近年注目を集める不動産投資の中でも、低コストで始められる駐車場経営は一定の人気があります。
設備投資があまり必要ない上に、駐車場の料金がそのまま収益になるため、不動産経営初心者でも始めやすいことが要因になっている様子です。
但し、駐車場経営は土地選びが肝心。
土地を購入するところから始める場合、土地選びに失敗してしまうと収益が出ないばかりか、想定外の損失を出してしまうかもしれません。
駐車場経営に重要な土地選びのポイントとは一体何なのか?
今回は不動産投資のプロと一緒に、駐車場経営のための土地選びと失敗しない購入方法、そして交渉術についても解説していきます。
不動産投資の中でも駐車場経営は始めやすいと聞きました。サラリーマンの自分でも経営できるのでしょうか?
もちろんです。基本的に整地された土地であれば始められますから、とてもハードルの低い不動産投資なのですよ。でも購入する土地が駐車場経営に向いていなければ収入を得ることは出来ません。まずは駐車場経営のための土地選びについて詳しくみてみましょう!
駐車場経営のための土地選び
駐車場経営において最も大切なのは土地選びです。
手軽に始められるからと言って、藪から棒に土地を購入しては失敗のもと。
まずは駐車場経営でしっかりと収入を得られる土地選びについて理解を深めましょう。
駐車場経営にはどんな土地が向いている?
何台も車を停められて収入がたくさん入りそうという思惑だけでは経営は成り立ちません。
駐車場経営には、次のようなポイントを押さえている土地を選ぶことが重要です。
- 近隣に集客施設がある
- 周囲に駐車場の無いマンションやアパートがある
- 前面に交通量の多い道路がある
- 周辺の駐車場が飽和状態ではない
駐車場を経営するなら、都心部や駅周辺が良さそうですね!
もちろん、そういった土地なら多くの利用者が見込めて、高い収益率も見込めるでしょう。しかし、都心部や駅周辺の地価は高く、誰でも簡単に購入できる価格ではありません。リスクの低い不動産投資として知ってもらうため、ここからはあらゆる視点から駐車場経営に向いている土地をご紹介しますね。
駐車場経営を始めるなら、人が集まる施設周辺はもちろん、これから増える見込みのあるところをリサーチすることも大切です。
より多くの利用者を見込めるとして商業施設周辺にスポットが当てられますが、既に大手が参入し駐車場が飽和状態にあることも少なくありません。
そういった場合は商業施設に固執せず、目線を変えて集客できる所を探してみましょう。
例えば、ファミリー向け団地やマンションなどといった集合住宅。
特に都心部に近い場合は物件付帯の駐車場数が少ないため、近隣の駐車場を借りて駐車している人が多いものです。
物件の規模が大きいほど、駐車場の需要が見込まれるでしょう。
また、流行りの飲食店や美容室などがあるエリアもおすすめです。
商業施設や駅付近といえば大手が参入しているため既に飽和状態にあり、価格競争にも負ける場合があります。
しかし消費者の隠れたニーズをもつエリアであれば大手の参入率は低い傾向にあります。
路上駐車が目立っているエリアがあれば、それは潜在的な駐車場の需要といえるでしょう。
路上駐車禁止エリアも狙い目!
道路交通法が厳しくなり駐車禁止の場所がたいへん増えたことで、気軽に止められる駐車場のニーズが高まっています。
例えば駐車禁止の看板が出ているところや幅4未満の狭い道路、路上駐車取り締まりが厳しいエリアに駐車場があれば、利用者は喜んで駐車場を利用するでしょう。
回転数が見込めるようであれば狭い土地でも十分機能します。
あまり目立たない需要ではありますが、大手が参入しにくい場所であればより重宝されるでしょう。
開発予定地も狙い目!
駐車場経営を成功させるには、視点を変えた土地選びも重要です。
先のニーズを想定した投資をしたことで大きな成功を収めた例も少なくありません。
新規開発エリアや再開発エリア、新規乗り入れ駅周辺などといった開発情報をキャッチした場合は、是非駐車場の需要を検討してみましょう。
開発の情報はオフィシャルに流れるよりも噂で広まる方が早いもの。
こういった情報に先乗りできれば、成功率の高い経営が期待できるでしょう。
防火地域も狙い目
防火地域とは、市街地において火災の危険を防除するために定められた地域のことで、いわゆる商業地の中に定められます。
オフィスビルを隣接して建てられる商業地域では、近隣に火災が燃え広がらないようにと防火地域が指定されています。
防火地域に指定された場所は延床面積100㎡を超える場合、耐火建物にしなければなりません。
そのため、戸建てしか建てられないような狭小土地の場合、有効利用されないままのことが多いのです。
しかしながら防火地域に指定されるのは商業施設やターミナル駅などが多いため、駐車場にした場合多くの需要が見込まれます。
利用価値の低い土地とされ、安く購入できることが多いため、防火地域の土地を検討してみるのも良いでしょう。
敷地条件を確認しよう
整地された土地であれば駐車場経営が始められるのが魅力的ですが、実は土地の敷地条件によっては駐車場として使えないこともあります。
知らないまま購入してしまうと経営自体が出来ませんので、条件を知っておきましょう。
道路付の確認
駐車場にする土地は、道路に隣接していて車の出入りが可能であることが条件です。
接道は幅4メートル以上が望ましいとされています。
それより狭くても駐車場設置不可となるわけではありませんが、狭い土地を通らなければならないとなると利用者からは敬遠されてしまうでしょう。
接道に面する駐車場への入り口(間口)についても、十分な広さを確保しなければなりません。
また、ガードレールや街路樹、道路標識、電柱などの障害物は移設不可となるため、駐車場としての土地活用が難しくなります。
高低差の確認
道路と敷地に高低差のある土地、または敷地内に高低差がある土地は、そのままだと駐車場にできません。
土地の広さや形状、高低差の程度にもよりますが、車が駐車できるように造成する必要があります。
例えば道路と敷地に高低差がある場合は、進入路をスロープにして敷地内をフラット整地するなどすれば、駐車場としての利用は可能となります。
敷地形状の確認
敷地の形状は駐車可能台数に大きな影響を与えるものであり、収益率に直結する問題です。
駐車スペースの区画割によって何台停められるかが重要になります。
例え整形地でなくても、より多くの区画を確保できればその土地は駐車場に向いているといえるでしょう。
規制や条例の確認
管轄の行政庁によっては、地域ごとに条例や規制が敷かれている場合があります。
例えば、道路からバックして入庫しなければならない串刺し駐車の台数制限などといった区画割についてのものがあります。
地域ごとに異なるため、予め役所に確認すると良いでしょう。
駐車場の経営方法について
駐車場経営とはご存知の通り、車が駐車できるような大きさに合わせて区画割りした土地を、区画ごとに利用者へ貸し出しする土地活用の一つです。
経営方法は2種類あり、種類によって経営方法やかかるコストが異なります。
それぞれの違いを詳しくご説明します。
時間貸し駐車場
時間貸しとは時間単位で区画を貸し出すシステムのことをいいます。
例えばコインパーキングのように、○時間○○円~のような形で料金を徴収します。
利用者は入庫ゲートを通るか、またはロック式の駐車場に駐車をし、出庫時に料金を支払います。
利用者が多いほど収益率も上がる!時間貸しのメリット
稼働率と収益率が比例すること、これがまさに時間貸しのメリットです。
利用者の人数に応じて収益が見込めるため、駐車場の立地が良ければ長期にわたって安定した収入が見込めるでしょう。
また入庫ゲートやロック板などによって管理されているため、駐車場を違法に占拠される心配がほとんどありません。
設備投資のための初期費用がかかる
コインパーキングのような時間貸しの場合は、ゲートや精算機、ロック板などといった設備投資が必要です。
設備費用は種類によって金額に差がありますが、ゲートが40万円前後、精算機が50万円前後、ロック板ですと一台当たり10万円程度かかります。
更に駐車場周知のための看板や照明を設置するとすれば20万円前後追加となり、それらを業者に設置してもらう工事費用として50万円程が必要となります。
例えば10台が駐車できるコインパーキングを設置したとすると、ゲートの場合は350万円程、ロック板の場合は300万円程かかります。
高い収益が期待できる時間貸しですが、このような設備投資と運用コストがかかることを覚えておきましょう。
時間貸し(コインパーキング)にかかる初期費用
項目 | 費用目安 |
---|---|
精算機 | 50万円/一台 |
ロック板 | 10万円/一台 |
看板(設置含) | 10万円/一台 |
設備工事費 | 数十万円 |
アスファルト舗装 | 4400円/㎡ |
ライン引き | 5000円/一台 |
駐車場番号表記 | 1000円/一台 |
車止めブロック | 6000円/一台 |
月極
月極は個人や法人と契約を結び、月ごとに定めた賃料を徴収するシステムです。
コインパーキングのように設備投資をする必要がないため、整地された土地さえあれば始められる駐車場経営となります。
初期費用を抑えて安定的な収入を得られる!月極のメリット
月極駐車場は整地すれば経営を始められるという手軽さと初期費用の安さがメリットです。
例えば区画のラインを引いたり車止めブロックを設置するとしても、一台当たりそれぞれ5000円程度となりますので、賃料での早期回収が見込める範囲内です。
日ごとの賃料に左右されやすい時間貸しに対して、毎月一定の賃料を徴収できるという点で安定した経営ができるとも言えます。
月極駐車場にかかる初期費用
項目 | 費用目安 |
---|---|
掘削費 | 300円/㎡ |
残土処分費 | 800円/㎡ |
アスファルト | 3000円/㎡ |
採石実費 | 300円/m |
ライン引き | 5000円/一台 |
駐車場番号表記 | 1000円/一台 |
車止めブロック | 6000円/一台 |
トラブルに悩まされたり、空きが続くことも
入出庫を管理する機器を設置しない月極駐車場は、違法駐車に悩まされやすい傾向にあります。
クレームが入ったら直ちに対処しなければならないなど、個人経営の場合は特にトラブルの処理が大変になります。
またコインパーキングのように気軽に利用できないため、契約者が決まらなければ収入が減少します。
月極の駐車場収入は上限があるため、一区画の空車でも長期的に見れば大きなダメージとなってしまうでしょう。
月極と時間貸しでは設備投資にかかる費用が違いますね。
機材等を投入する分、時間貸しの方が設備投資費が高くなる傾向にあります。基本的には経営者が負担となりますが、契約する業者によってはこれらの費用を負担してくれる所もあります。収益率が高いのは時間貸しだと言われていますが、土地の形状や周辺の環境によっては月極の方が良いこともあります。様々な条件を考慮して総合的に判断することが大切ですよ。
駐車場経営の基礎知識
ここからは駐車場経営の運営方法やランニングコスト、運営管理について解説します。
駐車場の運営方法
駐車場の運営方法には、個人運営と管理委託方式、土地賃貸方式の3種類があります。
管理方法によって、運営スタイルや管理にかかる手間などが異なります。
駐車場経営の管理方法
管理方法 | 個人運営 | 管理委託方式 | 土地賃貸方式 |
---|---|---|---|
初期費用負担者 | 経営者 | 経営者か管理会社 | 管理会社 |
管理担当者 | 経営者 | 管理会社 | 管理会社 |
収益 | 駐車場の売上 | 駐車場の売上から管理費用を引いた額 | 地代 |
個人運営
個人運営は、初期費用や保守管理、メンテナンスなど、管理業務全般を経営者本人が行う方式です。
もちろん、経営を始める前の土地の整備も自分で行わなければなりません。
駐車場の売上がそのまま収益となって手元に残ります。
利用者からのクレーム対応やメンテナンスを行うなど手間がかかりますが、小規模であれば問題なく運営できるでしょう。
管理委託方式
コインパーキングなどの時間貸し駐車場に多い運営方法がこちらです。
管理費用を支払うことでメンテナンスや保守作業などの管理業務全般を代行してもらうことができます。
敷地整備や初期費用の負担については、契約を交わす管理会社によって異なります。
駐車場経営がしたいけど面倒な管理はお任せしたいという方におすすめの運営方法です。
土地賃貸方式
所有する土地を貸し出して、経営自体を管理会社に任せるサブリースによる運営方法です。
この場合は駐車場の収益に関わらず、管理会社から地代(賃料)が入ります。
管理等の手間がかからないうえに、毎月一定の賃料を得られることから安定した収入基盤を築くことができるでしょう。
駐車場経営の一連の流れ
駐車場経営を検討してから経営がスタートするまでの流れをみてみましょう。
- 駐車場の経営方法と運営方法を検討する
- 管理業者を選ぶ
- 市場調査及び経営計画の策定
- 管理業者との契約を結ぶ
- 舗装や設備導入等の工事開始
- 経営スタート
駐車場経営を始めるのであれば、経営方法や運営方法を検討した後、専門業者に相談しましょう。
その土地の市場調査をし、どれくらいの収益が見込めるかを見極めてくれます。
その調査によってあらゆる運営方法が具体的に決まっていくでしょう。
経営計画策定後、専門業者と契約を結ぶと駐車場の整備が開始され、およそ一か月ほどで経営スタートとなります。
極端に狭い土地でない限り、駐車場経営の多くは時間貸し経営であるコインパーキングとして運営されます。
これは運営管理などを全て専門業者に任せられるうえ、より多くの収益が見込めるためです。
業者に依頼した場合は、土地の整備や設備投資関連についての調整も行ってくれることも覚えておきましょう。
ランニングコストと運営管理
まずは駐車場経営でかかるランニングコストについてです。
- 電気代
- 機器メンテナンス費用
- 消耗品費用(レシート等)
- 管理業務委託費用(緊急対応、クレーム対応、集金等)
これらランニングコストにかかる費用は、個人経営の場合は経営者が負担し、管理委託や土地賃貸の場合は経営者又は管理業者が負担することとなります。
次に、駐車場経営における主な運営管理について見ていきましょう。
- 駐車場内の清掃
- 集金
- レシートや釣銭の補充
- 機器メンテナンスや設備のトラブル対応
- 事故対応
- 利用者からの電話、クレーム対応
- 放置車両対応
- 収益改善対策等の販促活動
このような運営管理は収益に直結する大変重要な管理業務となります。
こちらに関しては、管理委託や土地賃貸の場合は管理業者が行います。
個人経営の場合は経営者が全て行う場合もあれば、機器メンテナンスや利用者からの電話対応などといった対応の難しい一部分だけを管理業者に委託することも可能です。
駐車場経営のメリットとは?
マンションやアパートなどの不動産投資というととてもハードルが高く感じますが、駐車場経営なら初心者でも始めやすい様々なメリットがあります。
但し、ローリスク&ローリターンですから建物に比べると収益率は低くなります。
ここからは駐車場経営のメリットと、土地を購入するにあたっての注意点について詳しく解説していきます。
少ない初期投資で始められる
アパートやマンションなどの建物に関する不動産投資の場合、初期費用として多額の資金が必要です。
費用は地域や物件の種類によっても異なりますが、200㎡の敷地にアパートを建てる場合は5000万円程かかりますから、オーナーの多くはローンを借り入れし、家賃収入を得ながら返済していくパターンが多いです。
一方、建物の建設が必要ない駐車場経営なら、基本的に土地の購入代金のみで経営を始められます。
短期間で事業がスタートできる
駐車場経営のハードルはとても低く、敷地条件さえ揃っていれば始められます。
そのため、舗装やライン引きなどの工事期間も短くて済みますし、例え解体が必要な建物があったとしても、解体後に舗装して設備を設置するまでに一カ月程しかかかりません。
マンションやアパート経営となると建築前の間取りの設計や中古物件のリノベーションなどに時間がかかるため、事業開始まで一年以上かかることもあるでしょう。
このように土地の購入から経営スタートまでの時間が短いのも、駐車場経営のメリットの一つといえます。
狭い土地でも活用できる
商業施設が立ち並ぶ一角にある狭い土地。
立地は良いのに変形地のために有効活用されずにいる土地を見かけたことはないでしょうか。
狭小地や変形地はマンションはもちろん、アパートや住宅にも向かない土地です。
しかしこのような土地でも、駐車場なら有効活用することができます。
例え5台程度しか停められない広さだとしても立地さえ良ければ高い稼働率が見込めるため、土地を有効活用できるというわけなのです。
土地転用に応用が利く
不動産投資は、利回りが良くなければすぐにでも撤退するのが吉です。
駐車場経営の目論見が外れたとしても、新たに建物を建設して不動産賃貸を始めたり、売却するなどすれば損失を埋められる可能性が高くなります。
月極なら1ヶ月前の通告で、時間貸しなら業者に解約を依頼すれば、あまり時間をかけずに辞めることができます。
土地を転用させたり、駐車場経営を辞めたいと思った時に、すぐにでもやめられるのもメリットの一つと言えるでしょう。
資格が無くても経営ができる
駐車場経営では、500㎡を超える大規模なコインパーキングや管理規定者になる場合は別途事前申請が必要になります。
しかし、それ以外の場合には必要な資格がありません。
小さな月極駐車場であれば登録や申請をする必要もないため、土地があればいつでも始められます。
購入するときに気を付けたいこと
駐車場にはどのような土地が向いているのか、また駐車場にできない敷地条件について説明してきました。
これら全ての条件をクリアする駐車場向けの土地となると、地域の中心部に近い地価の高い場所を想像するでしょう。
しかし、実際にそのような土地を購入して経営をするとなると、購入資金自体を回収できない恐れがあります。
なぜなら、駐車場経営は建物経営よりも儲からないからです。
駐車場が平面であればその土地をワンフロアとしてしか活用できませんから、アパートやマンションのような収益は得られません。
土地さえあれば始められる手軽さがメリットである反面、収益自体はそれほど多くないのです。
ローリスクローリターンであり、土地活用の暫定的な位置づけであることを忘れてはなりません。
ローンで購入すると収益率が下がる可能性も
駐車場経営を始めるにあたってその土地を購入する際にローンを借り入れすると、金利と元本の返済をしなくてはなりません。
収入から固定資産税と都市計画税、金利を差し引いた額が利益になりますが、この利益に対してさらに税金がかかります。
そして元本の返済は税引き後の利益の中から支払わなければなりません。
建物のない駐車場は固定資産税がもともと高いため、それを支払うだけでも大変なもの。
それに加えて元本の返済や金利、税金の支払いがあるとなると、借入額によっては経営が苦しくなると予想されます。
一方、自己資金で賄える範囲の土地を購入した場合、この収益状況は元々土地を持っていた場合と同じになります。
当然、金利や元本の返済は必要ないため、駐車場の利益が収入となります。
また土地の相続税は、現金の相続税評価額の80%相当しかかかりません。
つまり、現金を土地に変えたことで節税対策にもなるというメリットも得られます。
このようにローンを借りるのと一括購入するのとでは収益率に多きな影響を及ばしますので、なるべく自己資金で賄える額の土地を購入することが大切です。
駐車場経営が安定する!土地購入の交渉術とは?
駐車場の経営を成功させるためには、高い収益率が見込める土地を選ぶことと、自己資金で賄える金額の土地を購入することが大切だとお話ししました。
ここからは、良い土地を少しでも安く手に入れるための交渉術について解説していきます。
土地を購入するにあたって、次の交渉術を押さえておくと良いでしょう。
- 売主が交渉相手であることを忘れないこと
- 相場を把握しておくこと
- ○○円だったら買う!という姿勢をみせること
- 所有者が業者か個人かで交渉金額を変えること
- 複数業者に相談すること
ポイント1 売主が交渉相手であることを忘れないこと
交渉のやり取りの全ては不動産会社の営業スタッフです。
しかしながら、実際に値引きを決定するのは売主であり、営業マンではありません。
例え不動産会社の所有する土地であったとしても、営業マンは売主ではなく、あくまでも仲介役です。
値引きには利害関係が生じるため、売る側と買う側が敵対する状態となりますが、そこで営業マンを売主と見立ててしまえば値引きするかしないかの極論だけが上がることになります。
あくまでも営業マンは仲介役であり、敵対するのではなく味方にするべき人物。
そして有意義なアドバイスを授けてくれる唯一の人です。
交渉相手は売主であることを忘れずに、営業マンからはどうしたら売主に値引きしてもらえるかというアドバイスをもらうことが大切です。
ポイント2 相場を把握しておくこと
土地の価格には定価がありませんので、近隣エリアで売却実績のある物件の価格や路線価などを踏まえた相場によって決められています。
値引き交渉では、この相場からかけ離れた金額を提示すると売主から敬遠される恐れがあります。
そのため、広告などで実績を調査して土地の相場を把握しておきましょう。
建物建設に向かない変形地などという特殊な土地であれば更なる値引きが期待できますので、そういった事例についても把握しておくことをおすすめします。
ポイント3 ○○円だったら買う!という姿勢を見せること
買主が購入を迷っている状態では、売主は値引き交渉に応じないでしょう。
確信がないのに交渉だけに時間を費やすのは時間の無駄と感じるからです。
つまり売主が値引き交渉に応じるのは、この買主なら確実に買ってくれるだろうと確信した時です。
そう思わせるには買主が○○円なら買うという強い意思を固めなければなりません。
売主に購入意欲を見せるため、買付証明書を提示するなどして、購入するという明確な姿勢を表すことが大切です。
ポイント4 所有者が業者か個人かで交渉金額を変えること
所有者が業者か個人かによって、値引き価格は変わります。
売主が個人である場合は、売主の都合によって値引き額は変わります。
早く売却してしまいたいなどという都合があれば、大きな額の値引き交渉をしても受け入れてもらえる可能性があります。
しかし業者は、土地を販売するまでの間に土地の購入費用や宣伝費用が加わっています。
そのため、値引き交渉をしても価格をある一定のライン以下に下げられない可能性が高くなるのです。
但し、業者の都合によって値引きに応じてくれることもありますので、価格設定を高めに値引き交渉の打診をしてみましょう。
ポイント5 複数業者に相談すること
不動産売買の仲介を依頼した場合、売主と買主の双方が不動産会社へ仲介手数料を支払うことになっています。
不動産会社はこれが利益となるため、仲介手数料よりも人件費等の負担が大きいとなった場合は値引き交渉に力を入れてくれない可能性があります。
しかしその一方で、売買契約成立のために値引き交渉に力を入れている業者があるのも事実。
そうなれば、もちろん力を入れてくれる所を選んだ方が良いでしょう。
仲介手数料の上限は法により定められており、業者による金額の差はほとんどありません。
もし一番初めに依頼した業者で値引き交渉が思い通りに進まなかった場合は、違う業者に再度依頼するのも一つの交渉術といえます。
購入者も相場を把握したりするなど、誠意をもって値引きすることが大切ですね!
そうですね。土地の値引きは1~2割程度が相場であり、限界とも言われています。少しでも安く手に入れられるよう、交渉術を活用してみてください!
まとめ
ここまで、駐車場経営のための土地選びと失敗しない購入方法、そして交渉術について解説してきました。
ローリスクローリターンの駐車場経営を成功させるためには、土地選びが最も重要です。
駐車場に向いている土地は近隣に商業施設がある場所だけではありません。
消費者の隠れたニーズがあるエリアや開発予定地などといった場所も安定した収益が見込めます。
常に飽和状態にあるところに参入するのではなく、少し視点を変えたところに構えると良いでしょう。
少ない投資額で始められたり狭い土地の活用も出来るなどメリットが多いですが、建物の不動産投資に比べれば収益率は下がります。
しかし、自己資金でなるべく安く購入出来れば節税対策にもなりますし、ローンの返済で利回りが悪くなることもありません。
土地を購入する際には、良い条件の土地を少しでも安く購入するための交渉術を踏まえ、値引き交渉してみると良いでしょう。