近年、少ない自己資金でアパート経営を始めている人が増えてきています。ここで注意をしなければならないことは、やみくもにアパート経営を始めるのはリスクが伴うということです。
そこで、本記事ではアパート経営に必要な知識や注意点などを解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
少ない自己資金でアパート経営を始める理由
近年、本業のほかに副業で収入を得るスタイルは珍しくなくなってきています。
多くの人が本業だけでは将来に不安を感じ、安定して働き続ける職場を確保しつつ副収入を得ようと感じています。
その理由からサラリーマンの人もアパート経営を始めようとしているのです。
サラリーマンが副業を始めるのは珍しくなくなってきている
サラリーマンは昇格などのタイミングで月収が上がることはありますが、年々月収が上がるという訳ではありません。
家族が増えるとこれまでの月収では生活が苦しくなることもあります。そこで、よくあるケースですが副業を進めるなかで、本業よりも安定性や収益性が高いと判断したときの独立です。
いま、個人経営者として働く人も増えています。さまざまな社会問題から会社が副業を認めるようにもなっているほどです。アパート経営は、副業で始めやすいという特徴からも人気があります。
サラリーマンが副業にアパート経営を選ぶのはなぜ?
サラリーマンがみんな副業をしている訳ではありませんし、副業しているサラリーマンがみんなアパート経営をしている訳ではありません。
副業といってもアパート経営は資金が必要です。資金を必要としない副業も多いので、リスク回避をするためにアパート経営を選択しないサラリーマンももちろんいます。
しかし、富裕層が資金を増やすために始めるのがアパート経営というイメージは、今はそれほど強くなく誰にでも始めやすい投資のひとつとしてアパート経営は意外と身近なものになっています。
思考の変化や知識を得ることで大きな資産を増やすことができると考えるサラリーマンは、初期費用を調達して本業にあまり支障をきたさないアパート経営に魅力を感じるのです。
また、アパート経営はローンの返済が終わると大きな資産を得ることになります。返済終了後は土地も建物も自身の大きな資産です。子供にアパートを残すこともできますし、担保に変えて新たな投資を始めることもできます。
実際にサラリーマンを続けながらアパート経営を始めた人のなかには、数年ごとに1棟ずつ買い足していけるほど経営を伸ばしている人もいるほどです。
大きな資金が必要なアパート経営というイメージよりも、堅実に賢くお金を回すことで大きな資産を生んでくれます。少ない資金でも始めやすいのがアパート経営と考えてもあながち間違いではありません。
自己資金が少ないはアパート経営を断念する理由にはならない?
初期費用問題を考えると少ない自己資金でアパート経営を始めるのはそれなりに不安が残ります。
しかし、実際に少ない自己資金でアパート経営を始めた人の大半が月収もそれほど多いわけではないのです。
当たり前の生活も確保したまま、お金をどのように調達するのでしょうか?それは「信用力」です。実は自己資金が多い少ないよりも、どれだけ堅実な事業計画を立てられるかというところが重要になります。
極端な話、自己資金を確保できていても融資を受けられないケースはあります。それは、お金ではなく事業計画に不安を感じるからです。
逆に、自己資金は少ないけれども融資先が返済の見込みに期待できると判断した場合は、自己資金が少なくても多くの融資を受けることができます。
今からたくさんの情報を収集し、質の高い知識を得ることで自身の投資への不安も軽減させることはできるでしょう。
少ない自己資金でも信用力があれば融資は通るの?
アパート経営を始めるなら、少しでも資金は確保しておきたいと誰しもが考えます。
万が一、赤字の月が出た場合に手元の資金で返済に回せるだけの預金は確保しておきたいと思うことは当然です。
また、多くの情報を得てアドバイスを受けたとしても、融資先に自己資金の数字を見せるのは躊躇します。
それでも、サラリーマンの投資のひとつにアパート経営をおすすめする理由は、アパート経営は融資審査のハードルが下がっているからです。
その理由というのもアパート経営の場合、建物完成前に入居者を募集でき、そして実際に立地や建物の構造を考えるとニーズが見えやすいという点にあります。
例えば、アパート経営とは異なる企業のひとつとして挙げると飲食店があります。飲食店の場合、オープン初日にどれだけのお客さまが来店するかはその当日にしか分かりません。
また、そのあと毎日お客さまが理想通りに来店してくれるかどうかもオープンしてみないと分かりません。さらに、毎日の仕入れに必ずお金はかかります。
ほかにも手軽に始められるインターネットショップの開業であっても場所にこだわる必要はありませんが、商品の仕入れやサイトへの出店費用が必要になります。
同じ商品を取り扱うショップも多いので仕入れた商品が必ず売れるという保証はありません。
飲食店やインターネットショップもアパート経営と同じ企業です。融資先は、どの企業ならリスクを抑えることができるかも融資を通す大きな判断材料になります。
その点、初期費用はどの企業でも必要になりますが、アパート経営じゃある程度の利益が期待できると判断されやすいので融資の審査もそれほど高くはなくなっているのです。
アパート経営を始めるサラリーマンの平均年収は?
サラリーマンのアパート経営の平均年収と自己資金額は以下のとおりです。
サラリーマンのアパート経営の平均年収 | 700万円未満 |
サラリーマンのアパート経営の平均の自己資金額 | 500万円未満 |
少ない自己資金でも、信用力を活かして堅実なプランを練ることでサラリーマンでもアパート経営は始められます。
ただし、自己資金が少ない場合は手元に預金が0となるリスクはあります。アパート経営を始めるサラリーマンの年収は4割が700万円未満です。
その4割の自己資金は、実は500万円未満とも言われており、自己資金にはバラつきはあります。
マンション経営を始める目安の自己資金額の目安になるはずです。融資先は数年遡って年収を確認します。
そしていまある自己資金を考えて、安定の収入があると判断されると、融資審査のハードルが比較的低くなります。
ここで大切なことは、上記で述べたとおり信用力です。
そのため、堅実な企業計画書は当然必要になりますが、数字の部分でもハードルを上げないために平均年収と自己資金額も頭にいれておくとよいでしょう。
少ない自己資金でアパート経営を失敗させないために必要なことは?
自己資金は少なくても、収益性を判断されるとサラリーマンでも、アパート経営は可能です。
パート経営は無知な状態で始めるとリスクが大きすぎます。また、自己資金が少ないと返済に回すための預金が少なく、返済ができない可能性もあります。
現状を厳しく客観視して数ヶ月、数年先を見越して無理のない経営を考えておくのがよいでしょう。そのため、少ない自己資金でも失敗しないためには以下のことを理解しておきましょう。
- アパート経営のローン融資に頭金は含まれない
- 目安にしておきたい物件価格と自己資金額
- 土地ありなしでの利回り
- 構造別の建築費と特徴
- 手元に残しておきたい資金
- 建築費を安く抑える方法
アパート経営のローン融資に頭金は含まれない
頭金とはローン融資を受けるときに入れるお金のことです。この頭金はローン融資には含まれておらず、自己資金から出すことになります。
頭金0円で融資を受ける方法もない訳ではありませんが、自己資金が少ないとなると融資先も頭金0円での融資は厳しくなります。
また、アパート経営を始めるにあたって土地なしの場合は土地代も必要です。そして建物完成までの建築費がかかります。
アパート経営は返済用の収入がすぐに確保できる訳ではありませんので、想定外の出費はできるだけ抑えることが賢明です。
アパート経営を始めるなかで目安にしておきたい物件価格と自己資金額
アパート経営を始めるサラリーマンの平均自己資金は500万円未満と伝えましたが、これはあくまでも平均で、自身が考えるアパート経営のプランによっては手元に用意しておきたい自己資金額は変わります。
例えば、土地の購入が必要になるのか?土地代はいくらなのか?建物の構造はなにを考えているのかなど、アパート経営を始めるにあたってこうした細かいプランを練ることが一般的です。
そのため、それぞれ必要な資金は大きく変わってきます。そこで、まずはアパート経営トータルでいくら資金が必要になるのか数字を出してください。
出た数字の約30%程度は、自己資金として確保しておくのがよいでしょう。
また、アパート経営の建築費についても知っておく必要があります。アパート経営では建築費に伴って以下のものを支払う必要がでてきます。
- 土地購入仲介手数料
- 土地不動産取得税
- 土地登録免許税
- 建物不動産取得税
- 建物登録免許税
土地購入仲介手数料
土地を購入する際に不動産会社の仲介を利用すると仲介手数料を支払うことになります。
宅地建物取引業法で不動産会社が受け取ることのできる仲介手数料は以下のように定められています。
取引額 | 速算式 |
200万円以下 | 5% |
200万円超から400万円以下 | 4%+2万円 |
400万円超 | 3%+6万円 |
引用元:物件売却時の仲介手数料について | 公益社団法人 全日本不動産協会
全日本不動産協会の事例を参考にすると仲介手数料の上限額の計算は以下のとおりです。
●売買価格が1,000万円の土地の仲介手数料の上限額
→売買価格を次のように分解して計算します
a) 200万円までの部分
200万円 × 5% = 10万円
b) 200万円超 400万円までの部分
200万円 × 4% = 8万円
c) 400万円超 1,000万円までの部分
600万円 × 3% = 18万円
a + b + c = 36万円
※この額に消費税を上乗せした金額が仲介手数料の上限額になります。
なお、400万円を超える物件については、以下の式で仲介手数料の上限額を速算することができます
→売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税
引用元:物件売却時の仲介手数料について | 公益社団法人 全日本不動産協会
土地不動産取得税
土地を購入した場合は不動産取得税が発生します。
土地登録免許税
土地を取得すると法務局に登記申請書を提出する必要があります。そのため、登記申請を行うと登録免許税が発生するのです。
土地に関する所有権移転登記の登録免許税の税率は1.5%となっています。土地の登録免許税の計算方法は以下のとおりです。
土地の登録免許税 = 固定資産税評価額 × 1.5%
建物不動産取得税
建物も取得すると不動産取得税が発生します。不動産取得税の税率は3%です。建物の不動産取得税の計算方法は以下のとおりです。
建物の不動産取得税 = 固定資産税評価額 × 3.0%
建物登録免許税
アパートを取得した場合は土地同様に登録免許税が発生します。建物に関する登録免許税の計算方法は以下のとおりです。
建物登録免許税 = 固定資産税評価額 × 0.4%
構造別の建築費と特徴
異なる建物の建築費についても理解しておくことが大切です。建物の構造には3種類ありそれぞれの特徴を覚えておくとよいでしょう。
木造アパートの建築費と特徴
木造アパートの建築費用の相場は、坪単価で50~70万円程度です。坪単価も安いのでアパートでは最も多い構造でもあります。
階数も2〜3階が多く、家賃を最大限に抑えたいと考える方から人気のアパートです。そんな、木造構造のアパートのメリットはなんといっても建築費を抑えられるという点にあります。
また、建築期間も軽量鉄骨と鉄筋コンクリートと比較すると短いので、工事開始から入居者を募集し入居させるまでの期間を短縮できます。
金融機関から借り入れをして返済するための収入が早期に手にできるので、返済面でもリスクを抑えることができるのです。しかし、木造構造にはデメリットもあります。
アパートは高層化できないという点と木材や壁材が痛んでくるため耐用年数が比較的短いことです。また、木造構造を極端に嫌う方も多いので構造選びで失敗してしまうと、いくら家賃が安くても空室の多い物件になってしまう可能性もあります。
建物の構造選びはとても重要で、その地域の求めるニーズをしっかりと把握しておくようにしましょう。
また、木造アパートの建築費の計算は以下のとおりです。
敷地面積 × 建蔽率 × 階数 × 坪単価 = 建築費用
たとえば、敷地面積50坪、建蔽率80%、2階建て、坪単価50万円だった場合は上記の計算式に当てはめると建築費用は4,000万円となります。
軽量鉄骨の建築費と特徴
軽量鉄骨の建築費用の相場は、坪単価で60~90万円です。建築費は木造構造よりは高くなってしまいますが、鉄筋コンクリートよりはコストを抑えられます。
軽量鉄骨構造の場合は2階〜4階建てのアパートを建設することが多いです。木造構造よりも少し階数を増やすことができるのが特徴です。
最も、低層建物に適した構造で木造構造よりもワンランク上の外観に変えることができます。そんな、軽量鉄骨構造のメリットは、コストを最大限に抑えられる木造構造と比較すると耐震性と耐久性があるという点にあります。
また、建築費の1番かかる鉄筋コンクリート構造と比較すると見た目を維持したまま、建築費が抑えられるという特徴もあります。
木造構造を極端に嫌がる人も、数万円出して鉄筋コンクリートに住みたいかと言われると極端にそんなことはありません。
ある程度、見た目も気にしているという人の場合は、鉄筋コンクリートよりも家賃を少し抑えられる軽量鉄骨構造にメリットを感じます。
木造構造と鉄筋コンクリートの中間に位置するのが軽量鉄骨構造ですのでニーズもあり、空室を避けられるという強みも持っているのです。
しかし、軽量鉄骨構造にもデメリットはあります。軽量鉄骨構造は耐火性や遮音性が他の構造よりも劣ります。
耐火性や遮音性を求める方には、ニーズが合わずに選択肢から除外されてしまいます。軽量鉄骨構造はメリットも多いですが、入居者を募集する際はデメリットについてもしっかり伝えた上で入居してもらうようにしましょう。
また、軽量鉄骨構造アパートの建築費の計算は以下のとおりです。事例は木造アパートで使用した数字を利用しています。(坪単価のみ60万)
50坪×80%×2回×60万円=4,800円
鉄筋コンクリートの建築費と特徴
鉄筋コンクリートはどうしても建築費は割高になります。しかしその分、家にこだわる人からは人気の物件にもなります。
建築費の相場は、坪単価で80~120万円程度です。もし、土地なしでアパート経営を始める場合は土地代を含むと、資産や借入金額はどうしても高くなります。
初期費用は高くなってしまいますが、鉄筋コンクリート構造ですので木造と軽量鉄骨と比べるとアパートを5階〜10階建てと高層建築も可能です。
そのため、高層階を求める方で立地条件などがマッチすると安定した家賃収入が期待できます。
鉄筋コンクリート構造の建築費はネックになりますが、それ以上のメリットが多いので初期費用をかけても、鉄筋コンクリート構造のアパートを検討するのも一つの戦略といえます。
鉄筋コンクリート構造のメリットは階数が上がるだけでなく耐震性、耐久性、そして遮音性が高いという点です。
これは、修繕費が定期的にかかる費用を抑えられ、一度、入居を決めた人が早期退去するリスクも抑えられます。
鉄筋コンクリート構造はメリットも多いですが、デメリットもあります。鉄筋コンクリート構造のデメリットは建築費の高さと、工事に時間がかかるという点です。
階数を高くすればするほど工事期間が延び、多くの業者も入ることになるので工期が遅れることもよくある話です。また、材料が届かないなどの理由で工事が数日止まる業者なども出てきます。
もちろん、建設業者は工事開始前にスケジュールを立てますが、工事期間が延長することも考え余裕のある返済計画を立てることも重要になってきます。
少ない自己資金で返済不振に陥らないために手元に残しておきたい資金は?
いま、自己資金として手元にあるお金から頭金、そして初期費用が支出として預金からなくなります。
この頭金と初期費用代を差し引いたら、自己資金はそれなりに自由に使ってもいいのかと言われると話は別です。
自己資金はあくまでも、万が一のリスクを避けるためのお金です。建築費が予算内で収まらなかったときのためのお金ではなく、アパート経営以外に使ってもよいお金でもありません。
私欲のために使うお金は、あくまでも本業で得た収入の中で回すようにしておかないと、アパート経営失敗のリスクは高まります。その理由というのも実際にアパートが建設されてからすべての部屋が埋まる保証がないからです。
空室が続くと利回りは下がります。想定していただけの収入の保証はどこにもないのです。
もちろん、全室空室なんてことはほとんどありませんが、空室リスクや家賃の下落リスクに備えて自己資金を備えておくことが重要になります。
万が一、返済が滞ってしまうと信頼を失いますし、返済の見込みがないと判断されれば資産の差し押さえなどのリスクも出てきます。
土地ありなしでの利回り
利回りには表面利回りと実質利回りの2種類があります。
表面利回り
表面利回りとは、投資した元金から収益をどれくらい得られたかを計算する利回りのことです。表面利回りn計算方法は以下のとおりです。
表面利回り = (全室満室時年間収入 ÷ 建築費用) × 100 |
たとえば、6戸あるアパートの各部屋が家賃6万円だとすると年間の家賃収入は432万円(6万円×6戸×12ヶ月)となります。建築費用が4,000万円だった場合の表面利回りは10%(432万円÷4,000万円×100)です。
この計算はあくまでも満室での計算方法です。見積書の計算は満室での計算方法が多いため、アパート経営には必ずしも満室になるとは保証されていないので満室でない状態になり得ると考えておいた方がよいでしょう。
では、土地ありと土地なしの表面利回りについて上記で述べた事例を参考に比較していきましょう。
たとえば、6戸あるアパートの各部屋が家賃6万円で土地、建物の価格がともに4,000万円だった場合の利回りは以下のとおりです。
土地あり | 土地なし |
432万円 ÷ 4,000万円 × 100 = 10 % | 432万円 ÷8,000万円 × 100 = 5.4 % |
土地を持っていると土地購入費がないため、土地なしアパート経営より利回りが高いです。
実質利回り
実質利回りとは、仲介手数料や不動産取得税などの税金、修繕費や固定資産税などの実際にかかる費用、そしてアパート経営にかかった諸経費を加えて計算する利回りのことです。実質利回りの計算方法は以下のとおりとなります。
実質利回り = (年間収入 − 年間支出)÷ 建築費用 × 100 |
実質利回りは年間収入から年間の支出を差し引いているため、表面利回りよりも低くなります。単純に利回りと言ってもこの両者では大きな差となりますので、どちらの利回りで見積もりをしているのか意識しましょう。
また、この計算は土地を所有している人の場合なので土地なしアパート経営の場合は土地購入費も分母に加算して利回りを計算します。
つまり、すでに土地を持って人と比べ土地を持っていない人の方が利回りを低くなります。投資利回りのことを考えるのであれば土地なしアパート経営は土地ありアパート経営より不利といえるのです。
アパート経営の建築費を安く抑える
アパート経営で利益を出すためには、構造から予想される坪単価を知ることです。坪単価での建築費を算出して、うまく予算内に収め理想のアパートを作りましょう。
そして、出来るだけ無駄なく建築費を抑えることも大切です。建築費を抑えるポイントは以下のとおりです。
- アパートの構造を得意とする建築会社を選ぶ
- シンプルな形状にすることで費用を抑えられる
アパートの構造を得意とする建築会社を選ぶ
アパートの構造は大きく分けて木造、軽量鉄骨、鉄筋コンクリートの3つの構造です。
構造によって、得意とする建築会社は異なります。木造建築を得意とする建築会社は、建築費用を抑えて利益を出すはことができます。
建築費は高くなりますが鉄筋コンクリート建築を得意とする建築会社は、他者と比べて予算を抑えられる建築会社を選ぶとよいでしょう。どの構造が得意としているのかを知ることで建築費を少しでも抑えることはできます。
シンプルな形状にすることで費用を抑えられる
建築する場合、建物が複雑な形だと建築にかかる日数も増えてしまい建築費が高くなります。
複雑ではない建物にすることにより、材料や手間を省くことができ建築費が抑えることができます。複雑な構造だと揃える部品と限られ、部品の値段も高い可能性があるからです。
サラリーマンがアパート経営を始める中で信用力をなくしてしまう4つの落とし穴
信用力をなくすことは以下のことを指します。
- 出費を抑えるために自主管理を行う
- 利益にならない物件を買う
- オーナーチェンジ物件にも要注意
- 確定申告を行わない
出費を抑えるために自主管理を行う
アパート経営をスムーズに進めるためには、不動産会社に賃貸管理を行ってもらいます。
特に副業でアパート経営を始めるというならなおさらの話です。片手間にアパートを管理するというは現実的に厳しい話で対応も杜撰になってしまいます。
不動産会社は賃貸管理の専門家であり、賃貸を管理することが仕事ですので必要な処理が分かっています。
しかし、不動産会社に賃貸管理を行ってもらうということは入居者に快適な環境を用意するということでもあるので別途、賃貸管理費がかかってしまいます。
アパート経営を始めてすぐは右も左も分からない状況なため、大半の方が不動産会社に賃貸管理を行ってもらいます。
ある程度、入居者が確保できてくると不動産会社に支払う賃貸管理費がもったいないと感じ始め、自主管理を行うケースがよくあります。
その理由というのも、日々トラブルが起きる訳ではなく、電話対応に追われることはないなどの理由から賃貸の管理を甘くみているからです。
アパートに入居している人は全く別のリズムで生活しているわけで早朝に連絡を求める人もいますし、深夜の対応を望む方もいるのです。
さらに、水周りや給湯器の修理が必要となると、個人で依頼する業者を探すところから始まります。
不動産会社は水道業者、ガス業者、補修工事などお願いする業者がある程度決まっています。トラブル対応に時間を要することもなく、入居者はストレスなくトラブルを解消できるのです。
しかし、自主管理をしてしまうと管理がうまく行えず、結果的に入居者は快適さを得られず退去してしまうなんてこともあります。
賃貸管理費は入居者にとって快適な環境を提供するための費用です。
サラリーマンが片手間に自主管理してしまうと経営不振に陥ることもありますので、自分自身の収益のためにもアパート管理は信頼できる不動産会社にお願いするのがよいでしょう。
利益にならない物件を買う
サラリーマンでも多くのお金を融資してもらうことなく、アパート経営を始められる人もいます。
また、少ない自己資金でアパート経営を始めて軌道にのせることできると、アパートを担保に新たにアパートを購入することもできるのです。
アパート1棟よりも2棟、3棟と増えていく方が毎月入ってくるお金ももちろん増えます。必要な経費も増えますが数を確保することでリスクを分散することもできます。
しかし、アパート経営は大きなお金を得ることで支払う税金も大きく変わってきます。
そこで大切になってくのが節税対策です。
アパート経営に関してある程度知識あるからといって利益にならない物件を購入してしまうと、結果的に利益は出ないままで、本来の目的の節税対策にはつながりません。
最悪の場合、赤字が続き借金を背負うことにもなります。節税のためと思い、利益にならない物件の購入には注意しましょう。
オーナーチェンジ物件にも要注意
オーナーチェンジ物件というのはもともと物件があり、すでに入居者もいる状態でオーナーだけが変わることを意味しています。
初期費用にかかる土地代や建築費を負担することなく、すでにいる入居者からの家賃収入が得られます。オーナーチェンジ物件のメリット・デメリットは以下のとおりです。
オーナーチェンジ物件のメリット | オーナーチェンジ物件のデメリット |
初期費用が不要入居者がすでにいる | 現状把握が難しい入居者の退去リスクが見えにくい修繕費が膨大になることもある |
オーナーチェンジ物件はメリットが多いように感じますが、オーナーチェンジ物件ということは自身が建築に携わったわけではありません。
つまり、部屋の作りや構造は書類で確認することになります。もちろん一部屋一部屋、住んでいる人は異なるので部屋の状態も変わってくるでしょう。
実際はすぐに修繕が必要な箇所があっても全てを完璧に把握することは難しいです。そろそろ修繕が必要な箇所があっても、前オーナーから伝えられていないと思わぬ出費が必要になります。
確定申告を行わない
個人事業主は年に一度の確定申告が必要です。
確定申告は個々が得た年間の収入から税金の支払額を算出するために必要です。そのため、専業主婦であっても副業で得た収入があれば申告の義務があります。
本業がサラリーマンであっても副業でアパート経営をしているのではあれば、アパート経営で得た収入の申告は必須です。
悪質な申告漏れや無申告をした場合、所得隠しと判断され、追徴課税だけでなく懲役刑や罰金刑が科せられることもあるので確保申告は必ずするようにしましょう。確定申告で必要になってくる主な書類は以下のとおりです。
- 確定申告書
- マイナンバー
- 固定資産税の納税額に関する通知書類
- 社会保険料控除などの証明書
- 火災保険の証券
- 地震保険の証券
- 返済予定表
- 必要経費に算入した領収書
確定申告には白色申告と青色申告の2種類の方法があります。白色申告とは、所得税の確定申告で青色申告を利用しない個人の方が行く申告方法です。
青色申告と違って手続きが簡単なので、所得が少ない方や簡単に手続きを済ませたい方が多く利用しています。
一方、青色申告とは、白色申告と違い帳簿作成の義務などがありますが、税金に関する優遇措置があります。
アパート経営における青色申告の税金に関する優遇措置は3点ほどあります。一つ目は、青色申告制度を利用すると最大で65万円の特別控除が受けられます。
この青色申告特別控除を受けられる条件としては、簿記の原則に従った記録および貸借対照表・損益計算書の提出が必要です。二つ目は、青色申告では初期投資費用を繰越ができます。
白色申告では赤字申告を1年で終わらせなければなりませんが、青色申告は赤字申告を3年まで繰り越すことが可能なのです。三つ目は、上記で説明した青色事業専従者給与を経費に算入できることです。
白色申告でも一定額の控除は受けられますが、青色申告の場合は事業に必要として支払われた全額が経費になります。
青色申告制度は税金に関する優遇措置があるなどのメリットがあります。しかし、青色申告をするときに申請が必要であることや正規の簿記に従った会計処理が必要なことなど手続き面に手間がかかることがデメリットです。
青色申告制度は手続き面に手間がかかりますが、控除金額が多いので青色申告制度を利用するのもよいでしょう。
まとめ
将来に備えてサラリーマンが副業するのは珍しい話ではありません。近年、少ない自己資金でアパート経営を始めている人が増えてきています。
また、投資に目を向けて始めやすいアパート経営を考える人も増えています。
アパート経営は株やFXのようにリスクの高い投資と比べても、収益性が期待できる投資方法です。
しかし、やみくもにアパート経営を始めるのはリスクが伴います。
この記事でアパート経営に必要な知識や注意点などを理解し、ぜひ参考にしてみてください。