宅地を売却するのに比べて農地を売るのは難易度が高いです。
農地は売却が制限されているからです。
また様々なルールもあります。
だからと言ってそのままにしていると害虫が発生するなどのトラブルが起こる可能性がある上に、固定資産税も払い続けなければなりません。
そのため必要のない農地は放置せず、何らかの対策をとることが大切です。
今回は農地を売却する際に知っておかなければならないルールや税金について紹介していきます。
目次
農地が売りにくい理由
農地を売却するのは簡単ではありません。
様々な制限やルールがあるからです。
まずは以下の法律を知っておく必要があります。
- 農地法
- 都市計画法
農地は農地法という法律が規制しており、農地を売却するためには農業委員会の許可を得なければなりません。
簡単に売却できてしまうと、自国の自給率が低下する恐れがあるからです。
農地を宅地に転用して売却する場合は都市計画法の開発許可も必要になります。
また農業従事者が減っているという問題もあります。
そのため農地を売却するのはハードルが高くなってしまうのです。
農地を売却するためには農業委員会の許可が必要なんですね
ただし誰でも許可をもらえるとは限らないんですよ
全てのルールを確認して、どのような形で農地を売却できるか検討する必要がありますね
農地を売却するのはハードルが高いですが、自分の農地の状態を把握して適切な対策法を考えることが大切です
農地ですね。2022年に固定資産税が上がると言われておりまして農地についてはホットな話題になってるかと思います。実際本当に上がるかどうかっていうところも難航してそうな背景もありますけれどもでは今回は置いといて農地を売却ですね。
農地が世の中において知られていて売りにくいって言われております。その理由がなんなのかってことなんですけども様々な制限やルールをこれからお話ししてくんですけどもすごく細かな規制があります。そういったことがあるから農地がなかなか売れないといった感じになってます。
農地を売却する2つの方法
農地を売却する方法は以下の2つです。
- 農地を農地として売却する
- 農地を転用して売却する
継続して耕作している農地は、そのまま農地として売却するのが一般的です。
土を入れ替えるなどの手間や費用がかからないため、売却する側の負担も軽いです。
しかし様々なルールによって農地を農地として売却できないこともあります。
その場合は農地を転用して売却するという方法を考えると良いでしょう。
ただし転用して売却する場合もいくつかのルールがあります。
そのため農地を農地として売却する場合と転用して売却する場合のルールをよく確認することが大切です。
以下でそれぞれのルールについて詳しく見ていきましょう。
農地を農地のまま売却する際に必要な農地法の許可
農地を売却する際は農地法を理解する必要があります。
農地法の意味を以下にまとめました。
- 農地法とは、農業生産の基盤である農地を確保し、食料の安定供給の確保に資するため、農地の転用の制限や農地の利用関係の調整、農地の農業上の利用を確保するための措置などを講ずることによって、耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図ることを目的とする法律。
つまり農地が減ると自国の食料の生産が減るため、簡単に農地を売却できないようになっているのです。
農地を農地として売却する際は農業委員会に届け出をして売却の許可を得なければなりません。
以下に農地を農地として売却する際に必要な農地法の許可の内容をまとめました。
名称 | 内容 | 許可をとる場所 |
---|---|---|
3条許可 | AからBへ農地を農地として売却する | 農業委員会 |
しかし農地法が適用されないケースや、逆に農地法とは無縁だと思っていたのに農地法が適用されるケースもあります。
そのため自分の土地の状態を把握することが大切です。
農地法の制限
自分の土地は農地法が適用されるのかわからない場合もあるでしょう。
登記簿を見れば良いと思う人もいるかもしれませんが実際は違います。
登記簿上に記載されている地目ではなく、現状で農地か否かが判断されるからです。
例えば登記簿上は宅地でも、農地として使用されている場合は農地とみなされます。
また以下のケースも農地法が適用されます。
- かつて農地として使用していた土地で1年以上耕作しておらず、これから先の数年間も耕作の意思がない
上記のような農地は多く見られますが、耕作放棄地として扱われ農地法の対象になります。
定期的に農業委員会が監査を行っているため、自分で勝手に地目を変えて売却することはできません。
また耕作放棄地になると土地を再生するのにも手間がかかるため、売却するまでに出費がかさむことも理解しておく必要があります。
ちなみに家庭菜園は農業と認められないため、家庭菜園として使っている土地には農地法が適用されません。
法律ですね。2個の法律が絡みます。農地だから農地法。あとは都市計画法という法律が絡んできます。農地は農地法という法律が規制しており農地を売却するためには農業委員会といった委員会があってそちらの許可をなければなりません。なぜかって言うと簡単に農地を売却できてしまうと自国の自給率。
野菜とかが不足してしまう事態になりかねないからということですね。ではまた農地を宅地に転用して売却する場合には都市計画法の開発許可も必要になってきます。そもそも日本は相続とかにおいて親世代はやっていたけど子供がやらないよって家が多いです。そうすると農業従事者が減っているといった問題も今まさに直面しております。そういったこともあるため農地を売却するのはハードルがすごく高いとよく言われております。
農地を農地として購入できる人は決まっている
売却側が全ての条件をクリアしたからと言って、誰にでも売却できるわけではありません。
農地を購入できるのは以下のような人に限られているからです。
- 農業委員会に許可された農家
- 農業従事者
つまりこれまで農業と無縁だった人が第二の人生で農業をはじめようと思っても、農地を購入することはできないのです。
また次のような条件もあります。
- 耕作面積が50a以上
- 農業をするのに必要な機械を持っている
- 決められた人数が農業に従事している
- 常に農業に従事している
- 購入した農地は全て耕作をする
そのため農地を農地として売却するのはハードルが高いです。
農地として売却できる相手は、農家や農業従事者だけなんですね
農業に慣れていない人に農地を売却すると生産性が下がる可能性が高いからなんですよ
となると売却先が限られるため、農地として売却するのは益々難しくなりますね
もし農地として売却するのが難しい場合は、転用も視野に入れて考える必要があるんですよ
転用して売却する際に必要な農地法の許可
上記で説明したように農地を農地のまま売却するのには厳しい制限があります。
そのためもし農地として売却できない場合は、宅地に転用して売却するという方法を考えると良いでしょう。
しかし転用して売却する場合も農地法が適用されます。
以下で農地法の許可の内容を見ていきましょう。
名称 | 内容 | 許可をとる場所 |
---|---|---|
5条許可 | AからBへ農地を農地以外に転用して売却する | 都道府県知事もしくは指定市町村 |
5条許可をとるためには、一般基準と立地基準の両方をクリアしなければなりません。
以下で一般基準と立地基準の詳細を見ていきましょう。
一般基準について
農地を転用する際は農地転用の申請を行い、農業委員会などが一般基準と立地基準に照らし合わせて転用可能か否かを判断します。
申請は売主と買主の双方が行います。
まず一般基準について見ていきましょう。
- 転用する事業が申請通りに行われる
- 周辺の農地に影響を与えない
- 一時転用の後に確実に農地に復元される
一般基準では特に申請目的がきちんと果たされるかをチェックされます。
そのため誰が何の目的で転用するのかということを明確にしておく必要があります。
具体的に農地を売却する二つの方法ということで農地を農地として売却するのか農地を転用して売却するのかっていうことです。農地を農地としてか農地を転用して売却するのかという2点が考えられます。継続して耕作してる農地はそのまま農地として売却するのが一般的です。土を入れ替える費用とか手間も全てがかからない。売却する側の負担も軽い。
しかし様々なルールによって農地を農地として売却できないこともある。その場合には農地を転用して売却する方法を考えることになります。農地を農地のまま売却する際に必要な農地法の許可なんですけどもそもそも農地法ってどういうことなのかっていうことをちょっと読み上げますね。
農地法とは農業生産の基盤である農地を確保し食料の安定供給の確保に資するため農地の転用の制限や農地の利用関係の調整農業場の利用を確保するための措置などを講ずることによって耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図ることを目的とする法律のことをいいます。つまり農地が減ると自国の食料の生産が減るため簡単に農地を売却できないようになっているっていうことです。
立地基準について
立地基準とは農地の区分によって農地転用の許否を判断する基準です。
農地の区分を以下で確認しましょう。
区分 | 転用の可否 |
---|---|
農用地区域内農地 | 原則として許可されない |
甲種農地 | 原則として許可されない(例外もある) |
第1種農地 | 原則として許可されない(例外もある) |
第2種農地 | 定められた農地において建物の建築が困難な場合は許可される |
第3種農地 | 原則として許可される |
つまり農用地区域内農地の場合は転用して販売することはできません。
また甲種農地や第1種農地も制限が厳しいため、転用は難しいです。
自分の農地の区分がわからない場合は、市役所の農政課に問合せをしてみましょう。
農用地区域内農地
農業振興地域の整備に関する法律によって知事が農用地区域内農地として決めた区域で、青地とも呼ばれています。
農用地区域内農地の指定基準は次の通りです。
- 10ha以上の集団的農用地
- ほ場整備事業等の対象地
- 土地改良施設用地
- 2ha以上又は10ha以上の集団的農用地やほ場整備事業等の対象地に隣接する農業用施設用地
- その他農業振興を図るために必要な土地
上記の基準を満たしている農用地区域内農地には、農業に関する公共資材が集中的に行われます。
長期的に農地として使用することが求められているため、農地転用は認められません。
どうしても転用したい場合は農用地区域から外す手続きをする必要がありますが、手続きは複雑で難易度が高いということを理解しておかなければなりません。
甲種農地
甲種農地も原則として農地転用が認められない区域です。
指定基準を以下にまとめました。
- 市街化調整区域内にある
- 農業に関する公共資材が集中的に行われる対象となる8年以内の優良農地
- 20ha以上の農用地
- 農業機械による営農が可能な集団農地
生産性の高い優良な農地のため、農作物を作るために残しておく必要があると判断されているのです。
そのため基本的に転用は認められませんが、以下のような目的がある場合は転用が認められることもあります。
- 土地収用事業の認定を受けた施設
- 農業用施設など
そのため上記に当てはまる可能性がある場合は問合せをしてみましょう。
市街化調整区域については後の項目で説明していきます。
第1種農地
第1種農地は生産性の高い農地です。
そのため転用は原則的に認められません。
以下が第1種農地の指定基準です。
- 10ha以上の一団の農地の区域内にある農地
- 農地に対する公共投資の対象になっている
- 良好な営農条件により近隣の農地よりも生産性を上げられる
つまり生産性の高い広くまとまった農地ということです。
生産性が高い優れた土地は残しておく必要があるため、農地転用ができないのです。
例えば農地と農地の間に川が通っていたとしても、大きく迂回せずに農業機械が横断できれば第1種農地と判断されます。
ただし甲種農地と同じく、土地収用事業の認定を受けた農地や農業用施設を建てる場合などは転用が許可されることもあります。
第2種農地
第2種農地は要件によっては転用が認められます。
まず第2種農地の指定基準を見ていきましょう。
- 市街地として発展が見込める農地
- 生産性の低い小集団農地
- 鉄道の駅が500m以内にある
第2種農地に指定されている農地だからと言って、全てのケースで転用が認められるわけではありません。
農地転用が認められる可能性が高いのは、以下に該当する場合などです。
- 周辺の農地に立地できない
例えば第3種農地に立地できない場合などです。
第3種農地については次の項目で確認しましょう。
第3種農地
第3種農地は市街化区域などにより市街化が進んでいる農地のことです。
新しく建物を建てることを推奨しているため、基本的には農地転用が許可されます。
第3種農地の指定基準の具体的な内容は以下の通りです。
- 鉄道の駅の300m以内にある
- 上水菅と下水管、ガス管のうち2つ以上が前面の道路まで埋設されている
- 500m以内に医療施設などの公共施設がある
ただし次のような場合は転用が認められない可能性があります。
- 転用の確実性が認められない
- 周辺の農地への被害防除が十分に行われていない
例えば関係権利者の同意がない場合や周辺の農家に悪影響を及ぼしそうな場合などは、第3種農地であっても転用が許可されません。
自国の野菜を作る量とかもある程度維持しなければなりません。もしなくなってしまうとほとんどが輸入食材になってしまうってことです。農地を農地として売却する際は農業委員会に届出をして売却の許可を得なければなりません。ということで許可が必要になってくる。実際農地かどうかなんですけれども登記簿謄本っていうものを皆さんご覧になったことありますかね。
登記簿謄本の地目っていうところに畑とか田が書いてあるケースは地目から見ても農地としてもしかして扱われるかもしれません。しかしもしそこが違う地目が書いてあっても登記簿上の地目は関係なくて現況主義と言われています。実際の場所がどうなってるかによって採用されております。いわゆる現況主義と言われていますこちらとかを調べるにあたって固定資産税評価証明書にも地目が書いてあるのでそちらなども参照すると良いかと思います。
またかつて農地として使用していた土地で1年以上を耕作しておらずこれから先も数年間耕作の意志がないような土地は耕作放棄地として扱われ農地法の対象になります。また耕作放棄地にあると土地を再生するときに荒れ果ててますのでもし農地にしたいなと思っても土地をまた1から耕さなきゃいけないので出費がすごくかさむことにもなりかねないです。農地を農地として購入できる人は決まっているんですね。
農業委員会に許可された農家と農業従事者。いわゆる農家をやっている人っていうことになります。つまり農業と無縁だった人が第2の人生で農業を始めようと思っても農地を購入することはできません。
都市計画法とは?
農地を転用して売却する場合は、都市計画法についても理解しておかなければなりません。
以下で都市計画法の内容を確認しましょう。
- 都市計画法とは、都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることによって、国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的に、1968年(昭和43年)に制定された法律
つまり効率的な街やきれいな街にするための法律ということです。
この都市計画法によって日本の土地は、都市計画区域や準都市計画区域などのいくつかの区域に分類されています。
特に都市計画区域に農地を持っているケースが多い傾向にあるため、自分が持っている農地は都市計画区域のどの区域に分類されるのか、もしくは他の区域にあるのかなどを知ることが大切です。
都市計画区域について
都市計画区域は次の2つの区域に分類されます。
- 市街化区域
- 市街化調整区域
市街化区域は人が多く住んでいる場所です。
市街化されるのを促しているため、農地を転用して売却しやすいという特徴があります。
手続きも農業委員会に届け出を行うだけと簡単です。
しかし市街化調整区域の場合は、転用して売却するのが困難です。
簡単に言うとお店や住宅を積極的に建設して欲しくない区域だからです。
もし転用して売却する場合は都道府県の許可をもらわなければなりません。
市街化区域や第3種農地などの農地でなければ、転用して売却するのは困難なんですね
田畑が多くて住宅などの建物が少ない場所にある農地は転用できない可能性が高いと覚えておくと良いですよ
でもはっきりとした立地基準を自分で確認するのは難しいように感じるのですが…
確かにそうですね。自分では確認しにくいケースもあるため、自分で確認できない場合は各市町村の農業委員会や市役所の農政課に問合せをすると良いですよ
次のような5つの条件もあります。
1.耕作面積が50a以上。1a=100平米ですの50aとなると5000平米以上
2.農業をするために必要な機械(耕運機など)を持っている
3.決められた人数が農業に従事している
4.常に農業に従事している
5.購入した農地は全て耕作をする
なので農地を農地として売却するのはすごくハードルが高いといったことになっております。
農地の売却価格の傾向
ここからは農地の売却価格について見ていきましょう。
一般的に農地は宅地よりも価格が低いです。
地盤が軟弱だからです。
また農業従事者が減っているため売れにくく、その結果価格が下がることもあります。
農地の価格が決まる要因を以下で見ていきましょう。
- 耕作に適している農地か
- 農道の状態
- 排水の状態
- 集落との距離
- 集荷地との距離
- 災害リスク
- 自治体による規制や制約があるか
自然災害などのリスクが少なく耕作しやすい農地は、農地としての価値が上がります。
また転用して売却する場合は、市街化が促進されている利便性の高い場所のほうが高値はつきやすいです。
しかし地盤が軟弱なため地盤改良を行うための費用がかかります。
価格が安くても売却したほうが良い理由
農地を売却するための手続きが面倒、価格が安いなどの理由で農地を放置する人も少なくありません。
特に1年以上手入れがされていない耕作放棄地は年々増えています。
しかし耕作放棄地をそのまま放置しておくと、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
以下で農地を放置しておくことによって考えられるリスクを見ていきましょう。
- 自給率が下がる
- 害虫や害獣が発生しやすくなる
- 不法投棄をされやすくなる
- 災害時に危険性が高まる
また耕作放棄地においては、2018年から税制改正によって固定資産税が1.8倍に引き上げられています。
そのため特に耕作放棄地に認定されている農地は、早めに売却するなどの対策をとったほうが良いです。
耕作放棄地の固定資産税
農地の固定資産税は宅地よりも安いのが一般的です。
固定資産の評価額をもとに税率を算出するため区分によって税率は異なりますが、一般的には以下のような計算式で固定資産税を算出します。
- 1年に予想される利益の割合×0.55=固定資産税
しかし耕作放棄地の場合は2018年から0.55をかけないことになったのです。
以下の計算式を見てみましょう。
- 1÷0.55=1.8181
つまり以前よりも約1.8倍も高くなってしまうのです。
また市街化区域にある農地は宅地並みの固定資産税になることもあります。
そのため使っていない農地をそのまま放置しておくと支出が増えてしまいます。
農地の売却を依頼する場所
では農地を売却する際はどこに依頼すれば良いのでしょうか?
宅地の場合ははじめから不動産業者に依頼するのが一般的ですが、農地の場合は少し手順が異なります。
以下に農地の売却を依頼する場所をまとめました。
- 農地を農地として売却する場合…農業委員会、農協、地元の不動産業者
- 農地を転用して売却する場合…農地売却のノウハウのある不動産業者
農地を農地として売却する場合の売却相手は農家や農業従事者です。
そのため大手の不動産業者よりも農業委員会や地元の不動産業者などに依頼したほうが買い手は見つかりやすいです。
転用して売却する場合は農地売却の経験が豊富な不動産業者への依頼も考えてみましょう。
一括査定サイトを利用すれば、農地の売却経験がある不動産業者を効率的に見つけられます。
ただし農地の売却に詳しい不動産業者と提携している一括査定サイトは多くありません。
そのためなるべく大手の一括査定サイトを利用して、検索目的を農地の売却と入力して検索してみましょう。
農地売却に必要な書類
農地の買い手が見つかったら、次の書類を用意しましょう。
- 身分証明書
- 印鑑証明書
- 実印
- 銀行口座に関する書類
- 登記済権利書
- 土地の位置図
- 委任状
もし農地を複数で共有している場合は、共有者全員分の委任状と実印も必要になります。
農地を売却する際は住宅を売却する際とは違い、必要な書類はそれほど多くありません。
ただし買い手側に用意してもらう書類もあります。
農家証明書や農家生産法人の組合員名簿などです。
この点は一般的な土地を売却するときとは異なる点です。
証明書などがないと許可が下りないため、必ず買い手側に用意してもらうようにしましょう。
転用して売却する際に必要な農地法の許可ですけれども農地だったもの宅地に(建物が建てられる土地)に転用して売却っていうことも考えられます。しかし転用して売却する場合も農地法が適用される。これは5条許可と言いましてAからBへ農地を農地以外に転用して売却する方法を言います。
許可なんですけれども都道府県知事もしくは指定の市町村です。5条許可を取るためには一般基準と言われているものと立地基準と言われているものの両方をクリアしなければならない。一般基準なんですけども転用する事業が申請通りに行われる。周辺の農地に影響を与えない。一時転用の後に確実に農地復元されるということです。
この一般基準では特に申請目的がきちんと果たされてるかどうかをチェックされます。次に立地基準。立地基準とは農地の区分によって農地転用の許可をするか許可をしないかの判断する基準です。こちらが5つに区分が分かれております。
農用地
区域内農地
甲種農地
第一種農地
第二種農地
第三種農地
として分けられておりましてこの内の農用地・区域内農地だけは原則として許可されません。以下の甲種農地と第一種農地から第三種農地は例外等もありますけれども原則として許可されたりします。つまり農用地・区域内農地の場合だけは転用しても販売することができないということで気をつけてください。
こういった区分はわからなければ市役所と農政課というところに問い合わせてみてください。もしかして農政課っていう部署名も違うかもしれませんのでちゃんと調べてください。
農地を売却する際に必要な費用
農地の売却価格は宅地よりも安いもののある程度まとまったお金が入ってくるため、ほっと一息つきたくなるかもしれません。
しかし細々とした支払いが残っています。
支払いを求められたときになって慌てないためにも、売却の際に売り手側が支払う費用を理解しておきましょう。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 譲渡所得税
売却時に必要な費用は一般的な土地の売却と大体同じです。
ただし農地の場合、仲介手数料は多少異なる点があります。
そのため特に仲介手数料についてはしっかり理解しておくようにしましょう。
ちなみに農地の売却そのものには消費税はかかりません。
仲介手数料について
不動産業者に農地売却を依頼して農地が売れた場合は、仲介手数料が発生します。
一般的な土地を売却した際に支払う仲介手数料の上限は法律によって決められています。参考までに仲介手数料の上限を見ていきましょう。
一般的な土地の場合は上記のように仲介手数料の上限が決まっているため、上記の金額以上の仲介手数料を支払う必要はありません。
しかし農地の場合は実は仲介手数料を規定する法律はありません。
そのため高額な仲介手数料を請求される可能性もあります。
ただし、実際は一般的な仲介料の規定を農地売却にも採用する不動産業者がほとんどなため、高額な仲介手数料をとられることは少ないです。
とはいえ後でトラブルにならないためにも、なるべく早い段階で仲介手数料について確認しておくことが大切です。
農地を宅地にして売却した場合の仲介手数料
農地を宅地などに転用して売却した場合の仲介手数料は、農地を農地のまま売却したときと同様です。
仲介手数料の上限は決まっていませんが、一般的には土地の売却で支払う仲介手数料と同じ金額を支払うケースがほとんどです。
しかし宅地に転用して売却した場合は、仲介手数料が安くなることもあります。
農地よりも宅地のほうが高い価格で売れやすいからです。
ただしやはり仲介手数料は不動産業者によって違うため、事前に確認する必要があります。
また転用する場合は転用の届け出や申請をしなければなりません。
自分で届け出や申請をする場合は費用がかかりませんが、もし行政書士に依頼した場合は依頼料がかかります。
費用は市街化区域と市街化調整区域とでは異なります。
市街化区域と市街化調整区域の費用は次の通りです。
- 市街化区域…約10万円
- 市街化調整区域…約15万円
市街化調整区域の場合は用意する書類が多いため、行政書士に依頼した方が楽です。
しかし市街化区域の場合は3種類から4種類の書類と委任状を提出するだけです。
そのため自分で書類を提出して、依頼料を節約するのも良いでしょう。
農地を転用して売却する場合は都市計画法についても理解しておかなければならない。都市計画法ってそもそもどんなものなんですけども都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることによって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的に1968年(昭和43年)に制定された法律のことでつまり効率的な街や綺麗な街にするための法律ということになります。
この都市計画区域は2つの区域に分かれております。市街化区域って呼ばれているものと市街化調整区域と呼ばれているもの。市街化区域は多分皆さんの住んでいるところになるかと思うんですけども人が多く住んでいる場所。市街化を促しているため農地を転用して売却しやすいという特徴がある。手続きも農業委員会に届出を行うだけと簡単になっております。しかし市街化調整区域の場合は転用して売却することが困難です。
簡単に言うとお店や住宅を積極的に建設して欲しくない区域。だから転用して売却するためには都道府県許可までも受けなければならなくなる。都道府県許可って全然重みが違いますよね。届け出て「お願いします」っていう許可をドキドキしながらOKなのかダメなのかを待っていなきゃいけない。次は農地の売却価格なんですけども皆さん基本的にやっぱり一般の宅地とかよりは農地は価格が安いといったイメージがあるのではないでしょうかね。
イメージ通りなんですけども。ではなぜ農地を価格が安くても売却したいと思うのかってことなんですけどもめんどくさいっていうところから言えば農地なんて売れないのに購入者を探すのが面倒だし別に安いし固定資産税なんかもそんなかかるかかかってないかなんだし持っててもいいかなって思われる方いるかもしれません。
しかしその場所によっては不法投棄でゴミを他の人に捨てられてしまったり雑草とかが生えて近隣の農家の人に文句を言われたりその管理費用がかかるとか固定資産税等かかっていれば税金の重い負担があるリスクなどもあるので売っておいた方がいいのかなっていうことに結びつくのではないでしょうかね。
印紙税
農地を売買する際は印紙税もかかります。
印紙税は不動産売買契約書に印紙を貼って交付することが義務付けられています。
取引額が多ければ印紙税も高くなりますが、租税特別措置法によって取引額が10万円を超える場合は税率が引き下げられます。
以下に通常の金額と軽減税率後の金額をまとめました。
取引額 | 印紙代 | 軽減税率後の印紙代 |
---|---|---|
1万円以上10万円以下の価格 | 200円 | なし |
10万円を超える50万円以下の価格 | 400円 | 200円 |
50万円を超える100万円以下の価格 | 1000円 | 500円 |
100万円を超える500万円以下の価格 | 2000円 | 1000円 |
500万円を超える1,000万円以下の価格 | 1万円 | 5000円 |
1,000万円を超える5,000万円以下の価格 | 2万円 | 1万円 |
ただし令和4年3月31日までに作成される契約書が対象となります。
登録免許税
農地の登記や登録の名義変更も必要です。
通常は買主が手続きを行いますが、念のためにどれくらいの費用がかかるのか確認しておくと良いでしょう。
登録免許税の計算式は以下の通りです。
- 取引額×0.02=登録免許税
例えば取引額が513万7,000円だったとしましょう。
上記の計算式に当てはめると、答えは10万2,740円です。
100円未満は切り捨てとなるため、10万2,700円が支払う金額になります。
ただし令和3月31日までに登記をする場合は軽減措置を受けられます。
軽減措置後の計算式は以下の通りです。
- 取引額×0.015=登録免許税
上記の計算式でもう一度計算してみましょう。
答えは77,055円です。
しかし100円未満は切り捨てとなるため、この場合の登録免許税は77,000円となります。
譲渡所得税
農地を売却して生じた所得のことを譲渡所得と言い、この譲渡所得には譲渡所得税と住民税が課税されます。
税率は農地を所有していた期間によって異なり、5年以下と5年以上で分類されています。
譲渡所得の名称は5年以下の場合は短期譲渡所得、5年以上の場合は長期譲渡所得です。
以下でそれぞれの税率を見ていきましょう。
譲渡所得税
短期譲渡所得…30.63%
長期譲渡所得…15.315%
住民税
短期譲渡所得…9%
長期譲渡所得…5%
譲渡所得税と住民税を合わせた計算式は次の通りです。
- 短期譲渡所得…課税譲渡所得×39.63%
- 長期譲渡所得…課税譲渡所得×20.315%
注意点としては日数の数え方が少しわかりにくいという点です。
農地を取得した日から売却した日まででカウントされるのではありません。
農地を取得した日から売却した年の1月1日までの日数でカウントされます。
例えば2010年の4月1日に農地を取得して2020年の4月1日に売却したとしましょう。
その場合の農地の所有期間は9年9カ月となります。
特別控除が認められるケース
農地を売却する場合は特別控除の特例措置が認められることもあります。
農業の担い手をこれ以上減らさないようにするためです。
特例措置は以下の2種類です。
- 農地として利用する人に譲渡した場合の特例措置
- 転用して売却する場合の特例措置
転用して売却する場合は最大で5,000万円の特別控除が受けられますが、国や自治体などが農地を購入した場合に限られます。
そのためここでは農地利用目的の人に売却する場合の控除額を見ていきましょう。
控除額
800万円 1,500万円
条件
農用地区域内の農地を農用地利用集積計画又は農業委員会のあっせん等により譲渡した場合。農用地区域内の農地を農地中間管理機構又は農地利用集積円滑化団体に譲渡した場合 農用地区域内の農地等を農業経営基盤強化促進法の買入協議により農地中間管理機構に譲渡した場合
個人で売却する場合は農業委員会に仲介してもらって買い手を見つけた場合のみ、800万円の特別控除の対象となります。
農地の売却を依頼する場所なんですけども農地を農地として売却する場合には農業委員会や農協さん、地元の不動産業者。農地を転用して売却する場合には農地売却のノウハウのある不動産業者になってますけども農業委員会に届出が必要なってきますのである程度の知識を持った不動産屋さんの方が楽かもしれませんね。
農地売却に必要な書類とかは身分証明書とか印鑑証明書、実印、権利済み書等でこちらは普通の不動産売却の際と変わらなくなります。農地を売却する際に必要な費用ですけども仲介手数料、印紙税とか譲渡所得税って事で益が発生していれば譲渡所得税を納めなければならない。仲介手数料なんですけども一般的な宅地を売却する際には法律で決められているんですけども一応農地の場合には仲介手数料をいくらまでにして下さいとかの規定がないんですね。
なのですごい高額な仲介手数料を請求されても法的には問題ないんです。ですがそんなことをしてもしょうがないので基本的に一般的な仲介手数料と同額といった不動産屋さんが普通なのかなと思っております。なのですごい売却の仲介手数料を請求されたとかそういったことは多分ないと思いますので大丈夫かなと思います。
売却も難しい場合にはその農地を有効活用するしかないので自分自身で農業で始めてみる。趣味程度でもいいです。農業を始めてみる。あとは市民農としてレンタルするとか駐車場にする。農家に貸すとかですね。市民農園なんかも今流行っているかと思います。そういったことを視野に入れてあげてもいいのかなと思います。
売却以外の対策方法
売却が難しい場合は他の活用方法も考えてみましょう。
例えば次のような方法があります。
- 自分で農業をはじめる
- 市民農園にしてレンタルする
- 駐車場にする
- 農家に貸す
自分で耕作をするのが最も簡単な対策方法です。
自分で使わない場合は、市民農園や駐車場として貸し出すと良いでしょう。
初期投資を抑えられる上に、毎月レンタル料が入ります。
また優良な農地の場合は、農家に貸すという方法もあります。
自分で借り手を見つけるのが難しい場合は、農地集積バンクを利用してみましょう。
農地を貸したい人や借りたい人の情報が集まっているため、自分で探すよりも借りてくれる人を探しやすいです。
また売りたい人や買いたい人も利用しているため、売却したい場合も活用できます。
売却が難しい場合は第3者に貸すという方法もあるんですね
売却するよりもハードルが低いんですよ
まずは売却できるか調べて、どうしても売却するのが難しいと思ったら他の方法を考えれば良いんですね
はい。とにかく農地を放置しておかないことが大切です
農地を売却する際は、農地のまま売却するか転用して売却するかのいずれかの方法で売却することになります。
しかし宅地のように不動産業者に依頼したからと言って、全ての手続きが終わるわけではありません。
農地の場合は農地法によって農業委員会や都道府県知事の許可をもらわなければ売却できないことになっています。
農地がある区域によっては転用できないこともあります。
そのため宅地よりも売却するのに手間がかかりますが、だからと言って使わない農地をそのままにしておくと固定資産税を払い続けなければなりません。
まずは自分の農地がどの区域にあるのか確認して、売却方法を考えましょう。
農地の売却を依頼する不動産業者を見つける際は、大手の一括査定サイトを利用するのも1つの方法です。
農地の売買に慣れている不動産業者を効率的に見つけられます。