分譲マンションを購入したら、所有者の判断で建て替えを行う可能性があります。建て替えとは、建物を全て取り壊して更地にし、ゼロからマンションを建てることを指します。
リフォームと混同されがちですが、リフォームは部分的に改築したり修繕したりすることです。
建て替えとリフォームを混同しないように十分に注意しなければいけません。ただし、分譲マンションでは、リフォームに比べて建て替えを行う少ない傾向にあるのです。
そこで今回は、なぜ分譲マンションでは建て替えが少ないのかについて解説します。また、実際に建て替えることになったときの対策も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
分譲マンションにおける建て替えの必要性
そもそも分譲マンションにおいて建物を全て取り壊す必要はあるのでしょうか?
これから築年数が古かったり中古マンションの購入を検討している人は、正しく理解することで購入するときの対策にもなります。
まずは、分譲マンションにおける建て替えが必要な理由を見ていきましょう。
マンションの寿命はどれくらい?
マンションの寿命は、一般的に30~40年ほどといわれています。ただし、建物の寿命年数は明確に言い切れないのが現状です。
なぜなら、マンションが建てられたときの法律や建築技術がその時代によって大きく異なるからです。
ただし、たとえ最新の建築技術を取り入れた建物であっても定期的にメンテナンスをしないと、劣化が進むのが早くなります。
また、建物の劣化だけでなく設備や配線など、様々な劣化要因が考えられるので十分に注意しなければいけません。
近年は、耐震システムや耐久性のあるコンクリートを使用するなど建築技術や資材の耐用年数は劇的に向上しています。ただ、マンションの寿命目安を挙げるとしたら下記のとおりです。
管理状況 | 寿命年数 |
管理状況が悪い | 築40年~50年ほど |
管理状況が良い | 60年~80年ほど |
マンションの築年数が目安になることもありますが、建物が古いからといって寿命が短いわけではありません。
あくまで一つの目安なので、分譲マンションを購入するときは寿命だけで判断するのはやめましょう。
建て替えする必要はあるの?
分譲マンションに部分的な劣化が見られたら、修繕したり改築したりすれば十分にメンテナンスができているといえます。
ただ、どんなに丁寧にメンテナンスを行っていたとしても建物自体に寿命を迎えることもあります。そんな時は、建物を取り壊す建て替えの検討が必要になるのです。
マンションの劣化は、建物の設備や配線など様々なことが考えられます。その中でも最も影響を及ぼすのが、コンクリートだといわれています。
コンクリートはマンションの土台となる鉄筋や鉄骨を覆っており、酸化を防ぐ役割があります。
ひび割れなどコンクリートが劣化すると、十分な役割を果たせなくなるのです。その結果、酸化を防げなくなり、マンションを支える鉄筋や鉄骨にサビが出てしまいます。
小まめにメンテナンスを行うことで、コンクリートの急激な劣化を防げますが、やはり寿命には逆らえません。
コンクリートの寿命は、厚さが大きいほど耐用年数が長くなるといわれています。コンクリートの寿命の目安としては厚さ3cmで60年ほどです。
ただマンションの周辺環境や管理状況で劣化の進み具合も変わってくるので注意が必要です。
コンクリートに次いでマンションの寿命に影響を及ぼすのが、設備面になります。
たとえば、配管や給水、水回りなど日々使用する機器が挙げられるでしょう。また、近年は少子高齢化が進んでいるので高齢者に向けた設備も必要になります。
もちろん部分的な修繕を行うリフォームでも対応できる場合もありますが、建物自体より設備のほうが先に寿命を迎えることもあります。
また全ての部屋を修繕するとなると、建て替えるよりも費用がかかることも多いです。その結果、建物を取り壊す建て替えが選ばれることもあります。
分譲マンションを購入する際、築年数の長さも建物の劣化を知る上で重要な要素です。
ただ一方で、設備面は確認していない人も多いので意外と見落としがちです。購入してからすぐ建て替えになる可能性もあるので、設備面も十分に確認しておくことが望ましいでしょう。
分譲マンション建て替えが少ない3つの理由
分譲マンションの建物や設備面の寿命を迎えたら、建て替えになることもあります。
ただし、一般的に見ると、分譲マンションにおける建て替えは行われないケースが多いのです
数値で見ると建て替えを行う時期になっているにもかかわらず、実際に行うマンションは1割にも満たないという調査結果もあります。
分譲マンションにおける建て替えが少ない主な理由は3つです。それぞれの特徴を見ていきましょう。
建て替えの準備に手間と時間がかかるから
建て替え時期にもかかわらず実際に行動に移されないのは、準備に手間や時間がかかるからです。
分譲マンションにおける建て替えの準備から実施までの流れは、大きく分けて準備・検討・計画・実施の4段階になります。
まず、最初の段階は準備です。分譲マンションの建て替え時期になったら、住民に建て替えの合意を得なければいけません。
そのため、まずは住民を集めて集会を開き、建て替えにおける費用や工事の期間など話し合いが設けられます。
この時点で建て替えにおける疑問がある場合は、ここで解消しておくのが望ましいです。
もしここで反対意見が出た場合は、分譲マンションの建て替えは行えません。逆に言えば、賛成決議が出て初めてマンションの建て替えが行えるのです。
マンションの住人によっては、建て替えに反対な人もいます。
反対意見が出ると建て替えをなかなか進められないので、住人を説得させるために徹底的に準備する必要があるのです。
住人を説得して初めて建て替えにおけるスタートラインに立てるということです。
住人の賛成決議が取れたら、次は検討の段階に入ります。
マンションのコンサルタントなど専門家を交えて、そもそも建て替えが必要なのかマンションを確認する段階になります。
マンションの資材や設備状況によっては、修繕や改築などリフォームで十分な場合もあるのです。
住民の決議の前に建物の劣化状況を確認しないのは、コンサルタントなど専門家に依頼する場合は費用が発生する場合が多いからです。
そのため、まずは住民の賛成決議を獲得して、建て替えに進む場合に対応できるようにします。
またマンションの建て替えはリフォームよりも多額の費用がかかることが多いです。
できる限り費用を抑えたい場合は、リフォームと建て替えの場合でどちらが安いのかも検討します。
専門家も交えて検討した結果、建て替えが必要だと判断された場合は次の段階に進むのが一般的です。
次の段階は、計画です。計画とは、建て替えにおける専門家や協力者を剪定して建て替えにおける具体的な計画を明確にしていきます。
また、ここで建て替えの費用も明確にし、どれくらいの金額が必要なのか明らかにします。
ここで具体的な計画や費用が明確になったら、住民に向けた会議を設けて情報を共有します。住民の4/5の賛成を得られれば、マンションの建て替えを行うことが可能です。
計画段階で、建て替えにおける念密な計画が立てられれば、住民の理解も得やすくなるといえます。
計画段階を経てマンションの建て替えの実施が決定されたら、いよいよ実施段階に進みます。古いマンションを建て壊して、新しい建物を建築するのです。
新しいマンションを建築した後は、住民に再入居してもらい建て替えは完了です。
建て替えの準備や実施まで、10年以上かかることもあるといわれています。分譲マンションの場合は、住民がどれだけ賛成してくれるかで建て替えを実際に行えるかが決まります。
反対票が多くなると、その分建て替えの時期も遅くなるので住民に話す前に念密な計画を立てることが必要です。
建て替えに多額の費用がかかるから
内容 | 費用(60㎡で計算した場合) | 費用(円/㎡) |
解体 | 90〜120万円 | 1.5〜2.0万円 |
建築 | 1680万円 | 28万円 |
分譲マンションにおける建て替えは、住民の負担額が大きくなります。
マンションの広さや新しい建物の大きさにもよりますが、一戸当たり約1800万円~2000万円ほどになるといわれています。
なるほどです!
建て替え費用における内訳は、解体や建築、コンサルタントや専門家に支払う費用など様々です。
分譲マンションを購入したにもかかわらず、新たに多額の費用が発生してしまうのです。
そのため、十分な予算を確保できない住民は、マンションの建て替えを拒否するケースが多くなります。
ただし、マンションによっては1000万円ほどで抑えられる場合もあるので、自己負担が減ることもあるのです。
住民の許可を得られないとマンションの建て替えが行えないので、個人個人の負担を減らすために十分に考慮してくれています。費用に不満がある場合は、住民はここでしっかり自分の意見を伝えることが望ましいでしょう。
建て替えを行えない分譲マンションがあるから
マンションの中には、住民の賛成も取れて建て替えが行える状況になっているにもかかわらず、法律上建て替えが行えない建物もあるのです。
いわゆる既存不適格と呼ばれる建物のことで、一定の年数より前に建てられた建物は建て替えられません。
既存不適格に該当するマンションは、1970年~1980年に建築された建物です。
この時代に建てられたマンションは、旧法律を前提に建築されているので既存不適格に該当する場合が多いのです。
この場合は、たとえ住民の賛成を得られても建て替えは行えないので、リフォームなど部分的な修繕や改築を行うことになります。
1回ずつのリフォーム代は決して高くありませんが、定期的に費用が発生することが考えられるでしょう。
建て替えを行えない場合はどうするの?
耐用年数の長い資材や最新の建築技術を駆使してもマンションは、寿命を迎えます。特にメンテナンスを怠った場合はより早く劣化が進むこともあります。
ただマンションの劣化が進んでも建て替えができない場合があるのです。そのため、様々な方法で寿命を少しでも長くする方法があります。
まず、1つ目は修繕や改築を行ってマンションの寿命を延ばすことです。なぜなら、適切なメンテナンスを行えば、コンクリートや設備面など寿命が120年まで維持できるといわれています。
管理を怠るマンションも多いですが、建て替えができないとなると話は別です。
今ある建物で住み続けなければいけないので、正しいメンテナンスを行う必要があります。
特に配管や給水は劣化が出やすいため、定期的なメンテナンスは欠かせません。分譲マンションを購入する側の場合は、この点もしっかり考慮する必要があるでしょう。
2つ目は、敷地を売却することです。建て替えにおける法律の改正により、耐震性に不安が残るマンションの場合は敷地売却が可能になりました。
建て替えの決議をとることと同じように住民の4/5以上の賛成を得られれば、敷地を売却することができるのです。
敷地を売却することになれば、建て替え費用を負担するよりも発生する金額が抑えられる場合もあります。
また、高齢者が多く住む分譲マンションであれば、建て替え費用を負担できない人も多くなるので敷地売却の対象になりやすくなるのです。
住民の年齢層も分譲マンションを購入する上で確認すべきポイントだといえるでしょう。
分譲マンションの建て替えが決まったときの対策
分譲マンションにおける建て替えは、実施されるケースは多くありません。
しかし建て替えをしない可能性はゼロではないため、実施することになった場合を踏まえて対策を考えておくことが望ましいです。
そこで、ここからは分譲マンションの建て替えが決まったときの対策を紹介します。
参考になります!
不動産の売却を検討する
購入した分譲マンションの建て替えが決まったら不動産の売却を検討するのもひとつの方法です。
なぜなら、建て替え費用は住民が支払うことになるので多額の費用を負担することになります。ただし建て替えにかかる費用は、一戸当たり約1800万円~2000万円ほどかかります。
そのため、費用を工面できない人も多いのではないでしょうか。
また建て替えの検討から工事が完成するまで10年以上かかることもあるので、多くの時間を費やすことになります。
その間は別宅に住む必要があるため、住居探しや引越しなど手間もかかるでしょう。
また日本は人口減少が進んでいるので、今後不動産の需要は減少することが考えられます。
不動産を売却せずに保有し続けることで、売るタイミングを逃す場合もあるのです。
それなら一層のこと建て替えを行うタイミングで売却したほうが負担やリスクを軽減できます。
部屋の増設が可能か確認する
もし分譲マンションにおける建て替えに賛成する場合は、工事で部屋が増設できるか確認しておくことが望ましいです。
なぜなら、建て替えを行うにあたり住民が最も心配に感じていることはどれだけの費用を支払うことになるかです。
また建て替え費用は金額が大きくなるので、工面できるか心配に感じる人がほとんどでしょう。
ただし建て替えを機に部屋数を増やすことで、新しい入居者が入ることが予測されます。
その際は一人当たりの費用が削減できるので、お金の心配も軽減できる可能性があるのです。
逆に部屋の数が減る場合は要注意。一人当たりの負担額が増える場合も多いので、部屋の増設に関して事前に確認しておくことが望ましいです。
部屋の増設が難しい場合は、住民の賛成が得られない場合も多いので、部屋数を減らすことはあまり現実的ではないでしょう。
仮住まいにおける補助を確認する
分譲マンションの建て替えが決まったら、工事期間中は別の家に住むことになります。建て替え費用を支払わなければいけないうえに、住居探しや引越しなどでさらにお金がかかることになるでしょう。
お金に余裕がない人は、仮住まいにかかる費用を少しでも抑えたいと考えるはず。
ただし分譲マンションのオーナーによっては、仮住まいにおける引越し費用や仮住まいの手配を行なってくれる場合も多いです。
オーナーが仮住まいにおける費用を負担してくれるのは、住人の賛成を得られないケースが少なくないからです。補助制度を設けない場合もありますが、念のためオーナーに確認しておきましょう。
もし補助制度がない場合は、仮住まい探しや引越し費用は全て自分で支払う必要があります。
建て替え費用を支払うだけで精一杯の人は、建て替えに反対するのもひとつの方法です。他にも不動産売却したする方法もあるので、自分にとって一番最適な方法を選びましょう。
修繕の提案をしてみる
分譲マンションにおいて建て替えが本当に必要なのか検討してみるのもおすすめです。
なぜなら、劣化が進んだ部分だけを修理する修繕で十分な場合もあるからです。修繕であれば、毎月積み立てる修繕積立金を使用できます。
修繕積立金とは、分譲マンションの劣化に備えて住民が積み立てるお金のことです。
マンションの管理人は別に毎月支払うことになり、修繕や改築などに充てられます。ただ分譲マンションを保有するオーナーによっては毎月積み立てない場合もあります。
この場合は、別途支払うことになるので注意しなければいけません。修繕積立金がある場合は、そのお金で賄えるのでさらに費用を請求されることはないので安心しましょう。
しかしながら、修繕はあくまでその場しのぎの作業でしかありません。
今後建て替えを行う可能性も十分にあるので、その際は費用が必要になります。建て替え実施までの期間を伸ばすことで貯金をすることも可能です。
もし相談の余地があるなら、建て替えだけではなく修繕の提案をしてみるのがおすすめです。
高齢者向けの返済特例制度を確認する
分譲マンションに高齢者が多く住んでいる場合は、建て替えが提案されても反対意見を出す人が多くなることが考えられます。
なぜなら、人生の終わりが見える中で多額の費用を支払ってまで建て替えをしたいと考える人は多くありません。そのため、なかなか建て替えに踏み切れないケースも目立ちます。
そんなときは、高齢者向け返済特例制度を確認してみましょう。
高齢者向け返済特例制度とは、60歳以上の高齢者が住宅の工事を行うための融資を高齢者住宅財団が保証してくれる制度のことです。
毎月の支払いは利息だけになるので、高齢者の支払い負担が軽くなるのが大きな特徴です。
ただし、契約者が亡くなられた後は、相続人が一括で支払うことになります。もし分譲マンションでバリアフリーの工事を行う場合は、最大1000万円を融資してもらうことが可能です。
そのため、金銭的な負担が軽減されて分譲マンションの建て替えにも応じやすくなるでしょう。
返済特例制度を利用すると、相続した人はすべての返済を請け負うことになります。
その分の負担を考慮する必要はありますが、相続人と話し合ったうえ返済特例制度を利用するのもひとつの方法でしょう。もし分譲マンションにおける建て替え話が出たときは選択肢のひとつに入れておきましょう。
反対すると界隈化する可能性がある
分譲マンションの建て替えが進まないと、今後界隈化する可能性があります。マンションの界隈化は、寿命を迎えて劣化が進んだ建物のことです。
部分的に修理をする修繕を行っても、修繕はあくまでその場しのぎの解決策でしかありません。
そのため、いずれマンションは寿命を迎えることになるのです。寿命を迎えたマンションは建物としての価値も低減され、新しい住民を獲得することが難しくなります。
その結果、空室が目立ち運営自体困難になることがあるのです。このようなマンションのことを界隈マンションと呼びます。
建て替えを拒んだ末の界隈化されたマンションはデメリットしかありません。例えば、売却しようにも売れる気配が全くなかったり建て替え自体完全に不可能になったりすることがあります。
また住民のモラル低下が進み治安が悪化することもあるでしょう。
それでは、まずまず新しい住民の獲得は難しくなります。将来的に不動産運営を検討している人には最悪の結末になってしまいます。
建て替えには、多くの費用が発生することになります。しかし建て替えを行わないことで老朽化に繋がるので、その点もしっかり考慮して建て替えの賛否を検討することが必要でしょう。
建て替えの流れは?発生する費用は?
分譲マンションにおける建て替えを十分に考慮した結果、賛成を決めることもあるでしょう。
ただどのように建て替えが進むのか分からない人も多いのではないでしょうか。
一連の流れを大きく理解するだけでも今後も動きやすくなります。そこで、ここからは建て替えの流れを紹介します。また、建て替えにおける費用や内訳についても紹介しています。建て替えの費用相場を知りたい場合は、ぜひチェックしてくださいね。
分譲マンションの建て替えにおける一連の流れ
建て替えの一連の流れ | 内容 |
ハウスメーカー探し、建築プラン | ハウスメーカーを探して建築プランを立ててもらう |
住宅ローンの申し込み | 金融機関にて住宅ローンの申し込みを申請する |
建築の解体業者 | 建築の解体業者を探して依頼する |
仮住まい探しと引越し準備 | 仮住まいを探して引越し準備を始める |
地盤調査 | 地盤基準を満たしているかを確認する地盤調査を行う |
解体工事と新築マンションの着工 | 解体工事を行なって新築マンションを着工する |
まず1つ目は、住宅を建てるハウスメーカーを探します。
ハウスメーカーの探し方は、インターネットを活用したり住宅展示会場に出向いたりするのがおすすめです。
ただし依頼する業者を間違えるとトラブルに巻き込まれることもあります。そのため、信頼できる業者を探す必要があります。
ただ初めて業者を選ぶ人は何を基準に選べばいいか分からない人も多いです。
そんなときは、知り合いに紹介してもらうなど信頼できる業者を選ぶことがとても重要になります。
信頼できる業者が見つかったら、次は建築計画や見積もり書を作成してもらいましょう。
2つ目は、住宅ローンの申し込みです。
分譲マンションの建て替えには多額の費用がかかります。信頼できる業者が見つかっても住宅ローンが組めないとなると、実際に実行することはできません。
そのため、業者探しと並行して住宅ローンの申請を行うことが重要です。
3つ目は、建物の解体業者を探すことです。
ハウスメーカーによってはマンションの解体まで請け負ってくれることもありますが、中には対応してくれない場合もあります。
もし選んだハウスメーカーが解体を請け負っていない場合は、別で解体業者を選ばなければいけません。
マンションの解体作業は、建物の大きさなどにもよりますが長くて2ヶ月ほどを考えておくといいでしょう。
また解体にかかる費用は業者によって変わることも多いので、複数の業者に見積もり作成を依頼して見比べるのがおすすめです。
無料で見積もり作成してくれる業者も多いので、気になる業者には依頼してみましょう。
4つ目は、仮住まい探しと引越し準備です。
住宅ローンの審査が通りハウスメーカーや解体業者を見つけたら、実際に工事に進むための今後のスケジュールも明確になります。工事が始まる前に引越しを行わなければいけません。
工事の期間もマンションの規模によって異なりますが、短いようであればマンスリーマンションなどを検討するのもよいでしょう。
ただ工事が長くなる場合は生活環境を整えるために別のマンションに住み変えたり実家に居候させてもらったりするのがおすすめ。引越し先に移動できない家具などはトランクルームに保管する方法もあります。
5つ目は、解体工事に入る前の地盤調査です。
地盤調査とは、地盤の強度が基準を満たしているかの確認作業になります。
地盤調査で強度が不十分だと認定された場合は地盤の改良が必要になり、解体のスケジュールが遅れることもあります。
着工日が遅れると、その分完成も遅れるので仮住まいの賃料がかかるデメリットがあります。
6つ目は、解体工事と新築マンションの着工です。
地盤の確認が済んだら、早速解体工事に入ります。大まかな流れとしては、足場を設置から始まり、人体や重機を利用した解体、基盤の撤去などがあります。解体が修理したら新築マンションの着工の開始。
新築マンションの着工から引き渡しまでは5ヶ月ほどが目安になります。
建て替えにかかる費用相場と内訳
分譲マンションにおける建て替え費用は、一人当たり1800万円~2000万円が相場になります。
ただし、新築されるマンションの大きさや部屋数によって費用も大きく変わるので、明確な金額を知りたい場合はオーナーに直接確認しましょう。
内訳 | 費用目安 |
解体費用 | 鉄骨(1坪あたり3〜6万円)鉄筋(1坪あたり4〜7万円) |
登記費用 | 約5万円 |
測量費用 | 約30万円 |
地盤調査費用 | 約5万円〜25万円 |
引越し費用 | 約10万円 |
設計・建築費用 | 1坪あたり50万円 |
また分譲マンションの建て替えでかかる費用は、建て替え費用だけではありません。仮住まいへの引越しや契約金、生活費なども考慮する必要があります。
その点もしっかり考慮してお金を工面することが必要です。建て替えにかかる費用の内訳は以下のとおりになります。
まとめ
分譲マンションにおける建て替えは、頻繁に行われるものではありませんが、建物の劣化により建て替えが行われることもあります。
また、建て替えにかかる費用はマンションの住人に支払い義務が生じるため、建て替えに応じた場合は多額の費用を用意する必要があります。
もちろん建て替えに進む前に、住人に対して賛成の有無を確認する集会が設けられます。
ただしお金に余裕がないからといって建て替えを引き伸ばすと、マンションの界隈化が進むので将来的に価値のないマンションになることもあります。
その点もしっかり踏まえて建て替えに反対するか決断するのが望ましいでしょう。