不動産売却が成立した年は、所得金額が増えるため、納税額が高くなる関係で頭を悩ませることがあるかもしれません。
しかし、ふるさと納税の控除を受けることで節税できるケースがあります。
ふるさと納税の控除額には上限がありますが、不動産売却時に所定の条件を満たすと上限額を上げられます。
どのようにしたら不動産売却をする際に、控除対象となるふるさと納税の上限額を上げられるのか調べてみました。
ふるさと納税で控除される上限額の仕組みや、ふるさと納税の賢い利用術についても解説していきます。
不動産売却をすると、ふるさと納税の上限額が上がるなんて知りませんでした
上限額を上げるにはいくつかの条件があります。まずは、ふるさと納税の仕組みについて知っておきましょう
目次
ふるさと納税の制度や上限額の仕組みを知っておこう
不動産売却でふるさと納税の上限額が上がるケースがありますが、上限額を上げて賢く利用するにはふるさと納税の仕組みを知っておく必要があります。
ふるさと納税の制度と上限額の仕組みについて説明していきます。
ふるさと納税とは所得税や住民税が控除される制度
ふるさと納税とは希望する自治体に寄付をし、寄付額に応じて所得税や住民税が控除される制度です。
元は生まれ育った地方へ寄付をして恩返しができることを目指す制度でしたが、自由に寄付先を選べることから地方自治体を応援できる制度としての色合いが強くなっています。
ふるさと納税が注目されている理由の一つは、寄付をした人へプレゼントされる品物です。
寄付をした地方の名産物などをお礼の品として受け取れます。
お礼の品を目当てに寄付する人もいますが、地震や台風で被災した地域を応援するために利用する人もいます。
ふるさと納税で寄付ができる自治体の数と寄付額に上限はありません。
しかし、寄付後の控除額には上限があるので気をつけてください。
ふるさと納税で控除される税金の上限額は?
ふるさと納税で控除される税金の上限額は細かく設定されています。
制度を利用する人に関係する以下の二つの要素によって上限額が変わります。
- 所得
- 家族構成
利用者の所得が高いほど控除される上限額が上がります。
所得が大きくなるにつれ、支払う税金額が増えるため控除額も増えるのです。
反対に所得が少ない人は控除額が低くなりますが、元の税金額が少ないため高所得者より負担が増えたり損をしたりすることはありません。
ふるさと納税による控除額の上限は所得によって上がったり下がったりします。
寄付を多くしたから控除額の上限が上がる訳ではないことを覚えておきましょう。
家族構成によっても上限額が変わります。
例えば、ある2人の会社員の所得が同じだったとしても、家族構成によって設定される上限額が変わってくるのです。
利用者が独身か結婚しているか、結婚していても共働きかどうか、子供は何人いるかなどによっても上限額が変わります。
子供の年齢も上限額の設定に影響を与えます。
家族構成によって控除額がどう変化するか下記の表からご覧ください。
所得額 | 独身か共働き | 夫婦の片方だけ所得あり | 共働きで高校生の子1人 | 共働きで大学生の子1人 | 共働きで大学生と高校生の子供2人 | 夫婦の片方が所得があり、高校生の子1人 | 夫婦の片方が所得があり、大学生と高校生の子供2人 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
350万円 | 34,000円 | 26,000円 | 26,000円 | 22,000円 | 13,000円 | 18,000円 | 5,000円 |
400万円 | 42,000円 | 33,000円 | 33,000円 | 29,000円 | 21,000円 | 25,000円 | 12,000円 |
500万円 | 61,000円 | 49,000円 | 49,000円 | 44,000円 | 36,000円 | 40,000円 | 28,000円 |
同じ所得額でも家族構成が変わることで細かく控除額の上限が違ってきます。
400万円の所得でも、独身の場合と子供が二人いる夫婦の場合では控除上限額が最大30,000円も変わります。
所得額だけで上限額を考えると失敗するので注意してください。
詳しい上限額の設定は総務省のサイトから確認できます。
上限額を超えてしまった分はふるさと納税をした自治体への完全な寄付になります。
設定されている上限額以上は控除されません。
上限額以内の寄付をした場合、全額が控除される訳ではないので気をつけましょう。
自己負担金として2,000円を支払う必要があります。
控除の対象は自己負担金2,000円以上から上限額以内までと考えてください。
不動産売却でふるさと納税の上限額が上がる条件と上限計算方法
ふるさと納税の上限額は所得と家族構成によって細かく設定されていますが、不動産売却時に設定されている上限額を引き上げることが出来ます。
本来の年収と家族構成で設定されている上限額以上にするためには、所定の条件を満たしていなければなりません。
上限額を上げる条件とは何なのか解説していきます。
ふるさと納税の上限額が上がる条件は3つ
不動産売却をした際にふるさと納税の上限額が上がる条件は主に3つあります。
いずれかの条件が当てはまるのであれば、上限額が上がる可能性があるので覚えておいてください。
- 3,000万円の特別控除が利用できない
- 3,000万円の特別控除を利用しない
- 取得費が不明な不動産を売却
最初の条件は3,000万円の特別控除が利用できない不動産売却をすることです。
3,000万円の特別控除とは、マイホームを売却した利益のうち3,000万円まで非課税になる制度です。
しかし、マイホーム以外の不動産売却に3,000万円の特別控除は適用できません。
土地や投資用ワンルームマンション、そして別荘などを売ったときには特別控除が利用できず、売却益が大きく計上されることがあります。
年収は変わらなくても売却益計上によって所得額が増えるため、ふるさと納税の上限額が上がる可能性があるのです。
マイホームを売るとしても建物部分を取り壊して土地だけを売却したり相続した家を壊して土地だけ売却したりするときにも3,000万円の特別控除が使えないため、ふるさと納税の上限額を上げることが可能です。
別の条件は、3,000万円の特別控除が使えるのに、あえて利用しないことです。
住み替えのための不動産売却では、あえて3,000万円の特別控除を活用しないことがあります。
売却時に特別控除を使うと新居の購入時に住宅ローン控除が利用できないからです。
住宅ローン控除は13年間に渡り減税が利用できる制度なので、3,000万円の特別控除より節税メリットが高いことがあります。
そのため売却時に利用できる3,000万円の特別控除をあえて利用しない人がいるのです。
特別控除を利用しないと売却益が大きくなるため、ふるさと納税の上限額が増える可能性が出てきます。
最後の条件は、取得費が不明な不動産を売却することです。
普通に不動産を売却しただけでは譲渡所得が出ることはまれです。
一般的に不動産を取得したときの費用が高いので、売却価格から差し引くと譲渡所得がマイナスになるか少額になります。
しかし、取得費が不明な不動産売却では取得費が売却価格の5%として計算されます。
結果として譲渡所得が高額になり、支払う税金額も高くなるのです。
代々引き継がれてきた土地は当初の取得費が分からないことが多く、売却益が大きくなりがちです。
そのため、ふるさと納税の上限額が上がる可能性が高くなります。
ふるさと納税の上限額計算方法は3ステップ
続いてふるさと納税上限額の計算方法を紹介します。
- 源泉徴収票をチェック
- 住民税を計算する
- 控除上限額を計算する
3つのステップで上限額を計算することができます。
最初に源泉徴収票をチェックしてください。
源泉徴収票の所得控除後の金額を確認します。
ふるさと納税の上限額は、所得控除後の金額を基準にして決められます。
所得控除後の金額は、源泉徴収票の給与所得控除後の金額から所得控除の額の合計額を差し引いた金額になります。
次に住民税額を計算してください。
住民税額を計算するには、給与所得と不動産譲渡所得の課税額を別々に計算しなければなりません。
給与所得の課税額は、ステップ1で出した所得控除後の金額に住民税の総合課税10%を掛けた額です。
不動産譲渡所得の課税額は、物件の所有期間によって変わります。
不動産の所有期間 | 税率 |
---|---|
5年超(長期譲渡所得) | 5% |
5年以下(短期譲渡所得) | 9% |
所有期間が5年超なら住民税率は5%、5年以下なら9%です。
譲渡所得額に上記の税率を掛けて不動産譲渡所得の課税額を出してください。
不動産譲渡所得の課税額と給与所得の課税額を足すと住民税額が分かります。
3つめのステップは、控除上限額の計算式に基づいて計算することです。
計算式は以下の通りです。
ふるさと納税の上限額計算式=住民税額×所得税率÷(90%-所得税率×1.021)+2,000円
所得税率は各自の給与所得によって変わるため、ステップ1で計算した所得控除後の金額を基準にして税率を確認してください。
参考のため所得税率の表を載せておきます。
所得額 | 所得税率 |
---|---|
~195万円 | 5% |
195万円~330万円 | 10% |
330万円~695万円 | 20% |
695万円~900万円 | 23% |
900万円~1,800万円 | 33% |
1,800万円~4,000万円 | 40% |
4,000万円~ | 45% |
不動産売却時にふるさと納税を利用することで10万円以上も上限額が上がるケースがあります。
売却時に譲渡所得が出るならふるさと納税をしっかり利用しましょう。
ふるさと納税の上限額についてよく分かりました
では次に、不動産売却後にふるさと納税を上限額まで利用する手順と方法を見ていきましょう
不動産売却時にふるさと納税上限額まで活用するための4ステップ
不動産売却時にふるさと納税上限額まで活用するには4つのステップがあります。
- 上限額の計算
- 寄付する自治体を決める
- お礼の品、寄付金受領証明書を受け取る
- 寄付金控除手続きをする
1つめのステップはすでに解説した方法で上限額を計算します。
上限額の計算時に不動産売却の譲渡所得を含めることを忘れないでください。
次に、寄付をしたい自治体を決めます。
お礼の品が魅力的な自治体や応援したい自治体を選びましょう。
注意したいのは、自分が住んでいる自治体へふるさと納税したときに、お礼の品が贈られないことがあることです。
居住地の自治体へ寄付する際は、お礼の品が贈られるのかを事前に確認してください。
寄付をした後、自治体から2つのものが送られてきます。
- お礼の品
- 寄付金受領証明書
寄付金受領証明書は確定申告の際に必要なので無くさないようにしてください。
お礼の品が届く時期は品物や自治体によって異なります。
最後のステップは寄付金控除手続きです。
寄付金控除手続きをしなければ税金の控除を受けられないので気をつけましょう。
手続きの方法は、確定申告かワンストップ特例制度を利用する2種類です。
手続き方法については次の項で詳しく解説します。
不動産売却時に上限額までふるさと納税を利用するため確定申告は絶対必要?
不動産売却時に上限額までふるさと納税を利用するため確定申告は絶対に必要です。
しかし、ふるさと納税を利用する時に全ての人が確定申告を絶対しなければいけない訳ではありません。
少し混乱する部分ですので、確定申告が必要な人と必要でない人について詳しく説明します。
手続きに必要な書類や手順についても徹底解説します。
確定申告は必要な人とワンストップ特例を利用できる人
一般的に確定申告が必要なのは3つの条件に当てはまる人です。
- 1月1日から12月31日の期間に6つ以上の自治体へふるさと納税した
- 給与所得者であり、高額医療費の支払いがあるため医療控除の申告が必要
- ふるさと納税を利用した自治体へワンストップ特例で申請書を提出できなかった
いずれかの条件に1つでも当てはまるなら確定申告が必要です。
上記の条件に当てはまらなくても、以下の人は確定申告が必要になります。
- 不動産収入がある人
- 不動産の売却益や譲渡益がある人
- 2,000万円以上の給与所得がある人
- 医療費控除を受ける人
- 住宅ローン控除を受ける人
上記の条件以外にも細かな規定がありますが、ここで取りあげた条件に1つでも当てはまるなら確定申告が必要です。
つまり不動産売却をし、売却益や譲渡益が出た場合には確定申告が必要となります。
確定申告をしなければふるさと納税の税金控除を受けられませんし、上限額を上げることも出来ません。
上記の条件に当てはまらない人はワンストップ特例を利用できます。
ワンストップ特例は確定申告をしなくても、ふるさと納税の控除を受けられる制度です。
簡単な手順でふるさと納税の控除が受けられるのでワンストップ特例の利用を勧められることがありますが、不動産売却時には確定申告でなければいけないので気をつけてください。
不動産売却後の確定申告に必要な書類など
不動産売却後に確定申告をする場合、どんな書類を揃えるべきでしょうか。
確定申告時に必要な基本的な書類や準備が必要なものは5つあります。
- 寄付金受領証明書
- 源泉徴収票
- 還付金受け取り用口座番号
- 印鑑
- 本人確認書類
寄付金受領証明書はふるさと納税をした自治体から送られてきます。
対象期間に受け取った全ての寄付金受領証明書を準備しておいてください。
源泉徴収票は確定申告の書類作成をする際に必要です。
還付金受け取り用口座番号は手続きをする本人名義でなければなりません。
口座情報が必要なのであり、通帳や振り込みカードそのものが無くても大丈夫です。
印鑑は本人のものでなければならず、ゴム印は使えないことを覚えておいてください。
本人確認書類としてマイナンバーカードがあると便利です。
マイナンバーカードがあれば身元確認書類を揃える必要がなく、マイナンバーカードだけで本人確認ができます。
コピーを使うときは、表面と裏面のコピーを取ってください。
もしマイナンバーカードを持っていないなら、本人のマイナンバーが確認できる番号確認書類と、マイナンバーの持ち主を確認する身元確認書類の2つを揃えなければなりません。
番号確認書類と身元確認書類の内容を表からご覧ください。
番号確認書類 | 身元確認書類 |
---|---|
通知カード | 運転免許証 |
住民票の写し | パスポート |
住民票記載事項証明書 | 公的医療保険の被保険者証 |
身体障害者手帳 | |
在留カード |
番号確認書類にはマイナンバーが記載されていなければなりません。
不動産売却時の確定申告では、他にも書類を準備する必要があります。
税務署や各自治体の役場で入手できる書類と不動産取得時と売却時に入手している書類、そして法務局で入手する書類を揃えなければなりません。
各書類について説明していきます。
税務署や自治体の役所で入手できる書類は3点です。
書類名称 | 入手場所 |
---|---|
戸籍の附票 | 売却した物件の住所がある自治体の役所 |
確定申告書の用紙 | 税務署 |
譲渡所得の内訳書 | 税務署 |
戸籍の附票は売却した物件の住所がある自治体の役所で入手できます。
不動産売却後2ヶ月が経過した後に手に入れるようにしてください。
税務署で入手する確定申告書の用紙は、申告書B ・申告書第三表/分離課税用を選ぶようにします。
譲渡所得の内訳書は、確定申告書付表兼計算明細書を選びます。
不動産取得時と売却時に入手している書類は表からご確認ください。
不動産取得時 | 不動産売却時 |
---|---|
売買契約書、建築請負契約書 | 売買契約書、領収証 |
一般媒介契約書 | 仲介手数料の領収証 |
登記費用等の領収証 | 測量費や登記費用等の領収証 |
不動産を取得するときに手に入れている売買契約書と建築請負契約書の写しが必要です。
登記費用など取得時にかかった諸費用の領収証の写しも揃えておいてください。
一般媒介契約書はオリジナルが必要となります。
不動産売却時に入手した売買契約書や領収証の写し、そして仲介手数料の領収証の写しも必要です。
測量をしたなら証明する領収書の写しが必要になります。
登記費用など諸費用の領収書の写しも準備しておきましょう。
最後に法務局で入手する書類についてです。
売却した土地建物の全部事項証明書を取得してください。
土地建物の全部事項証明書は、不動産登記簿に書かれている情報が正確であることを証明する書類です。
物件の所有権が移転することや抵当権についての履歴が全て書かれています。
ふるさと納税と確定申告をして控除を受けるまでの流れ
ふるさと納税と確定申告をして控除を受けるまでの流れを知っておきましょう。
例えば、2020年に不動産売却とふるさと納税をしたとします。
この場合、2021年の2月から3月に確定申告をしなければなりません。
所得税が還付されるのは確定申告をしてから1ヶ月か2ヶ月後です。
5月末までには所得税の還付を受けることができます。
住民税の控除が適用されるのは確定申告をした年の6月から翌年の5月まで、つまり2022年5月末までとなります。
確定申告の手順を簡単に解説します。
3つのステップで確定申告を行っていきます。
- 確定申告の準備をする
- 確定申告書を作成する
- 確定申告を提出する
最初のステップでは、すでに説明した必要書類などを揃えていきます。
2つ目のステップで確定申告書を作成しますが、作成にはe-Taxを利用することもできます。
ネット上で確定申告が完結する便利なe-Taxについては次の項で詳しく解説します。
3つ目のステップは確定申告書の提出です。
確定申告書を提出する方法は税務署へ直接持って行くか、郵送かネットで提出する方法があります。
3月になると税務署が混みますから郵送やe-Taxによるネットでの提出がおすすめです。
e-Taxで確定申告する際の手順は5つ
e-Taxで確定申告する際の手順は以下の通りです。
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーをアクセス
- 利用環境を確認
- 確定申告書の種類を選ぶ
- 必要事項の入力
- データ送信
まず国税庁のサイトの確定申告書等作成コーナーをアクセスします。
初めてe-Taxを利用する人は作成開始ボタンを選び、以前に利用した人は過去のデータを参照しながら手続きする保存データを利用して作成ボタンを選んでください。
作成開始ボタンをクリックすると、e-Taxで提出するボタンと印刷して書面提出するボタンが出てきますのでどちらかを選びます。
e-Taxを選ぶとネット上で申告が完了します。
続いてOSやブラウザ、そしてPDF閲覧ソフトなどの利用環境を確認していきます。
プリンタ設定の確認がありますが、プリンタがなくても最寄りのコンビニエンスストアでプリントアウトできるので安心してください。
3つ目のステップでは確定申告書の種類を選んでいきます。
不動産売却が関係する確定申告では、所得税を選択します。
次のステップでは、必要事項の入力を行っていきます。
給与取得者であればすでに年末調整を勤務先で実施済みか入力したり、源泉徴収票の支払金額や所得控除額の合計額などを入力したりします。
注意したいのは適用を受ける控除の選択項目です。
ここでは適用を受けたい控除を選択するのですが、ふるさと納税という選択肢は表示されていません。
ふるさと納税は自治体への寄付金となるので寄付金控除の選択肢を選んでください。
所得控除の入力画面では、寄付金控除欄の入力ボタンを押します。
ふるさと納税をした自治体から交付された証明書情報を入力していきます。
寄付をした日付や自治体の名前、そして寄付額などを正確に入力してください。
特に寄付先の住所や寄付先の名称は自分で打ち込まなければならないため打ち間違いがないように気をつけましょう。
複数の自治体へふるさと納税をした人は各自治体の情報を全て入力していきます。
全ての記入が終わると還付金総額が計算され、還付金の受け取り方法を選択する画面になります。
画面の指示に従いながら受け取る本人の名前や電話番号、そしてマイナンバーなどの情報を入力していください。
最後に入力したデータを税務署へ送信して手続きは終わりです。
書類をプリントアウトする人は印刷する書類を選べます。
最後に出てくる画面では、入力した情報を保存するかどうか尋ねられますので忘れずに保存しておきましょう。
データを保存しておくと来年の確定申告の時に同じ情報を利用できて便利です。
e-Taxを利用すれば24時間いつでも確定申告書を提出できますし、譲渡損失の繰り越し控除で還付金を受け取る際に、通常の方法より数週間早く受け取れるメリットがあります。
来年に不動産売却によるふるさと納税などをしなくてもe-Taxは利便性が高いツールなのでおすすめです。
不動産売却後にふるさと納税の上限額を上げたいのであれば、確定申告が必要なんですね
ふるさと納税の控除を受けるには確定申告が必須です
他にも不動産売却とふるさと納税について知っておいた方が良いことはありますか
不動産売却時に覚えておきたいふるさと納税の賢い利用術について教えましょう
不動産売却時にふるさと納税の賢い利用術を紹介
不動産売却時にふるさと納税の控除を受けるとお得になる場合があります。
しかし、不動産売却をする際に利用できる減税制度は他にもあるため、何が一番お得なのか分からなくなることがあるでしょう。
ふるさと納税がお得になるときだけ活用できるように、ふるさと納税の賢い利用術を紹介します。
お得なときだけふるさと納税を利用する
ふるさと納税の賢い利用術とは、利用するとお得なケースを適切に見極めることです。
不動産売却でふるさと納税を利用するかどうか一番迷うのは、3,000万円特別控除とふるさと納税の控除のどちらを利用するか決めるときです。
最初の方で説明しましたが3,000万円特別控除は、譲渡所得から最高3,000万円まで控除される制度です。
譲渡所得が3,000万円以下なら特別控除を使うことで譲渡所得をゼロにできるため、所得税と住民税がかかりません。
通常のケースでは、不動産売却時にはふるさと納税の上限額を上げるよりもお得感が高い制度となっています。
しかし、住み替えの不動産売却では、3,000万円特別控除を使わない方がお得になることがあります。
詳しい説明は、この記事の冒頭にある上限額が上がる条件を参照してください。
簡単にまとめると、住み替えの場合は3,000万円特別控除よりも、ふるさと納税と住宅ローン控除の組み合わせがお得なケースがあるということです。
賢く利用するために自治体や税務署に問い合わせる
別のふるさと納税の賢い利用術は相談窓口を使うことです。
ふるさと納税の控除を利用すべきかどうか適切に判断するには、控除の上限額などを正確に計算しなければなりません。
自分で計算するのは大変だし面倒だと感じる方は、自治体の税金に関する相談窓口を使いましょう。
相談できる窓口は2つあります。
- 最寄りの税務署
- 自治体
不動産の売却益やふるさと納税について相談したいときには最寄りの税務署へ連絡してください。
ふるさと納税を利用した方がお得だと分かったのであれば自治体へ相談して、ふるさと納税の控除額上限の計算について教えてもらいましょう。
不動産売却後のふるさと納税で気をつけるべきポイント
不動産売却後のふるさと納税をする際に気をつけるべきポイントを確認しておきます。
ふるさと納税によるメリットを受けられるのは、不動産売却の利益が出て高額な税金を納めなければいけない人です。
物件を売却しても利益が出なかった人や別の特別控除を利用する方が減税額が大きくなる人は、ふるさと納税による減税メリットがありません。
特に手厚い特別控除が受けられるマイホームと土地をセットで売却する人や、売却価格よりも高い値段で土地を購入している人は注意してください。
ふるさと納税の控除を受けた方がメリットがあると分かった人は、うっかりミスをしないように気をつけましょう。
多いうっかりミスは、確定申告を忘れることや寄付受領証明書の紛失です。
確定申告は毎年2月の中頃から3月中頃までとなっていますが、毎年微妙に違うので必ず期間を確認してください。
新型コロナウイルスの影響で現在は申告期間が4月中頃まで延長されています。
寄付受領証明書の紛失もよくあるミスなので気をつけてください。
ふるさと納税をした2ヶ月後くらいに寄付受領証明書が送付されますが、確定申告まで期間が空くと紛失してしまうことがあります。
控除を受けるために必要な書類なので大切に保管してください。
ふるさと納税の寄付受領証明書は無くさないように気をつけます
寄付受領証明書は保管期間が長くなりがちなので注意してくださいね
不動産売却でふるさと納税の控除上限額を上げる条件は、3,000万円の特別控除が利用できないか、あえて利用しないかです。
土地や投資用のワンルームマンション、または別荘などマイホーム用途ではない不動産を売却したときには3,000万円の特別控除を利用することができず、ふるさと納税の控除上限額を上げることが可能です。
住み替えの時には3,000万円の特別控除をあえて利用しないことがあるため、ふるさと納税の控除額上限を上げられます。
取得費が不明な不動産を売却することも条件の1つです。
不動産の取得費が不明な場合、譲渡所得が高額になることが多いのでふるさと納税の控除上限額が上がることがあります。
ふるさと納税の賢い利用術は、これらの条件を考えてふるさと納税を使うことと、税務署や自治体の相談窓口を活用することです。
譲渡所得や上限額の計算は複雑なので専門家の助けを借りるのも良いでしょう。