アパート経営の基礎知識と空室対策
人気のあるアパート経営
土地を持っていて活用したいと考えている人に、アパート経営はとても人気です。
アパート経営では一棟まるごと所有して経営するのが基本で、入居者がいる限り一定の収入を得続けることができるのです。
将来的な資産作りや現在の生活でもう1つの収入源を確保したい場合は、とても合っている方法だと言えるでしょう。
また、固定資産税や相続税上のメリットもあるため、土地をただ持っているだけよりも節税対策が可能です。
アパート経営をする場合、建物の維持管理はもちろん、入居者からの様々な連絡事に対応する必要があります。
一見すると負担が大きいように思えますが、通常は管理会社に委託することが多いので、オーナーはそれほど手がかからないのが実際なのです。
空室問題は安易に家賃を下げないことが大事
そんなアパート経営者の頭を悩ませるのが、空室問題です。
入居率が低いほど収入は少ないことになりますし、長期間住んでくれる人がいなければ、安定した収入にはつながりません。
だからと言ってやってはいけないのが、家賃を下げて入居者を集める方法です。
なぜなら、家賃はオーナーにとって大切な収入源なのですし、家賃を下げてしまえば表面利回りも大幅に下がってしまうことになるからです。
それに加え、一旦家賃を下げてしまうと、もう元の家賃に戻すことはできなくなるので、自ら自分のデメリットになる行為をするのと同義となってしまいます。
高くもなく安くもない、という価格帯で家賃設定をすることはとても大切です。
しかし、家賃設定を変える前に、入居率が低いことに対する他の原因を探ることから始め、家賃を下げるのは最終手段と考えた方が良いでしょう。
わかりました!
入居率対策で解決すべき原因とは
入居率が低くて困っている場合、家賃を下げる前に他の原因がないかを考えてみましょう。
例えば、入居者募集チラシは適切な形で作られているでしょうか。
また不動産会社のホームページには魅力的な写真が載っているでしょうか。
部屋を探している人は、できるだけ良い部屋に安価で住みたいと考えています。
ですから、チラシやホームページでは、物件の魅力をしっかりと伝えられるよう工夫することが求められるのです。
それにも関わらず、色味の伝わらないモノクロのチラシを用いていたり、ぼやけた写真や薄暗い写真を使用していたりすると、それだけで入居希望者は魅力がないと感じてしまいかねません。
特に、昨今ではインターネット検索が主流ですから、不動産会社のページに載せる写真はとても大切です。
写真の枚数は多い方が良いですし、様々な角度から撮影し、部屋の様子を想像できるような配慮を心がけた方が関心を持ってもらえます。
チラシ | カラーチラシにする ハッキリした写真を載せアピールポイントを簡潔にまとめる |
ホームページ | 薄暗い写真は載せない できるだけ数多くの写真を載せる、設備や条件等の情報を豊富に載せる |
現代事情に合った設備投資を
物件の家賃に対して、部屋の設備が不十分であるケースもたびたび見られます。
例えば、家賃は周辺のアパートと変わりないのに、築年数が経過したままリフォームもしていない物件は、当然ながら他の物件に流れていくことでしょう。
ひと昔前なら通用した設備も、現在では時代遅れであることは多々あるのです。
例えば、和室より洋室、ユニットバスよりバス・トイレ別といったように、入居者全体のニーズは変化していきます。
また、セキュリティ面での意識も高くなっているので、訪問者を確認してから対応できるモニター付きインターホンや、偽造されにくいとされるディンプルキーの導入等も検討してみましょう。
暑さ・寒さ対策として備え付けにしておくと喜ばれるエアコン、外出時間の長い若い世代に人気のある宅配ボックスも好まれています。
インターネット社会の昨今では、光ファイバーのある物件やWi-Fi無料といった条件は、ニーズも人気も高くなっています。
築年数が経過した物件は、それだけで汚れや古臭さが目立つようになりますから、避けられる原因にもなりかねません。
その流れをきちんと察知して、時代に合った内装・外装に変えていくのはとても大切なことなのです。
このようなケースでは、設備投資を行うことによって、もともとの家賃設定を変更することなく、部屋の内容をグレードアップできるので、入居希望者も徐々に増えていくことが想定されます。
多額の費用をかけて全体的なリフォームを行うことが難しくても、求められているものが何かを把握し、後付けでも導入することで、入居率を高める大切な要因となってくれるはずです。
しかし、事情があって設備投資がどうしてもできない、という場合は、やむを得ず家賃を下げて入居者を探す選択となるでしょう。
入居者のニーズ例 | 洋室 バス・トイレ別 モニター付きインターホン ディンプルキー エアコン 宅配ボックス インターネット接続 きれいな内装 きれいな外装 |
競合問題と周辺環境
もし、入居率が以前よりも下がっていると感じたら、周辺の競合アパート・マンションの存在や、周辺環境とアパートがマッチしているかを確認してみましょう。
アパート・マンション投資を実践する人は増加傾向ですから、気付けば周囲はライバルのアパート・マンションでいっぱいになっているかも知れません。
便の良いエリアであればなおさらです。
そのような時は、ライバル物件の外装や内装、設備をよく調査し、自分の物件で劣っているところや不足しているところがないかを再確認しましょう。
大きな差別化ができなくても、入居希望者が望む条件が整っていれば、入居率が再び上がっていくことも期待できます。
外装・内装・設備のいずれも大切な要素ですから、契約している不動産会社とよく相談のうえで、改装等の処置を行うことも検討してみましょう。
また、短期貸しとしてウィークリー契約やマンスリー契約に対応する方法もあります。
家具家電付きの物件は比較的高額なため、できるだけ安いところを探そうとすると難儀するものです。
そこで、アパート一棟を所有している強みを活かして、比較的安価な短期契約に対応してみるのも一案でしょう。
その場合、各部屋にすぐ生活できるような家具家電を揃える必要があるので、先ほどの設備投資に加えて検討してみることをお勧めします。
ウィークリーマンションやマンスリーマンションとしての物件活用はすでにある方法ですが、アパートであることでマンションよりもリーズナブルに入居できる点は入居者にとって非常に魅力的であることが考えられます。
時期をとらえて効率的な入居者確保を
賃貸住宅の入居ニーズが高まるにも時期があります。
1月から3月にかけては人の移動が多いため繁忙期、7月から8月は閑散期、9月から10月は第2の繁忙期とされています。
つまり、繁忙期である1月から3月、9月から10月あたりに空室が埋まらなければ、その後の動きが鈍くなる傾向があるのです。
多くの人が部屋探しに奔走する繁忙期のうちに空室を埋められるよう、閑散期のうちから策を練っておくことが重要になるでしょう。
借金より収益が上回る計算を
借り入れによるアパート経営の注意
アパートを新築物件として建てる場合、資金が必要になります。
木造でも相応の金額になるのですから、鉄筋コンクリート造等ではさらに高くつくことになります。
そういった資金を現金で用意できれば良いのですが、一般的にはローンを利用して建築することがほとんどだと言って良いでしょう。
ローンは基本的に借金にあたりますから、ひとたびアパートを新築したら、できるだけ確実な経営をしていかなければなりません。
そうでなければ借金返済に追われてしまうことになるからです。
ほとんどの人がローンを活用して新築アパートを建設する傾向にありますが、前述の通り収益が出るアパートを運営していかなければ借金返済もままなりません。
事業資金として金融機関から借り入れるのですから、確実な返済が可能となるよう、予め事業計画をきちんと立てておくことが非常に大切なのです。
事業としてのアパート経営は収益を出すことにある
現時点での副収入の確保を目的とする人もいれば、将来的な資産形成のためにアパートを建てる人もいます。
いずれにしても、アパート経営は事業ですから、必ず利益を出していかなければなりません。
そのためには、利益の出る条件を満たすアパートを建てる計画が必要です。立地はほぼマストの条件だとして、さらにアパートが安っぽく見えないような外観つくりも大切になるでしょう。
どれだけ潜在的な入居者がたくさんいるエリアであっても、外観が良くなければ入居者の関心を惹きません。
逆に、周囲に企業や学校があまりないエリアに建てても人は集まりにくいと言えます。
スーパーやコンビニ、駅等の周辺施設について便があまりよくない場合も入居率は低くなりがちです。
特に駅から何分でアパートに到着するかは意外と大切で、例えば地下鉄駅からさらにバスに乗らなければいけないようなアパートは、敬遠されやすいかも知れません。
そういったマイナス要因の強いアパートだったとして、より条件の良いアパートと同様の家賃設定をしても、入居者の心情としてはより良い条件の物件を選ぶことでしょう。
逆に言えば、人が集まるエリアにあり、周辺の各種施設の便が良く、駅からさらにバスに乗らなくても済むような物件であれば、やはり入居者は惹かれるものなのです。
そうして初めて、適正な家賃設定をしても採算が採れるようになると言えます。
マンションに劣る部分をどう補うかが大切
昨今では不動産投資の一環として、アパート・マンション経営を行う家主が非常に多くなっています。
つまりライバルとの競争は激しくなる一方だと言えます。
その中で、ただ家賃を下げて対抗するのはあまり得策ではありません。
自分自身の収益が減る前提になることに加え、他のアパート・マンションに劣っている部分をいかに補うか、マイナス点を自覚して家賃設定しているかを冷静に分析する必要があるからです。
例えば、アパートとマンションの最大の違いは、木造か鉄筋コンクリート造かというところでしょう。
アパートやマンションに住む人は、隣部屋の物音に繊細になる傾向があるため、その点では木造はどうしても鉄筋コンクリート造に劣ってしまうのです。
物音の問題は想像以上に深刻ですから、アパート経営者としても、遮音効果のある壁紙を使用するとか、壁側に家具を配置してスペースを取る等して、アパートでもできる対策を行う必要があるでしょう。
そのようにして、アパートであるデメリットを克服し、マンションや他のアパートとの競争に少しでも勝てる要素を備えていく必要があるのです。
劣る部分 | マイナス点 | 対策 |
木造 | 火災に弱い | 火災保険への加入 こまめな点検 |
騒音問題 | 隣部屋の物音が聞こえやすい | 遮音壁紙等で対策する 壁側に家具を配置する |
アパート経営者が行うべき空室対策
空室を減らすための具体的な工夫
賃貸アパートの数は非常に多いものの、市場は完全に供給の方が上回っています。
つまり、潜在的な入居者は、より条件の良い物件を見比べて選ぶ立場にあるのです。
言い方を変えれば、この状況はアパート経営者にとって不利なのですから、できるだけ入居率を上げるためにも、いくつかの対策を取っておく必要があるでしょう。
空室対策を行う前に、前もって他のアパートの設備や外観、入居条件等についてよく調べておくことが大切です。
家賃設定はもちろんのこと、周辺施設との距離や内装のきれいさ、または家具が備え付けになっている物件も増えています。
前述の騒音対策は非常に大きな魅力となるはずですから、他のアパートがそういった対策をおこなっていないのであれば、そこが自分のアパートの強みとなるでしょう。
自分の資金の範囲内でできるアパート建築において、類似物件と比べて家賃設定をどうするかも調査が必要です。
似たような条件であれば、潜在的な入居者は安い方を選ぶからです。
アパートを建てる場所の立地条件はどうでしょうか?
学生の多いエリアであればワンルームマンションでも良いかも知れません。
先ほどの家具備え付けも人気がある条件です。バス・トイレ別にしておくと、それだけでも人の集まりは良くなります。
これは単身者が多いエリアの物件でも同様です。
また、単身赴任者や長期旅行者にも対応できるような短期滞在型を取り入れても良いかも知れません。
さらに、単にワンルームにするより、狭くても1DK等の間取りにすることで、入居者の住みやすさはガラリと変わりますし、和室よりもフローリング等の方が人気は高いと言えます。
予算内でどこまでできるか、借り手のニーズと自らの資金力とを天秤にかけて、できることや優先順位の高いことから、1つずつつぶしていくことがとても大切なのです。
アパート経営を行うメリットとは
家賃収入が安定している
不動産投資をする人の中でも、マンション一部屋に投資する人とアパート一棟に投資する人とがいます。
マンション一部屋の場合、入居者がいなければ家賃収入は全く途絶えてしまうデメリットがありますが、アパート一棟経営の場合は複数戸を所有しているためある程度の家賃収入を確保できるメリットがあります。
全く誰も入居しないアパートでもない限り、家賃収入が途絶えるということは考えにくいのです。
これは、アパート経営のメリットの中でも非常に魅力と安心感が高い点だと言えるでしょう。
生命保険としての役割も担う
アパート経営者の多くが金融機関のローンを利用しており、申し込みの際に団体信用生命保険にも加入しています。
このため、もし、アパート経営の最中に万が一のことがあっても、アパートローンの残債は保険で精算されるので、生命保険としての役割も補うことができるのです。
残債が精算されるということは、残ったアパートは残債のない資産ということになるので、残された家族にはローン返済がない状態で家賃収入が入り続けるという利点があります。
老後の資金を補うことができる
これから老後を迎えていく世代にとって、老後資金は大きな問題となっています。
年金受給開始年齢も引き上げられることから、不安を抱いている人も少なくありません。
そこで、中年期以降の段階からアパート経営を行っておき、いざ老後と呼ばれる時期を迎えた時に安定した家賃収入を確保できるようにしておきましょう。
年金だけでは生活費が不足する世帯が非常に多い中で、家賃収入というある程度安定した別の収入減があることは、大きな心の支えともなることでしょう。
メリット | 特徴 |
家賃収入が安定 | マンション一部屋への投資より複数戸を所有している方が家賃収入は途絶えにくい |
生命保険としての役割 | 所有者に万が一のことがあっても団体信用生命保険によりローンが精算され、アパートは資産になる |
老後の資金 | 年金で不足する分をアパート収入で補える |
アパート経営の節税効果
所得税の節税が可能
損益通算という言葉があります。
これは、例えば給与所得者がアパート経営をしている場合、アパート経営による所得が赤字になってしまっても、給与所得で補填することができる仕組みのことを指しています。
また、アパートを購入する際にかかった費用についても、法定耐用年数に応じた分割計算を行い、減価償却費として計上していけば、長期的に経費としていくことが可能です。
そうすることで、不動産所得が少なくなり、節税に貢献することにつながるのです。
住民税の節税が可能
住民税は、所得税の額に応じて金額が増えていきます。
住民税の割合は全国一律で10%となっており、内訳は市区町村税6%と都道府県税4%の合計です。
所得税を経費により節税することで、連動する形になっている住民税も抑えることができるのです。
固定資産税の節税が可能
土地や建物といった不動産を所有している人には、固定資産税が課税されます。
税額は不動産の評価額によって変動しますが、税の割合は常に評価額の1.4%となります。
例えば、2,000万円と評価された土地を持っている人の場合、税率1.4%に当たる28万円が年間の固定資産税ということになるのです。
もし、土地の上にアパート等の建物が建っている場合は、また話が別になります。
そういった場合は住宅用地の特例という制度を利用しましょう。
次の2種類のうちいずれか該当する方を適用させることができます。
- 1つは小規模住宅用地で土地の面積のうち建物の戸数×200㎡以下の部分が該当します。
- もう1つは一般住宅用地で土地の面積のうち建物の戸数×200㎡を超える部分が該当します。
ここで固定資産税の計算を行うと、小規模住宅用地にあたる部分については評価額の1/6が、一般住宅用地にあたる部分については評価額の1/3に抑えられます。
都市計画税の節税が可能
土地・建物にかかる税金の1つに、都市計画税があります。
市街化区域内にある不動産が対象になり、評価額に対して0.3%の都市計画税がかかります。
もし、不動産の評価額が2,000万円だったとしたら、都市計画税は2,000万円×0.3%=年間6万円となるのです。
ただし、都市計画税にも住宅用地の特例が適用されるので、小規模住宅用地については評価額の1/3が、一般住宅用地については評価額の2/3まで抑えることができます。
相続税の節約が可能
相続で不動産を受け継ぐと相続税がかかりますが、もし土地だけを相続した場合はそこにアパート等を建てることを検討してみましょう。
更地にかかる税金よりも建物が建っている土地の方が、税金を安く抑えることができるからです。
これを貸家建付地といい、評価額は土地だけよりも20%程度下がるのです。
土地にアパートを建てた場合は小規模住宅用地の減額の特例が適用されるので、評価額は200㎡までなら50%まで減らすことが可能な点は非常に魅力的でしょう。
さらに評価額が減額されるのが、土地に建つ建物です。
例えば、相続によりアパートを受け継いだ場合、購入した時の値段ではなく固定資産税評価額として見られることから、約40%まで評価額を減らすことができます。
そこから借家権割合も差し引かれるので、大幅な税金節約が可能になります。
生前贈与の非課税枠を活用し贈与税を節約する
土地とアパートを生前贈与する場合は、基本的に贈与税がかかりますが、非課税枠を上手に活かすことで、土地建物の評価額を下げることが可能です。
非課税枠は最大で2,500万円となり、それを超えた部分について税金がかかる仕組みです。
制度を使えるのは60歳以上の父母や祖父母にあたる人物で、成人した子や孫に生前贈与した場合に限られます。
注意したいのは、アパートにまだ残債がある場合で、評価額から残債分を差し引いた残りの額に対して生前贈与と見なされます。
したがって、残債分が多いほど節税効果は低くなることになるのです。
アパート経営と異なるマンション投資の特徴
アパート経営よりマンションを選ぶ人も
アパートに投資している人の場合、一般的に建物一棟まるごとを購入し、その後の維持管理も複数戸が対象となります。
このため、対応の難しさを感じ、基本的に一部屋に投資するマンションを選択する人も少なくありません。
確かに、中古でも新築でもアパート一棟を購入するのは費用面で大きな負担となるでしょう。
このため、アパート経営の前段階として、まずマンションから始める人も多々存在するのです。
なるほど!
アパートよりマンションの方が空室率は低い
不動産投資において、実はアパート経営よりもワンルームマンション投資の方が高い人気を誇っているのです。
アパートは複数戸が入居する建物一棟であるため、そこに難しさを感じ、一部屋だけ所有すれば良いワンルームマンションから投資を始める人が多いからです。
まずは一部屋から投資を始め、実際に賃貸収入を得ながら余裕が出てきたら投資戸数を増やしていく人もいます。
徐々に慣れていくことができる点も、人気の理由の1つだと言えるでしょう。
また、不動産投資家にとって空室率は非常に気になるところですが、マンションの方がアパートより空室になりにくい点はメリットになります。
マンションは一般的に駅からのアクセスが良く、商業施設等の利便性も高いため、その立地条件からマンションを選ぶ入居者は少なくありません。
このため、空室率は低く抑えられ、入居者が退去してもまた次の入居希望者が現れやすいのです。
低層階で建築するアパートは比較的郊外地に多く、コストも抑えられるため採算は採れやすいのですが、条件の良いマンション物件に比べると、空室率という点ではマンション投資に軍配が上がると言っても良いでしょう。
初心者に向いているワンルームマンション投資
不動産投資の初心者にとって、いきなり複数戸を所有することはハードルが高いかも知れません。
そこで注目されるのがワンルームマンション投資です。
アパートと異なり投資するのは一部屋で済みますし、マンションは空室率がそれほど高くないため、投資家としての経験を積んでいくためにも良いステップになります。
このため、まずは小さな投資から始めてみたい、賃料収入を得る経験をしてみたい、という人にはワンルームマンション投資が人気なのです。
ただし、人気のある物件はやはり駅からのアクセスが良い傾向にあるため、新築マンションでも利回りは5%前後と低めになります。
また、管理組合が存在するため、区分所有者である自分の意思だけでは物事を決定しにくい点もあるので、メリットとデメリットをよく比べて投資をスタートしてみると良いでしょう。
より大きな収益を得るならアパート投資を
一方、アパート投資の場合はマンションよりも投資額が大きくなりやすく、また利回りもマンションを上回る傾向があります。
このため、金融機関から融資を受ける際にも良い評価を得られやすい点が1つのメリットとなります。
マンションよりも経費を計上できる項目が多いことから、節税面で利点があることも確かです。
ある程度の資産を持っている場合は、複数のアパートを所有して、年間あたりの賃料収入をどんどん底上げしていくことも可能でしょう。
ある程度の投資経験があり、かつ資金力もある場合は、アパートへの投資がメインの選択肢となるかも知れません。
ただし、空室率の問題等、マンション投資に比べて注意しなければならないリスクもあるので、アパートを建てる場所や周辺環境、入居者の傾向等、様々な観点から慎重に調査を行ったうえで投資を開始した方が良いかもしれません。
マンション投資とアパート投資の違いを改めて整理するとすれば、マンション投資は投資金額をある程度抑えつつ所有する一部屋の賃貸収入を得ていくことができ、空室率の低さから比較的安定的な収益を得ていくことが可能です。
アパート投資の場合は、一棟まるごと所有するため購入費用がかかり、また空室率というリスクもあるものの、得られる収益はマンション投資に比べて大きくなりやすいという特徴があるのです。
まとめ
アパートへの投資は比較的メリットが多いことから、広く人気のある方法です。
ただし、立地条件等の問題から、どうしても空室率というリスクがあることも現実です。
自分が所有する土地や購入する土地が便の良い立地条件にあれば、長い目で見ればアパートを建てても十分なリターンを期待することができるでしょう。
カギはやはり、いかに空室を埋めるかという点にあります。
どれだけ戸数を持っていても、そこに入居者がいない限り賃貸収入は発生しないからです。
このため、人気のあるマンションに負けないよう戦略を練って宣伝広告活動を行っていくことが求められます。
行った方が良いこととして、インターネット等を使って現在の人気物件の傾向を調べたり、どのエリアにどのような入居者層が多いのかを見極めたりすることが挙げられます。
各物件の所有者はそれぞれ入居者にとって魅力的な特典やキャンペーン、メリット等を打ち出していますから参考になるでしょう。
例えばフリーレントやインターネット設備といった、現代社会に合った設備は入居者にとても喜ばれます。
余裕があれば居室のリノベーションを行うのも良い対策です。
このような不動産投資は自力で行うこともできますが、法律等も関係してくるため、できれば専門家として不動産会社に相談し力を借りることも検討してみましょう。
はい!
ただし、一社だけに限って相談し、運用を決めてしまうのではなく、なるべく複数社から提案をもらって見比べた方が安心です。
いくつかもらった提案の中から、最も納得できるプランを提示してきた不動産会社と媒介契約を結び、運用を開始していくのも良い方法です。
ただし、最終的な決断は常に所有者にありますから、自ら進んで、常に最新の不動産投資事情や地域の傾向に敏感になっておくことが求められます。