家の売却を行う場合、司法書士に依頼するのが一般的です。
ではどのような理由で司法書士が必要になるのでしょうか?
ここでは家の売却と司法書士の関係について詳しく解説していきます。
依頼した場合にどんな役割を果たしてくれるのか、支払うことになる費用の相場などを確認しましょう。
家の売却では司法書士がとても頼りになります。
役割や費用をしっかり理解し、上手に活用していきましょう。
目次
司法書士とはどういう仕事?不動産登記や相続など依頼できる仕事を紹介
まず司法書士とはどういった存在なのかを確認します。
私達が普段の生活で司法書士のお世話になることは少ないので、具体的な仕事内容などをイメージできないという方も多いでしょう。
司法書士は依頼を受けると、本人に代わって裁判所や法務局などに提出するための書類を作成します。
司法書士は、明治時代には代書屋と呼ばれていたこともあり、代わりに書類を作成することからこう呼ばれていました。
このほか、登記手続きについて本人の代理を務めたり、簡易裁判所が管轄となる民事事件であれば、本人の代理人となることも可能です。
基本的には依頼を受け、書類の作成や申請の手続きを代行する人達だと考えておけば良いでしょう。
家をはじめとした不動産の売買でも登記申請の関係で書類の作成などがありますが、こうした作業を私達に代わってやってくれるありがたい存在です。
次の項目からは、より具体的に司法書士の仕事内容を見ていきます。
不動産登記に関する名義変更等の申請に関する仕事
司法書士のメインとなる仕事で、司法書士は不動産登記に関する名義変更等の申請について、依頼を受けて代理で手続きを行います。
そもそも不動産登記というのは、特定の土地や建物といった不動産の状況、権利関係などを第三者に対して公示するためのものです。
その内容に変更があった場合、中身を修正・更新する必要が出てきますが、その作業を司法書士に代わりにやってもらう形です。
法務局への書類の提出や、申請作業などを代理でやってくれ、私達が面倒な作業などをする必要はありません。
不動産登記に関する内容は、後ほどさらに詳しく解説します。
遺産分割協議書作成や相続放棄手続きなど相続に関する仕事
司法書士の代表的な仕事の1つとして、相続に関する仕事があります。
故人の遺産について、相続人から依頼を受けて遺産分割協議書の作成を行ったり、相続放棄の手続きを行ったりします。
家庭裁判所へ提出するための書類の作成なども行い、相続や遺言に関する手続きを任せられます。
私達からすると、不動産登記に次いで司法書士を依頼する理由になるでしょうか。
遺産相続で揉めたりしないためにも、専門家である司法書士に依頼するとスムーズに事が進みます。
自己破産や任意整理などの債務整理に関する仕事
金融機関や消費者金融等から借金をし、その返済ができなくなった時、債務整理を行うことになります。
債務整理には自己破産や任意整理などいくつかの方法がありますが、いずれにしても司法書士に依頼が可能です。
依頼人の代わりに金融機関や消費者金融等と交渉をしたり(1社140万円以内の制限あり)、必要な書類を作成するなどします。
債務整理に関する書類の作成は知識がないと難しく、私達が作成するのは困難です。
また、金融機関や消費者金融等との交渉も難しく、知識が不十分だと向こうの言い分の通りに話を進められてしまいます。
そこで専門的な知識を持つ司法書士が頼りになるのです。
裁判所へ提出する書類の作成
司法書士は裁判所に提出するための書類の作成を行います。
本来なら書類の作成は裁判に関わる本人が作成すべきですが、専門的な知識が必要だったりして実際には非常に難しいものです。
そこでプロである司法書士が裁判所へ提出する書類の作成を代行してくれます。
身近な法律家として、ご自身で裁判をする場合のサポートをしてくれます。
また、法務大臣の認定を受けている司法書士であれば、簡易裁判所が管轄となる民事裁判の代理人にもなれます。
弁護士にも似ていて、混同されてしまうことも多いのですが、その理由は司法書士も裁判に関わることができるからでしょう。
成年後見制度に関する相談や必要書類作成の仕事
司法書士は成年後見制度に関する相談や、必要書類の作成なども行っています。
認知症等の理由で成年後見制度を利用したいといった場合、司法書士に相談すれば裁判所への申立て手続きなどを代わりにやってくれたり、司法書士自らが成年後見人に就任して、本人の支援を行ったりしてくれます。
書類の作成も重要な仕事ですが、相談にも乗ってくれるため、相談相手としてもとても頼りになるのが司法書士という存在です。
司法書士は書類の作成を中心に行ってくれるんですね
家の売却でも、不動産登記の変更などで活躍してくれます
家の売却を行った際に必要な不動産登記について
家の売却を行う場合、同時に登記事項証明書に記載された名義を変更するために不動産登記をしなければいけません。
登記事項証明書というのは、いわゆる登記簿謄本と言われるもので、該当する不動産の情報を詳しく記録した書類だと考えてください。
この登記事項証明書がなければ、不動産について、所有者が誰なのかなどがわからなくなります。
たとえばある家に人が住んでいるとして、第三者、つまり他人からすればその人が家の所有者なのかは判断できません。
家を借りて住んでいるだけの人かもしれないからです。
不動産の権利関係がどうなっているかは当事者しか把握できないのです。
そこで登記事項証明書を法務局が管理することで、権利関係を正確に把握できるようにしています。
そうすることで不動産の売買が行われる時、取引がスムーズに、そして安全に行えるようになります。
当然ながら家の売却でも非常に重要な役割を持つ書類ということです。
売り主と買い主は名義を変更するための登記申請をしなければいけません。
とはいえ申請には知識が必要ですし、自分でやるのは大変です。
そこで司法書士に依頼をして、不動産登記の申請や、書類作成を行ってもらいます。
登記事項証明書(登記簿)の中身について
登記事項証明書(登記簿)の中身は、以下の3つによって構成されています。
- 表題部
- 権利部(甲区)
- 権利部(乙区)
それぞれどのような内容が記載されているか、表形式でまとめておきます。
表題部 | 不動産の所在地、現況、面積や構造などの情報がまとめられている |
---|---|
権利部(甲区) | 不動産の所有者に関する情報がまとめられている |
権利部(乙区) | 抵当権をはじめ、所有権以外の権利関係についてまとめられている |
以上のようになります。
登記簿を見ることで不動産に関する情報、権利関係がすべてわかるのです。
いかに重要な書類であるかが感じられると思います。
たとえば家を売る場合、住宅ローンで生じた抵当権を抹消したり、売り主から買い主へと所有者の変更を行わないといけません。
登記事項証明書の内容を変更するわけですが、この作業を私達の代わりに司法書士が行ってくれます。
登記の変更は所有権の証明に必須
家を売却しても登記簿の名義変更が行われなければ書類上は所有権が自分のままです。
これでは実際には家を売却したのに売却されていない状態になってしまい、トラブルの原因になります。
買い主からすれば、お金を支払って購入した家が自分のものになっておらず、もしも売り主がさらに別の人に家を売却し、そのうえで不動産登記を行えば所有権は別の人に移ってしまいます。
このような事態を防ぐためにも、登記の変更は欠かせません。
家の売却をするなら、登記の変更は絶対に必要となるのです。
逆に登記の変更が正しく行われていれば、そのことを理由に自分が所有者であることなどを第三者に主張することができます。
法的根拠に基づいて主張できることになり、大きな効力を持ちます。
トラブルを防ぐためにも、必要に応じた登記の変更は必須です。
不動産登記の変更は必要不可欠な手続きなんですね
家を売却するなら、不動産登記の変更をする準備もしっかりとしておきましょう
司法書士に依頼せずに自力で不動産登記はできるのか?
一般的に不動産登記をする場合、司法書士に依頼するのですが、司法書士に頼らず自力で行うことはできるのでしょうか?
この点を疑問に感じる方も多いかと思います。
結論から言うと可能です。
本来、不動産登記は当事者が申請するのが原則になっています。
家の売却での当事者とは売り主と買い主のことです。
つまり売り主と買い主が一緒に法務局へ行き、そこで登記申請を行えば良いのです。
手続きに必要な書類や流れなどについては、登記手続案内という登記相談ができる窓口を設けていますので、司法書士に依頼せず不動産登記を済ませることもできるのです。
ただし、現実的にはこうしたケースはほぼありません。
不動産登記に関する知識を持っている人はほとんどおらず、どうすればよいかわかりません。
さらに多くの家は住宅ローンを組んでいるので抵当権が生じています。
家の売却では売却に合わせて抵当権の抹消も必要ですが、銀行などの金融機関は個人が不動産登記をすることをよく思いません。
また、売り主が自分たちでやりたいと思っても買い主が同意してくれるとは限りません。
その逆も然りで、売り主と買い主が同意し、共同で不動産登記すると決めてはじめて成り立ちます。
その結果で何かあったら面倒ですし、それならプロである司法書士にやってもらった方が安心できます。
つまり金融機関に拒否されてしまったり、そもそも自分の知識ではやり方がよくわからないなどの理由で、大半のケースでは司法書士に代行してもらうことになります。
自力での不動産登記も可能ではありますが、現実的ではないと考えておきましょう。
あくまでも司法書士に代行してもらうというのが原則です。
自力で不動産登記ができる場合 | 自力で不動産登記をするのは難しい場合 |
---|---|
売却を伴わない抵当権抹消登記 | 売買による所有権移転登記 |
住所変更登記 | 住宅ローンを組んだ際の抵当権設定登記 |
相続人が少ない相続登記 | 相続人が多い相続登記 |
不動産業者が司法書士を紹介してくれる
以上のようなことから不動産登記では司法書士に依頼するのがほぼ必須です。
仲介をする不動産業者もこのことはよく理解していますから、家の売却をする時も提携している司法書士を紹介してくれます。
不動産業者の多くは自社と提携している司法書士を抱えていて、必要な時にすぐ紹介してくれるのです。
私達としても仲介している不動産業者が紹介してくれるため自分で探す必要がなく、なにより面倒な不動産登記の申請を専門家に任せられます。
紹介を拒否して自分で申請するという理由も基本的にはないので、大抵は不動産業者に紹介してもらった司法書士にそのまま依頼します。
そういう意味では家の売却する際、私達は司法書士の選定についても迷うことなどはまずありません。
不動産業者が用意してくれ、スムーズに売却を進められるように備えてくれています。
しかも不動産業者と提携している司法書士なら、不動産登記の手続きに慣れています。
普段あまり不動産登記の手続きをしないような司法書士に任せるより、よほど安心できるでしょう。
インターネットで司法書士を自分で探すことも可能
不動産業者が紹介してくれた司法書士ではなく、自分で司法書士を探して依頼してもかまいません。
特にすでにお世話になっている司法書士がいるような場合では、そちらにお願いしたいと感じることも多いでしょう。
そんな時は不動産業者にその旨を伝え、自分で用意した司法書士にお願いしましょう。
また、新規で司法書士を探すのも良いでしょう。
今ではインターネット上にホームページを開設している司法書士も多く、簡単に近くの司法書士を見つけられます。
信頼できそうな人を見つけ、依頼をしましょう。
自分で探す場合のメリット | 自分で探す場合のデメリット |
---|---|
費用が安くなる可能性がある | 探す時間がかかる |
信頼できる人に任せられる | 不動産登記の手続きに慣れていない 司法書士にあたう可能性がある |
不動産業者が紹介してくれるのに自分で探すのは手間ですが、費用の面でさらに安くなる可能性がある、より信頼できる人に任せられるなどの利点もあります。
家の売却から引き渡し、不動産登記するために必要な書類
ここからは家の売却で売り主が用意するべき書類について紹介します。
不動産登記のために必要で、依頼した司法書士に必要書類を渡します。
書類が揃っていなければ家の引き渡しができないなど、取引に問題が生じます。
不動産業者や司法書士が必要書類について説明してくれますし、確認もしてくれるので問題ないはずですが、自分でもどんな書類が必要を把握しておきましょう。
家の売却、不動産登記で必要な書類は下の表の通りです。
必要書類 | 内容 |
---|---|
権利証・登記識別情報 | 不動産の権利証、もしくは登記名義人を識別するための書類 |
本人確認書類 | 運転免許証などの本人が確認できる書類 |
住民票 | 住所が変更になっている場合には、住所を証明するために住民票が必要 |
印鑑証明書・実印 | 実印に加え、登記申請日の3ヶ月以内に発行されたもの |
委任状 | 司法書士に不動産登記を代行してもらうために必要、一般的に司法書士が用意してくれる |
固定資産税評価証明書 | 売り主側で用意する必要がある |
抵当権抹消書類 | 金融機関が作成・用意してくれる |
以上のように不動産登記ではたくさんの書類が必要になります。
家の売却は書類を揃えるだけでもなかなか大変なのです。
こうした書類を集め、必要なら作成しなければならないため、司法書士に依頼した方が手間はかかりません。
費用はかかるものの、それに見合った作業を司法書士はしてくれます。
準備のできた書類から渡していこう
必要書類が多くて用意するのも大変そうに感じられますが、書類が実際に必要となるまでは時間があります。
というのも、登記の変更は不動産の引渡し日にまとめて行われます。
一般的に家の売却が決まってから引き渡すまでには、1ヶ月から1ヶ月半ほどかかります。
これだけ時間に猶予がありますので、決して焦る必要はありません。
用意しやすいものから用意し、順次司法書士に預けるような形でもまったく問題ありません。
もし用意するのに時間がかかりそうな書類があるなら、すぐに用意できる書類だけでも渡しておきましょう。
もちろんまとめて用意し渡しても良いのですが、別々に渡してもかまいません。
引渡しの当日にまとめて渡す場合、書類に不備があれば手続きが進められなくなります。
トラブル防止のためにも、用意でき次第渡していくのが無難です。
司法書士に不動産登記を依頼した場合の費用の相場は?
ここからは家の売却、不動産登記を司法書士に依頼した場合の費用について見ていきます。
費用については司法書士が決められる部分(報酬)もあるので、一定ではありません。
依頼する司法書士によって金額が変わるわけです。
とはいえ相場を押さえておけば、高いのか安いのかを判断できるようになります。
特に自分で司法書士を探すという場合、費用がいくらかかるかは重要なポイントです。理想を言えば、安くて信頼できる司法書士を見つけられれば最高です。
そのために費用の相場を把握し、どのくらいの費用となるのが一般的なのかを知りましょう。
司法書士に依頼した場合に発生する費用は、主に2つの種類に分けられます。
- 司法書士へ支払う報酬(手数料)
- 不動産登記にかかる実費(登録免許税)
これらの費用を合計したものを、司法書士に支払う形となります。
司法書士には報酬と登記にかかる実費の2つを支払うんですね
報酬と登記にかかる実費、それぞれの相場を知ることが大切です
司法書士へ支払う報酬の相場は?
家を売却する場合に、売主が司法書士へ依頼する登記は、住所変更登記と抵当権抹消登記の2つくらいです。
住所が登記事項証明書に記載されている住所から引っ越ししている場合には、住所変更登記が必要となり、抵当権が設定されている場合には、抵当権を抹消したうえで、買主へ所有権を移転させる必要があります。
司法書士への報酬の相場は、1つの登記につきおよそ1万円から2万円程度です。
依頼する司法書士によっても多少の違いがあり、だいたいこのくらいの金額に収まれば相場の範囲内と考えて良いでしょう。
できるだけ費用を抑えたいと思うと、やはり自分でやった方が良いのではと考える方もいるかもしれません。
ですが逆に考えると、これだけの報酬を受け取る価値があるくらい面倒な作業だとも言えます。
報酬の相場 | |
---|---|
住所変更登記 | 1万円~2万円程度 |
抵当権抹消登記 | 1万円~2万円程度 |
これらの登記の他に、売主が司法書士へ報酬を払う場合があります。
それは、権利証を失くしてしまったときです。
権利証を失くした場合、再発行はできません。
権利証の代わりに、司法書士が売主が本人であることを間違いなく確認しましたという書類を作成し、登記申請を行います。
この書類を作成するための司法書士への報酬の相場は、およそ5万円から10万円程度です。
不動産業者が紹介してくれることもあり、報酬を支払っても司法書士に依頼した方が、売買はスムーズに進められます。
5万円から10万円を目安に、適切な報酬額かを判断しましょう。
相場からかけ離れて、あまりにも安すぎる、高すぎる司法書士は避けた方が無難です。
不動産登記にかかる登録免許税とは?
司法書士へと支払う報酬のほかに、不動産登記の申請でかかる実費(登録免許税)も覚えておきましょう。
たとえば抵当権の抹消にかかる登録免許税は、不動産1つにつき1,000円と決められています。
不動産1つというのは、土地で1つ、建物で1つと考えます。
そのためマイホームを売却する場合、基本的には土地と建物の2つを売却することになり、抵当権抹消の費用は2,000円ということになります。
土地と建物で別個に数える点に注意しましょう。
登録免許税 | |
---|---|
抵当権抹消登記 | 不動産1つにつき1,000円 |
住所変更登記 | 不動産1つにつき1,000円 |
抵当権を抹消する必要がない、つまり最初から抵当権がない場合や住所変更がない場合などはこの費用はかかりません。
また、登記事項証明書の取得も行う必要があり、こちらは不動産1つにつき600円がかかります。
司法書士への報酬に加え、これらの費用を足した合計の金額が最終的な支払額となります。
事前にいくらかかるのかを計算しておけば、お金の用意もスムーズに済ませられるでしょう。
所有権移転登記は買い主が負担
家の売却では所有権移転登記も行うことになります。
文字通り所有権を売り主から買い主へと移すための手続きですが、この費用は売り主ではなく買い主が負担します。
そのため家を売る側である私達はその費用を司法書士へ支払う必要がありません。
買い主さんが司法書士へと支払ってくれるので、所有権移転登記の費用については考えなくて良いのです。
ちなみに所有権移転登記のための登録免許税ですが、固定資産税評価額に一定の税率を掛けて計算します。
そのため家ごとに詳細な金額は違い、一定ではありません。
家を売る側の場合は所有権移転登記については考える必要がありませんが、知識として押さておくと良いでしょう。
登録免許税 | |
---|---|
土地 | 固定資産評価額×1.5% |
建物 | 固定資産評価額×2% |
建物(住宅用家屋の軽減あり) | 固定資産評価額×0.3% |
不動産業者には家の売買価格に応じた仲介手数料を支払いましょう
司法書士だけでなく、不動産業者にも費用を支払うことになります。
仲介をしてもらっていることによる仲介手数料です。
仲介手数料の金額は、司法書士への報酬と同じで業者ごとに違います。
ただし、上限は決められているため不当に高額なお金を請求されることはありません。
仲介手数料の上限は家の売買価格によって決められています。
以上のような仕組みです。
売買価格の部分によって数字が違うものの、いずれも上限が設けられています。
不動産業者はこの上限を超えて仲介手数料を請求することはできません。
もし不安な場合は、提示された仲介手数料が上限を超えていないか、自分でも計算してみるとよいでしょう。
もし上限を超えているようなら、引き下げを要求することができます。
そもそも、決められた上限を超えて請求するような業者は利用すべきではないので、他の不動産業者に切り替えることも大切でしょう。
この上限は法律で決められているため、ルールを守らない不動産業者は法律違反を犯していることになります。
司法書士を選ぶ時のポイントは?料金や得意分野など調べましょう
ここからは司法書士を自分で選ぶ場合の選び方、ポイントなどを紹介します。
司法書士は不動産業者が紹介してくれるというお話をしましたが、自分で決めたいということもあるでしょう。
そんな時、どうやって司法書士を選べばよいのか知っておけば、より信頼できる司法書士を見つけられます。
費用を安く抑えるためにも、十分な知識を持って親身に作業してくれる人を見つけるためにも、選び方のポイントは重要です。
料金設定が明確か依頼前に聞いてみましょう
費用の面は多くの方が気にする部分だと思います。
できるだけ安く抑えたいというのが本音でしょう。
費用を安く抑えるためにも、まずは料金設定についてしっかりと確認します。
注意しなければいけないのは、安い料金をアピールしているケースです。
本当に安いなら問題ないのですが、中には後から色々理由を付けて、料金を引き上げるような司法書士も存在します。
たとえば、不動産登記は3万円で行うとする司法書士がいるとしましょう。
安いと感じて依頼をしたところ、後になってから書類取得のために追加の費用が必要だなどと言ってきました。
つまり、最初に提示された3万円というのは報酬額のことで、それ以外の費用が別途かかっているわけです。
これでは十分な説明もなく、こちらが損をしてしまいます。
料金については必ず確認し、不動産登記の変更であれば合計でいくらかかるのか、事前に聞いておきましょう。
こうした悪質な司法書士は少ないとは言え、安さに釣られると思わぬトラブルに発展してしまうかもしれません。
不動産登記が得意な司法書士を探す
すでに紹介した通り、司法書士の仕事は多岐にわたります。
人によって得意な分野、苦手な分野があるのが現実です。
普段、遺産相続に関する依頼を多く受けている司法書士は、当然遺産相続には強いと言えます。
ですが不動産登記に関しては経験が少なく、得意とは言えないかもしれません。
さまざまな仕事をしている分、どうしても得意分野・苦手分野が出てきてしまうのです。
そのため司法書士を選ぶ時は費用だけでなく、不動産登記に強いかどうかもチェックしましょう。
ホームページなどを見ると、過去の実績が記載されていたりします。
多くの不動産登記申請を行ってきた司法書士なら安心できるでしょう。
逆に不動産登記の実績についてあまり記載がない、他の分野を得意としてアピールしているような司法書士は、避けた方が良いかもしれません。
親身に相談に乗ってくれるか?人柄を確認しましょう
家の売却が初めてであれば、不動産登記についてもわからないことだらけでしょう。
だからこそ専門家である司法書士に依頼するわけですが、親身に相談に乗ってくれるかどうかも重要なポイントです。
こちらの話をまったく聞いてくれない、自分に任せろと言ってなにも説明がない、こんな司法書士では不安を感じてしまうでしょう。
安心して任せるためにも、こちらの話を聞いてくれ、疑問や不安があれば答えてくれる、そして丁寧に説明してくれる司法書士が理想的です。
最初に相談に行った時、なるべく話をしてどんな人かを見極めましょう。
もし自分には合わないなと感じたり、信頼関係が築けなさそうだったら、別な司法書士を検討するのが良いでしょう。
仕事さえしっかりしてくれればいいという考え方もありますが、やはり親切で丁寧な人だと信頼できすし、良い仕事が期待できます。
事務所は行きやすいか?なるべく家から近い事務所がおススメ
書類のやり取りなどで、司法書士事務所へ出向くこともあります。
あまりにも事務所が遠いと行き来が不便です。
現在ではスマホでのメールのやりとりなどでも十分なことは多いですが、それでも直接会って話さないといけない時や、直接会って渡す書類などがあります。
できれば事務所が家から近い司法書士を探してみましょう。
すぐに行ける距離であれば、ちょっとしたことでも相談に行けますし、より安心して任せられます。
メリット・デメリットをしっかり説明してくれる
メリットだけを強調し、デメリットには触れないという司法書士もいます。
こちらとしてはデメリットも説明してもらわなければ、良いか悪いかを判断することもできません。
不動産登記についてはやることが決まっていて、特にデメリットがあるということもないのですが、悪い部分は説明しない、隠すという司法書士はあまり信頼できません。
どんなことでもしっかりと説明し、必要な情報をすべて渡してくれたうえで判断を委ねてくれる司法書士は良い司法書士です。
こちらとしても信頼できます。
1つ1つのことについて、どういうメリットがあり、どんなデメリットが考えられるのか、丁寧に教えてくれるかどうかもチェックしてみましょう。
費用だけを気にするのは良くないです
ここまで見てきたように、司法書士を選ぶ時は費用だけでなく、他の部分もしっかりチェックしないといけません。
費用だけ見て選んでしまうと、後でトラブルになったりして、後悔するかもしれません。
不動産登記という大切な手続きを代行してもらうのですから、信頼関係がなにより大切です。
この人なら信頼できる、安心して依頼できるという人を見つけましょう。
過去の実績を見たり、無料相談などを利用して直接会って話してみるなどすれば、失敗を減らせます。
また、不動産登記に関しては不動産業者が司法書士を紹介してくれます。
この場合は費用などもあらかじめ決まっていますので、中身をよく確認して、紹介された司法書士にお願いするのか、それとも自分で新規に司法書士を探すのか決めましょう。
安心でき、信頼できる司法書士を見つけることも大切なんですね
家の売買という重要なことですから、本当に信頼して任せられる人を見つけなければいけません
家の売却では不動産登記の変更が必要です。
この手続きは自分でもできますが、抵当権がある場合は金融機関が司法書士への依頼を望んだりと、原則として司法書士に代行してもらうことになります。
司法書士が具体的に何をしてくれるのかをはじめ自分で用意する書類はなにか、費用はどのくらいかかるのかなどを押さえておきましょう。
また、自分で司法書士を探す場合のポイントについても確認しておきましょう。
信頼できる司法書士を見つけられれば、安心・安全に取引を進められます。
不動産業者も司法書士を紹介してくれるので、その際もよく話をするなどして信頼できるかを確かめましょう。
家の売却において司法書士選びはとても重要です。