記事で紹介した匿名査定や不動産会社による査定のことを指します。
実は他にも査定の依頼先があり、不動産鑑定士に査定してもらうことも可能です。
ただし不動産鑑定士による査定が必要なのは、特殊なケースになります。
たとえば以下のような場合です。
- 離婚によって財産分与をおこなう時
- 親族間での不動産売買時
- 倒産した会社の売却時
- 生前贈与をおこなう場合
このように、対外的に不動産の価値を証明する必要がある際に利用するのが一般的です。
不動産鑑定士による査定は公的な基準に基づいて、さまざまな観点から金額を算出します。
よって出来上がった不動産鑑定評価書は法的な効力を持ちますし、不動産鑑定士への報酬も発生します。
通常の売却においては不動産会社による査定で十分ですが、裁判所などへ証拠書類の提出が必要な場合には不動産鑑定士に依頼しなければなりません。
複数の不動産会社の査定を利用しよう
時間的余裕があるのなら、出来るだけいろんな査定を実施するのがおすすめです。
不動産会社に簡易査定をお願いする場合でも、事前に匿名査定も利用しておくとよいでしょう。
その理由として、不動産会社が算出した査定価格が妥当なものか判断する材料となるからです。
もし相場から大きく逸脱している場合には、なぜその査定価格になるのか聞くきっかけにもなります。
また不動産会社に査定依頼する際も、複数社から査定を受けるようにしましょう。
他の会社の価格と比較することで、相場観を養うことができますし、1社だけ査定価格がかけ離れている際はすぐに気づくことができます。
いずにれしろ比較対象がないと、査定結果に問題がないか判断できません。
いろんな査定を利用し、さまざまな不動産会社とコンタクトを取ることで、自ずと売却についての知識も深まります。
不動産会社との相性を知るためにも、最初から1社に絞らず複数の選択肢を持っておいた方がよいです。
急ぎでの売却でなければ、ぜひさまざまな査定方法を利用してみましょう。
不動産会社の訪問査定前にはハウスクリーニングの利用もおすすめ
不動産会社の訪問査定前にハウスクリーニングをしておくと、売却額アップに効果的です。
少しでも売却額を上げるために売主ができることは、そんなに多くありません。
立地条件については変更しようがないため、手を施せるとしたら建物の方です。
しかしリフォームやリノベーションをおこなうのは、予算的にも厳しいでしょう。
また内装を変えたところで、その分売却額に反映される見込みも弱いため、あまり効果的な方法とは言い難いです。
とはいえ買主への印象をよくするためには、見た目も綺麗に保ちたいところ。
そこでおすすめなのがハウスクリーニングで、リフォームに比較すると格段に低予算で実施できます。
時期としては、訪問査定前もしくは内覧前におこなうのがベストです。
訪問査定前に実施しておくと、不動産会社への印象をよくできます。
不動産会社は複数の顧客を抱えているため、どうしても売り出すにあたって優先順位をつけてしまいがちです。
綺麗で早期売却が期待できる案件に関しては、不動産会社のモチベーションアップに繋がります。
積極的に売り出ししてもらえる可能性が高まるので、訪問査定が決まったらハウスクリーニングしておくとよいでしょう。
ハウスクリーニングの予算ってどのくらいですか?
業者や家の広さにもよりますが、1か所あたり数千円から数万円でできますよ。水回りパックですと10万円程度が相場ですね
まとめ
不動産の査定種類には3つあり、個人情報入力なしで実施できるのが匿名査定です。
主に不動産ポータルサイトが運営しており、物件の詳細情報なども伝えることなく、おおよその査定結果を示して貰えます。
手軽にお試し感覚で利用できる一方、精度はそれほど高くありません。
相場を知るには有効ですが、本格的に売却を検討しているなら不動産会社による査定を受けましょう。
不動産会社による査定は簡易査定と訪問査定があり、データのみから判断するのが簡易査定です。
簡易査定では不動産会社の人と直接会うことなく、メールのやり取りのみで査定してもらえるため、どなたでも利用しやすいです。
ただし物件における個別事情を反映した査定はできないため、現実的な金額を知りたければ訪問査定が必須になります。
査定員と対面するため負担は増えますが、直接相談できるなどのメリットも持ち合わせています。
結局のところ、売却を視野に入れているなら、全ての査定をおこなって損はありません。
計画的にスケジュールを立て、余裕を持って査定依頼をおこないましょう。