不動産の売買などをしていたら、登記事項証明書を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
初めて聞く方もいらっしゃるかと思いますが、どんな不動産で権利は誰にあるのかなど、登記の内容が載った書類になります。
こちらの証明書には種類があって、その中の1つに閉鎖事項証明書があります。
この記事では、閉鎖事項証明書について分かりやすく解説しているので、是非参考にしてください。
目次
閉鎖事項証明書とは何?
閉鎖事項証明書とは、土地や建物の公開されなくなった登記の内容が載っている書面のことを言います。
閉鎖謄本とも呼びますが、こちらは内容が一緒ですが紙の台帳でまとめられていたもので、現在はコンピューターの普及によりデータ化されているため、呼び名が閉鎖事項証明書となっています。
通常、登記の内容は過去の情報も記されていきますが、公開が閉ざされた記録に関しては閉鎖になり、書面に載らなくなるのです。
種 類 | |
不動産 | 閉鎖事項証明書現在事項証明書全部事項証明書 |
法人 | 閉鎖事項証明書履歴事項証明書現在事項証明書 |
登記の種類には不動産と法人があって、各3つの登記事項証明書を入手できます。
現在事項とは、今の登記の内容が記されている書面になるので、昔の登記は載っていません。
全部事項とは、その名の通り全部の登記内容が記されているものになります。
しかし、閉鎖事項は全部事項証明書に載っていません。
閉鎖事項は他の証明書にはない限られた情報が確かめられる書類です。
登記の活用法
閉鎖事項証明はどのような時に使われているのか紹介していきます。
不動産と法人で使われ方は違ってきます。
不動産の使い方
- 土地の過去の履歴を調べる
- 取り壊されて今はない不動産の証明
不動産では上記のような時に使います。
土地の昔の記録を調べる
土地は、建物と違って劣化して解体することなどがないので、かなり古くからあって、過去の内容は大体が閉鎖になっています。
したがって、この土地は本来どういった活用をしていたのかを、昔の記録を調べる方法として閉鎖事項が使われているのです。
例えば、家を建てるために土地を購入する時は、昔に工場や産業廃棄物場のような建物があった土地だと、土の中が汚染されていそうで不安になる人も多いです。
昔、沼地だった所も地盤がゆるくないかなど調べるために活用する時もあります。
土地の元々の状態を知るには、昔の記録を見ないとわからないので、土地を調べる方法で閉鎖事項証明書は役立ちます。
取り壊されて今はない不動産の証明
合筆(土地をまとめること)したことで閉ざされた土地の内容や、解体、劣化などで壊れてしまった建物の記録が、閉鎖事項には記されています。
不動産が昔、本当にあったのか明確にするには、閉鎖事項証明書が使われることが多くあり、不動産の権利を証明する時にも使用されるでしょう。
法人の使い方
- 履歴事項証明書の昔の記録を確かめる時
- 合併や場所を移した記録を確かめる時
法人は、不動産の使い方とは別になるので、一緒にしないようにしてください。
履歴事項証明書の昔の記録を確かめる時
法人の登記の場合、昔の記録を探るためには、履歴事項証明書を使います。
とはいえ、履歴事項で過去の情報を調べるには限度があるので、さらに昔の記録を入手するために閉鎖事項が必要になるのです。
履歴事項の内容には、3年前の1月1日からの履歴が記されているので、それよりもっと前、3年以上前の情報を知りたい時は閉鎖事項を確かめます。
合併や場所を移した記録を確かめる時
法人の登記だと、合併などで閉ざされた記録を確かめるため、閉鎖事項証明書を使います。
他の会社に吸収されて合併になったり、有限会社から株式会社に変わったり、倒産したりという記録も閉鎖事項に記されるものとなっています。
3年以上前の記録は閉ざされてしまいますが、他にも変わったことがあれば登記の記録は閉ざされてしまうので、それらを明らかにするため閉鎖事項を使用するものだと認識しておきましょう。
閉鎖事項の見方
次に書類の見方を説明していきます。
書類には下記の項目によって記されている内容が違ってくるので、それぞれ具体的に紹介します。
- 表題部
- 権利部(乙区)
- 権利部(甲区)
- 表題部
表題部には不動産の面積など基礎となる内容が載っています。閉ざされた理由もここで分かるようになっていて、土地と建物は別になり下記の項目で記録してあります。
土地の場合
- 所在:土地の場所
- 地番:登記の時に付けられた番号
- 地目:種類のこと(畑や宅地など)
- 地積:面積のこと
- 日付:登記の日
- 閉鎖の原因
建物の場合
- 所在:住所
- 家屋番号:登記の時に付けられた番号
- 種類:事務所や居宅など
- 構造
- 床面積
- 日付
- 権利部(甲区)
所有権のことについて記録されている所です。昔誰が持ち主だったのか確かめることができます。移転したことや、処分したことなども分かります。
- 順位番号:順番に記されている
- 目的:何で登記されたか載っている(所有権移転など)
- 日付・番号
- 権利者
- 権利部(乙区)
所有権以外の権利に関して記録している所です。例えば、抵当権などになります。
抵当権とは、家など買う時に融資を受けますが、銀行は家を担保にできる権利のことです。
- 順位番号
- 目的:(抵当権抹消や設定など)
- 日付・番号
- 権利者
入手の準備
閉鎖事項証明書を取得するにはどのような方法があるのか分かりやすく解説していきます。
勉強になります!
最初に用意しなくてはいけないものがあります。
- 登記事項証明書交付請求書
- 不動産の家屋番号と地番
こちらの書類と手数料もかかってきます。
登記事項証明書交付請求書は、「法務局 各種証明書請求手続」こちらから入手できるので、必要な項目を書いておきましょう。
また、地番と家屋番号と、他にも登記で登録している住所も必要になります。
登記の住所と今住んでいる住所は違っていることがあるので、必ず登記上の住所であることを確認しておきます。
家屋番号の調べ方
家屋番号に関しては、法務局に行って聞いてみるか、電話でも聞くことはできます。
問い合わせする時には、建物の部屋番号、名前、地番を聞かれるので確かめてからにしてください。
地番の調べ方
地番はいくか色々と方法があるので、それぞれ解説していきます。
法務局
実際に法務局に行って聞いてみるか、又は電話でも確かめられるので、その時は不動産の住所を聞かれるので把握しておくようにします。
ブルーマップ
役所や図書館などで見ることができます。法務局だと無料で確認ができるのでおすすめです。
ブルーマップとは地番の情報を上から重ねた地図になり、内部が青いためブルーマップ呼ばれています。
登記情報サービス
下記のようなネットからも調べられます。
登記情報提供サービス
こちらのサービスの使い方は、最初に「一時利用」を選んで、必要な項目を入力。
規約に同意をして自分の情報を入力すると、メールにIDとパスワードが送られてきます。
ログイン後、不動産請求を選択したら検索を選びます。
左の欄に住所を検索する項目が出てくるので、クリックすると地番が見られるように。
ブルーマップに載っていない地番に関しては調べられないので、その際は法務局へ問い合わせてみてください。
役所
有料になりますが、職員に聞くと調べて貰えたり、ブルーマップで調べたりできます。
公図
ブルーマップには載っていない情報が公図で分かります。
境界線の正しい位置が分かるので、将来的に隣の人と境界について揉めるようなことは防ぐことができるでしょう。
公図は有料で、前述したネットの登記情報サービスや法務局から入手できます。
公図を入手するためには申請書を出さなくてはいけないです。
自分の名前や住所を書いたら、「閲覧」、「証明書」と選べるので、証明書を選択してから図面の種類をチェックします。
閲覧にしてまうと見るだけなので証明書を選び、申請書を出したら公図を受け取れます。
他にも登記識別情報と納税通知書も確かめておいてください。
書類を取得するには2つの方法がありますが、次にそれぞれ紹介していきます。
法務局で入手する方法
閉鎖事項証明書を入手するには、法務局で受け取れる方法があります。
昔は、管轄の所ではないと入手できなかったのですが、今はオンラインで繋がっているので全国どこでも近くにある法務局で取得が可能になりました。
また、以前は昼休み時間には手続きできなかったのですが、現在は平日の8:30〜17:15の時間なら入手できます。土日祝日、年末年始は申請できません。
事前に用意しておいた、交付請求書を窓口に出します。
法務局でも請求書を貰えるので、現地で書いて出すことも可能です。
記入する時は、消えないように黒のボールペンなどで書いてください。
法務局にある端末でも入手ができます。
端末を使うなら、最初に用意しておいた交付請求書は要りません。
端末で申請するなら書く必要がなく便利なので、おすすめです。
また、今は大体がデータ化になっていますが、データで管理されていない内容もあるので、そういった時は法務局などで手に入れてください。
オンラインで入手する方法
ネットからも申請もできますが、実際に書類を入手するには法務局か、郵送で受け取ります。
最初に「登記・供託オンライン申請システム」でアカウントの登録。
登録は最初だけなので、次回からはIDとパスワードでログインすれば良いです。
登録が終わったら、トップ画面にある「かんたん証明書請求」をクリックして申請を行います。
閉鎖事項証明書の請求を選びますが、他の種類もあるので間違えないで操作してください。
オンラインで実際に入手する時は、法務局か郵送ですが、法務局に取りに行く場合は、8:30〜21:00の間で受け付けてくれているので、窓口で申請するより時間を気にしなくて良いです。
さらに、オンラインで申請して直接取りに行った方が手数料も安く済みます。
しかし、直接取りに行くのに交通費が結構かかるのなら郵送で受け取った方が良いでしょう。
入手する時にかかる手数料は以下になります。比較してみてください。
取得方法 | 入手方法と手数料 |
法務局などの登記所 | 窓口で申請 600円 |
オンライン | 窓口で受け取り 480円郵送 500円 |
郵送で取得する際にかかる日数ですが、手数料を払ってから2日前後で発送してくれるので、1週間以内には届くでしょう。状況によっては日数がかかることもあります。
注意して貰いたいことがあって、オンラインだからいつでも申請できると思いがちですが、実は時間が決まっていて、平日の8:30〜21:00までとなっています。
法務局と同じで、土日祝日、年末年始は受け付けていません。
予め日時を確認してから申請の手続きをするようにしてください。
証明書を入手する方法は2つありましたが、閲覧だけで良いなら「不動産登記情報サービス」もあります。
不動産登記情報サービス
閉鎖事項の閲覧だけで良いならネットから見るのをおすすめします。
分かりました!
地番検索でも紹介した「登記情報提供サービス」から調べられるので、法務局へ行ったり、ネットで申請したりする必要はありません。
PDFファイル形式での取得になり、こちらのサービスは不動産以外にも法人や商業の登記も見ることが可能です。
メリット
登記情報サービスは、証明書を直接取りに行ったり、ネット申請して郵送して貰ったりするよりかは手数料が安いです。
そして、家から一歩も出なくても確認できるので交通費はかからず、時間とお金の節約になります。
デメリット
登記情報サービスのデメリットは、登記の内容を閲覧するだけなので、PDFファイル形式で入手しても、法的な証明力はありません。
また、印刷はできますが証明書としては利用できないので、法的なことで使いたい時は、法務局で入手する必要があります。
登記の情報を見るためには申請する時と同じく、家屋番号や地番を把握しておかなくてはなりません。
こちらのサービスもオンラインなのですが、利用できる日時に制限があります。
平日の8:30〜21:00の間なら利用ができて、土日祝日と年末年始は調べられません。
時間外になるといきなり手続きが切断されてしまう恐れがあるので、日時には気をつけておくようにしましょう。
利用料金
証明書を法務局で入手すると600円、ネットだと480円かかりますが、登記情報サービスの閲覧だけなら、さらに料金が安くなります。
不動産、法人、商業の全部事項 | 335円 |
不動産登記の名義人のみ | 145円 |
他にも、最初にサービスを利用するにあたり、登録手数料がかかります。
初期登録費用 | 支払日 | |
個人 | 300円 (クレジットカード) | 都度払い |
法人 | 740円 (銀行から引き落とし) | 翌月の27日 |
サービスを利用する際の順序
登記情報サービスを個人で使って見るには下記の流れになります。
- ホームページを開いたら、メニューにある「個人利用」の申し込みをする
- 「契約約款と個人情報の取り扱い」を確かめたら「同意する」を選択
- 登録の画面に変わったら必要な項目を入力して「次へ」をクリック
- 入力した内容に間違えがないか確認したら「登録」をクリック
- 登録が終わって、登録完了通知書が届くまで1週間位かかる
- 通知書が送られてきたらIDが載っているので、パスワードと一緒にログインをして利用可能になる
サービスの注意点
登録する際に、個人だとクレジットカードになります。プリペイドカードやデビットカードは使えない可能性があるので、問い合わせてみてください。
また、登録手数料を払わずに一時的な利用もできますが、毎回IDを取得しなければいけないのと、クレジットカードを入力することが手間になります。
初めての利用時から4ヶ月間は、既に入手した登記情報のPDFファイルで見られます。
しかし、一時利用だと再び新しい登記を確認したい時、IDを取得してクレジットカードの入力をしなくてはいけません。
よって、最初の登録手数料は個人だと300円になりますが、このような手間があるなら登録をしておくことをおすすめします。
閉鎖事項の注意点
閉鎖事項証明書を入手するには、注意しておくことがあるので、予め確認しておきましょう。
古い記録は破棄されている
閉鎖事項の情報は、土地の登記簿で「50年」、建物の登記簿で「30年」は、とっておいて貰えますが、かなり古いものは破棄になっていることがあります。
1988年7月1日より前に閉ざされた不動産の登記は、今と異なり20年の保存になるので気をつけましょう。
利用時間を確認する
前述したように、証明書の入手は基本的に平日のみとなっています。
法務局だと平日の8:30〜17:15なので、平日仕事の方はお昼休みに行くことになります。
そのため、お昼の時間帯は混み合うことが多いので注意してください。
法務などによっては、利用時間が違ってくるので、確認しておくと良いでしょう。
また、オンラインでの申請も平日のみなので、ネットだからと言っていつでも利用できないことは念頭に置いておきます。
登記所の統廃合によって管轄が変更
ネットでも申請できるようになってから、統廃合が増えています。
直接窓口へ行きたい場合、閉まっている可能性もあるので、訪問する前にはネットか電話で確かめてから行くようにしましょう。
法人の閉鎖事項証明書について
最初の方でも少し触れましたが、不動産と法人の閉鎖事項証明書は別の使い方になります。
ここからは、法人の登記についても紹介していきます。
閉鎖事項の内容と必要になる時
法人の閉鎖事項の内容は不動産と違うものが記されています。
- 法人名
- 本社住所
- 代表取締役の名前
- 支店住所
- 支配人の名前
- 社名変更
- 合併や分割
- 清算結了について 等
閉鎖事項証明書が必要になる時は、履歴事項に載っていない情報を知りたい時です。
基本的には閉鎖事項を入手すると分かることが多いです。
例えば下記のような時に入手します。
- 住所が変わったことを証明しなくてはいけない時
- 合併があったことを明らかにする時
- 支配人登記がされているのか
- 清算中であるのか
- 清算結了の登記はしているのか 等
また、法人の閉鎖事項の入手の仕方も不動産と一緒になるので、確認しておきましょう。
次は、法人登記簿謄本について紹介していきます。
登記簿謄本について
法人登記簿謄本は、会社の様々な情報が載っていて、例えば会社の名前や役員名、住所などです。
会社を立ち上げる時には登記をする必要があります。
登記をしないと法的に守られた地位になる、法人格を得られないからです。
また、法人の登記には株式会社と合同会社の2つの種類があるというもの。
次に法人登記簿謄本が必要になる時を解説します。
会社の情報を明らかにする大切なものです。手続きが円滑になるように把握しておきましょう。
登記が変更になる時
登記の内容に変わることがあった時は、書類を入手して手続きをしなくてはいけません。
変更になる主な項目はこちらです。
- 会社の名前が変わる
- 役員が変わる
- 発行可能株式数が変わる
- 事業目的が変わる
上記の中でよく変わることがあるのは、役員の変更です。
株式数や事業目的に関しては、長期間変わらないこともあります。
登記の情報を変える手続きをしている最中は、今までの登記書類を申請できないので、登記簿が必要になるのが分かっていれば、変更の前に入手しておきましょう。
税理士に出す時
確定申告をする際に、法人登記簿謄本を出さなくてはいけない場合があります。
しかし、登記の情報を変える時のように必須ではく、税理士によって必要になるか決まります。
書類を出さなくてはいけない時は、申告の内容と矛盾点があった場合です。
資本金などのお金に関わる内容に間違いがないかチェックします。
そのため、税理士との面識がまだ浅い段階だと、書類を求められることがあるので、入手しておく必要があるというもの。
税理士がずっと同じ人なら登記の内容を理解しているので、特に必要になることはないでしょう。
融資を申し込む時
会社の規模を大きくするなど、資金を調達する時には、融資を受けることになります。
融資の申請には書類をいくつか出さないといけないのですが、法人登記簿謄本も必要になります。
勉強になります!
融資の際には、紙の登記簿謄本を出すように言われるので、ネットからデータだけを入手するのではなく、紙の書類が必要になることを把握しておいてください。
また、補助金を受ける時も同じく紙の登記簿が必要になります。書類を準備するには時間がかかるので、早めに揃えておけるように段取りをしておきましょう。
法人で申請する順序
法人登記簿謄本を入手する順序をこれから紹介していきます。
申請の仕方を決める
申請の仕方は、法務局と郵送、オンラインの3つから選べます。
家の近くに法務局があるならば、分からないことは直ぐに質問できるので、直接行って申請するのがおすすめです。
ネットから申請すると郵送して貰えるため、家から出なくても良いので楽になります。
データでの入手は、融資などで必要になった時に役立たないので注意してください。
交付申請書
申請の仕方を決めたら、交付申請書に内容を書いていきます。
項目はこちらです。
- 名前
- 法人名
- 法人番号
- 所在地 等
法務局で手続きするなら、法務局のサイトから申請書を入手し、用意してから行きましょう。
法務局 登記事項証明書(商業・法人登記)・印鑑証明書等の交付請求書の様式
登記簿謄本を入手して手数料を支払う
申請書を書き終えたら、手数料を払って登記簿謄本を入手します。
不動産の時と同じ手数料で、窓口だと600円、オンラインは480円になります。
書類の入手方法ですが、こちらも不動産と全く一緒の流れになるので、確認してみてください。
登記簿の見方を把握すること
登記簿謄本は、従業員や役員など会社の関係者以外の人でも申請することが可能です。
会社の情報を確かめるために申請することもありますが、会社の実態を証明するにも役立ちます。
証明できることで、取引先とも問題なく円滑な取引ができるというもの。
新しい会社が取引先として現れた時、その会社が提示してくれた内容に間違いがあるかどうか、その場で確かめることができません。
会社のホームページを見ても明確な部分は分かりづらいので、そのような時には登記簿謄本を入手して確認できます。
もし、矛盾する点があった場合は、事前にリスクを回避することになります。
自分の登記簿だけでなく、他の会社の書類も申請して活用するのも重要です。
そのため、登記簿見方は把握しておくようにしましょう。
閉鎖事項証明書以外の書類について
最初にも紹介しましたが閉鎖事項証明書は、登記事項証明書の一種になります。
ここでは不動産関連の閉鎖事項以外の書類についても、解説していきます。
登記事項証明書の種類
2008年に日本の登記簿が全てオンライン上でやり取りができるようになり、登記情報をデータ化し印刷して証明するものが登記事項証明書です。
登記事項証明書には閉鎖事項以外にも以下の種類があります。
全部事項証明書
全部と付いていますが、そのままの意味で、登記されてから今までの情報が全部記されている証明書です。
売買取引をする時は、この全部事項が載っている書面を出せば間違いはありません。
全部と言いましたが、閉鎖事項の内容までは記載されていないので、注意してください。
現在事項証明書
登記の内容で現在、有効になるものだけが載っている証明書です。
今はどのような権利があるのかを明らかにするための書類なので、抵当権が外されたことなどの以前の記録は載っていません。
そのため、昔の記録を伏せておきたい場合はおすすめになります。
一部事項証明書
全部事項の中の一部の登記を明らかにする書面になります。
一部の情報だけを証明する時に入手しますが、マンションの情報を得る時はこちらの書類を選ぶと良いです。
大規模のマンションは沢山の持ち主がいて、それぞれの部屋に権利があります。
全部事項を入手してしまうと、マンション全部の情報が記載になってしまうので、書類は50枚以上になってしまうこともあるでしょう。
したがって、一部だけの情報を証明する時には、こちらの書類を使用すると良いです。
登記事項要約書
現在事項と同じ内容になっていますが、証明書としては使えないので、簡単に言うと資料として使用されます。
昔はデータではなく、原本しかなかったため、登記簿を見た時にメモを取れる書類というのが要約書になります。
法務局で入手できますが、簡単な内容の書面です。
登記事項証明書を利用する時は
書類が必要になる時は色々なシーンがあるので、それぞれ紹介していきます。
ローンを申請する時
家を購入する際には融資を受けますが、その時には全部事項を用意します。
家を担保にしてローンを組むので、担保になっている不動産の情報が証明できなければ融資を受けられないこともあります。
また、抵当権を外す手続きをする時にも、全部事項が必要です。
不動産を売る時
家など不動産を売るときは全部事項を用意しなくてはいけません。
家だけではなく土地も売るのならば、2つの書類が必要になります。
一方、戸建てではなくマンションを売るなら、名義人だけで良いので一部事項の書類を用意します。
相続する時
相続する時も全部事項が必要になります。
前の所有者との関係性を証明するものになるので、相続をすることになったら用意しておくと良いです。
ローン控除を受ける時
住宅ローンを組んでいる場合は、ローンの控除が受けられることがあります。
控除を受けるには、ある条件を満たしている必要があります。
また、控除の申請は確定申告の前に行っておかないといけません。
申告する際に、税務署に出す書類が必要になってくることがありますが、ローン控除には登記事項証明書を提出します。
戸建ては全部事項、マンションは一部事項、の証明書を用意して申告してください。
登記事項証明書の注意点
証明書を入手したら、記録されている内容をしっかりチェックします。
内容を把握できていれば、取引する際にはトラブルなど防げるでしょう。
権利部の所有者をチェック
証明書には権利部の欄がありますが、こちらに載っている所有者が、本物の持ち主であるのか確かめる必要があります。
権利部に記されている人は大体が、本物の持ち主であることが多いのですが、中には本当の持ち主ではないケースもあるので気をつけなくてはいけません。
不動産の売買では普通、契約した後に移転登記を行います。
ところが、相続などで持ち主が変更になっていたら、移転登記をしていないことがあります。
さらに、相続が決まった時に身内で争うこともあり、そのような時は移転登記がされていないこともあるでしょう。
権利部の登記は義務ではないので、持ち主が違う場合もあるため、必ず今の所有者を確かめてください。
抵当権のチェック
こちらも権利部の欄になりますが、抵当権が付いているか外されいるのか、チェックします。
抵当権が付いている不動産なら、権利部に表示がされているはずです。
権利部の乙区に銀行の名前が載っていて、その部分に下線が引かれていなかったら、抵当権は付いているということです。
抵当権が付いている不動産を購入してしまうと、トラブルになってしまいます。
抵当権が付いている状態だとローンがまだ残っていることになるので、抵当権が付いている不動産を買った場合、前の持ち主がローンの支払いが滞ってしまったら、突然競売にかけられてしまう事態になりかねません。
そのため、抵当権がきちんと抹消されているか確認してください。
証明書は使い方によって入手する
登記事項証明書は、不動産の今までの記録が載っている書類です。
登記してある不動産の情報は1つだけですが、その情報の中で何を証明したいのかで、入手する書類は違ってきます。
基本的に、不動産の取引で使用するのは全部事項証明書を入手すれば間違いはないです。
ただし、前述したようにマンションの登記の場合は膨大になってしまうため、一部事項を選びます。
銀行や税務署で必要になったときは現在事項を。
証明書には種類がありますが、このように証明したい部分によって証明書を選ぶ必要があります。
間違えてしまっては時間とお金がかかって無駄足になってしまうので、きちんと確かめてから何の証明書にするのか選んで入手しましょう。
まとめ
登記事項証明書には色々な種類の証明書があります。
閉鎖事項の内容は、他の証明書には記載されていない過去の情報があります。
また、不動産と法人では内容は異なりますが、登記を証明するのは同じ。
不動産では、合筆した土地だったり、建物が壊滅してしまったりした情報は閉鎖事項に記載されます。
法人では名前が変わったり、移転したりした時の過去の記録は閉ざされてしまうので、閉鎖事項に記されます。
このような閉ざされた履歴を知るためには、閉鎖事項証明書が必要になるのです。
ただし、注意しておきたいのは閉鎖事項の情報は、土地が「50年」、建物が「30年」の情報になるのでそれより前のものは破棄になっているということ。
さらに、1988年前に閉ざされた不動産の登記は20年のみの保存なので、古すぎると入手ができません。
昔の記録を確認したい時は、なるべく早くに申請することをおすすめします。
申請の方法もネットが便利なので、この記事を参考にして頂き、交付請求してみてください。