自宅のポストに、不動産売却のチラシが投函されていたという経験、ありませんか?
『このエリアで不動産購入を考えているお客様がいます。もしよろしければ無料査定だけでも…』
といった感じの文言が筆ペンで書かれたチラシ、コレがいわゆる『不動産売却チラシ』です。
別に自宅を売却する予定なんて全くナイにも関わらず、何故か定期的に投函されるという不思議なチラシ。
「こんな不動産売却のチラシを何度投函されても自宅を売る予定なんてないし、そもそもなんでこんなにしつこくチラシを入れてくるんだろう?」と思うことも、少なくないと思います。
ですが、そんな不動産売却チラシは要注意!ということを、あなたはご存知でしょうか?
というのも、不動産売却チラシには、不動産業者のさまざまな思惑が込められているからです。
そこで、ここでは、不動産業者は頻繁にチラシを投函する理由や、売却チラシを見る時のポイント、記載内容でチェックすべき注意点をまとめました。
勉強になります!
このことを知っておけば、次に『不動産売却チラシ』を見たときの印象が180°変わりますよ。
不動産売却のチラシには大きく分けて2種類が存在する
不動産売却チラシには、次の二つの種類があります。
- 不動産を売りたい人が買いたい人を募集するための宣伝広告として配布するチラシ
- 不動産業者が単純に売却(予定)物件を募集するために配布するチラシ
この二つの違いを知っておくと、不動産業者が売却チラシを何故あれほど頻繁に配布しているのかがわかります。
それでは、まず1のチラシについて解説します。
売りたい人が買いたい人を募集するチラシとは?
不動産を売りたい人が、買いたい人を募集するための宣伝広告として配布するチラシの場合、売り主が直接チラシを作成・配布することもありますが、多くは不動産業者が売却を請け負って配布しています。
売却したい物件の概要などをお知らせする、いわゆる売却物件の宣伝チラシですね。
これらのチラシを効果的に作成・配布できれば、自社に売却物件に関する問い合わせが増えるので、結果的に買い手もつきやすくなり、うまく売却できます。
ですが、チラシ1枚で高額な不動産物件を売却できるほど、世の中そんなに甘くはありません。
チラシだけで不動産売却を成功させる場合は、ただチラシを何回も枚数を打つだけではなく、掲載する内容もさることながら、不動産売却するための戦略を決めておかねばならないのです。
そんな不動産売却チラシをつくるポイントは、次の二つです。
不動産売却チラシをつくるポイント
1 | 売却したい物件情報をわかりやすく訴求すること | ・物件の図面 ・所在地地図 ・わかりやすくまとまった周囲情報など |
2 | どのような人に買ってもらいたいのかを明確にする(ターゲット化) | ・若いファミリー層向け ・熟年層向け ・年収、購買力など |
これらをチラシに効果的に掲載すると、不動産売却の成約率は驚くほど高まります。
売却したい物件情報をわかりやすく訴求すること
不動産の物件図面や所在地地図、周囲環境などに関する情報です。
不動産売却チラシでは、まず物件に対する興味をもってもらわなければなりません。
まずは、どんな物件なのかをチラシを見た瞬間に知ってもらい、関心を持ってもらうということ。
ですから、物件の基本情報は、わかりやすく掲載されていることが第一条件です。
物件の図面や、平米数、間取り情報が、ひと目でわかるように数値化したデータ、物件の周辺施設情報なども具体的に書いておかねばなりません。
このときのイメージとしては
- チラシを見たら、売却物件をある程度イメージできること
- そこで暮らす生活シーンが湧きやすいチラシ内容であること
が求められます。
というのも、物件を買いたいと思っている人は、すでにたくさんの物件に興味を寄せている人ばかりだから。
チラシを見たからといって、すぐにその物件を見に行くコトはまずありません。
つまり、最初にチラシを見た第一印象で物件に対する強い興味を引けないと、即座に選択肢から外されてしまうのです。
なので、最初にチラシを見た第一印象が最も大事。
チラシを見て物件のイメージが頭の中にスグに思い浮かぶよう、物件の図面や地図だけでなく、周辺情報についてもできるだけ詳細、かつ、わかりやすく記載しておく必要があります。
どのような人に買ってもらいたいのかを明確にする(ターゲット化)
売却物件をどのような人に見てもらいたいのか、購入してもらいたいのか、というターゲット化です。
どんなに魅力的な物件であっても、チラシを見たすべての人が欲しがることはありません。
たとえば、
- 結婚したての夫婦に適した物件なのか?
- 子供を学校に通わせる夫婦世代に適した物件なのか?
- 子育てが一段宅した熟年層に適した物件なのか?
このように、売却したい物件には、物件ごとに適した顧客が必ずいます。
つまり、物件を買ってもらいたい層には、それぞれ特徴があるということ。
そんなターゲット層に合わせてチラシを構成し、売却物件はどのような人に最適なのかを、ある程度わかりやすく訴求することが大切です。
結婚したての夫婦に適した物件なのか、あるいは子供を学校に通わせる夫婦世代に適した物件なのかを訴求するだけでも、買い手の選択肢に近づくことができます。
このように物件を買ってもらいたい層をターゲット化することで、売却物件に最も適した人を集めやすくすることができます。
チラシにある程度、物件に最適な家族などをイメージしながらまとめておけば、購入後の生活イメージもしやすくなるので、買い手も購入意欲を高められるでしょう。
つまり、物件の平米数や間取りなどから想定できる家族人数、その家族構成が望む周辺の環境情報や、施設情報なども考え、どんな人にむけて売却したいのか練り上げてチラシを構成するということです。
不動産屋さんから入ってくるチラシについてこんなことが書いてありますよっていうことを重点的にお話しして行こうかなと思います。
不動産の広告なんですけれども2種類ありまして不動産を売りたい人が買いたい人を探すチラシと不動産業者が土地を売る不動産を探しているから「何か売りたい不動産何ですか」っていうことで探している不動産業者のチラシですよね。
こういった最初にお話しした売りたい人が買いたい人を探している売却チラシを作るためにも2点目でお話しした不動産業者が売却する不動産がなければこういったチラシを作ることにも至りませんよね。なので不動産屋さんも売りたい不動産を見つけるためにお客様を探します。
不動産さんは仲介手数料っていうもので儲けておりますので売りたい方が見つかれば今度は買い手を探すということでその買い手を見つけるために不動産チラシ・不動産広告には何が書かれているのかということですけどもまずパッと皆さんが不動産広告見たときに最初に見るところは何ですかまず価格を見て物件の所在地ですかね。
場所を見ますよね。どんな感じの建物が建ってるのかな。更地であるのかな。建物があるのかな。築年数どれぐらいなのかな。ここ買ったらどんな感じになるのかなーとか。自分自身の家族構成などと照らし合わせながらいろんなことを思い浮かぶのかなと思うんですけどもまずはやはり物件の所在地であったり間取りや周辺環境ですね。
スーパーへ徒歩何分。郵便局へ徒歩何分。〇〇小学校に徒歩何分とか。書かれてますね。あとはやっぱり忘れてはいけないのが駅ですね。〇〇駅から何分、何路線何駅利用可能とか3路線4駅利用可能とかいろんな表記の仕方があるかと思います。そういったことをチラシに書いてあって皆さん見た時にある程度の売却物件のイメージできることがそのチラシに求められていることになります。
不動産業者が単純に売却(予定)物件を募集するチラシ
このケースは、冒頭でも紹介したような
『このエリアで不動産購入を考えているお客様がいます。もしよろしければ無料査定だけでも…』といった、売却(予定)物件を募集するチラシのことをいいます。
ですが、このような不動産売却チラシは要注意。
不動産業者が売却チラシをしつこいほどに打つのには、次のような理由があるからなのです。
何でしょうか?
不動産会社が売却チラシを出す理由
不動産売却のチラシは、どんな家にでも投函されているわけではありません。
それなのに、なぜあなたの家を選んだかのように不動産売却チラシが投函されたのでしょうか?
その理由は、次の三つです。
あなたの家に不動産売却チラシが投函された三つの理由
1 | 個人情報の流出 | ・学校の卒業名簿など ・インターネットの無料プレゼントに応募 |
2 | 不動産業者が独自にターゲット化 | ・登記簿情報の住所からターゲット化 ・登記簿情報の間取り地図などからターゲット化 ・登記簿情報の家族構成からターゲット化 |
3 | 現在の住所 | ・人気のある路線価 ・人気のあるエリア ・人気のある駅やバス停に近い |
具体的に解説しますね。
あってはならない個人情報の流出
あってはならないことですが、あなた不動産売却チラシが投函された理由の一つに、個人情報の流出というのが考えられます。
というのも、不動産業者の中には『名簿屋』と呼ばれる業者から個人情報を買っていることがあるのです。
『名簿屋』は個人情報を裏ルートで入手してリスト化し、不動産業者などの個人名簿を求める人に売って収益を得ています。
これらはすべて違法だと思われがちですが、実は名簿の本人から申し出をうけた場合は情報を削除するという条件があれば、法的にリストを販売することが認められているのです。
ですから、あなたの個人情報が、いつのまにか名簿屋に流れリスト化され、不動産業者の手に渡り、それにより売却チラシが投函されてきた…としても、不思議なことではないということ。
たとえば、インターネットで無料プレゼントに応募するために、パソコンやスマホから住所・氏名・年齢・電話番号を記入したといった経験は、今でしたら普通にありますよね?
ですが、そこで記入した個人情報はすべて…ということ。
なので、投函される不動産売却チラシを不快に思った場合は、ただちにそのチラシ業者に連絡をし、個人情報の削除を要求するようにしてください。
また、不動産売却チラシくらいなら無視はできても、電話番号までもが流出してしまい、頻繁に営業電話がかかってくる状態になると、精神的にもかなりのダメージを受けてしまいます。
そのような場合は、迷惑電話対策をするなどの自己防衛を講ずるしかありません。
インターネットでの無料プレゼント応募は、要注意です。
不動産業者が登記簿情報からターゲット化している
法務局が管理する登記簿情報などを有料閲覧し、現在住んでいる物件の所在地や面積、間取りといった情報から、家族関係や権利関係を調べてリスト化し、ターゲット化されている場合です。
登記簿情報は有料ではあるものの、インターネットで誰でも閲覧が可能になっていますから、路線価の高いエリアの物件に住んでいる場合は、不動産業者にチェックされリスト化されている可能性があります。
つまり、不動産業者からみて、あなたは優良顧客として見込みリスト化され、ターゲットとなっているということ。
たとえば、次のようなケースですね。
- 比較的高額で販売されていた分譲マンションの購入者情報
- 人気路線価エリアに長く住んでいる不動産所有者情報
- 葬儀やお悔やみの新聞掲載などを利用した不動産所有者情報
といった既存の情報をベースに、不動産業者が登記簿情報を検索してリスト化、ターゲット化していることがあります。
また、3の新聞に掲載される葬儀情報が利用されることも。
というのも、親などが死亡した場合は、不動産相続の問題などが必ず表面化します。
ですから不動産を相続する権利者が複数いるケースでは、物件売却をしてからお金を分割相続する場合も多くなります。
そのようなターゲットに、不動産売却チラシがさりげなく届くいうことです。
路線価の高いエリアの家を中心にチラシ投函をしている
路線価が高いエリアは、不動産売買の人気エリアということ。
そして、不動産売却で高く売れる家の条件は三つあって
- 築年数が浅い
- 駅やバス停などに近くアクセスが良い
- 物件の見栄えや間取りが良い
というように、条件がほぼ決まっています。
ですから、このような路線価の高い人気エリアを不動産業者が現地偵察をし、さらに物件を見ながらリスト化・ターゲット化すれば、確実に高く売れる(であろう)物件を複数ピックアップできます。
不動産業者がこのようにしてリスト化・ターゲット化をして、あとは手当たり次第に不動産売却チラシを投函することは普通にあります。
たとえば、新人教育の一貫として、路線価の高いエリアをひとり歩きさせてリスト化・ターゲット化させることなど。
このようにしてリスト化・ターゲット化されたときは、特に住人が物件を売る意思などなくても、機械的に投函されてしまいます。
というのも、不動産業者にはそうまでしてでも不動産売却チラシを投函し続けたい理由があるからです。
不動産業者が売却チラシを投函したい理由
それは、自社の売上確保のためにほかなりません。
不動産売却で業者が得られる利益は、仲介手数料のみ。
そして不動産売却の仲介手数料は、売買物件の価格によって、以下の料金が売り主から支払われます。
売買物件の価格 | 仲介手数料(法定の上限額) |
200万円以下 | 物件売買額 × 5% |
200万円超400万円以下 | 物件売買額 × 4% + 2万円 |
400万円超 | 物件売買額 × 3% + 6万円 |
引用元:国土交通省令和元年8月30日改正(令和元年10月1日施行)
昭和45年建設省告示第1552号
つまり、ひとたび売買契約を仲介できれば、不動産業者は上記のような売買価格に応じた仲介手数料を得られるということ。
特に、路線価の高い人気エリアにある物件は、さしたる販売コストをかけずとも普通に買い手がつきますから、回転もよく、収益性も高まります。
逆に、とくに人気エリアではない郊外の物件などを仲介して売却する場合は、売買価格も低くなる傾向にあるので、多額の販売コストがかかる割には仲介手数料が少額というケースも少なくありません。
つまり、不動産業者にとっては、人気薄の郊外物件を複数仲介・売買成約させるよりも、都市部などの人気エリア物件を1件だけ仲介・売買成約させたほうが高利益となるのです。
ですが、このような人気エリアの物件は、いつ売りに出されるかわからない。
とはいえ、問い合わせがないことには、仲介の土俵にすら立てない。
そのためにも、不動産業者はライバルに奪われる前に少しでも早いタイミングで、仲介契約を取ろうと必至に営業した結果、持ち主に売却する意思がなくても不動産売却チラシが投函されるようになるということ。
以上のような不動産業者のウラ事情もあって、不動産売却チラシが頻繁に投函され続けるというわけです。
ですが、不動産売却チラシは、誰でも自由に投函できるワケではありません。
不動産売却に関するチラシには、次のような厳しいルールや規制もシッカリ定められています。
こんな地域なのかということで不動産を買いたいよって悩んでる方がいる時には「これ何かちょっといいかなー」とか「これはちょっとダメだ」とかそういうのでチラシで反響があるか。反響という言い方するんですね。
問い合わせが来るか来ないかっていう言い方。不動産屋さんよくするんです。結構あのチラシを配ったことによって「反響があったよ」「反響がなかった」どうやって今度は打ち出せば皆さん反響してくるかな。
「価格改定」とか「価格値下げしました」とか。そういったことでも反響を呼べる。その不動産広告を作ることによって少しの人でもその不動産に興味を持っていただけることがそのチラシの目的になってきます。
不動産売却のチラシは法律で規制されている
不動産売却のチラシは、『宅建業法』と『不動産の表示に関する公正競争規約』というルールに従っていなければなりません。
不動産売却チラシに該当する宅建業法
不動産売却チラシには、宅建業法のうち次の三つが該当します。
1 | 誇大広告の禁止【宅建業法32条】 | 宅建業者が広告をするときは、次の項目について著しく事実に相違する表示をしてはならない 宅地・建物の所在、規模、形質 現在若しくは将来の利用の制限 環境・交通その他の利便 代金・借賃等の対価の額若しくはその支払方法 代金若しくは交換差金に関する金銭の貸借のあっせん 実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示 以上のような誇大広告とみなされる内容表示は禁止 |
2 | 広告開始時期の制限【宅建業法33条】 | 宅建業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前において、工事に関し必要とされる開発許可や建築確認があった後でなければ、工事に係る宅地・建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない |
3 | 取引態様の明示【宅建業法34条1項】 | 宅建業者が宅地・建物の売買・交換・貸借に関する広告を行うには、 自己が契約の当事者となって売買・交換を成立させる 代理人として売買・交換・貸借を成立させる 媒介して売買、交換若しくは貸借を成立させる 以上の別(取引態様の別)を明示しなければならない |
宅建業法では上記のように、不動産物件の売買に関する誇大広告の禁止や広告開始時期の制限、取引形態の明示を義務づけています。
不動産の表示に関する公正競争規約
不動産の表示に関する公正競争規約とは、次のようなことをいいます。
1 | 自主規制【不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)12条】 | 事業者又は事業者団体は、業種ごとに公正競争規約を設定し、それぞれ自主規制を行うことができる |
2 | 表示の基準 | 正しい広告は、ただ嘘(うそ)をつかないだけではなく、消費者が不動産を選ぶ場合に必要と考えられる事項を表示することだという立場から、物件の種類と媒体別に必ず表示すべき事項を定めるなど、不動産広告について、きめ細かいルールが決められている 【例】 物件と各種施設までの距離・所要時間を表示するについては、徒歩時間は80メートルにつき1分として表示しなければならない 広告における文字の大きさは、原則として7ポイント以上でなければならない |
3 | 用語の使用 | 不動産広告では抽象的な用語を使用すると、消費者に誤認を与える場合があるため、消費者を誤認させる可能性のあるような一定の用語については、原則として、その使用を禁止する 【使用が禁止される用語】 完全、完ぺき、絶対、 日本一、抜群、当社だけ、 特選、厳選、 最高、最高級など最上級を意味する言葉、 格安、堀出、土地値、 完売、など著しく人気が高く、売行きが良いことを意味する言葉など ※上記の表示内容を裏付ける合理的な根拠がある場合には、使用は禁止されない |
以上のとおり、公益社団法人全日本不動産協会では不動産売却チラシに関する法的規制やルールを定めています。
不動産売買の集客は、不動産業者にとって必要不可欠な業務のひとつです。
このため、少しでも多くの顧客の関心を得るために、法的規制やルールを無視した広告をしたくなるコトも少なからずあります。
ですが、人を騙したり煽ったりするような法的規制やルールの無視は、とどのつまり、不動産業者を営む宅建業者の信頼自体を失ってしまうのです。
ですから、公益社団法人全日本不動産協会では、上記の不動産広告ルール沿った業務を行うことを勧めています。
チラシ以外の広告でも規制の対象
なお、不動産売却のチラシに対する法的規制やルールは、チラシだけでなく不動産に関するあらゆる広告が対象です。
つまり、チラシ以外にも、新聞、ポスター、インターネット、ラジオやテレビ放送等といった不動産売却広告に関するあらゆるものも規制の対象です。
特に、
- 実際のものよりも著しく優良、有利であると一般消費者に誤認されるような表示
- 著しく事実に相違する表示
などを厳しく規制しています。
また、表示規制には、積極的に誇大表示するのではなく、ある事項を表示しないことで結果として誤認させる場合も規制対象に含めています。
このように不動産業界の広告規制はかなり厳しく、チラシや広告の作成時にはかなり神経をつかって規制違反のないように製作されています。
ですから、通常の不動産売却に関する広告やチラシは、他の業界と比較した場合、かなり地味に構成されていることがほとんどです。
『これ本当?』という広告表現もまだある
ですが、逆に表示ルールが厳しすぎて、一部の広告に、「本当なの?」と思ってしまう表現もあります。
たとえば、一番多いのは「▲▲駅まで徒歩○○分」という駅距離表示は本当か?
駅まで距離は、道路の距離を80m=1分と規定してあり、1分未満の端数は切り上げ表示しなければなりません。
つまり、道路距離が地図上あるいは実測で450mだったら450m ÷ 80m = 5.625分となるため、広告の表示分は『6分』にしなければなりません。
なお、この駅距離は、駅と物件から最も近い地点同士を結んで測定されます。
そのため敷地が大きいマンション等では、敷地内の距離はカウントされません。
また、マンション内のエレベーターで費やす時間や、道路信号の待ち時間などは一切含まれていません。
なので、タワーマンションや大規模マンションなどでは「▲▲駅まで徒歩5分」となっていても、実際に朝の通勤時では10分以上かかることもあるのです。
ですから、もより駅まで距離を広告やチラシで見て、「あそこから徒歩5分で?」という具合に感じる人も少なからずいるということ。
以上が不動産売却チラシの真実です。
ですが、たいていの場合、チラシに記載された内容は、駅距離のような若干違和感を覚えるコト以外は、基本的に正しいことばかりです。
したがって、次のような不動産売却チラシを見かけた場合は、その不動産業者は要注意といえるかもしれません。
注意すべき不動産売却チラシとは?
不動産売却チラシで注意すべきなのは、次のようなキャッチコピーの場合です。
不動産売却チラシで注意すべきキャッチコピー
1 | 文言に強調言葉が頻繁に使われている | ・「〇〇マンション限定」 ・「急募」 |
2 | 具体的な購入希望金額が記載されている | ・「こちらの物件を〇○円で購入希望されているお客様がいます」 ・「○○円以上で!」 |
以上のように、記載情報が具体的だったり、購入希望者が既にいることを書いてあるチラシです。
なぜこのような文言のキャッチコピーに注意すべきなのかというと、不動産売却チラシの上記のようなキャッチコピーを信じて売却しようと思い、その一社にのみ査定依頼した場合、売り主側は最適な相場価格がわからなくなるため
不動産のでチラシになんでもかんでも載せてもいいわけではないです。例えばマンションの屋上では富士山が見てるのに10階建てのマンションの屋上においては富士山が見えるのに実際問題、所在階5階で富士山なんか見えるどころか隣の建物しか見えない。
それなのに「富士山が見える」「すごく綺麗に見えます」というような誤解させるような表記ですよね。確かにそのマンション全体からは見えるかもしれない。だけど売り物件が5階。5階から見えるのは隣のビルだけとか。それなのに不動産が「よく見える」「風景バツグン」とかそんな風に書いてあったらそれはもう誤解を呼ぶ広告になります。
後は新駅開通予定とか。確かに新駅ができるかできないかっていうそういった話はどんどんいろんなところから出てきてるのかもしれない。だけどそれが確定事項ではない。初めて広告に載せられるのは確定してからです。曖昧な段階では不動産の広告に打ち出すことができないってそういう〇〇開通予定があるなんてことを書いてしまったらもうそれは誤り。
実際問題本当に確定的にこの駅決まりましたよっていうことになると不動産の値段もすごい上がりますよね。皆さん知ってますかね。つくばエクスプレス線ができた時に足立区も通ります。そっちの方も地価公示なんかも上昇率ランキングのベスト10がほとんど足立区とかで占められてるんですよ。
それほど新駅開通っていう言葉っていうのは土地の価値を引き上げる要因になっているのでやはり新駅開通予定ですなんて確定もしてないところを載せてはダメ。あとは皆さんよく街を歩いててよく目にするものなんですけども広告というか街に置いてある「限定一棟」「最後の一棟です急いで見に来てください」みたいな例えば5戸の戸建分譲住宅して最後の1戸だけが売れ残ってしまっている。
「一戸しかありませんよ」逆に返せば「最後まで売れ残っている一戸です」っていうことなんです。なのでそういった大げさな表記とかがあったら逆読みしてもいいのかなって思います。なので不動産広告ですね。いろんな記載内容があって自分の夢を買うという面でも不動産広告を見てみても楽しいと思います。
つまり、不動産業者のいいなりというか、言われるがままになってしまうということ。
これは、チラシを投函した不動産会社の思うツボです。
ですから、上記のキャッチコピーがどうして危険なのか、その理由も知っておきましょう。
分かりました!
〇〇マンション限定で希望するお客様がいます
このキャッチコピーの問題点は、購入検討者が本当に実在するのかが怪しいということ。
つまり、実際に○○マンションを希望する顧客がいるわけでもないのに、とりあえず不動産売却チラシを投函しているということ。
それは、そのエリアが路線価も高く、売買がスグに成立しやすい需要の高いエリア、つまり不動産業者が一番利益を稼げるエリアであることが多いのです。
つまり、そのような人気エリアの売却物件情報をいち早く収集することだけが目的で、不動産売却チラシを撒き続けている可能性が大です。
ほかにも、『〇〇地区限定』とか『急募!』というキャッチコピーも定番です。
これらはすべて、人気エリアでとにかく売却物件情報を一つでも多く収集したい!というのが不動産業者の本音。
ですから、わざわざチラシのキャッチコピーを、あなたが売却を検討したくなるように作成し、あなたの物件に合わせた内容で作成されている可能性は否めません。
特に物件名ズバリの場合は、その傾向が高いです。
〇〇円で購入希望されているお客様がいます
このようなキャッチコピーの場合も、疑ってかかるべきです。
というのも、実際に顧客がいた場合でも、本当に○○円という売買価格で購入してもらえる保証は一切ないから。
そもそも、本当にそのような顧客がいるかどうかも疑わしいと言わざるをえません。
仮に顧客のいるのが本当だったとしても、実際の売買価格は物件や部屋によって変わるハズです。
つまり、同じ地域や同じマンションであっても、築年数や方位、間取りや階数の違いなどで価格は必ず変わってきます。
なのに『〇〇円で購入希望されているお客様がいます』と金額まで明記してあるのは、不自然ですよね?
つまり、その不動産売却チラシを投函した不動産業者が、単にその地域の多くの人の注目を引くために、あえて金額を記載しているケースがあるということ。
更に、わざわざ〇○円と書いてある場合は、実際に取引される相場金額よりも、あえて高めに記載している可能性もあり、
- 少しでも物件を高く売却できるのなら
- この不動産業者さんは他社と比べて価格競争力がありそう
という売り主側の『有利に売りたい思い』を逆手にとっているケースかもしれません。
ですから、『〇〇円で購入希望されているお客様がいます』というチラシの金額表示は、あくまで参考程度だと認識しておくべきです。
まとめ
以上が、不動産業者は頻繁にチラシを投函する理由や、売却チラシを見る時のポイント、記載内容でチェックすべき注意点です。
不動産売却のチラシに関するイメージが、随分と変わったのではないでしょうか?
このような不動産売却チラシの注意すべきポイントを知っておくと、物件を売るときにも買うときにも賢く立ち振る舞えます。
不動産業者は、少しでも利益を上げるために不動産売却チラシを投函しています。
あれほど頻繁にチラシを投函するのは、すべて利益追求という目的があってやっているということ。
ですから、不動産売却チラシを見て、そのウラにある業者心理を読み取ってみると、案外楽しくなりますよ。