空き家をそのまま放置しているより、更地にした方が様々な活用ができ、売却もしやすいので固定資産税もかからずメリットがあります。
また、家を建て替えする際にも解体を行うというもの。
家を解体したことがないと、費用がどのくらいかかり、どのような流れで進んでいくかイメージがつかないと思います。
建物の構造で解体費用の相場は違ってくるので、あなたの家の構造は、どの種類に当てはまるか確認しておきましょう。
この記事では、解体費用の相場と経費を節約する方法を解説しています。
是非参考にしてください。
解体費用は構造によって異なる
解体費用は、建物の構造で相場が異なりますが、木造は鉄骨コンクリート比べると解体しやすいため安くなります。反対に、解体しにくい構造は費用が高いです。
それぞれ構造別に費用を比較してみましょう。
構造別の費用
構造別の全国平均の解体費用はこちらです。
坪 | 木造 | 鉄骨造 | 鉄筋コンクリート造(RC造) |
10坪未満 | 6万円/坪 | 4.4万円/坪 | 7.2万円/坪 |
10坪 | 3.9万円/坪 | 3.2万円/坪 | 6.1万円/坪 |
20坪 | 3.4万円/坪 | 4.0万円/坪 | 3.9万円/坪 |
30坪 | 3.1万円/坪 | 3.7万円/坪 | 5.9万円/坪 |
40坪 | 3.0万円/坪 | 3.4万円/坪 | 4.1万円/坪 |
50坪 | 2.9万円/坪 | 3.6万円/坪 | 4.3万円/坪 |
60坪 | 2.9万円/坪 | 4.5万円/坪 | 6.0万円/坪 |
70坪 | 2.7万円/坪 | 4.2万円/坪 | 4.6万円/坪 |
- 木造:アパートや戸建ての構造で多くみられる
- 鉄骨造:高層マンションやビルなど
- 鉄筋コンクリート造:鉄骨造より強度が高い
上記のように坪数でも金額は変わってくるのが分かります。
都道府県でも解体費用は異なるので、こちらの相場は参考に留めておくようにしてください。
また、建物の条件は同じだとしても、立地や家の劣化状態で費用は倍ほど差が出ることも。
解体費用を具体的に把握するためには業者に見積もって貰うのがベストです。
分かりました!
費用に影響する内容
解体費用に影響する内容は、前述通り構造以外にも様々あります。
例えば、費用の安い木造一階建てと、同じ木造二階建てでは、二階建ての方が安くなるのです。
解体は土台となる基礎と屋根に手間がかかります。坪数が80坪の同じ家の場合、一階建てと二階建ての違いは以下になります。
- 一階建て:基礎と屋根は80坪
- 二階建て:基礎と屋根は40坪
坪数が同じ家でも二階建ての方が解体費用は安くなるという訳です。
一方、地下の部屋だと作業に時間がかかるので、解体費用は高額になる可能性があります。
劣化している
建物が劣化している場合は、壊れやすい状態であるため、慎重に解体しないといけなくなり、作業人数や日数がかかることで、解体費用は高くなりやすいです。
都市部と郊外でも変わる
都道府県でも解体費用は変わってきますが、都市部と郊外を比べてみると、都市部の方が高くなる傾向にあります。
費用の内訳
解体工事とは建物だけではなく全部で「仮設工事」「家の解体工事」「付帯工事」の3つの工事が行われています。そのため、家の解体だけに費用がかかる訳ではないのです。
具体的な解体費用の内訳はこちらです。
- 取り壊し費用30%
- 廃棄物処理30%
- 諸費用10%
- 解体業者の利益20%
- 付帯工事費用プラスα
- 取り壊し費用
解体費用の中で大きく占めているのが取り壊し費用になります。
具体的な内容はこちらです。
- 足場、防音シート
- 敷地を囲うゲート
- 作業員の仮説トイレ
- 人件費
- 重機の使用料と敷き鉄板
上記の中の人件費ですが、建物の大きさで人数は変わってきます。
大体、一般的な30坪の木造住宅の場合、作業員は5人位必要になるでしょう。
作業員一人の日当の相場は1〜1.5万円です。
作業員5人が一週間働くと、人件費は最低でも35万円かかってきます。
重機の使用料は、解体業者によって違ってきますが、大体5万円かかります。
廃棄物処理
廃棄物処理の費用も、家の取り壊し費用と同じくらい高くなります。
解体の際の廃棄物処理とは、基礎部分のコンクリートや屋根、資材などの処理です。
30坪の木造二階建ての住宅を解体すると、4tトラック約10台の廃棄物が出るので、普通のゴミ処理場で処分はできません。
建設リサイクル法で廃棄物の処理は定められているので、処分にはそれなりの費用がかかります。例えば、解体費用が100万円なら、処分費用は30万円です。
中には処理費用が高額になるため、適当な山に捨てて、その分利益を貰おうとする悪徳解体業者もいるので、依頼する際には信頼できる解体工事会社を選ぶようにしてください。
諸費用
諸費用には以下の費用がかかっています。
- 道路使用許可の書類などの申請費用
- 挨拶の際の粗品費用
- 重機を駐車する借地料
上記以外にも様々な諸費用が含まれます。
解体業者の利益
解体業者の利益は大体10〜20%になるので、この利益率を相場と考えておくと良いでしょう。
解体業者へ見積もりを出して貰う際に、目安になります。
見積もりを出して貰った時に、あまりにも安い費用の場合は気をつけてください。
相場より安いと作業が雑なことがあるので、後悔しないためにも利益率を指標とするのも良いでしょう。
付帯工事費用
付帯工事は以下の内容になります。
- ブロック塀や石
- 井戸や浄化槽
- 家の中の残置物
- 建設副産物
付帯工事費用はどのくらいかかるか分かりづらいので、見積もりをきちんと出して貰うと良いです。
費用をシミュレーションしてみる
解体費用の相場を地域別にシミュレーションしてみましょう。
都道府県の中でも相場が最安値の北海道と、最高値の東京で比較してみます。
北海道
坪数 | 木造 | 鉄骨造 |
20坪 | 56万円 | 92万円 |
40坪 | 112万円 | 184万円 |
50坪 | 140万円 | 230万円 |
60坪 | 168万円 | 276万円 |
80坪 | 224万円 | 368万円 |
東京
坪数 | 木造 | 鉄骨造 |
20坪 | 78万円 | 120万円 |
40坪 | 156万円 | 240万円 |
50坪 | 195万円 | 300万円 |
60坪 | 234万円 | 360万円 |
80坪 | 312万円 | 480万円 |
北海道と東京の80坪の木造の費用を比べると、100万円位の差があることが分かります。
地域によって解体費用の相場は大きく異なるというもの。
大体の目安になりますが、こちらの費用を念頭に置いておきましょう。
経費を抑える方法とは?
解体費用の相場は大体、把握できましたが高額な費用がかかってきます。
1円でも安く節約する方法は以下の項目です。
- 繁忙期は避ける
- 家財道具は自己処分する
- 補助金制度を利用する
- 複数の業者に見積もりを出して貰う
- 業者と工事のタイミングを合わせる
- 建て替えの際は、業者を分ける
それぞれ解説していきます。
繁忙期は避ける
建築業界にも忙しい時期と暇な時期があり、繁忙期は3月と12月、閑散期は4〜6月です。
解体業者もそれに伴い、暇な時期は4〜6月になるので、この辺りに解体依頼をすると値引き交渉の成功率は高くなります。
値引き交渉のポイントはこちらです。
- 端数を値引きする際、「思ったより予算を超えてしまったので、端数分値下げしてくれたら即決しようと思いますが…」
- 他社の見積もりが安い場合、依頼したい会社もそこまで値下げできるか聞いてみる
- 複数の会社から見積もりを出して貰っていて、同額な場合は値引き交渉しやすい
業者も暇な時なら、値引き交渉もある程度は聞いてくれるでしょう。
通常より手が空いている状態なので、忙しい時期より余裕を持って作業してくれるメリットもあります。
一方、忙しい繁忙期の場合、解体費用が高くなる可能性が。
繁忙期が3月と12月の理由は、固定資産税を避けるために12月中に解体をすることや、決算の時期に合わせて解体したいことが挙げられます。
繁忙期に依頼しても予定が埋まっていて、依頼ができない場合もあります。
よって、この時期に値引き交渉してもほぼ安くなることはないです。
値引き交渉の注意点として、あまりにも値下げした金額を提示すると業者から逃げられる可能性があります。
気を付けます!
もし、値引き交渉が成立したとしても、業者側は利益を出さなくてはいけないので、費用を削って作業するため、工事が疎かになってしまうこともあるでしょう。
したがって、値引き交渉をするなら提示された解体費用の1割程度にしておくのが無難です。
解体費用の相場より、かなり安い業者も注意してください。
家財道具は自己処分する
家具などの家財道具の処分を業者に任せてしまうと、その分の費用がかかってきます。
- 2t車の場合、5万円前後/台
- 4t車の場合、8万円前後/台
家財道具の量によって費用は上がっていくので、自己処分ができれば数万円も節約できます。
自己処分をする場合おすすめなのは、自治体の不用品回収で安く処分することです。
各自治体で手数料が異なるので、問い合わせてみると良いでしょう。
ちなみに、東京だと物によりますが1つ400円〜処分できます。
よく、チラシで見かける「不用品回収業者」は利用しない方が良いです。
格安で回収すると謳っていますが、後から高額な費用を請求されるという被害が年間300件もあるので注意してください。
参考:東京都環境局 ご家庭から出るごみ(粗大ごみ・廃家電など)の出し方についての注意
また、リサイクルショップで不用品を売るのもおすすめです。
レトロ感が若い人の中でブームとなっていることもあり、古い家具でも売れる可能性があります。是非利用してみてください。
補助金制度を利用する
解体で補助金を受けるには、「空き家」であることが前提です。
国からではなく各自治体からの補助金制度になるので、金額は異なりますが30万〜100万円の限度額になっています。
しかし、自治体によっては解体の補助金が出ない所があるので、直接問い合わせてみてください。半数以上は補助金が出ないので、補助金が出るなら活用しておきましょう。
複数の業者に見積もりを出して貰う
解体費用は業者によって違ってくるので、複数の業者から見積もりを出して貰います。
複数に見積もりを依頼するのに便利なのは、一括査定サイトを利用することです。
一斉に複数の業者の見積もりを出して貰えます。
解体費用の査定額を出して貰ったら、相場より安い所を選びたくなりますが、金額だけで即決しないようにしてください。
気になる業者を何社か絞れたら、実際に現場で見積もりを出して貰うようにしましょう。
直接話し合うことで、信頼できる業者を見極められるようになります。
例えば、見積もりには根拠があるのか、説明が分かりやすいかどうかです。
また、見積もりの内訳もしっかりチェックしておきましょう。
最初に提示した解体費用に、別途で料金を請求されることもあるので、業者にも予め聞いてみることをおすすめします。
解体工事が終わってから高額な費用を請求されるのを避けるためにも、見積もりの内訳は必ず確認してください。
業者と工事のタイミングを合わせる
解体業者と契約する際には、工事を始める2ヶ月前に行うのが通常です。
もっと言うと3ヶ月前に契約しておいた方がさらに費用が安くなります。
一方、3週間前などに解体を依頼してしまうと、高額になることが多いです。
解体費用を節約するには、業者のタイミングに合わせてスケジュールを決めると良いでしょう。
また、解体工事の直前でも予約が取れる場合は、暇な業者ということなので、作業の質が落ちる可能性があります。
費用を節約して信頼できる業者に任せるためには、スケジュールに余裕を持って依頼することが大切です。
建て替えの際は業者を分ける
建て替えをする時の発注には、「一括発注」と「分離発注」2つの方法があります。
- 一括発注は、解体と建築業者を1つにまとめて発注
- 分離発注は、解体と建築業者を分けて発注
費用が高くなってしまうのは「一括発注」の方です。
一括発注だと、依頼を受けた業者が紹介料を受け取るため、中間マージンが発生して、この費用が3割ほど高くついてしまうのです。
中間マージンの費用を節約するためには、分離発注にする必要があります。
建築業者におすすめされて、そのまま一括発注にならないように注意してください。
分離発注する際は、解体業者と建築業者は全く関係ない状態なので、実際作業に取りかかる時は、両者とも現場で顔合わせした方が良いです。
作業のズレが出ないようにするためにも、立ち会いをして貰いましょう。
費用が高くなる原因
解体費用を節約する方法は分かりましたが、反対に費用が高くついてしまうケースを紹介していきます。
勉強になります!
以下の項目に注意しましょう。
- アスベストが使用されていた
- 作業がスムーズにいかない現場
- 地中埋設物を発見
- 天気が良くない時期
- 災害に遭った家
- 遺品の整理をした
- ツーバイフォー工法の家
アスベストが使用されていた
アスベストは、1975年より前の建物に使用されていた断熱材のことです。
発がん性物質が含まれているので今は使用禁止されていますが、アスベストが使用されている家の解体の場合、特殊な処理になるため許可を持つ業者しか解体工事ができません。
除去には手間もかかるので費用が高くなってしまいます。
アスベストの除去で別途かかる費用は以下になります。
処理する面積 | 単価 |
300㎡以下 | 2万円/㎡〜8.5万円/㎡ |
300〜1,000㎡ | 1.5万円/㎡〜4.5万円/㎡ |
1,000㎡以上 | 1万円/㎡〜3万円/㎡ |
アスベストの除去には3段階のレベルがあって、特に身体に有害とされるのはレベル1、2です。レベル3の場合は費用がそれほど高くありません。
アスベストの除去費用は、天井の高さなどでも大きく変わってくるので、現地でしっかり見積もって貰うようにします。
除去費用を自治体によっては助成してくれるケースもあるので、問い合わせてみましょう。
作業がスムーズにいかない現場
解体工事を行うには、重機やトラックが必須です。
重機やトラックが入るスペースがないと作業がスムーズにいかなくなります。
道路が狭かったり、住宅が密集していたりする現場だと重機が入れないことがあるので、そうなった場合近くにある駐車場を利用することになります。
作業がスムーズにいかない現場は費用が高くなりやすいです。
重機が入れないため解体が手作業となることや、駐車料もかかってくるからです。
手作業になると作業員の負担が増えるため、費用は3倍になる可能性があり、工事の期間も長引くでしょう。
一方、手作業は金銭的に高くなるデメリットはありますが、メリットもあります。
- ホコリが出にくい
- 工事の騒音が少ない
- 手作業になるので念入りになる
- 事故が少なくなる
重機を使った解体だとスムーズに作業が進みますが、工事の騒音やホコリが立ちやすいといったデメリットがあります。
近隣からのクレームで損害賠償請求をされるケースもあるので、そのようなリスクは避けられると言えるでしょう。
地中埋設物を発見
家を解体している最中に、地中埋設物が見つかることはよくあるというもの。
地中埋設物には以下のようなものがあります。
- コンクリートの躯体
- 井戸や浄化槽
- 古いタイヤ
- 屋根や鉄骨
地中でこれらを見つけた場合、撤去するのに費用がかかってくるのです。
業者が勝手に撤去を行うことはなく、事前に報告があって別途で見積もりを出してくれます。
金額に問題がなければ、撤去作業を行う流れになります。
地中埋設物の撤去の相場は、10万円位になるので念頭に置いておきましょう。
また、中には勝手に撤去してしまい、高額な撤去費用を請求してくる業者もいます。
さらには、地中埋設物が無いのにも関わらず、架空の請求をしてくる悪徳業者もいるのは事実です。
この場合、解体工事を全て任せてしまっていると、地中埋設物があったかどうかなど分かりません。
したがって、「地中埋設物があった」と言われれば支払う羽目になってしまうのです。
このような納得いかない請求を避けるためにも契約の際に、確認しておくことがあります。
- 地中埋設物を発見した時は工事を中断して報告すること
- 勝手に撤去を行わないこと
- 確認しないで撤去してしまった場合は、別途費用を請求できないこと
上記の内容を契約の際に、書面に残して締結してください。
天気が良くない時期
解体工事の際に、天気が悪いと工事期間が長引くことがあります。
工事が延長すると費用は高くなる可能性があるのです。
特に気をつけておきたいシーズンは、梅雨や雪が多く降る冬の時期です。
雪が降らない地域は冬でも問題はありませんが、なるべく天候が良いシーズンに依頼するのがおすすめになります。
災害に遭った家
災害に遭った家は通常より、解体費用が高くなります。
高くなる理由はこちらです。
- 家が壊れやすい状態なため、注意しながら作業をしないといけない
- 廃棄物を分別するのが難しくなる
- リサイクルが困難になる
災害や火事になった場合は、消防署で「罹災証明書」を発行して貰ってください。
罹災証明書があると、各自治体によって補助金が受けられるので、解体費用を抑えられます。
災害に遭った時の補助金制度は、自治体のホームページなどで確認してください。
遺品の整理をした時
高齢の親が亡くなった場合、遠方に住んでいる子供から解体の依頼があります。
子供が仕事のため直接来られなければ、遺品の整理を依頼することも。
遺品の整理は、亡くなった人の持ち物を整理することで、相続する人は財産の特定をする目的があります。孤独死の場合は、特殊清掃も行います。
遺品の整理は高額で以下が相場です。
部屋 | 費用 | 作業時間 |
2LDK | 10万円〜 | 2〜4時間 |
3LDK | 18万円〜 | 4〜6時間 |
4LDK | 22万円〜 | 5〜7時間 |
遺品整理は解体費用という訳ではないですが、親が亡くなった際に実家を解体することは多いです。
解体費用に加えて遺品整理がかかってくるので、思ったより高くなる場合があります。
遺品の整理をするには、1人だけだと精神的に負担がかかり作業がスムーズにいかないものです。
また、遺品の量が多ければ多いほど作業が難しくなるので、業者に任せる人が多いです。
ツーバイフォー工法の家
木造住宅の1つでもある「ツーバイフォー工法(2×4)」の家は、六面体構造になっていて耐震性や気密性、断熱性といった性能が高いのですが、解体する際には費用が高くなってしまうデメリットがあります。
ツーバイフォー工法だと、通常の木造住宅より廃棄物を多く出してしまうため、処分と運搬に手間がかかり高額になってしまうのです。
家の解体手順・流れ
次に実際に解体を依頼したらどんな流れで作業が進んでいくのか、解説していきます。
勉強になります!
- 見積もりを依頼する
- 現地を調査して貰う
- 見積もりを提示
- 解体業者と契約
- 近隣に挨拶まわり
- 工事着工
- 工事完了
- 建物滅失登記をする
解体の大まかな流れはこのようになっています。
見積もり依頼(3ヶ月前)
一括サイトで複数の業者に見積もりの依頼をします。いくつか業者を絞れたら現地で調査をするため日時を決定。
現地調査
最初の見積もりと異なり、現地の状態によって金額は変わってきます。
解体工事をする前は、必ず現地調査をするので、この時も複数の業者に調査して貰うことをおすすめします。
また、工事の前に境界鋲があるか確認しておきましょう。解体が終わった後も境界鋲を残しておかないといけません。
見積もりを提示
複数の業者から見積もりを出して貰って、依頼したい業者が決めます。
色々比較して自分が納得いく業者を選ぶようにしましょう。
契約(2ヶ月前)
納得いく業者が見つかったら契約を結びます。
工事の2ヶ月前に契約をするのが理想的です。
解体工事をする前に、道路占用許可申請やリサイクル法の届出が必要になり、それらの書類は解体業者が用意してくれるので依頼者は押印をします。
挨拶まわり(1週間前)
工事が始まる前に近隣に挨拶まわりをします。
新築の工事より解体工事は騒音が酷くなるので、トラブルに発展しやすいです。
そのため、近隣と言っても範囲が広くなる場合があるので、解体業者と相談しておくと良いでしょう。
工事着工
挨拶まわりをしたら、いよいよ着工です。
最初は足場を組んだり、養生を設置したり仮設工事を始めます。
家の周りや内装を手作業で撤去し、その後に重機で家を解体していきます。
廃棄物などをトラックで運搬し、地中埋設物がないかチェックしたら、地面を平らにして終了です。
工事完了
整地されて工事が完了したら、現場を確認しに行きます。
境界鋲がきちんとあるか必ずチェックしてください。
建物滅失登記
解体が完了したら、家の所有者は1ヶ月以内に建物滅失登記の申請を法務局で行います。
滅失登記は義務になっていて、登録免許税は発生しません。
しかし、司法書士に依頼した場合は4万円程費用がかかるので、節約するなら自分で行うと良いです。
解体業者から取り壊しの証明書を受け取ってから、滅失登記を行うので忘れずに出して貰いましょう。
解体の期間
家の解体工事にかかる期間は、建物の構造や規模によって異なりますが、目安として1週間〜1ヶ月です。
業者を探す所から入れると、家の解体は全体で3ヶ月はかかると思っておくと良いです。
解体までの流れは分かったので、実際に解体工事の内容を詳しく紹介していきます。
外構の解体
重機で解体をしてく作業ですが、もし道が狭い現場なら手作業になってきます。
1日程度で終了です。
養生
周りにホコリなど飛び散っていかないように、足場を組んで養生シートを設けます。
近隣が沢山住宅のある場所なら、防音シートを設置することもあり、この期間も1日位です。
瓦の撤去
屋根の瓦を撤去しますが手作業で行われるもので、大体1日で終わります。
内装の撤去
家の中のガラスや内装を手作業で行い、期間は1日位です。
構造の解体
解体工事で時間がかかる箇所は、構造の解体になります。
重機で行われますが、規模によっては3週間くらいかかることもあります。
基礎の解体
全体の解体が終わると、下のコンクリート部分基礎の解体で1日程度です。
仕上げ
解体の最後には整地と掃除が1日行われます。
近隣へ挨拶
解体工事の前にも挨拶をしますが、終わった後も騒音など迷惑をかけたお詫びで挨拶まわりをします。
解体のローンは組めるの?
解体の費用は高額になることが多いので、現金を用意できない場合はローンを組む方法もあります。
解体の際に組めるローンはこちらです。
- 更地にするなら、無担保ローンを利用
- 空き家の解体なら、空き家解体ローン
- 建て替えなら、解体も住宅ローンと一緒に利用できる
解体専用のローンが利用するのが最適なので、金融機関などに問い合わせみてください。
解体の注意点
解体工事を行う際に、注意しておきたいことを紹介します。
近隣へ配慮する
近隣トラブルへと発展しないためにも、しっかり行っておきたい挨拶です。
近隣の挨拶は通常、解体業者が事前にポスティングをします。
解体の依頼者は直接、隣と向かい、裏の家に挨拶まわりをした方が良いです。
挨拶の際に、伝えておくべき情報は
- 工事の期間
- 1日の作業時間
- 解体業者の社名
挨拶まわりに粗品を持って行くかどうかは決まりなどありませんが、もし出来るなら渡してあげた方が印象は良いです。
粗品は日用品の洗剤など選んでおくと、迷惑な品物にはならないでしょう。
解体工事の騒音でトラブルになると、損害賠償請求をされることもあるので、粗品の経費はかけても良いと言えます。
電気・ガス・水道を止めておく
解体工事を始める前には、電気やガス、水道を必ず止めておくようにします。
ただし、業者が散水設備として水を利用することもあるので、確認しておいた方が良いです。
水道が止まっていると、業者が散水タンクを持って来なくてはいけなくなるので、そうなると費用がかかってきます。
業者には水を利用するか直接聞いてから、水道を止める判断してください。
固定資産税のタイミング
1月1日の時点で建物を所有していれば、その年の固定資産税は支払うことになります。
そのため、解体工事のタイミングを考える必要があるでしょう。
しかし、家の場合は解体して更地にすることで、住宅の軽減措置を受けられなくなるので、土地の固定資産税は高くなります。
とはいえ、家を解体すると家の分の固定資産税は払わなくても良いので、タイミングを決めて解体すると良いです。
例えば、解体して土地の固定資産税の方が高くなるなら、1月1日以降に行います。
反対に、解体して固定資産税が下がるようなら、12月31日までに行うと良いでしょう。
お祓いについて
基本的に家を建てる時には、お祓いを行うものです。
解体をする時も、お祓いをすすめられる可能性があります。
お祓いは「地鎮祭(じちんさい)」と言って、土地の神様を祀るものなので、解体前でも後でも行うことは可能です。
地鎮祭のお祓いをするには、神主さんに依頼をします。
地鎮祭を行う時に用意するものは、日本酒や米などのお供物と、神主さんのお祓い費用です。
神主さんの費用は2〜3万円、お供物は2万円位になります。
地鎮祭は絶対行うものではないので、業者と話し合って決めましょう。
解体早くしないと損をする!?
解体を検討しているなら、早めに行うことをおすすめします。
何故なら、解体工事費用は年々値上がりしているからです。
その背景には、解体費用の内訳にある「廃棄物処理費用」が2017年から16%も価格が上がっているためです。
参考:企業向けサービス価格指数の公表データ一覧
2021年から中国は全てのごみの輸入が禁止になったので、輸出していた我が国の廃棄物のゴミは行き場を失っているのです。
輸出ができなくなった廃棄物は、国内で処分することになります。
そのため、今後も廃棄物処理費用はどんどん上がっていくと予測されます。
また、2015年に制定された「空き家対策特別措置法」ですが、「特定空き家」と指定された場合、空き家にかかる固定資産税はこれまでより4倍も高くなる恐れが。
空き家を放置しておくと、特定空き家に指定されることがあるので、早めに解体しておくのが良いでしょう。
さらに、大気汚染防止法の改正が成立され、2022年には施行されます。
施行されると、解体工事をする際にアスベストの調査費用がプラスされる可能性があります。
参考:環境省 大気汚染防止法の一部を改正する法律案の成立について
信頼できる業者の見つけ方
解体を依頼しようと思っても、どの業者を選んで良いか悩むというもの。
信頼できる解体業者を見つけるのにベストの方法は、信頼できる人からの紹介です。
信頼できる人とは不動産会社からの紹介です。
不動産会社は、中古住宅を買取して解体してから再販を行うこともあるので、解体業者へ発注をよくしている場合があります。
家を解体して土地を売却しようと考えているなら、不動産会社に紹介して貰うのが良いです。
不動産会社が利用している解体業者なら信頼できると言えるので売却をするなら、まずは不動産会社を探して相談してみましょう。
分かりました!
まとめ
家の解体費用の相場は構造によって異なります。
他にも都道府県や劣化の状態でも様々な影響があって費用が決まります。
解体費用は高額になるので、1円でも安く工事を行えるのが望ましいです。
自分でゴミを処分したり、複数の業者に見積もりを依頼したり、節約する方法はあります。
また、費用が高くなってしまう地中埋設物の発見などには注意をしてください。
業者によっては、高額な請求を追加してくる可能性があるので、しっかり契約前に書面に残すようにしましょう。
解体工事を以前から検討しているならば、早めに行っておいた方が良いです。
解体費用は年々上がっています。
まずは信頼できる業者を選ぶのが、解体工事をスムーズに行う秘訣と言えます。
色々な業者を比較して、直接見積もりの際に決めるか、不動産会社から紹介を受けても良いでしょう。