ホテルや旅館に代わる新たな宿泊先として、民泊が注目されています。
インバウンド狙いの外国人観光客増加を受け、投資目的で民泊を運営する人も増えつつあります。
不動産投資として従来であれば賃貸経営や売却益狙いが一般的でしたが、民泊投資は高利回りを狙いやすいです。
そのため、賃貸経営などで思うように収益を稼げない場合でも期待できるビジネスとして、盛り上がりを見せています。
民泊投資をおこなうために重要なのが、民泊物件選びです。
特に立地条件は宿泊客数を大きく左右する要因になります。
これから民泊を運営する上で知っておきたい、物件の探し方や注意点を紹介します。
目次
民泊投資に関する基礎知識や収益を出すには?
民泊投資はわりと新しいスタイルの投資方法です。
これまで不動産投資といえば賃貸経営が一般的でしたが、民泊の盛り上がりに伴って民泊投資も注目が高まっています。
賃貸経営と手法としては似ているのですが、メリットやデメリットが全く異なります。
そのため民泊投資にはどのような特徴があるのか、きちんと押さえておかなければなりません。
そもそも民泊とは?利用者はどういった人?
これまでは旅行などにおいて、宿泊先は旅館やホテルが一般的でした。
それが近年、民泊が新たなビジネスモデルとして広がりを見せています。
文字通り、一般の民家を旅行客などに提供するビジネスモデルです。
日本国内における外国人観光客の増加を受けて、宿泊ニーズを満たすための制度として注目を集めています。
また空き家対策や地域活性化にも繋がることから、国も積極的に事業展開を推進している制度です。
具体的な仕組みとしては、宿泊したい旅行者と、宿を提供したい人が、ネットなどを通じてマッチングを図る方法が取られています。
このような予約サービスサイトなども増加しており、気軽に民泊を利用できるようになってきました。
民泊という言葉を聞くと新しいビジネスというイメージが強いですが、実は昔から民泊のような宿泊施設があったんですよ
そうなんですか?
外国人旅行客向けの事業として広がりを見せる前までは、田舎の宿泊体験施設などが民泊施設として親しまれてきました。それ以前は1964年東京オリンピック時に、おもてなしとして一般家庭に外国人を迎え入れたのがルーツとも言われています
利用するのはどんな人?
前述の通り、近年における民泊の利用者は主に外国人観光客です。
特に利用者数が多い国としては以下です。
- 中国
- 米国
- 韓国
- 台湾
- 香港
- タイ
- フィリピン
- シンガポール
- オーストラリア
国がインバウンドを推進していることもあり、特にアジア圏からの旅行客が目立つ傾向にあります。
一方で日本人の利用者数は、全体におけるおおよそ3割から4割程度とされています。
日本人は民泊よりもホテルや旅館への宿泊を好み、民泊の優先順位は低いです。
ただし新型コロナウイルスの影響で、今後は民泊施設の利用者層も大きく変わっていく可能性が高いです。
通常の不動産投資と民泊投資の違いは?
民泊の概要が分かったところで、民泊物件投資について話を進めていきましょう。
賃貸経営と同様に、民泊経営も一般人の参入が可能です。
通常の賃貸経営ですと、マンションやアパートを貸し出し、賃料収入によって収益を得ます。
もしくは不動産投資の場合、安く物件を購入して高値で売却をおこなうことで転売益を狙う方法もあります。
民泊物件投資では、自分で民泊を経営することで旅行客から得られる宿泊料が収益です。
また民泊物件を購入した後、民泊を経営したい人に貸し出しをおこない、毎月一定の賃料収入を得るという投資スタイルもあります。
住む前提で貸し出すのではなく、泊まる前提での運営をおこなうのが、賃貸経営と民泊経営の大きな違いでしょう。
よって賃貸では基本的にアパートやマンションなどを一棟丸ごと所有することになりますが、民泊経営では1部屋のみを所有して運営することもできます。
このように賃貸経営と民泊経営は投資の手法として似た要素がある一方で、細かな点に関しては意外と違いが大きいです。
利回りの違い
民泊経営と賃貸経営では、利回りも変わってきます。
利回りとは投資した金額に対して、どのくらいの収益を得られるか数値化したものです。
賃貸経営における利回りは、目安として3%から5%程度と言われています。
たとえば最初のランニングコストが5000万円のアパートの場合、年間で得られる賃料収入が150万円から250万円ということになるでしょう。
もちろんこの数字はあくまでも目安で、立地条件や初期投資の費用にもよりけりです。
一方で民泊経営の場合ですと、不動産経営時よりも利回りが2~3倍アップする傾向にあります。
それは居住を前提とした賃貸とは違い、宿泊施設である民泊は回転率が良いからです。
このように利回りに関しても大きく変わってくるため、やはり民泊経営と賃貸経営は似て非なるものでしょう。
民泊投資は高利回り!?民泊投資のメリットは?民泊儲からない?
民泊経営と賃貸経営は違った特徴を持つため、得られるメリットも当然変わってきます。
これから民泊経営を始めるにあたって、しっかりとメリットを受給できるかという点を考える必要があります。
物件によって向き不向きもありますが、自分自身の考え方も重要です。
民泊投資では、短期間の宿泊が前提であるため、賃貸経営よりも身軽さがあります。
また賃貸経営では難しいと言われている築古物件でも、収益を出しやすいです。
メリットについて詳しく見ていきましょう。
高利回り
先ほどもご紹介した通り、民泊の良さは利回りが良い点です。
周辺の賃貸物件よりも収益性が高くなるケースが多く、高収益を期待できます。
賃貸物件では空き部屋が発生すると大きなダメージを負いやすいです。
次の住人が見つかるまでのロスタイムが生じてしまうため、その期間収益が途絶えます。
一方で民泊ですと空き部屋リスクがそれほど深刻ではありません。
賃貸のように何か月も住人不在という状態は生じにくいですし、宿泊料を高く設定することで補うこともできます。
また団体客の予約などがあれば稼働率が非常に良くなります。
民泊は短期間の宿泊が前提ですから、賃貸投資よりも回転率が高く、収益化しやすいです。
リフォームやリノベーションしやすい
物件を長期で所有する場合に問題となるのが、経年劣化です。
建物は築年数経過と共に不具合が生じてくるため、ある程度期間が経過したら修繕工事をおこなう必要があります。
また古くなってくると、見た目にも影響を及ぼします。
外観および内装が時代遅れな物件となると、人集めに苦戦するでしょう。
そのためリフォームやリノベーションの実施を考えなければなりませんが、賃貸だとこれが難しいです。
居住者がすぐに退去してくれるとは限らないため、実行したいと思ったタイミングで行動に移せません。
場合によっては立退料の支払いが生じる可能性もあり、金銭的な問題も出てきます。
民泊物件なら、宿泊客の集客をいつでもストップできるため、リフォームやリノベーションを手軽におこなえます。
原状回復の負担が少ない
賃貸物件と比べると、民泊物件は原状回復の負担が少ないです。
民泊の利用者は数日間の宿泊目的で利用するため、居住する場合とは物件の使い方が違います。
たとえば暮らすとなると日常的に料理をおこないますが、民泊の利用者が自分で料理をすることは基本的にないです。
よって油汚れなど、料理をすることで由来する汚れや劣化は生じません。
また、民泊利用者は観光客がメインです。
よって日中は民泊物件から外出するでしょうから、滞在時間も少なかったりします。
住むという目的ではないため、物件の大きな損傷を避けやすいのが民泊投資の魅力です。
原状回復するための労力や費用を費やさなくて済みます。
民泊投資は築古物件でも収益を出しやすい
民泊ですと、築古物件でも収益を出せるチャンスがあります。
一般的に賃貸経営は築浅物件ほど人気が高く、築古になると敬遠されがちです。
長く居住するとなると快適さを求めるため、綺麗で清潔感のある築浅が好まれる傾向にあります。
特に若い人や収入がある人ほど、築浅を求めます。
よって集客力を考えると、賃貸経営なら築浅物件を選んでおくのが無難です。
一方で民泊経営の場合は、必ずしも築浅であることが重要ではありません。
長期間暮らすのと異なり、民泊では数日程度過ごすだけです。
新しさを求めるよりも、安さや立地条件を重視したい人も一定数存在します。
利用客が考える優先順位として、施設の綺麗さが上位にくるとは限らないのです。
特に民泊のメインターゲット層である外国人は、中古物件に対する抵抗がほとんどありません。
よって物件の古さが必ずしもマイナスとはならないため、築古物件でも集客が期待できます。
民泊投資の手続き方法やデメリットは?
民泊投資は高利回りという大きな武器がある一方で、デメリットも存在します。
デメリットとして、最初の準備段階における負担が大きい点です。
手間もかかりますし、費用も大きくなりがちです。
賃貸経営とは違い届出なども必要ですし、家具家電などを準備しなければならないため、実際に開始できるまでが大変になります。
また外国人の宿泊が多いという特性上、周囲の住人への気配りも忘れてはいけません。
ランニングコストが発生する
初期投資が大きくなる点が、民泊投資のデメリットです。
賃貸経営では不要な家具家電の準備はもちろんのこと、消防設備の設置もおこなわなければなりません。
運営を開始する前の段階でコストがかかってしまうため、後々費用を回収できなかった時は大きな損失を被りやすいです。
また、宿泊客が利用した水道光熱費も自分持ちになります。
賃貸では水道光熱費の負担は住人になるため、賃貸経営と比べると経費負担が大きいです。
手続きに手間がかかる
賃貸経営と違い、民泊経営は手続きが大変です。
前述のとおり家具家電などの準備が必要となる他、事業を開始するには届出を提出しなければいけません。
準備を開始してから実際に営業できるまで、数か月はかかるため、すぐに始められないのもデメリットでしょう。
行政へ届出を行う際に必要な書類は、表の通りです。
書類名 | 概要 |
---|---|
届出書 | 自治体のホームページよりダウンロード |
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村長の証明書 | 本籍地より入手 |
住宅の登記事項証明書 | 登記した際に受け取っている書類。法務局より入手可 |
住宅の図面 | 配置図や立面図など |
消防法令適合通知書 | 消防設備設置の際に消防所より入手 |
大家の承諾書 | 転貸の場合は必要 |
マンション規約が分かるもの | 区分所有マンションで民泊をおこなう場合は必要 |
住宅管理業者から交付された書類の写し | 管理委託する場合は必要 |
このように民泊は届出における書類数が非常に多いです。
書類集めが一番大変な作業とも言われているため、早い段階から準備していく必要があります。
近隣住民とトラブルが起こる可能性
民泊は不特定多数の人が出入りするため、近隣住民とトラブルが起こりやすいです。
生じやすいトラブル内容としては、以下です。
- 騒音問題
- ごみ問題
- セキュリティーの問題
宿泊者が夜遅くまでパーティーなどをおこなった場合、騒音問題が発生します。
さまざまな宿泊人が出入りした際の足音なども、時間帯によっては気になるものです。
夜や明け方の移動時にはなるべく静かに行動するよう促す必要があるでしょう。
また、マナーの悪い客は道にゴミを捨てていくことも懸念されます。
公共の道路を汚すことが無いよう、こまめに確認すべきでしょう。
そしてマンションの一室で民泊運営する際には、セキュリティーの問題も出てきます。
住人からすると常に知らない人が出入りするのは、不安なものです。
若い女性が多く暮らすマンションは避けるなどの工夫もしなければいけません。
宿泊客が外国人メインなのも、近隣住民とトラブルが発生しやすい要因ですね
どういうことですか?
やはり日本とは文化が異なるため、施設の利用方法など誤解が生じやすいです。ゲストに理解してもらうためには、外国語での注意書きなどを準備しなければいけません
失敗しない民泊投資 儲かる民泊物件の探し方
民泊経営に関する基礎知識を学んだところで、次に民泊物件の探し方について見ていきましょう。
物件探しをする際に、まずはどんなスタイルで民泊をおこなうのか決める必要があります。
そしてスタイルに合う物件を選んでいくことになります。
また物件選びをする際には、民泊として活用できる物件なのかきちんと確かめなければなりません。
どんな物件が民泊施設に向いているのか踏またうえで探しましょう。
民泊投資の方法は2つ!民泊物件の購入か物件賃貸か決める
民泊投資と一言で言っても、そのスタイルは大きく2つに分かれます。
1つ目は自分自身で民泊物件を購入して運営をおこなう方法です。
もう一つは、自分で物件購入をせず、借りた物件を用いて民泊経営をするパターンです。
どちらの方法を選ぶかによって、物件探しはガラリと変わります。
また実際に営業を開始した後の運用方法にも違いが出てきます。
両方の特徴について、もう少し深堀してみましょう。
1.自分で購入して運営する(オーナー&ホスト型)
オーナー&ホスト型と言われる方法では、自分自身で民泊物件をローンなどで購入し運営するやり方です。
自分で民泊物件を購入するため、イメージとしては不動産経営に近いかもしれません。
新たに購入するわけですから初期費用は大きくなりますが、その分得られるリターンも期待できます。
自らオーナーとなることで、宿泊料の取り分は全て自分です。
民泊経営は不動産経営よりも高利回りのため、比較的早く初期費用分を回収しやすい事業です。
初期費用を回収した後は、得られる宿泊料は完全な利益となります。
最初の負担こそ大きいものの、高リターンを得られるのがオーナー&ホスト型の魅力です。
また、自分で運営をおこなうのが大変な場合には建物だけ所有し、民泊経営をしたい人に貸し出すという方法もあります。
この場合は毎月固定の賃料を支払ってもらうことになりますが、実際の収益に左右されず安定して賃料を得られるのがメリットでしょう。
2.転貸をする
自分で民泊物件を所有しなくても、転貸によって経営する方法もあります。
転貸というのは、自分が借りた部屋を他の人に貸すことです。
いわゆる又貸しと考えると分かりやすいでしょう。
転貸は違法行為な気もしますが、実はきちんと法律で認められている行為です。
ただし転貸の許可が必要になります。
大家さんから了承を得なければ契約違反となるため、事前に確認をとっておきましょう。
転貸で民泊経営する場合、物件の購入をしなくて済むので初期投資を抑えることができます。
比較的ローリスクで始めやすいというメリットがある一方、デメリットは利益の少なさです。
毎月賃料を大家さんに支払う必要があるため、オーナー&ホスト型と比べると利益の取り分が減ります。
マンションか戸建てか民泊物件タイプを決める
運営方式を決めたら、物件タイプも考えましょう。
基本的にはマンションの一室で民泊を営むか、戸建てにするかという選択肢になります。
どちらを選ぶかによって物件の探し方や手続き内容が変わってきます。
マンションなら比較的利便性の良い場所で営業しやすい一方で、広さが十分に取れない点がデメリットです。
戸建てですと団体客などの宿泊に適していますが、条件の優れた場所ですと物件購入費や賃料が高くなりがちです。
両者の特徴に関して、深堀してみましょう。
マンションの場合は管理組合に確認する
マンションの場合に確認しなければならないのが、管理規約です。
管理規約によって住宅以外の使い方を禁止している場合、ビジネスとして使うことができません。
また比較的新しいマンショですと、民泊そのものを禁止する文言を入れているマンションもあります。
いずれにしろマンションの管理規約を確かめたうえで、物件を借りるべきでしょう。
規約に明記されていない場合でも、勝手に営業を始める前に管理組合に確認した方が無難です。
自分で購入するのではなく転貸する際には、転貸の可否についても確かめておきましょう。
つまりマンション探しをするにあたっては、民泊利用できるかと転貸できるかという2点を満たす物件を選ぶ必要があります。
一戸建ての場合は物件の適法性を見る
一戸建てで民泊を始める場合には、物件の適法性を確かめたうえで選ぶ必要があります。
気を付けたいのが違法建築物です。
たとえば増改築をしたことで容積率や建ぺい率を満たしていない物件の場合、違法建築物に該当します。
違法建築物ですと民泊を営むにあたって許可が降りません。
他にも民泊用として使用するために、用途変更が必要になるケースもあります。
その時に増改築を伴う場合、用途変更ができないこともあるため、注意が必要です。
また民泊を運営するうえでの決まりがあり、以下の設備が備わってないといけません。
- 台所
- 浴室
- お手洗い
- 洗面所
他には消防設備や避難経路表示なども必要となるため、設置可能な物件を選ぶようにしましょう。
立地条件を考え民泊物件投資で儲かる様に成功させる
民泊物件投資が成功するか否かは立地選びにかかっています。
そのため物件探しをする際は立地を重視しましょう。
立地を決めるにあたり考えるべきことは、以下3つのうちのどの法律に適合する土地を選ぶかです。
- 旅館業法
- 国家戦略特別区域(特区民泊)
- 住宅宿泊事業法(新法民泊)
この後詳しくご紹介しますが、民泊事業を開始する際には、3つのうちどれかの法律を満たす必要があります。
ただし特区民泊で営業できるエリアは限られているため、立地を決めるポイントの一つになります。
また、事業として成り立つためには集客が出来るエリアの物件を選ぶのも大事です。
詳しく解説します。
特区民泊と民泊新法のどちらにするか
前述のように民泊事業を開始するためには、3つの法律のうちどれかに適合させなければなりません。
一番条件が厳しいのは、旅館業法に基づき簡易宿所として営業する方法です。
よって比較的簡単に始められる、特区民泊あるいは民泊新法での営業を目指す人が多い傾向にあります。
細かな違いに関しては、以下の表を確認してください。
項目 | 旅館業法 | 特区民泊 | 民泊新法 |
---|---|---|---|
営業申請 | 許可 | 認定 | 届出 |
住居専用地域での営業可否 | 不可 | 自治体によっては可能 | 可能 |
営業日数 | 制限なし | 制限なし | 年間180日まで |
最低宿泊日数 | 制限なし | 2泊3日~9泊10日以内で自治体により異なる | 制限なし |
ここで着目すべき点として、特区民泊と民泊新法では営業できる日数に違いがあります。
民泊新法の場合、年間180日以内という制限が加えられるため採算が取りづらいです。
そのため民泊物件としてのみ活用する場合、やはり稼働率の良い特区民泊での営業が適しています。
つまり特区民泊で営業できるエリアの物件を選ばなければいけません。
ただし特区民泊として事業展開できる地域はそれほど多くないですし、最低宿泊日数にも制限が加わります。
その辺りのことも踏まえたうえで、どこに民泊を構えるか立地選定をしましょう。
利便性の良い場所にある物件を選ぶ
民泊投資のターゲット層は観光客です。
よって賃貸経営の場合とは、向いている立地が変わってきます。
立地を考えるうえで、まずは観光地の近くということが重要です。
観光地が何もないエリアの場合、宿泊客を呼び込むことができません。
ただし観光地付近はすでに民泊が充実しているため、競合との闘いがあります。
そこでさらに利便性を重視した立地選びが大事になってきます。
たとえば観光客は荷物が多いため、なるべく駅に近い場所がおすすめです。
また坂道がなく、比較的歩きやすい場所も好まれる傾向にあります。
利便性の良くない土地は賃貸経営でも避けられやすいですが、民泊の場合は顕著に避けられます。
旅行者は時間が限られているため、観光地への移動負担がないかを大きく重視するからです。
失敗しない民泊物件を探す方法は3パターン
民泊物件探しの手段としては、主に次の3パターンです。
- 不動産会社に探してもらう
- ポータルサイトを活用する
- 民泊代行会社を頼る
不動産会社の中には民泊物件に対応できる会社もあります。
通常の不動産探しと同じで、希望条件に合う物件を見つけてきてくれるため、手間がかからず便利です。
ただし民泊物件の実績がない会社も多いですから、不動産会社の得手不得手を確認したうえで依頼した方がよいでしょう。
次にポータルサイトを頼る方法です。
通常の賃貸向けポータルサイトの中から、民泊に合いそうな物件を探すのは、数が多いため大変です。
なかなか民泊として活用できる物件を見つけられない可能性が高いですが、民泊専門のポータルサイトというものがあります。
こちらは当然ですが民泊用の物件を紹介してくれているため、民泊物件探しに適しています。
最後に民泊代行会社にお願いする方法です。
民泊代行会社は、民泊版の不動産会社と考えると分かりやすいでしょう。
民泊に関連したさまざまな業務を取り扱っており、物件の紹介も可能です。
儲かる?儲からない?民泊物件投資のための購入の注意点
最後に民泊物件購入時の注意点に関して見ていきましょう。
民泊はまだまだ新しいビジネスモデルです。
そのため未整備な面も多く、今後どうなっていくかという点をしっかりと考える必要があります。
民泊だけで採算が取れるとも限りませんし、将来的に法規制が変わっていく可能性も高いです。
また民泊物件は、法律による縛りだけでなく条例の縛りもあります。
よって条例も確かめたうえで、物件購入をしなければなりません。
一つずつ深堀してみましょう。
民泊以外にも多角的な運営ができる物件を購入する
民泊物件探しをする際に、当然民泊として人気が出る物件を選ぶ必要があるでしょう。
しかし民泊として以外の使い道があるかという点も、考えた方がよいです。
要は多角的な運営をできる物件がおすすめになります。
その理由として、今回のコロナのような事態に発展した際に、民泊としてのみ運用可能な場合は大きくダメージを受けるからです。
観光客の客足に左右されてしまうため、非常に不安定と言えます。
またコロナ騒動がいつまで長引くかも分からず、特に外国人観光客の集客に関しては不透明です。
先行き不明な状況ですから、リスクヘッジとして民泊以外の運用もできるという点を重視した方がよいでしょう。
たとえば時間貸し施設としての運用や、テレワーク向けスペースとしての活用です。
コロナ禍においても、比較的需要がありそうな使い方ができるかという部分に着目してみましょう。
いざという時に転用しやすい、柔軟性のある物件が理想です。
儲ける為には条例をよく確かめ民泊投資を開始する
民泊事業を開始する際には、法律だけでなく条例も守る必要があります。
条例とは地方自治体が独自に定めた取り決めのことです。
そしてどんな条例が制定されているかに関しては、自治体によりけりです。
たとえば法律では民泊の運用を可としていても、自治体によっては運用禁止となっているところもあり、この場合は民泊の営業ができません。
要は上乗せ条例にも注意して物件購入をする必要があるのです。
そして観光資源が豊かで立地条件に恵まれているエリアほど、上乗せ条例が厳しい傾向にあります。
特に東京23区においてはほぼ全ての区に上乗せ条例が定められているため、注意が必要です。
上乗せ条例ってどのような内容があるんですか?
たとえば制限区域を設けている自治体がありますね。このエリアでは民泊運営禁止という具合に制定されています
他にはどんな規制があるんでしょうか?
営業日数や時間帯の規制なんかもありますよ。平日の運用は禁止などですね
今後の民泊事業に関して法整備の動向にアンテナを張る
何度も申し上げている通り、民泊はまだまだ新しいビジネスです。
そのため今後さらに法整備が進む可能性が高く、細かなルールがどんどん変更になるかもしれません。
よって常に最新動向をキャッチできるよう、日ごろから情報収集をしておくことが大事です。
またもし今後法規制により運営ができなくなったとしても、他の活用が出来る物件を選んでおくことも重要でしょう。
たとえば前述のようなテレワーク用のスペースなどはもちろんのこと、マンスリーマンションなど賃貸用としての転用も良いかもしれません。
そして注意点として、物件購入にあたり厳しいローンを組んでしまった場合、このようなリスクに対処できなくなってしまいます。
現在進行形で法整備が進んでいる、まだ未知数なビジネスだからこそ、なるべく余裕を持たせる必要があります。
具体的には、物件購入の際に手元資金を十分に確保しておきましょう。
万一宿泊料が得られなかったとしても、最低半年程度では生計を立てられる程度の資金は準備しておきたいです。
民泊運営で家主不在型は管理委託が必要
民泊のタイプとして、家主居住型と家主不在型があります。
家主居住型はその名の通り自身も一緒に住む方法で、自宅の1室を民泊用として貸し出すイメージです。
一方で家主不在型の場合には、投資用物件など自分は別に居住地があるパターンがあげられます。
民泊運営においてどちらのタイプを選択しても問題ないのですが、民泊運営の際には管理業務が必要になります。
居住型であれば管理しやすいですが、家主不在型で離れたところに暮らす場合、自身で管理するのが難しいです。
そのため管理委託業者などに外注することになります。
管理委託を外注する場合、その委託費用が発生します
家主居住型より経費がかかるんですね!
まとめ
民泊物件投資は、通常の賃貸経営よりも高利回りが期待できる手法です。
旅行客の宿泊が前提のため回転率が良く、居住を伴う賃貸より収益を見込みやすいです。
そのため民泊物件を選ぶ際には、観光客を呼び込めるエリアを選定しましょう。
気を付けるべき点として、民泊投資するにあたって以下3つの法律のうちどれかを満たさなければいけません。
場所によって適用できる法律に違いがあるため、どの基準で民泊を運営するか踏まえて物件探しをおこないましょう。
また、マンションにするか戸建てにするかというのも、運営において決めるべきポイントです。
マンションの場合にはセキュリティー問題、戸建ての場合ですと大きな箱を維持する管理の手間が問題になりやすいです。
単に利回りの良さだけでなく、自身の管理負担や手元資金の状況など、さまざまな要素を踏まえて考えましょう。