新居の購入には多額のお金がかかるため、住宅ローンを組むのが一般的です。
住宅ローンには返済比率があります。
とっても重要なんです。
この記事では、借り入れ可能額と返済比率を求めるための計算式を記載しつつ、無理なくローンを返済するポイントをご紹介します。
住宅ローンの借り入れ可能額
住宅ローンを組む際にいくら借りられるのかは、事前に知っておきたい情報ですよね。
この借入可能額は、年収等のいくつかの指標を参考にすることで、ある程度の目安額を自分で算出できます。
返済比率とも密接な関係にあるため、まずは借り入れ可能額の目安について見ていきましょう。
借り入れ可能額の基準となるもの
借り入れ可能額を算出する際の基準として、以下のような要素が挙げられます。
- 年収
- 返済比率
- 別途での借り入れ
- 審査金利
- 借り入れ期間
借り入れ可能額に直結する最も重要な基準が年収です。
年収が多ければそれだけ多くの額を借りられますし、少ないとその分借りられる額も下がります。
そして、この記事のテーマにもある返済比率ですが、簡単に言うと年収のうち何パーセントをローン返済に充てられるかを示します。
年収に返済比率を掛けた金額が、1年あたりに返済できる上限額となるわけです。
さらに、既に何かしらのローンを組んでいる場合は、住宅ローンの借り入れ額に影響するため注意が必要です。
ローン残債を一括返済できる場合等、特定の条件下を除いて、別のローンを組んでいる分融資額は少なくなります。
審査金利と借り入れ期間も計算に使う重要な指標です。
審査金利とは住宅ローンの審査時に金融機関が用いる金利のことで、住宅ローンの種類によって異なります。
実際の金利より高めで審査されることもあるため、融資額が上限ギリギリだと審査に落ちる恐れがあります。
上記の各要素を組み合わせて計算することで、ケースに応じた借り入れ可能額を算出します。
住宅ローンの種類と審査金利
住宅ローンには様々なタイプがありますが、代表的なものに以下の2つがあります。
固定金利型は返済期間中の金利がずっと一定となるタイプです。
変動金利型に比べて、基本的には金利が高めとなりますが、返済額が変動することはありません。
一方、変動金利型は半年ごとに金利が変動します。
当初の金利は固定金利型よりも低いですが、金利上昇のリスクを負います。
また固定金利型の場合は審査金利も実際の金利と同じですが、変動金利型の場合は異なります。
返済期間中の金利変動を考慮に入れるため、実際の金利よりも審査金利が高めに設定されるのです。
変動金利を選ぶ際には、審査金利が高めとなることを計算に入れておきましょう。
借り入れ可能額の計算方法
借り入れ可能額の基準を押さえたところで、実際の計算方法に移りましょう。
上記にある5つの要素を使えば、借入可能額の計算が可能です。
まず、年収に返済比率を掛けることで、年間の返済可能額を算出します。
この際、既に他のローンを組んでいるのであれば、そのローンの年間返済額を差し引かなければいけません。
年間の返済可能額を12で割って月間の返済額を求めたら、次のステップに移ります。
審査金利で100万円を借りた際の月間返済額を、返済期間に基づいて算出しましょう。
とても複雑な計算なので、オンラインのローンシミュレーションを利用すると便利です。
このようにして、以下の2つの要素が算出されました。
(年収から算出した月間の返済可能額)=A
(審査金利で100万円を借りた場合の月間返済額)=B
借り入れ可能額はこのAとBを用いて、A÷B×100万円で求められます。
全てまとめると、次のような計算となります。
借り入れ可能額=(年収×返済比率-他のローンの年間返済額)÷12÷(審査金利および返済期間で100万円を借りた際の月間返済額)×100万円
1万円単位での借り入れはできないため、上記の計算結果から10万円以下の端数を除いた額が最終的な計算結果です。
自分で計算するのが面倒だという方は、オンラインの概算サービスを利用しても良いでしょう。
金融機関のローンシミュレーションを利用すれば、年収や返済期間等の情報を入力するだけで借入可能額の概算がわかります。
あくまでも概算であり、融資の保証はないことに注意が必要ですが、毎月の返済額も算出できる等、便利なサービスもあります。
借り入れ可能額についてもっと詳しく知りたい場合はプロに相談すると良いでしょう。
収入合算について
夫婦での共働きや親子で働いている場合等は、それぞれの収入を合算して借り入れ可能額を増やすことができます。
片方の収入が途絶えると困る等の注意点もありますが、申込者の収入だけでは本来届かない金額を借りられるのは大きなメリットです。
収入合算の方法には次の3つがあり、それぞれ契約方法に違いが見られます。
- 連帯保証
- 連帯債務
- ペアローン
連帯保証は主債務者と金融機関が契約を結び、ローンを返済できなかった時に連帯保証人が返済を行います。
一方、連帯債務は2人セットで金融機関と契約を結び、両人共に返済義務が生じます。
一人の借り入れをもう一人がサポートする連帯保証に対し、世帯全体として借り入れる連帯債務といったイメージです。
また、ペアローンという返済形態では、それぞれが別々で住宅ローンを組み、別々に返済を行います。
連帯保証や連帯債務とは異なり、独立した2つのローンを組むため、費用や控除等も別々に適用されるのが特徴です。
これら3つは自由に選べるわけではなく、ローンの種類や収入を合算する人の条件によってある程度決まっています。
一般的な住宅ローンの合算形態は連帯保証かペアローンで、連帯債務はあまり見られません。
逆にフラット35では、連帯債務のみとなっており、それ以外の合算方法は選べません。
その他にも合算できる人の条件等が決められているので収入合算を考えている場合はチェックしてみましょう。
借り入れ限度額と年齢制限
借り入れ可能額を計算する際に気を付けておきたいのが、借り入れ限度額の存在です。
年収が高ければいくらでも借りられるわけではなく、金融機関ごとに上限額が設けられています。
一般的な金融機関のローンは、1億円が借り入れの上限額です。
その他、フラット35の場合は8000万円、財形住宅融資の場合は4000万円がそれぞれ上限額であり、借入限度額が少なめなので注意しましょう。
そして、もう一点気を付けたいことが、借り入れの年齢制限についてです。
年齢制限には申し込み時の年齢ものと、完済時の年齢のものがあります。
借り入れ時の年齢制限は基本的に70歳以下、完済時の年齢制限は75歳から80歳のものが多く見られます。
高齢になって住宅ローンを組む予定がある方は、申し込み時と完済時両方の年齢制限に気を付けましょう。
住宅ローンの借り入れ可能額は、自分で計算することができるんですね。
借り入れ可能額の目安を押さえておけば、住宅ローンの借り入れがスムーズになります。
自分での計算が難しくても、ネットのローンシミュレーションを使えば問題なさそうです。
住宅ローンの返済比率の求め方
次は、返済比率について見ていきます。
返済比率は借り入れ可能額にも影響する要素であり、その求め方や意義を知っておくことは重要です。
返済比率の基礎事項から注意点まで、順を追って押さえましょう。
住宅ローンの返済比率とは?
住宅ローンの返済比率とは前述の通り、年収のうちローン返済に充てられる金額の比率を示します。
返済比率を計算式で表すと以下の通りです。
★返済比率=年間返済額÷額面年収×100パーセント
たとえば、毎月の返済額が10万円、年収が500万円である場合は、10×12÷500×100=24パーセントとなります。
額面年収は税金や保険料等を差し引く前の総収入であり、手取り年収とは異なるので注意しましょう。
返済比率が大きいほど融資額は高くなりますが、それに応じて返済の負担も増します。
また、ボーナス月に追加でローンを支払うボーナス返済がある場合は、ボーナス分も年間返済額に加算します。
車のローンやカードのリボ払い等、別のローンを支払っているのであれば、そちらも年間返済額に加算する必要があります。
たとえば毎月の返済額が10万円、年収500万円に加え、毎月2万円の車のローンがある場合、返済比率は(10+2)×12÷500×100=28.8パーセントです。
他のローンがある場合は返済比率に大きな違いが生まれるので、計算時に忘れないよう気を付けましょう。
住宅ローンごとの返済比率
住宅金融支援機構によるフラット35の場合、返済比率は年収が400万円以上かどうかで異なります。
年収と返済比率の関係について、以下の表を御覧ください。
年収 | 返済比率 |
---|---|
400万円未満 | 30%以下 |
400万円以上 | 35%以下 |
民間の金融機関はそれぞれ独自の基準を持ち、返済負担率が画一化されているわけではありません。
ただ一般的な年収と返済負担率の関係はある程度決まっており、概ね以下の基準に従います。
年収 | 返済比率 |
---|---|
100万円以上300万円未満 | 20%以下 |
300万円以上450万円未満 | 30%以下 |
450万円以上600円未満 | 35%以下 |
600万円以上 | 40%以下 |
これらの返済比率はあくまで上限値にすぎないため、自分に合った返済比率を考えることが重要です。
適正水準の返済比率とは?
返済比率として適していると一般的に言われているのが、20パーセントから25パーセントの水準です。
手取り年収は額面年収の8割程度だと言われているので、手取りに対してはより多くの割合を占めることになります。
実際、額面年収の8割を手取り年収と想定した場合、手取りに対する借り入れ額の比率は以下のようになります。
返済比率 | 手取りに対する比率 |
---|---|
15% | 18.8% |
20% | 25% |
25% | 31.3% |
30% | 37.5% |
35% | 43.8% |
手取りに対する比率は決して無視できず、返済比率が25パーセントでも、手取りの3分の1近くを返済額が占めることがわかります。
この事実からも、20から25パーセントで無理のない比率を基本とし、できることなら20パーセント以下にすることが理想です。
住宅ローンの審査を堅実にパスするためにも、返済比率は低めの設定を心掛けると良いでしょう。
上限比率との間に数パーセントの余裕を持たせておくことは、審査の通過に有利に働きます。
審査のためにも、返済時の負担を軽くするためにも、自分にとって無理のない返済比率の見極めが重要なポイントです。
審査金利と返済比率
前述にて、変動金利の場合は審査金利が高くなることに触れていますが、返済比率の面からも審査金利は重要です。
返済比率=年間返済額÷額面年収×100パーセントなので、審査金利が高いと年間返済額が高くなり、返済比率が高くなります。
実際の金利よりも高い審査金利が採用される変動金利型のローン審査は、返済比率が高くなる傾向があります。
一方、フラット35のような固定型金利の場合は、実際の金利と審査金利が変わらないため、傾向としては返済比率が低めです。
返済比率を抑え、審査に通りやすくするためにも、審査金利と返済比率のこうした関係は押さえておくべき内容です。
適切な返済比率を押さえることがポイントですね。
基本的には20パーセントから25パーセント、可能であれば20パーセント以下を目安にすると安心です。
金融機関による借り入れ可能額の判断
住宅ローンにおける借り入れ可能額と返済比率の基本知識、求め方を学びましたが、これから見るのは実際的な借り入れ額の決定についてです。
最終的な借り入れ額を決定する際、金融機関はどのような基準を見ているのでしょうか?
返済比率
第一の基準となるのが、何度も触れてきた返済比率です。
返済比率を超えた額を借りようとするとオーバーローンとなり、希望額でのローン審査に通りません。
返済比率が低ければ低いほど返済に余裕ができるので、金融機関としても安心してお金を貸し出せます。
金融機関によって審査基準となる返済比率を定めており、それに基づいて借り入れ可能な上限額を算出しています。
借り入れ可能額の項目で述べた内容から、計算式は次の通りです。
借り入れ可能額=(年収×返済比率-他のローンの年間返済額)÷12÷(審査金利および返済期間で100万円を借りた際の月間返済額)×100万円
金融機関が審査時に用いる返済比率は、年収にもよりますが30から35パーセントが一般的です。
より詳しい比率については、住宅ローンごとの返済比率の項目で表を掲載しています。
融資率
融資率とは、購入した物件価格に対し、借り入れ価格がどの程度の割合かを示します。
物件価格のうち何パーセントを借りたお金で補うか、と考えればわかりやすいかもしれません。
たとえば2000万円の物件に対して500万円を用意し、残りの1500万円を借り入れるとすれば、1500÷2000×100=75パーセントが融資率となります。
融資率が低いほど資金面に余裕がある証拠ですが、融資率の数字に決まりがあるわけではありません。
フラット35では融資率の上限を100パーセントまで認めていますし、融資率100パーセント超えのローンを提供する金融機関もあります。
その一方、財形住宅融資では融資率の上限が90パーセントに定められています。
また基本的には、融資率が高いと金利が上がる傾向にあり、フラット35の場合は融資率90パーセントが金利上昇の境界線となっています。
担保の価値
万が一支払いが難しくなった時の担保があるかも、借り入れ額を決める重要な基準です。
担保として認められるものには、以下の2つがあります。
- 物的担保
- 人的担保
物的担保は土地や建物等の不動産や有価証券等が対象で、それらの価値の6から8割が融資額の目安となります。
人的担保はローンの支払いを保証する人のことで、以下の3つがあります。
- 保証人
- 連帯保証人
- 連帯債務者
保証する人物についても金融機関の審査が入るため、借り入れ可能額はその人の経歴や資産力に大きく左右されます。
また、上記3つのうち、連帯保証人と連帯債務者は保証人よりも拘束力が強く、債務者のローンが滞った際に支払い義務が生じるのが特徴です。
保証人には支払いに応じる義務がないため、担保としての効力は弱くなります。
安定した支払い
将来継続して住宅ローンを支払える見込みがあるかどうかも、融資額を決める際に外せないポイントです。
年収はもちろんのこと、勤め先と勤続年数、契約形態等の条件から総合的に判断されます。
たとえ現在の収入が多かったとしても、安定性のない職業の場合は融資額を減額される恐れがあるので注意が必要です。
また、安定性の高い職業の場合は金利面でも有利に働きます。
1パーセント以上の金利優遇が適用されることもあるため、職の安定性がいかに重要視されているかが伺えます。
健康状態が影響する事も
住宅ローンを組む際は、万が一の保険として、団体信用生命保険への加入が条件となることが多いです。
団体信用生命保険に入っていれば、ローン契約者が事故等で亡くなった場合にローン残債を肩代わりしてもらえます。
通常の団体信用生命保険の適用対象は、契約者が死亡もしくは高度障害状態となった場合のみです。
金利を上乗せすることで、特定の病気にかかり所定の状態に陥った際も返済を肩代わりしてもらえるタイプもあります。
ただしこれらの保険に加入できるのは、健康状態に問題がない方です。
健康状態や既往歴が原因で団体信用生命保険に加入できなかった場合は、保険への加入を条件とする住宅ローンが組めません。
そうなった場合は、フラット35のように加入が義務付けられていないローンを選び、民間で入れる生命保険を探してみるとよいでしょう。
借り入れ可能額の決定
金融機関は返済比率、融資率、担保の価値等から借り入れ額を設定し、金額の低い方が上限額として認められます。
その上で、今後も安定してローンを支払える見込みがあるかを資産状況や職業等で判断し、必要に応じた減額や優遇を行います。
もちろん、条件さえ合えば無限に融資できるわけではなく、所定の借り入れ限度額に達する場合はそこで打ち止めとなります。
こうしたプロセスを経ることにより、最終的な借り入れ可能額が決定される仕組みです。
融資減額や融資不可
上記の要素を満たしていても、融資の減額に繋がったり、融資を断られてしまうケースはあります。
その代表的な例が指定信用情報機関、通称CICに異動の文字がある場合です。
クレジットカードの支払い遅延が一定期間に達した場合等に該当し、俗に言うブラックリスト入りです。
この状態では住宅ローンの審査に通らなくなるため、ブラックリストから消えるまで待つ必要があります。
また、下記の点も気を付けたいポイントです。
- 過去のローンで返済が遅れたことがある
- 納税漏れがある
これらの点はどうしても不利に働くため、勤続年数の短さ等、他の要素と合わさると審査に落ちる恐れが高まります。
減額の要素にはつい見落としてしまうものもあるので、審査前に不安な点はチェックしておきましょう。
金融機関にはいくつもの審査基準があるんですね。
特に返済比率と融資率、金融機関ごとの借り入れ上限額は、借り入れ可能額を把握するために押さえたい点です。
無理なくローンを返済するポイント
住宅ローンは組むことそれ自体がゴールではなく、無理なく返済を続けていくことが目的です。
せっかくローンを組んだとしても、返済額に圧迫されると生活が苦しくなります。
無理なくローンを返済していくためには、正しい知識を身に着けることが大切です。
項目ごとに、重要なポイントを押さえていきましょう。
限度額ギリギリで借りるのは危険
返済比率から見た融資可能額は、あくまでも借りられる金額の上限であり、実際に返済できる金額とイコールではありません。
年収と返済比率から見た月々の返済額について、以下の表を御覧ください。
月あたり返済額の小数点第2位以下は四捨五入しています。
額面年収 | 済比率20%の月あたり返済額 | 済比率25%の月あたり返済額 | 済比率30%の月あたり返済額 |
---|---|---|---|
200万円 | 3.3万円 | 4.2万円 | 5.0万円 |
300万円 | 5.0万円 | 6.3万円 | 7.5万円 |
400万円 | 6.7万円 | 8.3万円 | 10万円 |
500万円 | 8.3万円 | 10.4万円 | 12.5万円 |
600万円 | 10万円 | 12.5万円 | 15万円 |
700万円 | 11.7万円 | 14.6万円 | 17.5万円 |
800万円 | 13.3万円 | 16.7万円 | 20万円 |
900万円 | 15万円 | 18.8万円 | 22.5万円 |
1000万円 | 16.7万円 | 20.8万円 | 25万円 |
一般的な返済比率の目安と言われる20パーセントから25パーセントに加え、30パーセントの場合も載せてあります。
自分の収入に当てはめてみつつ、どの程度の負担になるかシミュレーションしてみましょう。
ただし、実際の収入は手取りであり、額面年収よりも2割程度落ちることに注意が必要です。
さらに、年収にボーナスや残業代が多く含まれているならば、それらをあてにしすぎず、余裕のある返済額を考えることが大切です。
銀行から融資可能だと伝えられた額であっても、本当に支払い続けられるのか吟味した上で最終的な判断を下しましょう。
ローン以外にかかる出費
適切な返済比率と返済可能額を考える上で忘れてはならないのが、ローン以外にかかる出費についてです。
住宅ローンを組むと、ローンそのものに加えて、様々な手数料がかかります。
注意しておきたいローン以外の出費は、以下のものが挙げられます。
- 固定資産税・都市計画税
- 管理費・修繕積立費(マンションの場合)
- 駐車場代金
固定資産税は、国によって定められた課税標準額に、標準税率1.4パーセントを掛けたものになります。
標準税率は自治体によって異なる場合があるため注意が必要です。
特例措置による減税もあるため、自分の新居にいくらの税がかかるかチェックしておきましょう。
また、固定資産税と合わせて都市計画税と呼ばれる税金も課税され、こちらは課税標準額に最大0.3パーセントの税率が掛けられます。
これらの税金を合わせると無視できない金額になるため、計算に入れておきましょう。
そして、購入した物件がマンションであれば、管理費や修繕積立費がかかるのも注意したいポイントです。
車を所有しているのであれば、これに加えて月々の駐車場代もかかります。
生活費にも余裕を持って
普段の生活にどれくらいのお金がかかっているのかも、念入りに確かめておきましょう。
細かい生活費で思った以上に出費がかさみ、生活が苦しくなってしまうと大変です。
生活費として考えられるのは、以下の費用が考えられます。
- 食費
- 水道光熱費
- 医療費
- 通信費
- 各種保険料
この他にも車を所有している場合はガソリン代、趣味や娯楽に定期的に使うお金がある場合はそれらの費用も勘定します。
こうした生活費関連の出費を普段から確認し、全体でどれくらいの額を使っているのか、平均額を出しておきましょう。
また急な出費等に備えて、生活費の見積もりは高めに見積もっておくのが安心です。
生活費は生活の質に直結する大切な要素なので、ローンの返済に圧迫されないよう、細心の注意を払いましょう。
完済時の年齢も考慮する
住宅ローンの申し込み年齢制限は70歳以下が一般的で、完済時の年齢制限は75歳から80歳が多いです。
ただ、基本的には早めにローンを申し込み、定年を迎える65歳までには返済を終わらせておくのが理想と言えます。
定年退職後もローンが残ると、年金だけで生活費等の諸々の出費と住宅ローンのすべてをまかなうことは困難です。
ローンの借り入れは完済時の年齢も考慮し、退職後にローンが残る場合は、それに備えた資金を確保しておきましょう。
自分に適した金融機関を選ぶ
どの金融機関で融資を受けるかというのも、無理のないローンを組む上で重要なポイントです。
たとえばネット銀行などは一般的に金利が低く、審査も厳しめなので堅実なローンが組みやすくなります。
年収や職種、勤続年数に問題がない方には向いていますが、自営業の方等はどうしても審査に通りにくく、下調べや手続きにも労力がかかります。
その一方、地方銀行は対面での対応してくれるため、細かい相談がしやすいという特徴があります。
適切な借り入れ額の判断が難しい方や、ローン返済に不安がある方には、無理のないプランを相談できるのでおすすめです。
借り入れの額やローン内容、職業等に応じて、自分にぴったりな銀行選びを心掛けましょう。
ローンを組む際は、いろいろな要素に目を光らせる必要があるんですね。
それはもちろん正しいですが、やはり何よりも大切なのは、余裕を持って返せる額を借りること。これに尽きます。
土借りすぎは厳禁ってことですね。
ローン総額を少なくするためには
最後に、ローン総額を減らす方法について見ていきます。
ローン総額を減らせば長期的な家計負担を軽減できるため、返済のモチベーションを保つ上でも重要です。
自己資金をなるべく増やす
自己資金をなるべく増やして頭金を多く用意すれば、ローンの借り入れ総額を減らすことができます。
新居購入を考え始めた段階から貯蓄の一部を頭金に回したり、保険の加入を見直してみる等、できる範囲内での工夫を凝らしましょう。
また、自分で資金を増やす以外に、親族や配偶者から資金を借りるという手もあります。
特に、祖父母や父母から贈与されたお金の場合、700万円まで贈与税が非課税となるのは注目したいポイントです。
お金を借りる相談はどうしても切り出しにくいですが、ローンを総額の負担を減らす方法の1つとして、頭に入れておきましょう。
返済期間に注目
ローンの返済期間が長くなればなるほど、金利の影響でローン総額は上がります。
ローン総額を減らしたいのであれば、返済期間を短く設定する必要があるのです。
ただし、デメリットとして、返済期間が短いと月あたりの返済額は増してしまいます。
無理に短い返済期間を選んだ結果、月々の返済ができないというのは本末転倒です。
無理なく返済できる範囲で返済期間を選びましょう。
繰り上げ返済の活用
繰り上げ返済の活用も、ローン総額を減らすために有効です。
繰り上げ返済には以下の2パターンがあります。
- 返済期間短縮型
- 返済額軽減型
返済期間短縮型は、繰り上げ返済を行っても月々の返済額は変わらず、その分の返済期間が短縮されます。
短縮された期間分の利息を払わずに済み、ローン総額の軽減に期待できるのが特徴です。
一方、返済額軽減型においては、繰り上げ返済を行うことで月々の返済額が減っていきます。
返済期間短縮型ほど利息軽減効果はありませんが、月々の返済負担を減らす上では有効です。
返済期間の途中で自己資金に余裕があるのであれば、目的に合った繰り上げ返済を活用するとよいでしょう。
住宅ローン控除の活用
ローン減額のために忘れてはならないのが、住宅ローン控除と呼ばれる減税制度です。
ローンを組んでから10年の間、ローン残高の1パーセントが所得税から控除されます。
控除対象のローン残高は4000万円が上限額のため、一年で最大400万円の控除が受けられます。
また、令和2年12月31日までの間に新居を買えば、消費税増税に伴う措置として控除期間が13年となります。
ただし、住宅の売却益に特別控除を使った場合は利用できないため、その点には注意が必要です。
住宅ローンの返済比率は、月々の返済額を決定づける大切な要素です。
返済額を年収で割れば簡単に算出できるので、自分の年収に応じて適切な返済比率を設定しましょう。
また、継続して返済を続けていくためにも、ローン返済のポイントは押さえておきたいところです。
返済比率を適正水準に抑えつつ、ローン以外の諸費用や生活費についても考慮します。
返済額に余裕を持たせておくことで、トラブルのない堅実なローン返済を目指しましょう。