不動産取引でマンション、戸建て住宅と並んで行われているのが土地売買です。
売却や財産相続などで手放すには事前の査定が必要ですが、土地の査定評価には他の不動産には見られない、特徴的な価格設定があります。
土地の査定額を算出する基本知識とネットのシミュレーションの使い方について、さらに高く売るための情報をまとめました。
目次
土地の査定額は自分で調べられる?
土地の査定って何だか難しそうですね。でも不動産会社に依頼するとお金がかかりそう。
査定額は、今は自分である程度までなら調べることができます。
え?それはどうするんですか?まさか不動産用語たくさん勉強するとか・・・。
いいえ、その心配はありません。ですが、基本的な用語くらいは知っておいて損はありません。
土地価格の査定は、昔は不動産会社に依頼し調査してもらう方法が一般的でしたが、その方法では結果が出るまでに早くても1日以上かかります。
しかし今の土地査定は、自分で無料で行うことが可能です。
インターネットの普及によってあらゆる情報を無料で簡単に得られるようになり、難しい不動産用語についても分かりやすく知ることができます。
ところで、土地取引における価格の決め方は、マンションや戸建て住宅とは異なり、やや細かくて特殊です。
基礎知識として知っておきたい、土地査定にまつわる4つのキーワードを紹介しましょう。
- 路線価(相続税評価額)
- 固定資産税評価額
- 地価公示
- 取引事例
もちろん全ての項目について調べる必要はなく、知っているもの、情報が見つかりやすいもののどれか1つで構いません。
この中で誰もが比較的使いやすいのが路線価、国で定められた基準なので会社によるバラつきが少ない点があります。
路線価から見る査定額相場の調べ方
路線価、いきなり難しい不動産用語が出てきましたね。
確かに一般の人には聞きなれない言葉ですね。路線価とは一体何なのか、その意味と査定方法についても解説しましょう。
相続税路線価と言いまして国の公表している価格の一つに当たります。ということでこの路線価なんですけれどもそもそも相続税路線価とは何なのかっていうことですけれども道路の価値を表しているのが相続税路線価です。
不動産が前面に接してる道路ごとに定められている土地の評価額のことです。皆さんご自宅なり不動産を持ってる方は道路に接しているかと思うんですけれどもその道路には相続税路線価というものが大半付されております。それが相続税路線価と言われているものでございます。
路線価(相続税路線価)とは
路線価(相続税路線価)とは道路の価値とも言え、道路に面している場所ごとに決められている土地の評価額です。
国税庁によって決められ、毎年1月1日時点での数値を基準とし、同年の7月1日に同庁のホームページにて公表されます。
路線価は相続税や贈与税の課税対象額としてもよく使われますが、自分で土地の査定額を調べる際にも多くの人が参考にしています。
また国が定めている価格のため、不動産会社によるバラつきもないため、より信頼性が高いものとなっています。
売買時の交渉に、この路線価を基に算定した評価額を知っていると、話を進めやすくなるのでおすすめです。
路線価を使った査定額の計算法
実際に路線価地図を見ながら、評価額を割り出す手順と注意点を紹介しましょう。
1.地図から探す
査定額を出すには後で計算式に当てはめるため、まず単価を出してみましょう。
路線価図から単価を調べるには、国税庁の財務評価基準書というサイトにアクセスし、土地の所在地の該当ページを見ます。
2.単価を出す
土地に面している道路の上に165Dといったような、3桁の数字とアルファベット記号があるのを見つけます。
この3桁の数字に単位1000円を乗じたのが1㎡あたりの評価額で、165の場合は路線価16,5万円ということになります。
なおアルファベット記号については借地権の割合を示しますが、売却査定においては見なくて構いません。
3.計算式に当てはめる
路線価より査定額の概算を出す計算式は以下です。
路線単価×面積(㎡)×0.8
手順2.で例にした165の数字を使って、30㎡の土地を売却すると仮定すると
165,000×30×0.8=396万となります。
なお、ここに出てくる指数0.8とは、市場価格の8割程度という見方が根拠となっています。
路線価査定の注意点
路線価査定での金額は、数式通りで取引される例はむしろほとんどないと考えていいです。
例えば人気エリアや商業地の場合需要が多いために評価額は高くなる傾向にあります。
反対に用途の限られている畑や山林では、課税対象金額を下げ、不動産売買の流動性を確保するために評価額が下がることもあります。
あくまでも相場を把握するための概算として意識しましょう。
国税庁によって毎年1月1日時点の価格を7月1日ですね。半年後の7月1日にホームページや新聞等で公表されるものになっています。相続税路線価ですね。私も年明けたらいよいよやらなければならないかなと思っているんですけれどもこちらは相続税や贈与税の課税対象の時に皆さんが算出する元になる価格。ベースになっています。
この価格ですけれども不動産会社とかの査定金額ですとすごいばらつきがあるんですね。よくこういったご相談も受けます。「不動産屋さんによって私の不動産こんなにばらつきがあるんです」「先生どういったことでしょうか」ってよく言われるんですけれどもこちらの相続税路線価で出されたものに関してはそういったばらつきは一切ないです。
というのも額が決まっているからそれではこの路線価を使って計算するにはどうしたら良いのかってことですけれどもまずは相続税路線価で検索されると国税庁のホームページに辿り着くかと思うんですね。それで調べてみてもいいですけれどもちょっと大変なんでそちらで調べると。私は全国地価マップといったサイトを使っています。
こちらは住所検索するところがありまして検索したい住所を入れていただけるとダイレクトに対象地の前の道路の相続税路線価が分かるようになってますのでこっちの方が簡単かなと思います。もしその表記が165Dと書いてあることにしましょう。165Dですね。これが何を示すのか。165という三桁の数字とアルファベットというものがあるんですけれどもこの165にこれは1000円単位で表記されていますので165コンマ(,)の0が3つなると165,000円っていうことです。
また一平米の表記になってますのでこの土地の一平米は16万5000円ですよという風になります。またDなんですけれどもA,B,C,D,E,FというようにAが90%、Bが80%、Cが70%、Dが60%、Eが50%。これは借地権の割合を表します。
その他の査定基準について
土地査定額を知るその他のキーワードを3つ紹介しましょう。
固定資産税評価額
固定資産税評価額とは、市区町村が不動産関連の税金を算出するために使用する基準価格です。
毎年1回郵送されてくる、固定資産税納税通知書に記載されているあの数字のことです。
計算方法は、国で定められている固定資産評価基準の数値を基に、徴収する金額については市区町村で決められます。
算定基準の内訳は以下の通りです。
- 土地の場合は時価(実際に売買される金額)の70%
- 住宅の場合は請負工事金額(家を購入した時の住宅部分の価格)の50~60%を戸数分(例えば2軒建っている場合は2倍)
この2つの評価額の合計が課税対象となり、税金が徴収されます。
路線価と同様、都心部や商業地、人気エリアでの評価額はこれよりも高く、反対に農地や山林の場合は低く設定されるケースもよくあります。
なお、住宅の評価額は築年数が経つにつれ、建材や設備の劣化が起こるので評価額は下がる一方ですが、土地については経年による変化はありません。
公示地価
公示地価とは、全国26,000か所ある一定の地点を決めて、箇所ごとに不動産鑑定士が評価した土地の価格です。
国(国土交通省)の管理下にあり毎年1月1日に公表されています。
調べ方は国土交通省のサイト内、地価公示都道府県地価調査より所在地を指定すると、一覧表形式で表示されます。
取引事例
取引事例とは文字通り、実際に売買された土地の価格の実績で、データは国土交通省が個人情報を伏せた形で公表しています。
調べ方は地価公示と同じ、国土交通省ホームページトップ左側のオレンジ色の部分、不動産取引価格情報より検索できます。
画面が移ったら左上から取引時期、不動産の種類を選び、下にある都道府県、市区町村、地区を指定すると一覧表形式になって表示されます。
査定額が決まる要因とは
土地の査定額で基準にしたい4つの方法、どれも公的な数値で信頼できますね。特に路線価を使った計算方法は、相場把握にはぴったりですね。
そう思ってくれてよかったです。しかし前で紹介した4つの方法と合わせて知りたいのが、価格が決まる決定要因についてですね。
それとても気になります。同じ地区や路面に面していても、評価額ってずいぶん違いますよね。
その通りです。土地査定はむしろこれから紹介する要因のほうが、より身近で分かりやすいかもしれません。
土地の価格には定価というものがありません。
路線価など国で決められた数値はありますが、この他にも土地そのものが持つ特徴で査定額はさらに大きく分かれます。
評価されやすい項目はやや多岐にわたっていますが、一つずつのポイントについて、価格が上がるまたは下がる要因についても表形式にまとめました。
項目 | 評価ポイント | 価格が上がる要因 | 価格が下がる要因 |
---|---|---|---|
公法上の規制 | 都市計画法での区域分けの他、用途地域や接道部分についても見られる | 市街化区域の再開発建造物の用途が広い | 規制が厳しく建物が建てられにくい用途が限られている接道義務を果たしていない |
鉄道駅からの距離 | 状況に応じて判断 | 近いほど高い | 車やバス移動が必須となると下がる |
面積 | 広さの他にも、用途地域も重要 | 面積が広い場合、マンションや高層建物が建てられる土地は高くなる | 面積が広い場合、戸建て住宅しか建てられないまたは建築規制の厳しい地域では需要が少なくなる |
形状 | 形が整っているほど利用しやすいと判断される | 整形に近い、正方形や長方形など | 三角形や蛇行しているなどは敷地内に利用しにくい部分が出る |
前面に接している道路の幅 | 容積率に影響あり。容積率は道路の幅数に比例する | 道路の幅数が広いと容積率が高くなり、階数が多く建てられる | 道路の幅数が狭いと容積率が低くなる |
間口と奥行き | 前面道路に接している間口の広さ | 間口が広いほど、利用範囲が広く使い勝手も良いとされる | 奥行きがあり間口が狭いと、設計の自由度が限られる。 |
道路の接面部分 | 1.道路に接している部分の箇所数 2.一面だけに接しているものを中間画地といい、直角に二面接しているのを角地という 3.私道については査定対象にならない。 | 角地は見通しがよく、また日当たりも良い傾向が見られる | 中間画地は角地と比べると、見通しや日当たりの面で少し劣る |
道路との高低差 | 道路に対して垂直部分の長さ | 道路に対して少し高いと、排水が良いと判断され有利 | 1.道路よりも低い土地は排水のために敷地内でのポンプアップが必要 2.また極端に高い場合は段差や階段の必要性が出てくるため価値が下がる |
土壌汚染や地下埋蔵物の有無 | 専門機関の調査が必要になるため、不動産の査定対象外となる | ||
嫌悪施設の有無 | 不動産会社の取引事例などより判断 | 墓地、送電線、鉄塔、産業廃棄物処分場、下水処理場など |
土地の価格って、定価がない分、あらゆる要因を加味して査定が慎重に行われているのですね。
その通り。ただ一つ言えることは、利用価値の幅が広くて使いやすい場所ほど評価が高い傾向にありますね。確かに、我々が購入することを考えると、条件の良いものを望むのが共通ですからね。
借地権底地なんていう言葉も皆さん聞いたことありますかね。例えばDですので借地権割合は60%。逆に返せば底地は40%と言い換えることができます。計算式に皆さん当てはめるという作業を今度いたします。
一平米16万5000円でした。仮に皆さんの不動産の大きさが30平米だとしましょう。そうすると路線価(16万5000円)に30平米をかけてあげて÷0.8をしてあげるとその時の実勢の市場の価格が出ることになります。相続税路線価は市場価格の大体80%程度の金額を指しているよと言われております。なので÷0.8をしてあげると実際問題そこら辺の売れる価格になるのかなと思います。
あとはその他の査定につきましては3点ありまして1.固定資産税評価額から導き出す2.公示価格3.実際に取引された取引事例というものから導き出す方法があります。
土地売却査定には手軽で便利なネット活用がおすすめ
土地査定って、聞きなれなくて漢字だらけの用語で頭痛くなりますね。もっと簡単に調べられる方法はないのでしょうか。
確かに、文章を読んでいるだけで目が疲れてしまいます。そんな人におすすめなのが、インターネットの一括シミュレーションです。
不動産売却で、最近ではインターネットでの一括査定サービスを利用する人が増えています。
一括査定サービスでは膨大な不動産会社のデータを基にAIが概算を算出してくれます。
そのメリットとは
- 忙しい時でも好きなときにできる
- 不動産用語が分からなくても大丈夫
- 無料でできる
- 複数の業者比較を短時間でまとめてできる
- 結果が早く分かる
忙しい人や参考価格を手早く知りたいという人には最適です。
ネットのお勧めシミュレーション方法
土地査定で特におすすめできるネットのシミュレーションが、匿名査定です。
匿名査定とは文字通り、匿名で行える査定サービスのことで、不動産売却に必要な詳細情報や住所氏名などの個人情報を入力せずに済む査定方法です。
匿名ということは、個人情報を会社に知られることがないという解釈でよろしいでしょうか?
その通り。実は先生も先日、匿名査定をネットで行ってみました。その時の手順についても、説明しましょう。
匿名査定4つのポイント
匿名査定を利用する人が多い理由には、以下の4つの特徴があります。
- 物件の簡単な情報を入力するだけで概算価格を出せる
- 伝えるのはメールアドレスだけ、専用ページで簡単査定
- 依頼だけで電話がかかってくることがない
- 不動産会社の情報も併せて得られるのですぐに連絡できる
不動産会社に電話をしなくても土地の価格を自分で調べることはできますが、そのためには専門用語を覚えたり、また様々な数字や計算式などもあり少し手間がかかります。
ですが昔のように不動産会社に直接依頼すると、査定後に勧誘の電話があったり、また個人情報保護の心配もゼロではありません。
ネットの匿名査定はそういったわずらわしさがなく行える、最も便利な今どきの査定方法だとも言えます。
固定資産税評価額というのは市区町村が不動産関連の税金を算出するために使用する基準価格でこちらは土地の価格の大体70%の価格が付けられております。なので明細等皆さんあるかと思うんですけれどもそれの÷0.7をしてあげればいいのかなと思います。住宅の場合は建物の固定資産は請負工事金額の大体5,60%分が表記されております。
例えば2軒建ってる場合には2倍などされることがあると思います。建物に関しては毎年価格が下がっていきますけれども土地は絶対に下がることはないです。絶対に減ることはないものになります。公示価格ですね。全国に2万6000ヶ所あるものになります。やっとこ今年の地価公示の作業を終えました。これ今年(2021年)の年末に収録しております。やっとこ地価公示の作業が終わって一安心です。
次は相続税路線価ですっていうことで私も東京の評価委員を務めております。場所ごとに我々不動産鑑定士が評価した土地の価格になっています。こちらも地価公示で検索していただけますと出てくるんですけどもこれで調べるのは結構大変です。
匿名査定の手順一例
匿名査定を行う実際の手順を紹介しましょう。
サイトによって多少の違いはありますが、おおむね共通しています。
基本情報
最初に入力する情報は以下の4つです。
- 物件種別(戸建て住宅、マンション、土地、家屋付き土地などから選びます)
- 都道府県
- 市区町村
- 町名
この時点で会社に情報が保存される心配はないので、安心して入力しましょう。
詳細な必須項目
基本情報を選択した後は、少し詳細な物件情報に移ります。
- 所在地(〇丁目〇番地〇号) 匿名性を保つため、この情報は不動産会社には公開されません。
- 土地面積(㎡または坪)
- 現在の土地の用途(宅地、駐車場、田や畑など)
- 土地権利(所有権または借地権)
- 土地形状(正方形に近い、横長、縦長、三角形などの特徴)
- 接道状況(1方向または2方向など、および接道方角、幅)
- 現状(更地、古屋の有無)
- 査定依頼の理由(アンケートとして)
任意項目
任意項目なので、入力しなくても査定は可能です。
ただより実際に近い価格を知りたい場合には、情報は多く伝えるほど相手にも分かりやすいでしょう。
- 名義(本人または家族など)
- その他特記事項(日当たりや周辺環境、駅からの徒歩時間など)
- 売却希望時期
- 売却希望価格
専用ページができるまで
査定結果は利用者の専用ページとして、様々な情報とともに送信されます。
- ログインするSNSのアカウントを指定する(Yahoo!やGoogle、FacebookやTwitterなど、誰もが登録しているようなSNSがほとんどです。)
- SNSに登録されているメールに、専用ページが送信される
- 概算価格の結果が届く
すべての項目を入力し確認した後に情報をサイトに送信すると、結果が返信されます。
利用した時間帯にもよりますが、遅くとも2時間以内には届きます。
専用ページの内容
メールで送られてくる専用ページには、金額だけでなくその数字が出た根拠について見るべき情報がつまっています。
見方のポイントについて整理しましょう。
査定価格
最も知りたかった査定価格が、分かりやすく太字で記載されています。
ただしこの数値は不動産会社独自のデータに基づくもの、また匿名査定依頼時での価格なので今後変動する可能性も含んでいます。
査定を行った担当者からのメッセージ
価格査定を行った担当者の名前と所属会社が書かれています。
メッセージの中には、この金額の根拠となった計算式まで載っています。
周辺地域での売買実績がベースになり、その上での坪単価を広さに乗じて算出されています。
エリア内でのデータ比較
会社が過去に挙げた実績の平均と比べて、査定価格が高いか低いかの比較も載っています。
過去1年以内に実際に売買された物件についても、個人情報が分からない範囲内で一覧表にまとめてあります。
不動産会社の情報と連絡フォーマット
査定を担当した不動産会社の特徴や強み、周辺地域で売り出し中の物件一覧などがあります。
また問い合わせ用のフォーマットがあるので、すぐにメール相談が可能です。
フォーマットの入力項目は以下、必須項目と任意項目それぞれあります。
必須項目 | 選択肢の内容 | 任意項目 | 具体的な内容 |
---|---|---|---|
相談内容について | 詳しい査定の依頼、具体的な売買相談、ローンや税金の相談など。複数選択可 | 売却希望時期 | 早急に、3か月以内、半年、1年、未定など |
現況 | 更地、古屋あり、家屋付き更地渡し | 売却希望金額 | |
名前、住所、電話番号 | FAX番号 | ||
連絡手段 | 電話、メールなど |
匿名査定の注意点
匿名査定って、すごく便利で使いやすいですね。
結果が早く出るというのは大変大きなメリットだが、注意点もあるのでよく覚えておきましょう。
情報の掲載には期限がある
専用ページ内に掲載された情報にはそれぞれ期限があり、一定の期間を過ぎると自動的に削除されてしまいます。
その期間は、匿名査定を依頼した日または不動産会社に連絡した日から数えて90日までとされ、会社の事情によってはそれよりも早く情報が削除されてしまう場合もあります。
なお、連絡の有無については、どの会社にも連絡していない場合は依頼日が、1社以上の会社に連絡した場合は、最後に連絡した時を基準にしています。
実際の査定額とは大きく差が出ることもよくある
不動産の査定方法には、机上(簡易)査定と訪問(詳細)査定の2種類があります。
机上査定とは、土地の場所や形状の他、不動産会社での売買実績や周辺地区の相場といった、あらゆる数字的データを基に算出する方法です。
この方法で事前に相場を把握することはある程度期待が持てますが、実際にその土地を見て調査した場合と大きく価格が異なるのはよくある話です。
なぜそのような差が出るのか、それはAIでは個々の詳細まで反映できないからです。
例えば隣同士で面積も形もほぼ同じ土地だからと言って、価格が全く同じということの方がむしろほとんどありません。
形状がいびつで使い勝手に難がある、道路より土地が低くなっていて排水が悪い、さらに過去に事件などが起こったいわゆる事故物件の場合など、土地にはそれぞれ細かい特徴がありその一つ一つが査定の対象として詳しく見られます。
その仕事ができるのは機械ではなく、人間の知恵でないと行えません。
匿名査定は難しい用語を知らなくてもできる大変便利な一面がありますが、査定が決まる要因や価格の出し方についてある程度の基礎知識があるに越したことはありません。
なるほど、確かにとても便利ですが時には捕らぬ狸の皮算用になってしまうから注意しないといけませんね。
そうです。土地売却の取引は最終的に専門家である不動産会社での訪問査定が最も正確です。具体的に売却を考えるのであれば、まずネット査定で相場をつかんだ上で、詳細査定にて臨むのがベストだと言えます。
土地を少しでも高く売ることはできる?
マンションや戸建て住宅より、土地の査定は国で定められている部分も多いので高く売るのは無理なんでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。確かに土地の査定は基準も厳しいし、ある程度決められた数値を使って算出されています。だからと言って諦める必要はありません、土地を少しでも高く売れるコツが実はあります。
土地を売る前にやっておきたい、高く売るための6つの対策
土地を高く売るために考えたいこととは、いかに買いたいと思わせるか、それが肝心です。
数ある方法の中から、その土地でできる範囲での最善の方法を考えてみましょう。
売却前にはできるだけ更地にさせておく
不動産会社が最も売れやすいのが更地です。
なぜなら、更地の状態であれば、どんなことにも利用できる可能性があるからです。
もしも土地に古屋や建造物が残ったままであると、その用途は限られてしまい、購入希望の見込み客も減ってしまいます。
また、建物の取り壊しや撤去の費用はローンの対象にはならないため、購入者が自費で負担せざるをえないため敬遠されがちです。
古い家屋やプロパンガスボンベなどの備品がある場合は、売却前に全て撤去し、きれいにしてから売りに出しましょう。
値上がりのタイミングを見極める
あらゆるものの物価が変動するように、土地に関しても価格の変動は常に起こっています。
値上がりのタイミングで売ると不動産会社も売りやすく、また銀行への融資も比較的緩やかなので買い手にとっても好都合です。
反対に値下がりのタイミングになってしまうと不動産会社でも苦戦し、銀行も融資を渋るようになります。
土地の価格変動をつかむためには地価公示を参考にするのがベストです。
毎年1月1日に公表されているので、その前年比を見てプラスかマイナスかである程度判断できます。
ただし今年上がっていたからと言って翌年も上がるとは限らないので、業者の専門知識も借りて慎重に見極めましょう。
きれいな状態にして売れるタイミングを見る、これは売買の基本ですね。
その通り。この他には買い手にとっての安心材料というものも重要になります。
対象地の近くを調べるのが大変ですので私がよく使うサイトとして東京都の地価GoogleMap版っていうのを使っております。東京都の地価GoogleMap版これ東京都のって私言ってますけれどもこれで検索して出していただいて福岡県って入れられても札幌市と入れられても大阪と入れられてもどこを入れられても全国のものが調べられるようになっておりますので大丈夫だと思います。
取引事例ですね。レインズ以外にもこういった実勢価格を調べることできるのってことなんですけれどもこちら「不動産取引価格 情報」で検索しますと出てきます。そこからエリアですね。〇〇駅とか皆さんの調べやすい住所の検索でもいいですけれどもある程度この辺でこういった物の取引があったよっていうのを知ることができるので参考になるかと思います。
あとは査定額が決まる要因ですね。土地の価格っていうのは路線価とかである程度の額は把握できるんですけれども不動産は1つのものに対して他の不動産に適用できるものではありません。このボールペンのようにこれ100円ですよ。他行っても100円です。っていうものではありません。
この不動産3000万円同じような不動産でももしかしたら同じ平米数でも角地にあったら3300万円です。それとも無道路地だったら2000万円になってしまいますと色々なそういった道路に接しているの?道路の接し方はどうなの?面積10平米なの?50平米なの?1万平米なの?によっても異なってきますし駅からの距離5分なの?30分なの?1時間なの?って言っても全然異なってきます。
なのである程度の価格帯からそういったことをプラスとかマイナスなどして不動産の価格って決まってるようになるんですね。ですがそんなことをしてもやっぱり難しいよっていう方はやはり不動産屋さんじゃないんですけれども不動産の売却査定ネットを活用するといいと思います。このメリットとしては忙しい時でも好きな時にできる不動産用語が分からなくてもある程度自分家の不動産のことを入れればできる。無料でできる。複数の業者間比較ですね。
この業者ではいくらこの業者ではいくらと比較ができる。結果が早く分かる。っていうことででも個人情報知られちゃうの嫌だなっていう方ですね。匿名査定でやってください。自分の名前は明かさないっていうことですね。匿名の良い4つのポイントは
1.物件の簡単な情報を入力するだけで概算価格が出せる
2.伝えるのはメールアドレスだけで専用ページで簡単査定
3.依頼だけで電話が掛かってくることはないメールだけですのでメールの問い合わせはあるかもしれませんけれども基本的に電話がかかってくることはない
4.不動産会社の情報も合わせて得られてすぐに連絡できるっていう利点がございますので活用してみてください
ということで今回のこのシミュレーションで路線価から査定額を追う方法の解説の方終わりにさせていただければと思います。
境界線、越境物の有無を明確にする
適度な広さがあって立地が良くても、安心材料がない土地ではすぐに売れるのは難しいです。
その要因として、境界線や越境物の問題が指摘されています。
境界線の明確化は売主に原則義務化されていますが、買主の同意があれば売買は成立できます。
しかしもしも隣との境界線が定まっていない部分があるとトラブルになるおそれがあり、過去には裁判沙汰になった事例もあります。
境界線の証明となるのは確定測量図または確定実測図という書類があること、この図面と境界が一致しているかどうかを調べ、もし一致していない部分があれば再度測量しましょう。
また敷地内の空間に影響を与えるのが越境物、空間の上下において物が侵入している状態、相手が越境している場合も自分がしている場合もどちらもあります。
具体例を挙げると庭木の枝や根、屋根、ブロック塀などです。
特にブロック塀においては、塀の中心部に境界線がある場合、大地震などで崩落した際どちらが費用負担をするかという大問題が発生することがあります。
そうした越境物についての取り決めを書面にしたものが、越境の覚書です。
越境物はないに越したことはありませんが、やむを得ない場合に両者で同意しているという覚書があれば、滅多にトラブルになりません。
地中にも目を向けること
土地の購入は地面に見えている部分だけでなく、目にすることのない地中部分についても重要となります。
たとえば土壌汚染がある場合、通常では不動産会社で調査を行うものですが、ごくまれに先祖代々の古い土地や広大な農地、山林の場合に明るみに出るという事例もあります。
土壌汚染は瑕疵の一つとなり、いわゆるいわくつき物件の一つとして扱われます。
さらに、地中に障害物が残っている例もあります。
具体的なものとしては、前にあった建物の基礎や、コンクリートの残骸など、もちろん撤去には費用がかかります。
地面を掘り起こして見るのは現実的ではないため、その場合は土地の履歴を確認することです。
過去に畑だった土地と、鉄筋コンクリート造の建物があった場合、より安心材料となるのが前者です。
分かる範囲で構いませんので、土地の利用履歴を知っておくに越したことはありません。
確かに、安全性が証明されているものとそうでないものであれば、誰でも前者を選びますね。
もちろんです。さらなる裏技には、土地の面積を変えるという方法もありますよ。やや高度な技ですが、これも知っておいて損はありません。
用途に応じて面積を調整する
土地を売る際、買い増しや分割をしながら販売するという高度なテクニックもあります。
買い増しがおすすめなのは、形状がいびつな土地や接道部分がない場合などです。
一部分を買い取って整形に近い形にする、接道部分の土地も買い取って面積を増やすと道路に接するようになるなど、利用価値が高くなるのであれば、買い増しした分もペイできる可能性が高まります。
反対に、比較的広い土地の場合で、分割(不動産用語では分筆と言います。筆とは土地を数える単位のこと)する方法も取られます。
一例を挙げると、戸建て住宅には少々広すぎる大きさの場合です。
家を建てるには大きすぎて価格が高くなってしまう場合、一部分の面積だけを住宅用に販売し、残りの部分を持ち主が引き続き利用するという方法です。
ただし分割手法を取る場合、同じ土地を分けて販売する、いわゆる区画割分譲は個人では原則禁止されています。
あくまで一部分だけを売るということで理解しましょう。
大きさを変えられるというのは、ちょっと驚きですね。
隣接地の買い増しというのは、不動産会社では意外とよく行われている方法です。確かに、初期費用を投じて利用価値を高めて販売した方が、返って利益になる場合もありますね。
不動産会社、買主を選ぶ
土地の売却は最終的には人と人との間で行われます。
そのためには人選びも大切、中でも最も密接に関わり合う不動産会社選びは全てを左右すると言っても過言ではありません。
良い不動産会社の特徴とは、連絡や業務対応が早くてマメなこと、分かりやすい言葉で数字の根拠をきちんと伝える、販売戦略が明確にある、この3つの点で信頼が置けることが大前提です。
また不動産会社だけでなく、買主についても目を向けることが大切です。
その視点とは、買主がどのような目的で土地の購入を検討しているかです。
住宅とは異なり土地は用途の種類が豊富です。
マイホーム購入、駐車場経営、アパートの建築と運営、投機や転売用など様々です。
自分が売ろうとしている土地が買主の目的に合ったものであるほど、早く成約する確率が高くなります。
人を選ぶというのは、なかなか刺激的な内容でしたが、相手のニーズをつかむのは販売の基本ですよね。
そうです。土地売却というと複雑で特殊なものだと思い込んでしまいますが、基本的な考え方は物の売買と同じ。使いやすくて安全、そして購入者の希望に合ったものほど売れやすい、そのように理解するとシンプルですね。
まとめ
土地の売買には、他の不動産取引にはない決まりが多くあり、査定の仕方も複雑です。
価格の評価には路線価や地価公示といった国で定められた部分が多く、また税金にも関わってくるため一筋縄ではいきません。
高く売れる、早く成約しやすい土地の特徴とは、アクセスの良さや整った形状、幅広い用途に使える自由度がある、安全性が保証されている要件がある、そして買主のニーズに合っていることです。
しかし一見難しいような土地取引でも、売れる土地の条件を考えると全ての販売の基本だとも言えますね。