土地を売る時には、所得税や手数料など様々な税金や費用がかかります。
税金は大きく分けると売却で必ずかかる税金と、利益が出た時にかかる税金があります。
詳しくどんな税金がかかるのか税金の種類と、土地を売る価格による税金の相場についてシミュレーションで解説します。
また土地を売却して得た収入は確定申告を行う必要があります。
確定申告を行う時期や、必要な書類など土地を売る一連の流れを参考にしてください。
土地を売る流れと相場について
土地を売る場合、自分の土地がどのくらいの価格になるのか、相場の決まり方を知っておくと便利です。
地価を形成しているのは主に3つあります。
- 公示地価
- 基準地価
- 路線価
公示地価とは国交省が公示している土地の取引における適正指標の事です。
また基準地価は各都道府県が出している土地の標準価格になります。
さらに路線価は土地を相続する際に使われる税金の計算方法の事です。
路線価は、自転車が通れるくらいの幅の道に面している宅地1平方メートルの評価額になります。
ただし土地を査定するは、それだけではありません。
以下のような様々なポイントが、土地の価格や相場に影響します。
- 駅からの距離
- 流通量
- 土地の形
- 土地の高低差
- 周辺環境
売りたい土地の個性や周辺環境、また上記に記載した路線価で計算をすると、大体の相場が分かります。
ただしこれはあくまでも推定の価格になります。
そのため、明確な価格を知るには不動産屋さんに依頼して土地を査定してもらうことが大事です。
では実際に土地を売る時の一連の流れを詳しく見てみましょう。
必要書類を用意する
土地を売ることが決まったら、土地の情報を集めるとともに必要書類を用意しましょう。
土地を売るのに必要な書類は以下になります。
- 身分証明書など本人確認資料
- 実印と印鑑証明
- 住民票
- 登記済み権利書もしくは登記識別情報通知書
- 固定資産税納税通知書もしくは固定資産税評価証明書
住民票は発行から3か月以内で、今住んでいる住所と売りたい土地の住所が違う場合に必要です。
他にも登記を記した書類や固定資産税関連の書類が必要です。
不動産屋さんに査定を依頼する
不動産の査定には簡易査定と訪問査定があります。
複数の不動産屋さんに依頼する場合は、まず書類やデータのみで行う簡易査定を申し込みましょう。
簡易査定は1日から2日くらいと短い期間で土地の相場が出るので、手軽に依頼ができます。
対応の仕方などである程度不動産業者を絞れたら、訪問査定でより明確な土地の相場を査定してもらうと良いでしょう。
訪問査定では土地以外にも、周辺環境や境界線の確認、日照などあらゆる視点から土地の相場を決めます。
そのため1週間程度の期間がかかる場合もあります。
不動産屋さんと媒介契約を結ぶ
土地を売る不動産屋さんが決まったら、媒介契約を締結します。
不動産の媒介契約には3つの種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
一般媒介契約は3つのうちで一番制約のない契約方法です。
複数の不動産屋さんに仲介を依頼することができ、また自分自身で土地の買主を探すことも可能です。
多くの不動産に情報を提供できるので、買い手が見つかりやすいというメリットがあります。
ただし2つの媒介契約と比較すると、不動産屋さんが販売活動を熱心に行わない可能性があります。
一方、専任媒介契約と専属専任媒介契約ではひとつの不動産業者としか媒介契約を結べません。
専任媒介契約の方は自分で買主を探すことが可能ですが、専属専任媒介契約ではそれも全て不動産屋さんに任せます。
不動産屋さんがその土地を売らなければならないため、一生懸命販売活動を行ってくれます。
また専任媒介では2週間に1回以上の、専属専任媒介契約では1週間に1回以上の販売状況の報告義務があります。
どれを選ぶかは、土地の状態や急いで売りたい土地かどうかなどを見極めて自分に合った方法を選びましょう。
売買契約を結んで土地を引き渡す
不動産屋さんによって、インターネットやチラシなど様々な販売活動を行ってくれます。
買主が決まったら、売買契約を結びます。
契約に必要な書類については不動産屋さんが用意してくれるので、記載に間違いのないようチェックしておきましょう。
一般的に契約時に買主が手付金を支払い、引き渡しの際に残りの代金が支払われます。
買主がローンを利用する場合、ローンの実行や抵当権の登記手続きが行われるため、金融機関で手続きを行うこともあります。
土地は売る以外にも貸すこともできる
利用しない土地は放っておいても固定資産税を支払い続けなければなりません。
そのため土地を売ることを考えますが、土地は人に貸すこともできます。
土地を貸す場合のメリットとデメリットを簡単に説明しますので、土地を売るか貸すかで迷っている場合は参考にしてください。
土地を貸すには、2種類の方法があります。
- 土地の状態で貸す
- 土地の上に建物を建てて貸す
土地を貸すメリットとデメリットは以下になります。
- 定期的に安定した収入が得られる
- 固定資産税や都市計画税の節税が可能
- 土地を貸すことで得た不動産所得には税金がかかる
- 賃貸借契約を結ぶと土地を自由にできなくなる
土地を貸すことで、定期的に収入が入り固定資産税や都市計画税が減税されます。
ただし収入が発生するということは、税金を支払わなければならなくなったり、確定申告の手間なども増えます。
また借地権によって、自分の土地でも自由にできなくなるというデメリットも知っておきましょう。
売るか貸すか、どちらを選ぶかはどのタイミングでお金を得たいのかによって比較しましょう。
また土地の形状で、貸した方が良いのか売却が良いのかも変わってきます。
まずは土地の情報について集めることが大事です。
土地売却で発生する税金
不動産を購入する際には土地代や手数料と税金がかかりますが、土地を売る時にも手数料や必ずかかる税金があります。
また売却で得た収入には譲渡所得税という税金がかかるため、流れや仕組みを知っておきましょう。
税金の額は売却する土地の面積によって異なり、税率は毎年微妙に変わることもあります。
そのため土地を売るタイミングを知ってお得に売却できるよう、事前に税金の流れや相場について知っておきましょう。
土地を売ると収入に税金がかかるのですね。
そうですね、大きく分けると土地を売る時に絶対にかかる税金と、収入が出た時にかかる譲渡所得があります。
土地の売却で必ずかかる税金は以下になります。
- 印紙税
- 登録免許税
そして利益が発生したときに支払う税金として以下がかかります。
- 所得税
- 住民税
- 復興特別税
利益が発生したときにかかる所得税は譲渡所得税と呼ばれています。
この5つの税金について詳しく見ていきましょう。
印紙税
土地を売る時には、不動産売買契約書に印紙を貼りますが、その印紙にかかる税金が印紙税になります。
印紙税にかかる税金の額は売買を行う不動産の額によって異なります。
また印紙税には軽減措置が用意されています。
平成26年4月1日から令和2年3月31日までに作成された記載金額が10万円を超える契約書が対象です。
印紙税の軽減後の税率も併せて以下の表を参考にしてください。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
500万以上1000万円以下 | 1万円 | 5000円 |
1000万円以上5000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5000万円以上1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円以上5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
登録免許税
不動産の所有権の移転にかかる費用を登録免許税と言い、土地を売る時に発生します。
登録免許税の額も登記の種類によって税率が異なり、印紙税の時と同様に令和2年3月31日まで軽減措置が用意されています。
土地を売る場合は固定資産税評価額を基に計算されます。
本則税額 | 軽減税額 |
---|---|
固定資産税評価税額 × 2% | 固定資産税評価額 × 1.5% |
譲渡所得税
土地を売って利益が出れば以下の税金がかかります。
- 所得税
- 住民税
- 復興特別税
復興特別税とは平成23年に起きた東日本大震災の復興に必要な財源を確保するための税金です。
復興特別税は平成23年から25年の間かかる決まりになっています。
3つの税金が課せられますが、ここで間違いやすいのが土地を売って得た価格全てに税金がかかる訳ではないことです。
譲渡所得税は、譲渡価格(売却額)から売るためにかかった費用と土地を取得した時にかかった取得費を引いた金額にかかります。
土地は日本の経済状況の影響を受けて、上がったり下がったりします。
そのためバブルの時代など土地の値段が高い時に購入した土地を、安い時代に売るとマイナスになることもあります。
マイナスになった場合は、譲渡所得は発生しません。
土地譲渡でかかる譲渡所得税は、売る時期やタイミング次第では必ずかかる税金でないことがお分かりいただけたでしょう。
譲渡所得税の計算で知っておくべきポイント
譲渡所得税は売却額から取得費や売却にかかった費用を引いた額に対して税金がかかることが分かりました。
では取得費や売却にかかった価格とはどのようなものを指すのか、詳しく解説していきます。
さらに加えて譲渡所得税は、不動産をどれくらい所有していたかで税率が変わるのが重要なポイントになります。
譲渡所得税の計算式がすぐに分かるよう、シミュレーションも用意したので参考にしてください。
譲渡所得税の税率について
不動産を譲渡した場合の譲渡所得税や住民税は、不動産の所有期間によって税率が異なります。
ポイントとなるのは5年で、5年以上所有している不動産の場合長期譲渡所得、5年以下の場合は短期譲渡所得という位置づけになります。
税率は長く所有している不動産の方が低くなりますが、計算方法に特徴があるので気を付けておきましょう。
まずは長期と短期の税率の違いについては以下を参考にしてください。
譲渡所得の種類 | 所有期間 | 所得税率 | 住民税率 |
---|---|---|---|
短期譲渡所得 | 5年以下 | 30% | 9% |
長期譲渡所得 | 5年以上 | 15% | 5% |
所得税と住民税に関しては、上記の表のとおりですが復興特別税に関しては所有期間で税率は変わりません。
そのため所得税に一律2.1%の税金がかかります。
合計すると、短期譲渡所得の不動産には39.63%かかり、長期譲渡所得の不動産には20.315%かかります。
次に計算方法についてですが、例えば平成25年の6月に取得した不動産を平成30年の7月に売却したとします。
取得期間だけを見ると5年が経過していますが、譲渡所得の計算では丸5年を取得したその年の12月31日までは5年目という扱いになります。
長期譲渡所得は5年越なので、次の年の1月1日以降から長期譲渡所得と認められます。
5年を超えるか超えないかで税率が変わってくるため、5年目の不動産を売却する際は、事前に調べておく必要があります。
なお、親の不動産を相続した場合は親の代の所有期間を引き継ぐことになります。
相続したからといって、所有期間が自分の時にゼロになるわけではありません。
土地を売るのにかかった費用(譲渡費用)の内容
譲渡所得税の計算を行う時に出てきた、土地を売るためにかかった費用とはどのようなものがあるのかを説明します。
譲渡費用は以下の価格が対象になります。
- 売却を不動産屋さんに依頼した時にかかる仲介手数料
- 売却に関わる広告費
- 測量料
- 印紙税
- 売却で発生した立退料
- 売却する土地に建っていた建物の解体料
土地を売る時には不動産屋さんに依頼するのが一般的です。
そこでかかった仲介手数料や売却のための広告費は譲渡費用になります。
また土地の売却でどこからが境界なのかを調べるための測量にかかった価格や印紙税も対象です。
物件に価値がなく、建物を解体して売れば解体費用がかさみますが、譲渡所得によって節税をおこなうことが可能です。
土地を購入する際にかかった費用(取得費)の内容
譲渡所得税は土地を売る時にかかった譲渡費用と、もう一つ土地や不動産を取得した時にかかった費用を引くことができます。
取得費と言いますが、取得費にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
取得費の内容は以下の価格が対象になります。
- 土地・建物の購入費用
- 購入時に払った不動産仲介手数料
- 購入時にかかる税金(登録免許税・印紙税・不動産取得税)
- 土地のメンテナンス費(地ならし・土盛り・埋め立てなど)
- 測量費
- 古い建物があった場合解体すれば解体料
上記のように土地や建物の購入費用はもちろん、仲介手数料や購入時にかかった税金など土地購入にかかった費用を差し引くことができます。
譲渡所得税のシミュレーション
譲渡所得税の出し方がお分かりいただけたでしょうが、さらに分かりやすいように例をいくつか紹介します。
なお計算で出た税金の価格は、住民税や所得税と復興特別税を全てトータルした金額になります。
2000万円で購入した土地を2600万円で売却した時の譲渡所得税・所有期間が4年のケース
譲渡価格2600万円、取得費2000万円、譲渡費用250万円
(2600万円 - 2000万円 - 250万円)× 39.63% = 約138万円
上記のケースであれば138万円の譲渡所得税がかかる計算になります。
また例えば、親から相続した土地を売る場合、その土地をいくらで購入したかが分からない場合は譲渡所得の5%を用います。
所得費不明の土地を売る時の譲渡所得税、所有期間30年のケース
譲渡価格2500万円、取得費不明(2500万円 × 5%の125万円)、譲渡費用90万円
(2500万円 - 125万円 - 90万円)× 20.315% = 約464万円
相続した土地の場合はどうなるの?
相続した土地を売る、という人も中にはいるでしょう。
相続した土地を売る場合にも、譲渡所得税と住民税が課せられます。
譲渡所得税の所有期間は、元の所有者が所有していた期間についても引き継ぐことができます。
そのため元の所有者が5年を超えてその土地を持っていた場合は、長期譲渡所得となります。
次に、譲渡価格を計算するために差し引く取得費や取得にかかった諸経費などは、できるだけ明確にしておきましょう。
取得費不明の場合は譲渡価格の5%で計算しますが、それで差し引く金額が少なるケースもあります。
次に相続した土地を売る場合に、利用できる特例を以下にまとめました。
- 取得加算の特例
- 空き家の3000万円の特別控除
取得加算の特例とは、取得費に相続税額を加算しても良いという特例です。
相続から3年10か月以内に手放すことが要件で、かつ相続税を支払っている人が対象です。
取得費に加算できれば、課税対象額を減らすことができるので知っておくと良いでしょう。
またマイホームの売却で利用できる、3000万円の特例ですが相続で受けた空き家も対象です。
相続でもらった空き家を更地にして、土地のみを売却する場合は、3000万円の特例を受けることが可能です。
3000万円の特例は非常に大きな額を差し引くことができるので、ぜひ利用したい特例です。
空き家を相続した場合には、こちらの特例を活用してできるだけ支払う税金を節税しましょう。
土地や不動産の売却は特例による特別控除が受けられる
譲渡取得税は取得費や譲渡費用以外にも、特例の条件に合えば特別控除を受けることができます。
築年数や建物がある場合など、条件に合うことが必須ですが有利になる特例もあるので、覚えておきましょう。
譲渡所得税は最初に買った時にかかったお金と、土地を売る時にかかったお金を引けば良いんですね。
簡単に言うとそうですね。実はそれだけではなくて、他にも特例があります。
特例にあてはまれば税金が安くなるのですか?
そうです。種類が多いのでよく使われる特例についてみていきましょう。
マイホームを売却した時の特例
いわゆる3000万円の特例とも言われている特例の事です。
自分が住んでいるマイホームの売却であれば、3000万円をさらに差し引くことができます。
計算方法は、譲渡価格 - 取得費 - 譲渡費用 - 3000万円 = 譲渡所得になります。
この答えがマイナスになる場合、譲渡所得税はかからず、プラスになったとしてもほとんどの不動産でかなり金額が抑えられるはずです。
先生!ちょっと待って。これは建物が立っていればの話で土地は関係ないのでは?
3000万円の特例は確かにマイホームを売却することが条件です。ただし家を取り壊した後の土地なら適用されます。
知っていると知らないとではかなり差が出ますね。
3000万円特別控除が受けられる不動産は居住用財産であることが必須です。
その定義の中で、土地のみでも特例を受けられる文言について簡単にまとめました。
- 火災などで居住していた家屋が減失した場合、災害があった日から3年以内に敷地だけ譲渡する場合
- 転居後家屋を取り壊した際には、転居3年後の12月31日までか、取り壊し後1年以内に譲渡する場合
上記の要件のなかで土地だけ売る場合、特に下側の部分に該当するケースが多いです。
家屋を取り壊した場合の要件には、さらに下記の条件がポイントになります。
- 住宅を解体した日から1年以内に売買契約が締結され、住宅として使わなくなった日から3年の年の12月31日までに譲渡した場合
- 住宅解体後、売買契約を締結した日までに、その土地を貸したり業務用に使っていないこと
3000万円の特別控除を受けるためには、マイホームとして使用していた家屋を取り壊したらなるべく1年以内に土地を売却しましょう。
10年以上所有している不動産を売った時の特例
特例同士を併用することができないものもありますが、3000万円の特例と併せて使える特例があります。
それが10年以上所有している不動産を売った時の軽減税率特例です。
この特例は、10年以上所有していた不動産であれば軽減措置を受けられるというものですが、適用条件があります。
適用条件は同じ特例を遡って2年間受けていないこと、また、買い換えの特例や交換の特例などを受けていないことが条件です。
どのくらい軽減措置が受けられるかは、以下の表のように6000万円以内か以上かで税率が異なります。
譲渡所得の種類 | 6000万円以下 | 6000万円以上 | |
---|---|---|---|
6000万円以下の部分 | 6000万円超の部分 | ||
所得税 | 10.21% | 10.21% | 15.315% |
住民税 | 4% | 4% | 5% |
合計 | 14.21% | 14.21% | 20.315% |
ここでいう6000万円以下は、3000万円の特例を使った後に譲渡所得税の価格が6000円以下なのか、6000万円を超えるのかという事です。
3000万円の特例を使ってもなお、譲渡所得が6000万円を超える場合には、長期譲渡所得と同じ税率で計算できます。
平成21年、22年に取得した土地を売った時の特例
限定的にはなりますが、平成21年および22年に取得した土地を売る時に利用できる特例があります。
平成21年及び22年に取得した土地を売った時の特例は、1000万円を控除することができます。
要件は平成21年1月1日から22年の12月31日までに取得した土地であることと、親子や夫婦など特別な関係から取得した土地ではないことです。
特別な間柄とは、生計を一つにする親族や内縁関係も含まれています。
また相続や贈与でもらった土地はこの特例を受けられないので注意しましょう。
こちらの特例も収用等の場合の特別控除や、事業用資産を買い換えた場合の課税の繰延べなど、他の特例を受けていないことが条件です。
土地を売却した後に行う確定申告の方法
土地や不動産を売却した時に発生した税金は、給料など他の所得とは切り離して課税されます。
これを分離課税と言いますが、もし土地の売却で譲渡所得が出た場合は確定申告を行いましょう。
譲渡所得が発生しなければ、確定申告の必要はありません。
しかし不動産売却で損益が出た場合は、確定申告をおすすめします。
条件によっては、所得との損益通算を行い、税金を抑えることができる場合もあるからです。
確定申告の方法や流れについてみていきましょう。
土地を売って収入があったら確定申告が必要なんですね。
そうですね、確定申告を行うには様々なルールや必要な書類があるので、土地売却の前に知っておくことが大事ですよ。
売却をした次の年に確定申告を行う
土地を売った時には譲渡所得税がかかり、他にも住民税、そして復興特別税があります。
このうち確定申告が必要なのは所得税になります。
住民税については、申告した所得税によって次の年に課税されるので注意しましょう。
所得税の申告は土地を売った次の年の、2月16日から3月15日と決められています。
確定申告の方法は、申告書に必要事項を記載して必要な書類とともに税務署に提出します。
しかしこの時期は税務署が非常に混み合い、自分の都合に合わせて確定申告に行くのが大変な場合もあります。
そのため最近ではインターネットで簡単に確定申告ができる仕組みもあります。
申告書はインターネットで取得できる
確定申告のための申告書は、税務署の窓口に置いてあります。
忙しくてなかなか行けない場合は、国税庁のホームページから確定申告書作成コーナーを利用して、申告書を作成することができます。
確定申告書をパソコンで入力すれば、あとはプリントアウトするだけで税務署に送ることができます。
また確定申告自体をインターネットで行うこともできますが、それにはe-taxを利用する必要があります。
e-taxを利用するには、電子証明書を取得して電子申告等開始届出書を税務署に提出しなければなりません。
提出すれば利用者識別番号を発行してくれるので、取得したらe-taxソフトをダウンロードして、確定申告を行います。
e-tax を利用するメリットは以下のように様々あります。
- 源泉徴収票などの書類提出を省略できる
- 申告期間中は24時間提出可能
- 控除などで税金の還付を受ける場合通常より早い還付が可能
インターネットに慣れている人や、マイナンバーカードなど電子証明書を普段から利用している場合はe-taxの方が利用しやすいかもしれません。
メリットも多いので、譲渡所得の確定申告の参考にしてください。
確定申告に必要な書類
土地を売って譲渡所得の確定申告を行う場合には、申告書以外にも複数の書類が必要になります。
ケースによって異なりますが、主な書類についてみていきましょう。
譲渡所得の内訳書
譲渡所得の内訳書とは、売った土地や不動産の売却金額や不動産の概要、支払った価格などの情報が書かれた書類のことです。
売却後に税務署から送られてくるので、必要事項に記載して確定申告時に添付して提出します。
譲渡時の書類
売買契約書や売買代金受領書、また固定資産税清算書や不動産の仲介手数料などが必要です。
これらをコピーに取って、申告書と一緒に提出しましょう。
売った土地の全部事項証明書
売却した土地や不動産の全部事項証明書は、法務局で取得できます。
取得時の資料
売った土地を買った時の資料も必要になる場合があります。
売買契約書や固定資産税清算書、仲介手数料や増改築時の請負契約書などのコピーが必要です。
戸籍の附票
3000万円の特別控除など各種特例を利用する時に提出が必要になります。
売る前の住民票の住所と、売った不動産の住所が同じ場合はいりませんので確認しておきましょう。
納付時期は確定申告をした時と同時期に行う
確定申告を行って、納税が必要になった場合は申告時期と同じ2月16日から3月15日の間に納税を行いましょう。
申告時に税務署で納税振替の手続きを行っていれば、4月ごろに自動引き落としで納税することができます。
もしこの時期に納税が難しい場合は、延長することができます。
その場合は納税額の半分だけを納めて、残りは5月末まで延長が可能です。
ただし申告書に延納の届け出が必要で、延納中は年1.7%の利子がついてしまうので、できるだけ時期中の納税がおすすめです。
確定申告後に住民税の納付が必要ですが、こちらは自営業の場合は納付書が送られてきます。
年4回に分けて納付するか、一度にまとめて納付が選べます。
会社員の場合は、勤務先が毎月の給料から天引きして納付する仕組みになります。
まとめ
土地を売ると様々な手数料がかかりますが、それ以外にも税金がかかります。
まずは土地を売る流れや相場の決まり方を知って、売りたい土地に関する情報を集めましょう。
土地の売却でかかる税金には、必ずかかる税金と利益が出た時のみにかかる税金があります。
利益が出た時のみにかかる譲渡所得は、購入時にかかった費用や、売却に必要な手数料などを差し引くことができます。
また利用できる様々な特例があるので、あてはまるかどうかを事前に調べておきましょう。
譲渡所得は分離課税になるので、収入があったら確定申告を行う必要があります。
確定申告は譲渡所得が発生しなければ必要ないですが、損益が出てしまった場合は確定申告をおすすめします。
土地を売る、というだけでも様々な書類や知っておきたい流れがたくさんあります。
後で手間取らないよう、これらの情報を事前にまとめておきましょう。