戸建て住宅を売却したり賃貸に出すにはどのような手順を踏めば良いのでしょうか。
例えば「突然の転勤でせっかく買った戸建て住宅を手放さなければならなくなった」などの理由で購入した戸建て住宅に、住み続けることができなくなった経験がある人も案外多いのではないでしょうか。
やむを得ない事情で戸建て住宅を手放さなければならなくなった場合、今住んでいる戸建て住宅をどのように処分すれば良いのでしょうか。
まず考えられることは、戸建て住宅を売却し新しい戸建て住宅やマンションを購入する、または借りるケースです。
期間の決まっている転勤などで何年か後に住んでいた戸建て住宅に戻ってくることがわかっている場合は、その期間だけ賃貸に出すことも考えられます。
いずれの方法を選ぶかはその時の状況によりますが、なるべく損をしない方法を選びたいものです。
そのためには、戸建て住宅を購入する際に売りやすい戸建て住宅あるいは貸しやすい戸建て住宅を選ぶ必要があります。
ではどのようにして、売却しやすいまたは貸し出しやすい住宅を選ぶことができるのでしょうか。
ここでは購入時の物件の選び方や購入した戸建て住宅を売却、賃貸する場合のコツをみてみたいと思います。
住宅を購入する時にはどういう点に注意する必要がありますか?
いざという時に売却したり賃貸に出したりできる物件を視野に入れて選ぶといいでしょう
目次
戸建て住宅を購入するにあたって
購入した家をなんらかの事情で手放さなければならなくなることは決して珍しいことではありません。
いざ家を売ろうとした時になかなか買い手がつかなかったり、賃貸に出そうにも借り手がつかない場合もあります。
いずれにせよ戸建て住宅を購入する際には必要に迫られた時に売却しやすい家、貸し出しやすい家を選ぶことをお勧めします。
ではどのような戸建て住宅が貸しやすく、売却しやすい物件なのでしょうか。
まず戸建て住宅を賃貸に出すケースを考えてみましょう。
戸建て住宅を貸すとは?
戸建て住宅を賃貸に出す場合は、どのような手順を踏めば良いのでしょうか。
一般的に戸建て住宅を賃貸に出す場合は、不動産会社ではなく管理会社に依頼することが一般的になっています。
賃貸に出す場合の手続きは、売却の手続きに比べれば貸主側の負担はそれほど大きくありません。
良い管理会社を探すことができれば、安心して住宅を賃貸に出すことができます。
戸建て住宅を貸す場合の手順
戸建て住宅を賃貸に出す場合、下記の手順を踏むことになります。
売却することに比べると賃貸に出す場合は、それほど複雑な手続きなどはありません。
信頼のおける管理会社を探すことができれば、賃貸に出すことが初めての人でも大家さんになれるのです。
- 賃貸物件を扱う管理会社を探す
- 募集条件を決める
- 貸出の準備
- 入居者を募集する
- 賃貸契約を結ぶ
賃貸物件を扱う管理会社を探す
戸建て住宅を貸しに出す場合、まず最初に不動産管理会社を決めます。
管理会社を選ぶ際のポイントとしては、戸建て住宅の賃貸物件を数多く扱っている会社かどうかを確認することです。
インターネット上で賃貸物件を主に取り扱う管理会社を紹介してくれるサイトがあるので、利用してみてはいかがでしょうか。
同じような経験をした人からアドバイスをもらったり、管理会社を紹介してもらう方法もあります。
管理会社の選択は賃貸に出す場合の大切なポイントとなるので選択は慎重に行いましょう。
複数の管理会社を比較する際は下記の点に重点をおき、比較してみる必要があります。
- 管理サービスの内容
- 管理委託費に含まれるサービスと含まれないサービス
- 入居者の募集方法
- 集客力があるか
- 管理件数の実績
以上の点に気をつけて管理会社を選びます。
希望にあった管理会社が見つかったら、管理業務委託契約を結びます。
募集条件を決める
次に募集条件を相談します。
管理会社は周辺の相場などを考え適正な家賃を決めてくれます。
家賃を決める場合は、相場だけでなく進学や転勤の時期など家を探す需要が多いシーズンかどうかによっても異なってきます。
時間に余裕がある場合は、需要が多くなる時期まで待つことも作戦の一つです。
家賃の他には下記のような条件を決める必要があります。
- 普通借家契約か定期借家契約か
- 契約期間
- ペットの可否
- 敷金、礼金
- 保証人
- 火災保険に加入してもらうか
条件は家主が自由に決めることができますが、経験の豊富な管理会社の人と相談しアドバイスを受けながら決めましょう。
また貸す前にリフォームをするかどうかも大切な点の一つです。
ある程度リフォームしておいた方が借主を見つけやすいのは確かですが、費用をかけ過ぎてしまうと収支が合わなくなります。
ただ故障している箇所の修繕は必ずしておかなければなりません。
貸し出す前には専門の業者にハウスクリーニングをしてもらうことが一般的となっています。
入居者の募集
以上の準備が終わったら入居者を募集します。
入居者を募集する際には物件の特徴や長所などをわかりやすく説明する必要があります。
また入居希望者が内見を望んだ場合は、管理会社の人が立ち会ってくれるので家主が直接立ち会う必要はありません。
入居希望者が現れたら入居者を審査します。
家主が最終的な決定をしますが、管理会社によっては会社が審査してくれる場合もあります。
契約を締結する
入居者が決まったら契約を交わします。
契約書は管理会社が用意してくれるので、署名押印をして契約をします。
以上のような手順で戸建て賃貸の手続きを終了させます。
戸建て住宅を貸す場合の契約方法
戸建て住宅を貸す場合は次の二通りの契約方法があります。
- 普通借家契約
- 定期借家契約
普通借家契約とは?
一般の貸家の場合、契約形態は普通借家契約で賃貸されます。
普通借家契約とは契約期間が1年以上であれば何年でも借りることができますが、一般的には2年間の契約とする場合がほとんどです。
ここで注意しなければならない点は、1年未満の契約を結んでしまうとその契約は期間の定めのない契約とみなされてしまい契約の更新がありません。
契約の更新がないということは更新料をもらうことができないということです。
その上借主はいつでも解約を申し出ることができますが、家主から解約を申し出る時には正当な事由がなければ解約をすることができないのです。
ですから転勤の間だけ賃貸にしようと思っても、帰ってきた時にすぐ住めるようになるとは限らないのです。
定期借家契約とは?
定期借家契約として契約期間は事由に決定できますが、更新料はもらえません。
書面による契約で契約終了の半年ないし1年前までに契約の終了を通知すれば、契約期間通りに確実に退去してもらうことができます。
この契約方法は転勤などで決められた期間だけ住宅を貸家にしたいというケースに利用されます。
注意しなければならない点としては、定期借家契約は普通借家契約よりも賃料が安くなる点です。
貸した場合の管理方法
貸家の管理方法はいくつかあります。
自分の生活に合わせて、より良い管理方法を探す必要があります。
主な管理方法としては、次のような三種類の方法があります。
- 自主管理
- 管理委託
- サブリース
自主管理とは?
自主管理とは借主とのやり取りを全て家主が対応する方法です。
管理を委託する費用が不要なので経費は節約できますが、常に入居者のクレーム対応をしなければならなかったりトラブルの解決をしなければならないので、時間に余裕のない人にとってはあまり向いていない方法と言えるでしょう。
管理委託とは?
管理委託は文字通り管理を管理会社に委託する方法です。
ほとんどの家主はこの方法を選択しています。
管理会社は不動産管理のプロですので、あらゆるクレームやトラブルの解決に対するノウハウを持っています。
管理委託費は家賃の5%ないし15%が一般的な料金です。
管理会社によってサービス内容が異なってくるので、管理会社を選ぶ際にはいくつかの会社をピックアップして比較してみることが必要です。
サブリースとは?
サブリースというのは、不動産会社が家主から家を借りた形で他の居住者に住宅を貸す方法です。
この方法は転貸と言います。
サブリースは手がかからないという点では三つの方法の中で最も優れています
注意点としては、不動産会社が利益を差し引くので賃料が相場よりも安くなってしまう点です。
住宅ローンが残っている状態で貸す場合
住宅ローンが残っている状態で住宅を貸しに出す場合は注意が必要です。
住宅ローンの条件は自分が住む住宅に対して金融機関がお金を貸すというシステムです。
ですから住宅ローンを組んでいる間に、住宅を他人に貸す場合は住宅ローンではなく事業用ローンに切り替えなければなりません。
事業用ローンは住宅ローンよりも金利が高くつきます。
転勤の間だけ貸すという事情ならば住宅ローンをそのまま利用できることもあります。
住宅ローンを組んでいる人はあらかじめ金融機関に相談する必要があります。
それだけでなく貸家にした場合は、住宅ローン控除を受けられなくなりますので、税金の還付が受けられなくなります。
戸建て住宅を貸す側のメリット
戸建て住宅を賃貸に出す場合、いくつかのメリットが考えられます。
その一方でデメリットもあるので、両方をよく吟味し貸主にとって利益が大きい方法を選ぶことが大切です。
戸建て賃貸を貸す側のメリットには下記の点が挙げられます。
- 月々の安定収入が得られる
- 借主を見つけやすい
- 借主に売却することができる
月々の安定収入が得られる
戸建て住宅を賃貸として貸し出す場合のメリットは、まず毎月安定した収入を得られることです。
金利や固定資産税や都市計画税は経費として認めてもらえるため経済的にも優遇されます。
借主を見つけやすい
戸建て住宅の賃貸は物件数そのものが少ないために、入居希望者が切れることはほとんどありません。
不動産の市場では賃貸に住む場合、ほとんどの人がマンションやアパートを選択します。
けれど戸建て賃貸を希望する人は一定数おり市場は安定しています。
そのため空き家になる確率も低く、多くの場合安定して貸し出すことができます。
借主に売却することができる
貸主によっていつかは売却をしたいと思っていた物件の場合、長年住んでいた借主に住宅を買い取ってもらえるケースがあります。
条件にもよりますが、全く知らない人に売却するよりも効率的な売却につながるでしょう。
借主が買い上げてくれる可能性が高い点も賃貸物件のメリットと言えます。
戸建て住宅を借りる側のメリット
戸建て賃貸は貸主だけにメリットがあるわけではありません。
借主側にもいくつかのメリットがあります。
賃貸にするか購入するかをよく考え、よりメリットの多い方法を選ぶことをおすすめします。
戸建て住宅を借りることの具体的なメリットとしては下記の点が挙げられます。
- 初期費用が安くすむ
- 税金がかからない
- 充実したプライベートが過ごせる
初期費用が安く済む
戸建て住宅を購入するには初期費用が大変高くつきます。
多くの場合、頭金をはじめとし長い期間にわたる住宅ローンを組まなくてはならないからです。
賃貸の場合は、家計に負担のかからない住宅を選べば経済的にそれほど家計を圧迫することはないでしょう。
税金がかからない
税金関係でも賃貸の場合は負担が少なくなります。
固定資産税や都市計画税など戸建て住宅に住む場合支払わなければならない税金がありますが、賃貸の場合はそのような税金は全て家主の支払い義務になっているので借りている人は支払う必要がありません。
充実したプライベートが過ごせる
戸建賃貸の場合ペットを飼うことができたりガーデニングを楽しむなど、充実したプライベートを過ごすことができます。
集合住宅と違って戸建て住宅の方がプライバシーを守りやすいことも戸建て住宅ならではのメリットといえるでしょう。
戸建て住宅を借りるメリットは意外と多いので、戸建て賃貸の需要は常にあるのです。
戸建て住宅を借りる側のデメリット
戸建て賃貸を借りる場合にはデメリットもあります。
特に長期間にわたって借り続ける場合は、経済的にもデメリットは大きくなるでしょう。
戸建て住宅賃貸に住むことを選択した場合、その後のライフプランを具体的にしておく必要があるでしょう。
戸建て住宅賃貸の具体的なデメリットとしては次の点が挙げられます。
- 資産が残らない
- 設備の付け外しができない
- マンションに比べると防犯性が低い
資産か残らない
賃貸の場合はどんなに長く住んでいても自分の資産にはなりません。
後々子孫に資産を残したいと思った場合、土地も建物も残すことはできないのです。
一方持ち家の場合は、子孫に土地や建物を残したり賃貸することで家賃収入を得ることもできます。
設備の付け外しができない
戸建て賃貸の場合、取り付けられている設備の持ち主は家主ですから自分の判断で勝手に設備を付け外すことはできません。
クーラーを新しくしたいなど、必要とされる設備を設置したい場合はその都度貸主や管理会社に相談をする必要が出てきます。
マンションと比べると防犯性が弱い
マンションと比べると防犯性が脆弱な点が挙げられます。
マンションではデフォルトでついているオートロックや防犯カメラなどの防犯設備は、戸建て住宅の場合自分で用意する必要があります。
セキュリティの設備をつける場合でも、貸主や管理会社の許可を取らなければいけない点も戸建て賃貸のデメリットと言えるでしょう。
戸建て住宅貸家にもメリットとデメリットがありますね
将来にわたる資産計画をたてながら、賃貸にするか購入をするかを判断することが大切になってきますね
戸建て住宅を売却する
戸建て住宅を売却することを選択した場合はどのように買い手を見つければ良いのでしょう。
間に入ってくれる不動産会社を選ぶことから始まって、入金が終わるまでの手順を説明します。
今住んでいる戸建て住宅を売却する場合の手順は次のようになっています。
戸建て住宅の売却の手順
住宅を売却する際にはどのような手順で売却をすればよいのかをあらかじめ調べておくことが大切です。
少しでも良い条件で売却をするには、売り主が不動産売買について基本的な知識を身につけておくことが必要です。
不動産会社の中には残念ながら悪徳と呼ばれる不動産会社があります。
悪徳不動産会社に騙されないためにもあらかじめ売却の手順などを調べておきましょう。
一般的な戸建て住宅の売却の手順は次のようになっています。
- 売却する家の査定
- 不動産会社との媒介契約
- 売却のための販売活動
- 売買契約締結
- 不動産の引き渡し
以上の手順を踏み不動産の売却を行います。
ではそれぞれの項目について説明をしたいと思います。
売却する家の査定
まずは自分の家がいくらくらいで売却することができるかを査定してもらいます。
査定の場合インターネットで一度に複数の不動産会社に査定金額を出してもらうシステムがあります。
ぜひ利用することをお勧めします。
不動産会社との媒介契約
売却の条件がよく、信頼できそうな不動産会社を決めたら媒介契約を結びます。
不動産売買のコツは腕がよく信頼できる不動産会社を見つけることができるかどうかにかかっています。
単に査定金額が一番高額だったからという理由だけで不動産会社を選ぶのは危険です。
売却のための販売活動
不動産会社を選んだあとは、その不動産会社の担当者が販売活動を始めます。
販売活動に関してはほとんどのことを不動産会社に任せることができますが、内見の立ち合いなどはしなければなりません。
またできるだけ早く少しでも良い条件で売却したいと思っても、短期間に希望の価格で売却することができるとは限りません。
売却がどのような状況になっているのか、不動産会社には報告義務があります。
売り主も不動産会社にマメに進捗状況を確認しておきましょう。
売買契約の締結
買い手が決まったら売買契約を結び決済をします。
売買契約を結ぶ際に買主は不動産会社に所属している宅地建物取引士から買主に契約内容の説明を受けることになります。
売買契約を結ぶ際には、不動産価格の10%ないし20%の手付金を支払います。
手付金は契約解除を防ぐための補償金の役割を果たすお金です。
契約内容をきちんと理解してから手付金を支払うようにしましょう。
最終的な決済は多くの場合銀行で行われます。
売主、買主、不動産業者、司法書士が立ち会うことになります。
不動産の引き渡し
最後に不動産の引き渡しをして不動産の売却は終了します。
銀行で最終的な決済が行われた後に、不動産の引き渡しをします。
不動産の引き渡しは具体的には買主に決算代金の領収書と鍵を渡すことです。
仲介手数料
不動産の売買が終了した後に不動産会社に対して仲介手数料を支払う必要があります。不動産会社によって仲介手数料の金額は変わりますが、宅地建物取引業法で仲介手数料の上限額が定められています。
例えば、取引価格が400万円超の場合は、取引価格×3%+6万円(別途消費税)が仲介手数料の上限となります。
また仲介手数料は通常2回に分けて支払われます。
一般的には売買契約をした時に最初の半額を支払い、残りは物件の引き渡し時に支払うことになっています。
確定申告
不動産を売却して利益が出た場合は確定申告をする必要があります。
売却金額は譲渡所得として申告をします。
自分が住むための住宅を売却した場合は控除の対象になるケースがあり、不動産売買によって利益が出た場合でも納税をせずにすむことがあります。
ただし特例の控除を利用する場合は金額的に納税の必要がない場合でも確定申告をしなければなりません。
不動産会社の選び方のコツ
不動産会社の選び方で、不動産売買の成否が決まると言われるほど、不動産会社の選び方は大切なことです。
なるべく高い価格で短期間に売却するポイントは、売主も買主も納得できる価格をつけることです。
住宅の価値をきちんと見極めることができる不動産会社を選びましょう。
不動産会社の選び方としては、大手の不動産会社だけでなく地元の情報に精通した不動産会社を選ぶことも良い選択と言えるでしょう。
不動産売買のコツは不動産選びにかかっているんですね
確かに不動産会社の選び方で、売買が成功するかがかかっていると言っても言い過ぎではないですね
買い取りについて
不動産を売却する際には不動産会社に買い取ってもらう方法もあります。
買い取りは不動産を売却する相手が決まっていなくても、不動産会社が住宅を買い取ってくれるシステムです。
デメリットとして相場よりも安い価格で売却をすることになりますが、すぐに現金化する必要があるときなどは確実に売却できるというメリットがあります。
買い取りの手順
不動産を買い取ってもらうことになった場合、踏まなければいけない手順があります。
買い取りに関わる人は不動産会社と売り主だけですので仲介よりも簡単な手順で済みます。
住宅を買い取ってもらう場合は具体的に次のような手順を踏みます。
- 不動産の査定業者を選ぶ
- 買い取り金額の査定をする
- 買い取り金額を決める
- 物件引き渡し条件の確認
- 売買契約書の締結
- 入金及び引き渡し
不動産の査定業者を選ぶ
買い取りをしてもらう時にはまず不動産会社を決めます。
不動産会社を選ぶ際には、戸建て住宅の買い取りの経験が豊富な会社を選ぶようにしましょう。
どの会社を選ぶかによって買い取りの成否がかかっているので、慎重に選ぶ必要があります。
買い取り金額の査定をする
不動産会社を決めたら次に売却する不動産の査定をしてもらいます。
査定をしてもらう前に自分で売却する不動産の相場を調べておくと良いでしょう。
買い取りの場合、価格は仲介による売買の60%ないし80%が相場だと言われています。
売却価格を知ることで大体の買い取り価格を知ることができます。
もし自分で調べた価格よりも低い価格を提示された場合は、きちんと理由を聞くようにしましょう。
また査定の結果に納得できない場合は、他の不動産会社に査定を依頼してみましょう。
査定はできれば複数の会社にしてもらうことが理想です。
買い取り金額を決める
不動産会社と相談し、相場を確認しながら買い取り金額を決めます。
買い取りの場合は不動産会社と売り主だけで買い取り金額を決めることになります。
不動産会社を選ぶ時に買い取り経験が豊富な不動産会社を選んでおくと、スムーズに買い取り金額が決まります。
買い取り契約を結ぶ
査定をしてもらい価格に納得できた場合は、買い取りの契約を結びます。
価格に納得できない場合は、周辺の相場価格や過去の取引事例などを集め交渉をしてみましょう。
物件引き渡しの準備
物件引き渡しの準備として、売買価格が決定したら売却のスケジュール、必要書類などを確認しなければなりません。
その際に物件引き渡し時の条件も細かく詰めておく必要があります。
契約を締結すると同時に手付金を受け取ります。
契約を締結する時に残金がどのタイミングで入金されるのかをきちんと確認しておきましょう。
入金及び不動産の引き渡し
残金の入金が行われたら、不動産の引き渡しを行います。
当日は司法書士の立ち会いのもと、必要書類の確認や固定資産税などの精算金を受け取ります。
最後に鍵やその他の書類を渡し不動産買い取りは終了します。
不動産買い取りは取引の期間が短い点がメリットですが、その分多くの書類の用意や引き渡しの準備で忙しくなります。
不動産買い取りの場合、査定から売却代金の入金までおよそ1週間から1ヶ月程度の時間が必要です。
売却がスムーズにいった場合は1週間で入金されることもあります。
不動産会社を選定するための日にちを加えると、約1ヶ月で取引が完了すると考えていいでしょう。
不動産買い取りの種類
不動産買い取りについて説明してきましたが、不動産買い取りには即時買い取りと買い取り保証という二種類の取引方法があります。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、売り主が今置かれている状況をよく考え最も良い方法を選択することをおすすめします。
迷った場合は、不動産会社の人と相談の上決定すると良いでしょう。
- 即時買い取り
- 買い取り保証
即時買い取り
即時買い取りとは売り主と不動産会社で価格の交渉を行い、双方が納得のいく価格が決まったらその価格で不動産会社に住宅を買い取ってもらう方法です。
この場合市場での販売活動は全く行われず、売り主と不動産会社の交渉だけで決まります。
買い取り保証
買い取り保証とは仲介をしてもらい販売活動を行ったにもかかわらず一定期間買い手が決まらなかった時には不動産会社がその物件を買い取るという契約です。
買い取り保証の場合、価格はあらかじめ不動産会社と取り決めをしておきます。
仲介ではいつ買い手がつくかわからず売却まで時間がかかるというデメリットがあります。
けれど買い取り保証の契約をしておけばいつまでも、買い手がつかないという仲介のデメリットをカバーすることができます。
買い取り保証では仲介期間中に買い手が決まった時には仲介手数料が必要となりますが、買い取りになった時には仲介手数料を支払う必要はありません。
買い取り保証は仲介と買い取りのメリットを組み合わせた形の売買契約です。
買い取りを成功させるコツ
買い取りを成功させるにはなんといっても不動産会社の選定にあります。
買い取りの場合は安く買い叩かれがちですが、不動産会社の選定を誤らなければ納得のいく買い取りをすることができます。
不動産会社の選定のポイントをみてみましょう。
- 親身になって話を聞いてくれるか?
- 不動産の買い取り実績が豊富か?
- 売却する不動産のある地域に詳しいか?
親身になって話を聞いてくれるか?
買い取りの場合は価格の決め方が大きなポイントとなります。
売り主の希望や事情について親身になって耳を傾けてくれるかはとても大切なことです。
いろいろなケースについて親身になってくれる不動産会社を選びましょう。
売り主の希望も聞かずに一方的に自分の意見だけを押し付けてくる不動産会社は要注意です。
不動産の買い取り実績が豊富か?
価格を決める際に参考になるのは今までの買い取り実績です。
不動産会社によってマンションの売買が得意な会社もあれば、戸建て住宅の売買が得意な会社もあります。
戸建て住宅を買い取ってもらいたい場合は戸建て住宅の買い取り経験が豊富な会社を選ぶ必要があります。
過去の買い取り実績について確認することを忘れないようにしましょう。
売却する不動産のある地域に詳しいか?
不動産会社を選ぶ時に全国展開をしている規模の大きな不動産会社を選ぶケースと、地元に密着した古くからの不動産会社のどちらを選ぶかは直接アプローチをしてみなければわかりません。
大手の不動産会社は全国規模で買い手や借り手を見つけることに長けています。
地元密着型の不動産会社は今持っている不動産の地域に詳しく、その土地の情報を持っているケースが少なくありません。
いずれもメリットやデメリットがありますので、直接査定をしてもらうなどしてコンタクトを取ってみることが必要です。
買い取りと仲介の違い
不動産の売り方として仲介と買い取りにはさまざまな違いがあります。
希望の価格で売却したい場合は時間が多少かかっても仲介契約が良いでしょう。
相続などで誰も使用しない不動産を相続したけれど、相続人が現金で遺産分割をしたいので急いで現金化してほしいというケースの場合は買い取り契約の方が適当でしょう。
このように不動産の売り方は人それぞれです。
そこで買い取りと仲介の違いを表にしてみました。
項目 | 買取 | 販売活動 |
---|---|---|
買い取り | 不動産会社 | しない |
仲介 | 個人 | する |
買い取りと仲介のメリット・デメリットについてまとめています
項目 | 買い取り | 仲介 |
---|---|---|
仲介手数料 | 不要 | 必要 |
売却期間 | 短い | 長い |
瑕疵担保責任 | 免除 | あり |
売却の事実 | 知られない | 知られる |
売却価格 | 地上価格より1ないし3割安くなる | 市場価格 |
不利になりやすい条件 | 築浅物件・条件の良い物件 | 築古物件・条件の悪い物件 |
売却や賃貸に適した物件の選び方
戸建て住宅の家を購入しても手放さなくてはならない時がくるかもしれません。
売却を前提として購入する不動産を選ぶ場合はどのような物件を購入すれば良いのでしょうか。
戸建て住宅を売却したり賃貸に出す場合に有利な条件をみてみましょう。
- 立地が良い
- 環境がいい
- 築年数が浅い
- 日当たりが良い
- クセのない間取り
- 駐車スペースがある
以上のような条件が挙げられます。
全ての条件を備えている住宅は多くはないでしょう。
けれど有利な条件をひとつでも持っていたら、積極的にアピールすることで良い買い手や借り手を見つけることは十分に可能です。
立地が良い
立地が良いというのは、交通の便が良いということです。
最寄駅からどれくらい離れているのかで戸建て住宅の価値は違ってきます。
理想的な距離は最寄駅から徒歩10分以内と言われています。
特に人気のある鉄道会社の沿線は高い価格で売買されています。
ただし日常的に自動車で移動することが当たり前となっている地域では、あまり駅からの距離は問われません。
環境が良い
環境が良い戸建て住宅とは、大きなショッピングセンターや総合病院、役所、郵便局などが徒歩15分の圏内にある地域のことを指します。
また有名な学校が集まっているいわゆる文教地区は子育て世代には人気のある土地といえるでしょう。
築年数が浅い
戸建て住宅の場合築年数も重要なポイントのひとつです。
築年数の目安としては10年をめどに考えます。
戸建て住宅の場合10年以上経つと、外装やお風呂やキッチンなどの水回りが劣化しています。
ただこまめにメンテナンスをして丁寧に使っている住宅は築10年を過ぎていても、悪印象を与えることは少ないでしょう。
リフォームをする余裕がある場合は、あらかじめリフォームしておくことである程度カバーできます。
耐震性能を考えると築20年以上経つ戸建て住宅の場合は、更地にして売却することも視野に入れる必要があるでしょう。
日当たりが良い
住宅を選ぶ際に日当たりを重視する人は少なくありません。
南向きの家はそうでない家よりも資産価値が高く設定されています。
特に角地は風通しも良いため、好条件で売却することができます。
日当たりの良い物件を選ぶ際の注意点としては、南側に高い建物が立つ予定があるかどうかをあらかじめ確認してみることをおすすめします。
クセのない間取り
間取りも戸建て住宅を売却する時に大きなポイントになります。
最も人気の高い物件の間取りは一般的な戸建て建売住宅の間取りです。
また高齢化社会に伴ってバリアフリーの住宅が増えています。
部屋数が多少少なくても、ひとつひとつの部屋を広く取り家の中の移動が楽にできるような間取りになっていることが多く、高齢者にも抵抗のない間取りが人気となっています。
駐車スペースがある
駐車スペースがある戸建て住宅は人気があります。
広い道路に面している駐車スペースは出し入れがしやすいので大きなセールスポイントとなるでしょう。
売りやすい住宅というのはどのような住宅でしょう?
交通の便の良いところや環境が良い場所にある住宅は売りやすい住宅と言えますね
まとめ
戸建て住宅の場合一生住み続けることを想定して購入している人がほとんどですから、不動産をどうやって売却したり賃貸に出せば良いのか悩むところです。
売却にも賃貸にもそれぞれメリットとデメリットがあります。
状況に応じてどのような方法が最も適しているかを考えてみましょう。
売却するにしろ賃貸物件として貸し出すにしろ、成功の鍵を握るのは良い不動産会社や管理会社を探すことにあります。
不動産会社を選ぶ際に単に査定の金額が最も高かったからという理由だけで選ぶことは少し危険です。
最初に高い価格を提示し、後から諸費用などの名目で提示した金額より安い価格で買い叩かれるケースもあるからです。
優秀な不動産会社を選ぶことはなかなか難しいことですが、口コミなども利用して評判の良い不動産会社を探すことをお勧めします。