マイホームをなるべく高く売りたいけど、「何をどこから始めたらいいか分からない」という人は多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、一戸建て売却までの流れや、売却において生じる費用、高く売る方法などを解説していきます。
スムーズに売却を進めていけるように、この記事をしっかり読んで一戸建ての売却に挑んでみてください。
目次
まずは基本!一戸建てを売る7ステップを知ろう
まずは、一戸建て売却の全体の流れを知りましょう。
以下のステップです。
STEP1.一戸建ての売却相談しよう
売却相談では、一戸建てを売却する背景や得たい金額、築年数などを、不動産会社に相談します。
STEP2.価格査定を受けて売却金額の目安を知る
おおまかな売却金額を把握するために、不動産会社による「価格査定」を受けます。
「不動産一括査定サイト」を利用すると、複数の不動産会社を一気に比較できるので便利です。以下の記事が参考になります。
STEP3.不動産会社を決めて媒介契約を結ぶ
不動産会社を選定したら、「媒介契約」を結びます。媒介契約の種類はいろいろありますが、基本的には「一般媒介契約」になります。
STEP4.一通り準備が整ったら販売活動を開始する
一般媒介契約を結んだあとは、不動産会社と協力して販売活動をおこなっていきます。具体的には物件の価格設定や内覧準備などです。
STEP5.買主が見つかったら売買契約の締結する
物件に買取希望者が現れれば、売買契約を結んでいきます。売主と買主、双方の不動産仲介業者が手続きをおこないます。
STEP6.決済・引き渡しを行ない取引終了
決済日は、代金の支払いと、一戸建て不動産の引渡と登記申請をおこないます。
STEP7.翌年の確定申告は忘れずに!
一戸建ての売却で発生した利益は、利益を得た翌年の3月15日までに、確定申告をおこなわないといけません。確定申告が終われば、一戸建ての売却はすべて終了です。
不動産売却全般の流れについて詳しくは、以下の記事で解説しているので、こちらもチェックしてみてください。
知っていれば一戸建て住宅を高く売れる?5つのコツを紹介
一戸建て住宅を高く売るにためには、マンション売却とは違う難しさがありますが、ポイントさえ押さえておけば、高く売却することは可能です。
ここでは、「一戸建て住宅を高く売る5つのコツ」を紹介していきます。
- なるべく早く売却をする
- 複数の不動産会社に査定をしてもらう
- 物件の情報調査をする
- 隣地との境界や周辺情報を事前に確認する
- お部屋をキレイにする
順に解説していきます。
1.なるべく早い段階で売却する事を考えよう
戸建ての価値は、築年数とともに下がっていく建物の価格と、日本の景気変動によって上下する土地価格の2つで判断されます。
基本的に不動産は、買った時点から物件の価値がどんどん下がっていきます。築年数が経てば経つほど、価値が落ちていくのです。
売却予定の物件に住んでいないという状態でも、物件の劣化が進んだり、固定資産税や修繕費などの費用がかかったりします。
つまり、いずれ売ろうと考えているなら、早く売ったほうが建物の資産価値が高いまま売却できるということです。
ただ例外として、建物自体の価値は下がっていても、土地の価値が上がっているような状況は、売却のタイミングを見定めることも重要です。
なるほど・・・。土地の価値も考慮すると、売るタイミングって難しいですね。
売却のタイミングを個人で判断することは難しいので、不動産会社に相談して一緒に考えることをオススメします。
2.複数の不動産会社に査定してもらい相場を確認する
戸建て物件の売却を考えたとき、最初にやるべきことは、不動産会社による「価格査定」です。売却金額の目安を知るためにも、まずは気軽に査定を受けてみましょう。
不動産会社を選ぶときにぜひ知っておいてほしいことは、「不動産会社によって査定額がまったく違う」ということです。
不動産売却の知識がないからといって、ふと訪れた不動産会社1社だけで即決してはいけません。こちらの売却知識がないことを良いことに、査定額を低く見積もられたり、圧倒的に損をしたまま売却されてしまったりすることも考えられます。
だから、複数の不動産会社の査定額を比較することが大事なのです。
一戸建ての売却が得意な不動産会社を見つける
不動産会社には、それぞれ得意エリアやジャンルがあります。そのため、一戸建の売却をする場合は、戸建売却を得意としている会社を探しましょう。
戸建売却が得意かどうかを見極めるには、「不動産一括査定サイト」を利用しましょう。
賢い人は、複数の不動産会社から見積もりを取って、価格査定を比較したうえで不動産会社を選んでいます。
不動産一括査定サイトとは
不動産一括査定サイトとは、戸建物件の査定価格を一括で比較できるサービスのことです。インターネット上で完結できますし、利用料金はもちろん無料です。
不動産情報や個人情報を入力するだけで、複数の不動産会社の査定価格を簡単に比較できます。不動産会社に1社1社足を運んだり、電話をしたりする必要がないので、とても便利なサービスです。
これから不動産会社を探そうと考えている方は、まずは一括査定サイトを使って査定価格を見積もってもらいましょう。
一括査定サイトを使えばどりあえずOKなんですね。
そうです。すべての起点は、一括査定サイトに登録するところからですね。
おすすめは「すまいValue」や「HOME4U」
一括査定サイトを使えば、時間をかけずに素早く複数の不動産会社からの見積もりが集まります。ただ、「どの一括査定サイトを利用すればいいのか」という部分で悩んでしまうかもしれませんね。
不動産一括査定は、マンションや一軒家に特化したものや、地方に特化したものなど、その特徴は様々です。
たくさん種類があるんですね・・・。
不動産一括査定サイトの詳しいランキングは、こちらの記事に載せています。
3.インスペクション(状況調査)をして物件に問題がないか確認しよう
中古一戸建て物件を購入しようと考えている人は、物件の欠陥についてとても敏感なので、物件の状況調査をしましょう。
物件の状態調査は、「インスペクション」と呼ばれます。
インスペクションを依頼すると、物件の欠陥である「雨漏り」「シロアリの被害」「給排水管の故障」などの状況について報告を受けることができます。
状況調査をしてもらい、「物件に問題ないこと」が証明できれば、買主の安心感と信頼へつながります。
「なるべく早く高値で物件を手放したい」と考えているなら、ぜひインスペクションを依頼してみましょう。
ホームインスペクション業者は千差万別。依頼先を選ぶときは、実績や透明性、窓口対応などを総合的に判断してください。
4.隣地との境界や周辺情報を事前に調べておく
戸建て物件を高く売るためにも、隣地との境界や周辺情報を事前に確認しておきましょう。
もし、境界が明確でない場合は、確定測量をおこなうことを推奨します。
土地の境界線がハッキリ定まっていないからといって、物件の売却ができないわけではありませんが、より多くの利益を得るためにも実施しておきましょう。
測量が必要な理由
なぜ正確な測量が必要かというと、土地の面積で売却金額が大きく変わるからです。戸建ての売却においては、土地の面積が少し違うだけで50万円の誤差が出たりします。
つまり戸建物件は、建物だけではなく「土地も重要」になるということです。
また、境界が定まっていない場合には、以下のようなリスクも伴います。
- あいまいな境界による隣接地のトラブル
- 土地の面積が減ってしまう可能性あり
- ローンの審査が通らない場合あり
このように、境界線が定まっていないことでリスクが高まったり、売却価格が大きく変わったりすることもあるので、境界線は確定させておくべきだといえます。
土地にも瑕疵担保責任がある
土地にも戸建ての物件と同様に、瑕疵(かし)担保責任があります。土地の瑕疵(かし)は物件よりも莫大な費用を請求されるかもしれないので、注意が必要です。
瑕疵(かし)担保責任は、事前に売主が買主に瑕疵(かし)の情報を正確に伝えなかった場合、売主がその負担を負うべきだという考えでしたね。
土地の場合の瑕疵(かし)の例としては、以下の通りです。
- 敷地の土壌汚染
- 地盤の弱さにより土地が陥没
- 事故や自殺
- 敷地に廃棄物が埋まっていた
とくに注意したいことは、「土壌汚染と地下廃棄物」についてです。もしも土壌汚染などがあることを知っていたのに隠していた場合、これらの費用を請求されると莫大な金額になる可能性があります。
早く売りたいからといって、いい情報ばかりを伝えるのはNGです。後からマイナス面が多く出てくると、購入希望者や不動産会社からの信頼を失ってしまいます。
知っている情報については嘘をつかず、隠さないことが大切です。
土地の欠陥も注意しないといけないんですね・・・。
一戸建ては基本的に土地もセットですからね。
5.清掃・整理をして良い状態の物件を見てもらう
家を売り出して、購入希望者が内覧に来るころまでには、一番いい状態で物件を見せて、できるだけ好条件で買ってもらいましょう。そのためにも、整理整頓や清掃は必須です。
「マイホームを購入したいな」と考えている人は、自分たちがその家に住む姿を想像しながら厳しくチェックしています。
戸建て物件の「査定」を受ける段階では、庭や室内が多少散らかっていても問題ありません。
内覧時までにやること
内覧時にやっておくべきことは、お部屋をキレイにするという当たり前のことです。当たり前とはいえ重要なポイントなので、できる限りの準備をしておきましょう。
- ごちゃごちゃ物を置かない
- 庭の手入れをしっかりする
- 玄関や水まわりをキレイにする
- 室内全体の掃除をする
玄関や水回りがキレイだと、全体の印象がよくなります。ピカピカに拭き掃除もして、お部屋全体をキレイにすることが理想的です。特に水回りは、プロのハウスクリーニング業者に掃除してもらうと、印象が劇的に変わります。
あなたが、今のマイホームに住もうと思ったときのことを思い返して、「こんな家に住みたいな」とワクワクしてもらえるように、清掃・整理で見た目をキレイにしていきましょう。
意外と掛かる?一戸建て住宅の売却の際にかかる費用とは?
戸建て売却には、売却を依頼する不動産会社へ支払う仲介手数料はもちろん、他にもかかる費用があります。
売却にかかる費用としては以下の通りです。
- 不動産会社への仲介手数料
- 土地の測量費
- 所得税や住民税(プラス、印紙税や登記費用)
- その他の費用
一戸建売却をするとき、「何にどのくらいの費用がかかるのか」 詳しくお伝えしていきます。
契約成立時に不動産会社へ支払う仲介手数料
戸建売却の仲介を不動産会社に依頼した場合は、仲介手数料を支払う必要があります。仲介手数料を支払うタイミングとしては、売買契約が成立したときです。それ以前に支払う必要はありません。
仲介手数料は、不動産会社が自由に決めることができます。
ただし、取引価格に応じて法律(宅地建物取引業法)で上限額が定められているので、高額すぎる金額を請求されることはありません。
仲介手数料の求め方について計算式は以下の通りです。
- 200万円以下:5%
- 200万円超400万円以下:4%(+2万円)+ 消費税
- 400万円超:3%(+6万円)+ 消費税
例えば売買価格が2,000万円の場合、以下のような計算式になります。
2000万円×3%+6万円=66万円
ちなみに、この仲介手数料のなかには、広告費や販売活動費などが含まれている場合が多いです。
測量士に頼んだ場合の土地の測量費
土地の測量は、必ずおこなったほうが良いでしょう。
土地の測量とは、測量士(土地家屋調査士)が、土地の面積や高低差などを機械によって測り、行政の図面をもとに隣の土地との境界を確定することです。
測量のなかでも、「現況測量」「確定測量」という2つの方法があります。
現況測量は、隣接する所有者と境界確認を合意せずにおこなう測量方法です。
確定測量とは、土地の境界を全て正式に確定させることができる測量方法です。確定測量は費用や時間、人の立会いなどで手間がかかるものでもありますが、土地の境界を全て正式に確定させることができます。
トラブルを防ぐためにも、できれば隣人の合意を得られる「確定測量」でおこないましょう。
ちなみに、それぞれの費用は以下の通りです。
- 現況測量:35〜45万円
- 確定測量:60〜80万円
基本的に、測量をしていない土地は売りにくいため、一般的には測量費用は売主が負担します。
測量をなるべく安く済ませるためには、確定測量まで管理してくれる、優良な不動産会社に相談してください。
住民税や所得税(プラス、印紙税・登記費用)
一戸建ての売却で発生する利益(売却益)には、課税譲渡所得として、所得税や住民税が課税されます。
【課税譲渡所得=譲渡価額-(取得費 + 譲渡費用)】
【税額計算式(税額 )= 譲渡所得 × 税率(所得税・住民税)】
これが、課税譲渡所得の計算方法です。各用語の意味は以下の通りです。
- 譲渡価額:戸建物件の売却代金
- 取得費:戸建物件の購入代金・購入にかかった費用の合計
- 譲渡費用:戸建物件を売却したときにかかった費用
買ったときよりも高く売れたら、税金が発生するということですか?
簡単にイメージすれば、そうですね。もう少し詳しく説明すると、物件の「保有期間」によって税率が変わります。
【一戸建の保有期間が5年以下の場合】
5年以下の場合は、短期譲渡所得になります。この場合の税率は以下の通りです。
- 得税率:30%
- 住民税率:9%
【一戸建の保有期間が5年以上の場合】
5年を経過すれば、長期譲渡所得になります。この場合の税率は以下の通りです。
- 所得税:15%
- 住民税率:5%
このように、保有期間によって税率が大きく変わりますわけですね。
印紙税(収入印紙代)
あとは、印紙税(収入印紙代)も払う必要がります。契約金額によって費用は変動しますので、以下を参考にしてください。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
10万円を超え 50万円以下のもの | 400円 | 200円 |
50万円を超え 100万円以下のもの | 1千円 | 500円 |
100万円を超え 500万円以下のもの | 2千円 | 1千円 |
500万円を超え1千万円以下のもの | 1万円 | 5千円 |
1千万円を超え5千万円以下のもの | 2万円 | 1万円 |
5千万円を超え 1億円以下のもの | 6万円 | 3万円 |
1億円を超え 5億円以下のもの | 10万円 | 6万円 |
5億円を超え 10億円以下のもの | 20万円 | 16万円 |
10億円を超え 50億円以下のもの | 40万円 | 32万円 |
50億円を超えるもの | 60万円 | 48万円 |
抵当権抹消のための登記費用
また、抵当権抹消のための登記費用もかかります。
住宅ローンを完済すると、抵当権を抹消することができます。抵当権抹消のための登記費用とは、そのときにかかる費用のことで、これは通常は売主が負担します。
抵当権抹消の登録免許税は、「不動産の1つにつき1,000円」です。
このほか必要に応じてかかる可能性がある費用
このほか、必要に応じてかかる費用をまとめました。一戸建ての売却にかかる大まかな費用となります。
- 廃棄物の処分費/10~50万円程度
- 敷地の測量費/50~80万円程度
- ハウスクリーニング費/5~15万円程度
- 建物の解体費/100~300万円程度
- 耐震基準適合証明書取得費/10~15万円程度
けっこう、いろいろな費用が発生しますね・・・!不動産会社への仲介手数料だけでじゃないんですね。
あらかじめ、必要な費用をきちんと把握して、売却計画を立てておくことが重要です。
売却は「仲介」と「買取」のどっちにすべき?一戸建て売却方法の違いを知ろう
一戸建て物件を売却することになった場合、一般的に「仲介」と「買取」の2種類の方法から選択することになります。この方法は、全く異なる売却方法なので、よく理解しておきましょう。
どう違うんでしょうか・・・?
買取はすぐ現金化できる方法で、仲介は高く売りやすい方法です。速さを優先するか、金額の高さを優先するか、という違いですね。
それぞれ、詳しく説明していきます。
物件売却の買取とは?(買取のメリット・デメリット)
「買取」とは、売却したい物件を不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。
買取のメリット・デメリットは以下の通りです。
買取のメリット
- 仲介手数料がかからない
- すぐに売却でき現金化までが早い
- 瑕疵(かし)担保責任が免除される
- さまざまな種類の買取をしてくれる
- ご近所に知られずに済む
買取の一番のメリットは、物件の現金化までが早いことです。買い手を探す必要がないため、不動産会社と金額面で折り合いがつけば、すぐに売却できます。
手数料がかからないという点もメリットのひとつです。
また、物件の広告を出す必要がないため、ご近所に売却を知られず成立することができます。
買取のデメリット
買取のデメリットは、仲介と比べると売却価格が低くなってしまう点です。せっかく不動産売却をするのなら、なるべく高く売却したいものです。即決できるというメリットがある反面、物件の市場価格の7~8割で取引されてしまいます。
不動産会社が買取をする理由は、転売目的のためです。一般の価格より安く購入されてしまうのは、仕方ないといえば仕方ないですよね。
現実問題、不動産売却をする際に買取を選択する人はごく少数です。ほとんどの人は、次にご紹介する「仲介」を選択します。
急ぎで販売しなければいけない理由がなく、高く不動産売却をしたいなら、仲介を選ぶようにしましょう。
物件売却の仲介とは?(仲介のメリット・デメリット)
「仲介」とは、不動産会社に買い手を探してもらい、手続や契約を成立させる方法です。
仲介のメリット・デメリットは以下の通りです。
仲介のメリット
- 買取に比べると高い金額で売れる
- 一般の相場で売却できる
- 不動産会社に任せることができるので安心
仲介のメリットは、買取より高い金額で物件の売却ができる可能性が大きいという点です。
不動産会社が仲介をおこなうには、「宅地建物取引業の免許」と「宅建」という資格を持つ人がいなければ不可能です。つまり、不動産に詳しいプロの人に任せることができるので、信頼できる会社さえ見つかれば、不動産の売却は成功といえます。
仲介のデメリット
- 売却するまでに時間がかかる
- ご近所に知られる
- 仲介手数料がかかる
- 瑕疵(かし)担保責任が免除されない
- 現金化には多少時間がかかる
デメリットは、売却価格や条件、売り出し時期などによっては、すぐに買い手が見つかるとは限らないという点です。
中古一戸建ての売却までにかかる期間はどのくらい?
中古の一戸建ての売却は、中古マンションに比べると売却までの期間は長くなってしまう場合が多く、「難易度が高い」です。その点は覚悟しておきましょう。
物件を売り出してから売却までの一般的な期間は、マンションが平均6ヶ月なのに対して、一戸建ては平均11ヶ月程度という統計となっています。
広告を出して3ヶ月程度ですぐに売れる場合もあれば、売却するまでに1年以上かかってしまうケースもあります。
一戸建は建物の構造だけではなく、隣地との境界や、土地などの瑕疵(耐震性、シロアリ被害、雨漏り)など、確認すべきことが多いからです。
古くなると売却に苦戦しやすい中古一戸建ての注意事項
不動産は、買った時点から価値がどんどん下がっていきますが、とくに中古一戸建てはマンションに比べて急激に価値が落ちるので、少し苦戦しやすいです。
- 中古マンションに比べると需要が少なく人気がない(都心部はとくに)
- 瑕疵(耐震性、シロアリ被害、雨漏り)など、マンションより物件の欠陥が多いと思われがち
- 土地の境界、ご近所付き合いなど、マンションに比べると問題がある
このように、地域にもよりますが、中古一戸建てはマンションに比べると売りづらい要素がたくさんあります。
このような点を踏まえて、仲介の不動産会社と一緒に売却価格を決めていきましょう。
一戸建て物件の売却価格について
一戸建ての売却価格は、「土地価格」+「建物価格」の2点から考えます。
「築20年たったら建物価値はほぼゼロ」と言われるのが中古一戸建てですが、それは違います。地域性や建物の価値・土地の値段によっては、高く売れる物件も存在します。
また、築年数が経つほど建物自体の値段は下がっていきますが、土地の値段は上昇している場合があります。土地価格は、日本の景気により左右されるからです。
建物だけで価格が決まるわけではないんですね。
戸建ての価格は「時期によって変動する土地価格」と、「下がり続ける建物価格」を見定めることが重要になる、ということです。
築年数が経過している戸建物件には注意が必要
とても古い戸建物件の場合は、少し注意が必要です。
その場合は、なかなか買い手がつかないことがあります。
そんなときは、物件自体を取り壊し、更地にして土地を売却したほうが売りやすいケースもあります。
もし、物件の取り壊しをするのであれば、当たり前ですが「取り壊し費用」がかかってしまいます。
建物を取り壊すと土地の固定資産税は高くなる
じつは、建物を取り壊すことにより「土地の固定資産税」が上がってしまうのです。建物が建っている場合は、土地の固定資産税の優遇があります。
取り壊し費用もかかるうえに、建物を壊すと税金が高くなってしまうのなら、それはそれで考えものですよね。
取り壊してから売却したほうが有利かどうかについては、それぞれの状況によって異なるため、担当の不動産会社と相談してから決めるようにしましょう。
売却益で変ってくる一戸建住宅を売却したときに掛かる税金
戸建住宅を売却して利益が出た場合、税金を納めなくてはいけません。ここでは、税金や控除などについて簡単にお伝えいたします。
売却して利益(売却益)がある場合
一戸建てを購入したときよりも高く売れた場合、それは売却益が出たということです。売却益が出た場合、確定申告が必須です。
ちなみに、かかる税金は、売却額に対してではなく「課税譲渡所得」に対してなので注意しましょう。
【課税譲渡所得=譲渡価額-(取得費 + 譲渡費用)】
【税額計算式(税額 )= 譲渡所得 × 税率(所得税・住民税)】
売却して売却損が出てしまった場合
売却損がある場合で損益通算ができるのは以下の場合です。
- 自宅の買い替えで売却損が出た場合
- 住宅ローンが残っている自宅を売却し売却損が出た場合
この場合には、給与所得などにかかる税金が還付されることがあります。この還付制度を利用したい場合にも確定申告が必要です。
3,000万円までの利益を非課税に(マイホーム特例)
マイホームを売却する際には、3,000万円までの利益には課税されないという控除が受けられます。この控除を使うと、多くの戸建物件の税金をゼロにすることが可能です。
仮に3000万円以上の売却益が出た場合でも、3,000万円までは控除されるので、納税額が大幅に軽減できることはとても魅力的です。
マイホーム特例が適用される場合は、忘れずに申請しましょう。
特定のマイホーム買い替えの場合の特例
住んでいる自宅から別の新しい物件に買い替えた場合にも、特例があります。要件を満たせば、「特定の居住用財産を売却した場合の買替えの特例」を利用できます。
ちなみに、3,000万円の特別控除との併用はできませんので、注意してください。
買い替えをする場合は、担当の税理士(個人で申請する場合は税務署)に確認してみましょう。
売却益があるなら忘れずに確定申告の手続きを!
確定申告とは、毎年1月1日〜12月31日までの1年間の所得にかかる税金を計算して、税務署へ税金の申告をすることです。申告期限までに必要書類を提出して、税務署に納税をしなければいけません。
一戸建てを売却して利益が出た場合には、売買の翌年3/15までに必ず、確定申告の手続きが必要になります。
まとめ
一戸建ての自宅を売ろうと決めたなら、大手〜地域密着型など、一戸建て物件に強い、さまざまなタイプの不動産会社に査定を依頼するといいでしょう。
一戸建て物件は、時間が経過すればするほど、建物の価値は少しずつ下がっていきます。
最短で一戸建て物件を売却するためにも、いますぐ一括査定サイトを利用して査定価格を比較してみましょう。