サラリーマンとして働きながら、定期的に入ってくる毎月の給料のほかに、あと5万円、10万円…、それ以上の副収入を得たいと切望している人は多いでしょう。
現在の日本の社会情勢では数年後の会社の存続も危うく、コロナ過の影響でたった今、お給料が下がっているサラリーマンも少なくありません。
そればかりか、テレビや新聞では老後の生活に不安を抱かせるような報道が毎日のようにあります。誰も先行きが見通せず、安定して収入が得られる保証はどこにもありません。
なにか副収入の道はないものかと思っても、早朝から満員電車に乗り込み、一日中ストレスの多い仕事をして、終電近くに自宅に帰れば、それだけでぐったりしてしまい、なにもやる気が起きないのがサラリーマンの現実の姿ではないでしょうか。
帰宅してからも副業や投資について調べたり、実際に行動に移すことができる人は、そう多くはありませんし、副業に取り組むのはそれほど容易いものではありません。
そんな状況の中、時間の無いサラリーマンが副業で取り組める投資として、不動産投資が注目されています。
不動産を副業として取り組む時、どんなことを気をつければ良いのでしょうか?
ここでは、サラリーマンが不動産投資に取り組むにあたっての注意点、そして、おすすめ物件の選び方をご紹介してまいります。最後までお読みいただければ幸いです。
目次
サラリーマンや公務員が副業で不動産投資ができるのか
近年、厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定しました。
これは、人生100年時代を迎えた現代日本において、キャリア形成のため、第二の人生への準備のため、そして日本の経済発展のために多様な働き方が必要である、との考えが根底にあります。
会社によっては副業禁止のところもいまだあるようですが、大きな流れとしては、副業解禁の方向にあるといってよいでしょう。
一方、会社が副業禁止規定を作成することも違法ではありません。不動産投資を副業と考えるか、投資の一環として考えるかは個々の会社の判断として微妙なところはありますが、ひとつの判断基準として、「5棟10室」という考え方があります。
これは、賃貸用の物件の数が、戸建てであれば5棟未満、アパートやマンションの場合は10室未満であれば、その不動産投資は「事業的規模」でないと判断され、副業とカウントされないというものです。
サラリーマンとは違い、公務員は原則、どこの地域でも副業禁止ですので、もう少し厳しめに考えておいたほうがよいでしょう。
過去の判例を参考にすると、年額の収入が500万円以上であれば副業である、との見方もありますので、気をつけなければいけません。一般企業では副業禁止規定があっても、不動産投資は問題にならないことが多いといってよいでしょう。
サラリーマンが遠方に転勤を命じられたために、持ち家を賃貸に出すケースはよく発生しています。そういった理由もあり、会社ではもう少し緩く見てもらえるはずですので、上司に相談するなどして、積極的に副業として不動産投資に取り組んでみてもよいと思います。
当然のことながら、非正規雇用の方も、もちろん不動産投資に取り組むことができます。非正規雇用の場合、まず、副業禁止規定には当てはまることはありませんので、堂々と不動産投資に取り組めるでしょう。
ある程度、まとまった自己資金を貯めておいた方が有利に投資を進めることができますので、少しずつでも努力してお金を貯めていきましょう。
前もって準備しておくことが大事ですね!
サラリーマンは不動産投資に向いている
以前は地主さんが相続税対策のために不動産投資を行うことが一般的でした。
しかし、いまでは一部のサラリーマンの投資意欲が増してきたことや、金融機関が積極的にサラリーマンにも融資をするようになったことなどにより、「サラリーマン大家」が増えて決ました。
また、近年は金利も低下してきています。金融機関は、なにより不良債権が怖いので、現在苦境にあえいでいる中小企業にお金を貸した結果、回収できないことを避けようとし、貸し渋りをします。
しかし、不動産投資に取り組むサラリーマンが相手であれば、その不動産そのものを担保にとれるので、一定の条件さえクリアすれば積極的に融資してくれます。
かつての地主さんのように税金対策をすることは、いまも、もちろん必要ですが、サラリーマンの副業として、不動産投資向けの物件には収益性が高いものが提供されていますので、一度調べてみることをお勧めします。
以下に、不動産投資のメリットをご紹介いたしますので、ご検討してみてはいかがでしょうか。
不動産投資のメリット
生命保険の代わりになる
不動産投資は生命保険の代わりになる、とよく言われますが、生命保険の代わりとして不動産投資を行うことは可能なのでしょうか。それがなにを意味しているのか、具体的に見ていきましょう。
そう言われるには2つ理由があります
1つは相続した物件を運用して家賃収入を得ることが出来たり、その物件を売却すれば大きな収入を得ることが出来る、ということです。もう1つは「団体信用生命保険」の加入です。
多くの場合、投資用マンションの購入費用として融資を受ける際には、団体信用生命保険(団信)への加入を求められます。
この生命保険は、ローンを組んでいる契約者が死亡したり、また、高度障害者になったりして、ローンの支払いが難しくなった場合に、保険会社がローンの残債を肩代りしてくれます。
この意味で、生命保険の代わりになると言われているのです。
なるほどです!
私的年金として活用できる
2019年、金融庁のワーキンググループが発表した内容の影響で、日本人の老後生活に2,000万円が不足するという話題が世間に急速に広がり、国民の不安を煽りました。
また、少子高齢化の影響で、公的年金もどれだけもらえるのかわかりません。年金制度そのものが崩壊することがあるかもしれませんし、先行き不透明です。
それでは、老後の生活資金を作るには、貯金を切り崩すだけしか、その方法は残されていないのでしょうか。
そこで注目されたのが不動産投資です。不動産投資用物件を保有することで、毎月、安定的に家賃収入を得られるのです。
年金受給時までにローンを完済していれば、利回りもよくなり、家賃が全て収入になるため、私的年金として活用することができるのです。
不動産投資用の資金を集めやすい
多くの失業者が増えているいま、サラリーマンに対する金融機関の評価は高まっています。
なぜなら、毎月給料をほぼ一定額もらえることは確定しており、ボーナスの見込みもあるからです。
また、社会的信用の高さや返済能力の高さから、金融機関が積極的に融資をしたくなるのがサラリーマンなのです。収入が不安定とみなされる個人事業主より、サラリーマンは金融機関にとって上客とみなされます。
その結果、金融機関の審査を通過するのも容易になるのです。勤続年数が長く、また年収が高ければ、融資を受けることがたやすくなります。
本業と両立できる
サラリーマンとして働きながら、「サラリーマン大家」として不動産投資に取り組んでいる人が多く活躍していることが証明しているように、実際に、本業と不動産投資は両立が可能です。
投資商品には様々ありますが、株やFXは、日々、値上がりや値下がりの変動がありますので、その動きが気になって本業に身が入らないということが欠点です。
しかし、不動産投資の場合、それがありません。日常的な管理業務はかなりのボリュームがありますが、管理業務は管理会社に委託してしまえば、自身でやることはほとんどありません。投資にかける時間は他に比べて、格段に少なくて済むのです。なにかあれば必要に応じて管理会社から連絡が入りますし、こちらから管理会社に連絡を取ることが出来れば、なお確実な運用が出来ます。
さらには、副業から大家専業になり、独立する人もたくさんいらっしゃいます。
不動産投資は軌道に乗ってしまえば、実質的な作業時間は、ほとんど無いに等しいので、本業と両立することが出来るのです。
税金対策になる
不動産所得が赤字になった場合には、サラリーマンの所得から差し引いて、損益通算をすることができます。不動産所得が黒字であれば、当然のことながら他の所得と合算することになります。
では、不動産投資の赤字とはなんでしょうか。
不動産投資の赤字とは
不動産投資で得た収入から固定資産税やローン金利、修繕費等、必要経費や減価償却費を差し引いて、全体としての所得が赤字になることです。
これにより、所得税が還付される可能性があるのです。
経費として大きな額を計上できて、不動産投資の赤字を作ることが出来るのが、減価償却費です。会計上では赤字にして、キャッシュフローが黒字にして節税できるように、上手に節税していくことで、税金対策が出来るのです。
サラリーマンが副業で不動産投資をする注意点
不動産投資に取り組むに当たり、最低限の知識もなく、注意するポイントも知らず、やみくもに始めてしまっては失敗する危険性が高くなります。
事前に学習し、注意点を認識しておくことで、リスクを回避していきましょう。
どのようなリスクがあるのでしょうか?
注意点やリスクを事前に学習しておきましょう。
投資金額が高額になる
マンション一棟を購入するのか、それともマンション一室なのか、戸建てなのか、新築か中古か、都心の物件なのか…、いずれを選ぶにしても、不動産投資は高額な費用になります。
物件価格はもちろんですが、それ以外にも諸費用がかかることを忘れないでください。無理をして、一足飛びに稼ぎたいと考えがちな人は特に注意してください。
余裕を持った資金計画をしておかないと、後に苦労することが多くあります。自身で納得がいくまで、入念にシュミレーションをしておきましょう。
空室リスクがある
不動産投資においては家賃収入がほとんど全ての収入となるので、空室が出来てしまえばその間、収入が入らないことになります。それが何日も続くようでは、大きな損失を生んでしまいます。
また、あらたに入居者を募集する際には広告や付随する費用も、とても多くかかります。物件を購入する際には該当するエリアの交通アクセスや、周辺環境を調査する必要があります。
アクセスがよくなければ空室リスクが高まると考えた方が良いでしょう。物件があるエリアの賃貸需給バランスを把握しておくことが重要です。
駅からの距離や部屋の広さ、周辺の平均賃料や空室率などを事前調査すれば、該当エリアの需要を見極めることが出来ます。
なるほど!
管理会社に左右される
サラリーマンが不動産投資をするにあたって、土日や休日を使ったとしても、管理業務を自身で行うのはかなり難しいでしょう。エレベーターが動かない、水漏れが発生した…等、突発的な出来事も日々生じますので、その度に仕事を抜け出して対応するのはほとんど不可能だと言えます。
なので、一般的には管理会社に管理を委託します。
しかし管理会社にも得意、不得意があり、残念なことに杜撰な仕事をする管理会社も存在します。
空室が出たことを連絡しない、連絡が取れない、なにも対応してくれない…など、様々ありますが、業者と契約してから判明することがほとんどで、事前に知ることがなかなか難しいものです。
ひとつの目安となるのが、管理会社が担当している物件を実際に見に行ってみることです。アパートの敷地がゴミや雑草だらけの物件があれば、レベルの低い管理会社の可能性が高いです。
また、物件の賃貸募集にあたって、能力の低い管理会社の場合は、空室リスクを埋めることが出来ないので、なにより注意が必要です。ただ受け身でいるのではなく、こちらからも積極的にコンタクトを取り続ける努力が必要になります。
良い管理会社と悪い管理会社をまとめましたのでご参考ください。
参考になります!
良い管理会社 | ・空室を埋める能力がある ・24時間対応できる ・滞納者に催促できる |
悪い管理会社 | ・報告、連絡が遅い ・動いてくれない ・建物管理が出来ない |
おすすめ物件の選び方
不動産投資においては、いかに優良物件を選び、運用するかが最大のポイントとなります。現在、そして将来的に発展するエリアを選ぶ必要があります。立地も特に重要です。
サラリーマンが不動産投資をする際のおすすめ物件の選び方を紹介します。
賃貸需要が高いエリアにある物件
不動産投資を成功させるには、立地、エリアの選び方が重要です。
一般的には地方や郊外よりも、東京や大阪などの都市圏の方が、賃貸需要があるといってよいでしょう。都市物件は価格が高く、利回りが低い傾向にあります。反対に、地方物件は価格が低く、利回りが高い傾向にあります。
売却の際には、都市の規模が大きくなるほど、物件に対する需要が高くなるため、売却しやすいといえます。
一方、近年ではリモートワークが進んでいるために、必ずしも都心に住まなくても仕事ができ、個々の生活がまわっていくことが明らかになってきました。将来的には中規模都市が人気になるかもしれませんので、常にアンテナを貼り、情報収集を行うようにしましょう。
利回りの高さを最重要視する場合は、大都市にこだわらなくてもよいでしょう。いずれにせよ、空室のリスクを減らすには、物件そのもののほかに、エリア規模で考えることが重要です。
分散投資出来る物件
不動産投資をする場合、対象となる物件の種類には、様々あります。
対象となる物件の種類
アパート・マンション1棟物件投資、区分所有投資、戸建て投資、小規模ビル投資などです。さらに、区分所有投資を大きく分けると、ワンルームタイプ、ファミリータイプ等の広い部屋に分けられます。
物件が災害に遭ったり、近くに葬祭場が出来たりするなどの大きな変化があると、投資物件の価値が下がるばかりか、甚大な損害を被ることがあります。
1棟物件投資や戸建て投資のみしか行っていない場合には、最悪の場合、収入が全くなくなってしまうのです。
こういった場合は、複数の区分所有の異なったマンションで分散投資することにより、リスク回避することができます。その意味で、区分所有投資はおすすめです。
資産価値を維持できる物件
一般的に、資産価値が高くなると利回りは低くなり、資産価値が低くなると利回りが高くなります。物件を選ぶ際に、資産価値を取るか、利回りを取るかは究極の選択かもしれません。
また、新築の建物は築20年を経るまでに、資産価値が半分くらいまで下がります。戸建て住宅の場合は建物の価値がゼロになると言われています。
反対に、中古の物件はそれほど大きくは下がりませんので、物件を選ぶ際には、戦力的に進めて行きましょう。
また、現在の日本においては、東京オリンピックが開催されるかどうか、未だ予断を許さないところですが、現在、建築工事等のために建築費が高騰し、新築マンションのコストも大幅に上昇しています。
それに伴い、中古マンションも同様に高騰傾向にあります。
しかし、東京オリンピック以降は、不動産価格が下落すると言われています。また、少子高齢化による世帯数の減少で、空き物件が急増することがほぼ確実です。日本経済の低迷が続けば地価が下落するとともに、物件の資産価値が下落するリスクがあります。個人の努力ではいかんともしがたい社会情勢により、大きく左右されるリスクがあるのです。
資産価値が下がりにくい物件とは
利便性が良く、将来的に新駅やその周辺の建設プロジェクトがある、物件がきちんと管理されている、ショッピングモール等の大規模開発が予定されている、などがポイントになります。
物件そのものやエリアの持つ、様々な側面に意識を向けておきましょう。
わかりました!
利回りが高い物件
表面利回りの高い物件を探す
数ある投資商品の中でも、不動産投資は群を抜いて利回りが高い投資商品と言えます。その利点を利用した上に、さらに、利回りが高い物件を選びましょう。
基本的に、高利回りの物件は、やはり良い物件と考えてよいでしょう。都心の一等地などは価格も高額であり、利回りが低いので、サラリーマンの初心者にとっては投資対象としては若干難しいかもしれませんが、やれないことはありません。
物件の探し方としては、インターネットが主になりますが、不動産会社と良好な繋がりができれば、更によい情報を引き出せる可能性があります。利回りが極端に高い場合は、隠された理由があるとみてよいでしょう。そんなに良い物件であれば、手放すはずがないからです。
隠された理由とは、例えば空室リスクが高いか、もしくは将来的に高くなる事象が発生するか、高額な修繕費用が発生する見込みがあるか、など、様々な理由があるはずです。
なにか違和感を感じたら、勢いで決めずに、冷静に考え、慎重に検討する必要があります。そして納得がいくまで売主や不動産業者に回答を求めましょう。
実質利回りを計算する
利回りには大きく2種類あります。それを「表面利回り」、一方を「実質利回り」と言います。インターネットでよく掲載されている利回りは「表面利回り」です。
表面利回り
物件を探すときには、表面利回りで探すことが一般的です。これはごく単純な計算式で、年間の家賃収入を物件の購入金額で割った数字で表すことができます。
しかし、これはあくまで概算の数字であるので、最初の判断材料には便利なものの、利回りの全てを表すことができません。具体的に優良物件であるかを判断するためには、「実質利回り」を計算する必要があります。
実質利回りとは
実質上、投資した金額に対して、どれだけの純利益を得ることができたかで、分母は物件を購入する際に実質的にかかる費用(物件価格と仲介手数料、登録免許税と不動産取得税)となります。分子は実質の収入(年間の家賃収入―管理費+固定資産税等)となります。さらに、ここに、空室分の家賃も引く必要があります。
それぞれの計算式
表面利回り | 年間家賃収入÷物件価格×100 |
実質利回り | (年間家賃収入―年間の運用経費)÷(物件価格+購入諸経費)×100 |
以上述べてきたように、まずはインターネット等からわかる表面利回りで、数多く物件を見ていきます。
そして、その中から、実質利回りを自身で綿密に計算していかなければいけません。結果、実質利回りが高ければ、実質的な収益率が高いということになります。
自分の感覚に合う物件
様々に物件の選び方を述べてきましたが、最終的に大切なのは、自分が住みたいと思える物件かどうかです。
冒頭で述べたように、現在、賃貸市場は需要と供給が逆転しています。かつての不動産市場では、どんな物件でも借り手がつきました。
しかし、現在では自分が借りたいと思えない物件は、多少の好みの違いはあれど、やはり誰も借りたくない物件と言えます。自分の感覚も大切にしながら物件探しを進めましょう。
選んではいけない物件
選んではいけない物件は、要は、先ほどのおすすめ物件の選び方と反対の考え方をすることです。
前述したように、業者には業者の思惑があり、論理がありますので、出来れば売主側の業者と直接会って疑問をぶつけることがベストです。
ここではおすすめ物件と選んではいけない物件を簡単にまとめますのでご参考ください。
おすすめ物件・選んではいけない物件
おすすめ物件 | 賃貸需要が高いエリアにある物件 分散投資できる物件 利回りが高い物件 自分の感覚に合う物件 |
選んではいけない物件 | 利回りが高いが、過疎化が進んでいる物件 賃貸需要が高いが相場より高額な物件 空室率の高い物件 交通の利便性が悪い物件 旧耐震構造の物件 感覚的に違和感を感じる物件 |
不動産投資の流れ
サラリーマンが不動産投資を行うためには、本業に支障をきたさないように、空き時間を最大限利用して、効率的に進めて行きましょう。
始める前に、ざっと書籍等を読み、一般的な流れを把握しておきましょう。そのうえでサラリーマンの強みを生かせば、大きな成果を得ることができます。
事前にしっかり調べることで成果が出るのですね!
収益シミュレーション
不動産投資を始めるに当たり、収益シュミレーションを行っていなければなりません。それにより、リスク対策を取ることが出来ますし、キャッシュフローを予測できます。
物件の購入費用はもちろん、かかる諸費用を忘れずに、用意できる自己資金の額、初期投資の額を決めなければいけません。また、ローンの返済額、資産価値下落リスク、税金、空室リスク、家賃の下落する見込み、減価償却費等は、しっかり押さえておきましょう。
さらに綿密なシミュレーションの作成が大変重要になってきます。不動産業者は当然ながら、購入してもらうためにかなり甘いシュミレーションを提示してくることがあります。
しかし、現実はそううまくいかないことがほとんどです。シュミレーションが甘いと、下表のような結果になりますので、注意してください。
費目 | 業者のシュミレーション | 現実 |
想定家賃収入 | 6,000,000 | 6,000,000 |
入居率 | 90% | 60% |
家賃収入 | 5,400,000 | 3,600,000 |
諸経費 | ▲1,100,000 | ▲1,100,000 |
借入金返済 | ▲1,700,000 | ▲1,700,000 |
修繕費 | ▲ 600,000 | ▲1,800,000 |
手取り | 2,000,000 | ▲1,000,000 |
不動産投資会社を選ぶ
これから長く付き合っていく、不動産投資会社を選びます。
質の良い不動産投資会社であれば、市場状況、おすすめの投資物件などの情報を得ることができます。
インターネットの検索はもちろんですが、実際に電話をしてみたり、営業マンに直接会ったり、会社の履歴等を確認し、信頼できる会社かどうか、チェックする必要があります。
その土地で、長年にわたり経営を続けていることは大切なチェックポイントです。
また、同じ不動産投資を営む業者でも、売買の差益で利益を得ている会社と、賃貸による住宅を得意としている業者とでは能力が違います。できればその会社の、巷の評判も知っておきましょう。
物件を選ぶ
インターネットを最大限活用して物件を隈なく探しましょう。
業界紙や新聞等、様々な媒体を使って、出来る限り多くの物件を見ていきましょう。物件を探しながら、相場観を養うことが非常に重要です。
予算組みをして、シュミレーションをした際に設けた基準と合致する物件が見つからないことも、ままあります。その際には、粘り抜いて探し続けることも必要ですが、一方で、基準を下げて探すことも必要になります。
また、物件を実際に目で見るのと、PCを通じて見るのとでは違った印象を受けますので、現地で実際に物件を確認することも必要です。
内覧と言って、部屋の中を見に行くことも必要ですし、近隣住民や、周辺の環境も調べましょう。現地に行けば、様々なことがわかってきますので、時間を作っていく必要があります。
ひとつ、良い物件が見つかったとしても、必ずしも購入できるとは言えません。融資が下りないこともありますし、ライバルが現れて横取りされることもあります。売り物件そのものがキャンセルになることもあります。
ひとつの物件を見つけても、並行して他の物件も探していきましょう。
はい!
不動産投資ローンを組む
サラリーマンが不動産投資を開始する際には、融資を受けることになる人がほとんどです。そして、それがサラリーマンという属性の最大のメリットといっても良いでしょう。
しかし、その知識がない人が多いのが現状です。日頃の仕事が多忙で、なかなか学習できないことはわかります。しかし、融資についての知識がないと、失敗する確率が高くなりますので、最低限の知識は身に着けておきましょう。
言うまでもなく、不動産投資の融資は住宅ローンと比較すると、高額になります。また、金利も高くなります。
しかし、利用することにより投資のスピードを早めることができますし、自己資金の額が少なくても、不動産投資を始めることが出来ます。不動産投資ローンには審査がありますが、一般的なサラリーマンはほぼ通ると思ってよいでしょう。
投資用ローンは、物件を購入する不動産投資会社から紹介されることが一般的ですが、会社によって提携金融機関が異なったり、適用金利が異なったりする場合があります。
有利な条件で融資を活用するためにも、利用できる金融機関の種類や金利を確認しておきましょう。
管理会社選び
不動産投資に取り組むにあたっては、物件を自己管理する方法と、管理会社に任せる方法があります。
サラリーマンを続けながら不動産投資をするならば、やはり管理会社を使った方が効率的です。
よりよい管理会社を選び、よりよい関係を築くことで、その後の流れが決まってきます。上述したように、管理会社は様々ありますが、それぞれ得意不得意もあり、その質も様々に違います。管理会社を選ぶ際には、営業能力が高い管理会社を選ぶべきです。
ここで言う営業能力とは、空室が発生したとして、それを早く埋められる能力があることを指します。大手の不動産会社は、それだけでやはり大きな能力を持っていますが、地元の不動産会社のほうがそれを上回る場合もあります。
また、滞納している家賃を回収する能力も大変重要です。可能であれば、狙っている物件の地元の管理会社と連絡をとり、空室が出た場合、どのような対応を取ってもらえるか、どのくらいで空室を埋められるか、質問してみましょう。また、滞納が発生した場合、どのように回収できるのかもきいてみることです。
最後に、クレーム処理や入居者の困りごとににきちんと対応してくれる管理会社を選ぶことです。出来れば24時間対応の会社が良いでしょう。水回りのクレームや問い合わせ、隣人トラブル等は日常的に発生します。
管理会社と良好なコミュニケーションをとりつつ、様々な情報を引き出していくことが不動産投資を進めるうえで非常に重要になります。
まとめ
毎日忙しく、夜遅くまで働いているサラリーマンには、数ある投資商品の中でも不動産投資が一番向いている投資であることがお分かりいただけたかと思います。
不動産投資とは経営的観点と、事業的視点が必要であることがおわかりいただけたでしょう。
はい!勉強になります!
サラリーマンとしての経験が少しでもあるならば、両者の視点は必ずお持ちのはずです。情報収集と不動産投資会社、また、管理会社との連携を常に継続しつつ、素晴らしい成果を得ていきましょう。