自分が所有するマンションが古くなってしまうのは避けようがありません。
古いマンションの扱い方には建て替えと売却、そして賃貸に出すという3つの方法があります。
新しく建て替えるのか、売却して早々に現金化するのか、もしくは相場より安い価格で賃貸にして資産運用をしていくのか考えなければなりません。
どの方法を選んだら良いか迷うかもしれませんが、それぞれの方法のメリットとデメリットを知っておくなら自分のマンションの場合は何がベストか判断できるでしょう。
これから各方法のメリットとデメリット、そして知っておくと役立つ情報をまとめて紹介していきます。
所有するマンションが古くなったので、どうしようか迷っています
建て替えを検討できますが、建て替えた場合のメリットとデメリットを知っておいた方がよいでしょう
目次
古いマンションを建て替えるメリットとデメリットを徹底検証
古いマンションはいつまでも活用できる訳ではないので、いつかは建て替えなければなりません。
建物や設備が老朽化すればするほど建て替えの必要性は高まっていきます。
しかし自分で建て替えの費用を支払うのか、それとも売却や賃貸にするのか最後の判断を下すには、建て替えのメリットとデメリットを知っておくことが助けになるでしょう。
古いマンション建て替えのメリットは3つ!
古いマンションを建て替えるメリットは3つあります。
- 土地のニーズに合わせた建て替えができる
- 家賃を高くできる
- 入居者を確保しやすい
所有しているマンションを建て替える1つのメリットは、土地のニーズに合わせた建て替えができることです。
すでにマンションがある地域の家賃相場や賃貸ニーズが分かっているため、建て替え予算や工事の内容を決めやすくなります。
なじみのない土地で不動産投資をする際は賃貸ニーズが分からなくて入居者を確保できないことがありますが、建て替えの場合はどの程度の家賃と設備なら入居者が確保しやすいか分かっているので失敗しづらいです。
築年数が古いマンションは家賃を安くしないと借り手が見つかりませんが、建て替えをすることで家賃を高く設定できます。
相場以上の家賃設定にしても、新しい建物と設備を売りにして収入を今まで以上にアップさせることができるでしょう。
新築マンションを条件に賃貸物件を探す人も多いので、賃貸需要さえ間違わなければ建て替え費用がかかっても家賃収入で十分回収できることがあります。
入居者を確保しやすいことも古いマンションを建て替えるメリットです。
建て替えの際は設備のレベルや間取りを細かく決めていかなければなりません。
最初のメリットでも説明しましたが、建て替えはすでに土地のニーズを把握しているので入居者を確保しやすい設備と間取りにすることができます。
例えば、単身者の需要が多いのであればワンルームにしたり、ファミリー世帯が多ければLDKタイプにしたりできるでしょう。
単身者やファミリー世帯の年収などの情報を参考にして、導入する設備のレベルも決めていけます。
古いマンション建て替えるデメリットを考察
続いて古いマンションを建て替えるデメリットを考えます。
- 建て替え費用が高い
- 建て替えの手順が面倒
- 法律上建て替えられない
建て替え費用が高いことが最初のデメリットです。
平均的な建て替え費用は、一戸あたり1700万円から1900万円といわれています。
主な費用の内訳を60m2の部屋を例にしてチェックしてみましょう。
費用項目 | 60㎡のマンションの費用 | 1㎡当たりの費用 |
---|---|---|
古い建物の解体費 | 100万円前後 | 1万円から2万円 |
新しい建物の建築費 | 1800万円前後 | 25万円から30万円 |
解体費や建築費に加えて、専門家へ支払う手数料や書類手続き費用もさらにかかってきます。
建て替えの手順が面倒なこともデメリットの一つです。
入居者がいるマンションを建て替える際に必要な手順は4つのステップに分けられます。
ステップ | すべきこと |
---|---|
1.建て替え準備 | マンションの管理組合との話し合い |
2.建て替え検討 | 専門家による調査 |
3.建て替え計画 | 建て替え業者の選定 |
4.建て替え実施 | 工事着工 |
建て替え準備では、マンションの入居者によって構成される管理組合と話し合う必要があります。
費用を掛けて建て替えを行う必要性を納得してもらわなければなりません。
入居者へ負担してもらう費用がいくらになるのか、工事にどれくらいの時間が必要かなどを話し合います。
管理組合が反対するなら工事を実施できません。
話し合いで賛成決議が下れば、次の建て替え検討のステップへ移行できます。
検討の際には、耐震診断士やマンションコンサルタントなどの専門家が建て替えのための調査を実施します。
建て替えの費用対効果や耐震補強の必要性などが診断されます。
専門家が建て替えは適切だと判断すると、次の建て替え計画へ進めます。
建て替え計画のステップでは、マンションの建て替え業者から見積もりを取り、どの業者へ依頼するか判断します。
業者が決まると建て替えの総費用も明確になります。
この段階で再度入居者に対して建て替え決議が行われ、入居者の過半数の賛成が得られれば工事が実行されます。
過半数の住民が賛成しない場合は建て替え工事を行えません。
建て替え実施をする前に、マンション建替組合を設立したり入居者の権利調整をしたりしなければなりません。
入居者の住宅ローン返済に関する引き継ぎや、建て替え後のマンションの所有権の持分決定などを調整していきます。
工事が終わった後は再び管理組合を組織し、住民を再入居させていきます。
このように古いマンションの建て替え手順を見ると、常に入居者からの賛同が必要であることが分かります。
大多数の入居者から賛同を得ることは簡単ではなく、場合によっては5年から10年ほどの時間が建て替えに必要になることがあります。
建て替えの最後のデメリットは、法律上建て替えられないマンションがあることです。
マンションが古くなったので建て替えたいと思っても、法律で既存不適格と見なされると工事ができません。
既存不適格とは、現在の法律に沿っていない部分が発見された建物のことです。
建物が建設された当初は当時の法律に沿っていましたが、現在の法律には則していないマンションが該当します。
既存不適格に該当するマンションを建て替えるには、現在よりも住戸の床面積を減らすか、住戸の数を減らさなければいけません。
現状よりも狭いマンションへ建て替えることは入居者の賛同を得づらいため、建て替えが実施されないケースが多いです。
古いマンションを建て替える際に知っておきたいポイントとは?
古いマンションを建て替えようとする際に知っておきたいポイントを紹介します。
一般的に建て替えが実施されるタイミングや、建て替え時に利用できるお得な支援制度について説明していきます。
古いマンションの建て替えを行う際の参考にしてください。
マンション建て替えのタイミング
マンションの老朽化が進んでいる場合、どのタイミングで建て替えを決意したらよいでしょうか。
判断する基準は以下の条件に該当するときです。
- ライフライン設備が老朽化している
- 耐震性が低い
- 建物のコンクリートの劣化が激しい
以上の条件に該当するケースでは、最初に修繕で対応できないか検討します。
しかし建物の基礎や構造そのものに手を入れなければ問題が解決しないときには、建て替えをしなければなりません。
全国のマンションは平均30年から40年ほどで建て替えられています。
建て替えの平均年数はあくまでも平均であり、中には築30年から40年以上でも修繕をしながら使用されているマンションがあります。
各マンションの状況によって建て替えのタイミングを見極めていかなければいけません。
タイミングが判断できないときには、マンション再生協議会への相談をオススメします。
マンション再生協議会は、古いマンションの建て替えや修繕の支援をするための専門団体で、客観的な視点でアドバイスしてくれます。
マンション建て替え時に利用できる支援制度
入居者として建て替え費用を支払わなければいけないときに利用できる支援制度があります。
住んでいるマンションで建て替えが実施される際、支払うべき費用を用意できないなら住宅金融公庫の返済特例制度を利用できます。
返済特例制度は60歳以上の建て替え費用を支払えない人向けの支援制度です。
最大2000万円または5000万円(保証制度の有無で変わる)まで借り入れすることができ、返済は毎月の利息分だけを支払うだけでよいお得な制度です。
他にも国や自治体が建て替えを支援する助成制度を設けています。
詳しくはマンション再生協議会のホームページや、自治体の相談窓口へお問い合わせください。
建て替えが難しければ売却するのもありですよね
はい、建て替えより売却を選ぶ人が多くいます。もちろん売却にはメリットばかりではなく、デメリットもあるので両方を説明していきますね
古いマンションを売却するメリットとデメリットを検討しよう
古いマンションに部屋を所有しているのであれば、売却して住み替えることを検討するかもしれません。
一棟丸ごと所有しているなら売却して、別のマンションへ投資する方が賢いと判断する人もいます。
何がベストかを考えるために、売却をすることにはどのようなメリットとデメリットがあるのか調べてみましょう。
古いマンション売却のメリットは3つ!
売却のメリットは3つあります。
- 入居者ごと売却できる
- 家賃収入が途切れない
- 維持費を節約できる
古いマンションを一棟ごと所有しているオーナーであれば、入居者ごと売却できるメリットがあります。
建て替えをするには住民の賛同が必要ですが、売却の場合はオーナーの判断だけで売却できます。
入居者との話し合いに何年も時間を掛けずに古いマンションを売却し、資産整理ができるのは魅力です。
家賃収入が途切れないことも別のメリットです。
古いマンションを売却すると現金が手元に入ってきますので、新しいマンションを購入することができます。
マンションオーナーにとっては家賃収入が途切れないので資産運用を賢く行っていけます。
古いマンションに入居している人にとっての売却のメリットは、維持費を節約できることです。
修繕維持積立金や固定資産税を支払っていかなくてもよくなります。
特に古いマンションは修繕維持積立金の負担が大きくなることがあるので早めに売却することで出費を減らせます。
古いマンション売却によるデメリットとは
売却を検討する際に覚えておきたいデメリットは以下の通りです。
- 安い売却価格
- いつ売れるか分からない
- 住み替えがスムーズに行かない
古いマンションは売却価格が安くなることがデメリットです。
建物も設備も老朽化しているため、安い価格しか付かないことがあります。
売却価格によっては住宅ローンの残債よりも安くなり、ローンを完済できないケースも出てくるので気をつけてください。
しかし不動産会社を上手に選ぶと古いマンションでも良い条件で売れることがあります。
不動産一括査定などのサービスを活用して古いマンションの売却が得意な不動産会社を見つけてください。
売却は買主が現れなければ成立しないため、いつ売れるか分からないデメリットもあります。
古いマンションの売却が完了するまでには半年から1年はかかることを覚えておきましょう。
入居者にとってのデメリットは、住み替えがスムーズに行かないことです。
売却が成立するタイミングは読みづらいので、新しい住居をいつ購入したらよいか分からなくなってしまいます。
先に新しい住居を購入している場合、二重で住居費がかかるので気をつけてください。
古いマンション売却を賢くするために役立つ情報を解説
古いマンション売却を賢くするために役立つ情報を調査しました。
状況によって使い分けられる売却方法や、売却の流れについて解説していきます。
売却がオススメな古いマンションの特徴についても紹介します。
古いマンション2つの売却方法
古いマンションの売却方法には2つの方法があります。
- 仲介による売却方法
- 買取による売却方法
仲介による売却方法とは、不動産会社が買主を探して古いマンションの売買を仲介する方法です。
買取による売却方法は、不動産会社が買主となって古いマンションを買い取る方法のことです。
それぞれの方法のメリットとデメリットを表からご覧ください。
売却方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
仲介による売却方法 | 買取による売却方法より売却価格が高い | 売却成立まで時間がかかる 仲介手数料がかかる 契約不適合責任が発生する |
買取による売却方法 | 売却成立まで時間がかからない 仲介手数料がかからない 契約不適合責任が発生しない | 仲介による売却方法より売却価格が安い |
仲介による売却方法のメリットは、買取による売却方法より価格が高くなることです。
デメリットは売却成立まで時間がかかるため、次のマンションを購入するタイミングがつかみにくくなったり資金計画が立てづらくなったりします。
不動産会社が仲介するため手数料も発生しますし、契約不適合責任が売却後に発生するリスクがあります。
契約不適合責任とは、売却後に買主が建物の問題に気がついた際に、売主が買主へ債務不履行をしたとして償わなければいけない責任のことです。
古いマンションであるほど、売主も買主も知らなかったような問題が後から発見されるリスクが高いので注意しなければなりません。
買取による売却方法のメリットは、不動産会社が買主になるため売却成立までの時間がかからないことです。
仲介の場合は買主が現れるまで待たなければいけませんが、買取はその必要がありません。
業者が買い取るため仲介手数料が発生しませんし、後から契約不適合責任を追及されることもないので安心です。
デメリットは売却価格が安くなることです。
一般的に仲介による売却方法より2割前後、価格が安くなります。
仲介と買取のどちらにしようか迷うときには、とりあえず仲介で買主を探し、一定期間が過ぎたら買取をしてもらうようにするとよいでしょう。
マンション売却の流れは3ステップ
古いマンションを売却する流れは3つのステップに分けられます。
- 売却価格査定
- 販売活動
- 売買契約と決済
マンションを売却する際には最初に売却価格査定をする必要があります。
一括査定サイトなどを利用して複数社から査定額を聞いて比較してください。
査定額が一番高かったり良い条件を提示してくれたりする不動産会社へ売却を依頼できます。
売却価格査定をする際には、以下の書類を用意しておきましょう。
- 権利済証
- 売買契約書
権利済証を紛失している場合には別途手続きをして用意してください。
自分で登記所へ連絡して権利済証に代わる書類を発行してもらうか司法書士へ依頼して手続きを行いましょう。
売買契約書とは、売却したいマンションを購入した際の契約書のことです。
依頼する不動産会社が決まったなら販売活動がスタートします。
販売活動中には購入希望者が書面で購入申込書を提出してきます。
購入申込書には購入に関する条件が記載されているので中身をよく確認し、必要なら購入希望者と話し合ってください。
条件面で折り合った段階で売買契約へ進みます。
一般的に購入申込書を受け取ってから1週間後に契約を行います。
売買契約をする際には下記の書類を揃えてください。
- 本人確認書類
- 実印
- 印鑑証明書
- 登記済証
登記済証は、登記情報識別通知書でもよいです。
契約を締結する際には不動産会社へ支払う仲介手数料の半金も用意してください。
売却がオススメな古いマンションとは?
売却がオススメな古いマンションは、修繕やリフォームで追いつかないほど建物と設備が老朽化しているマンションです。
また専有面積が広くて部屋数が多いマンションは、売却後にリノベーションするのに適しているため売却がしやすいです。
建て替えをした後に利益が出せるか疑問が残るマンションも売却がオススメです。
建て替えか売却以外に、古いマンションの利用方法はありますか
古いマンションを賃貸する方法があります。賃貸にするメリットには何があるか考えてみましょう
古いマンションを賃貸するメリットとデメリットを紹介
古いマンションを賃貸するメリットとデメリットを紹介します。
築年数が古いマンションの場合、デメリットが多くなる傾向があります。
メリットがデメリットを大きく上回るケースでのみ賃貸にするようにしてください。
古いマンションを賃貸にするメリットは3つ!
古いマンションを賃貸にするメリットは3つあります。
- 家賃収入が得られる
- 節税しやすい
- 思い出の部屋を残せる
最初のメリットは家賃収入が得られることです。
古いマンションであってもレトロな雰囲気が好きな人が借り手になることがあります。
昭和の雰囲気を感じる床の間や、畳敷きなど昔ながらの部屋が残っているマンションは意外と人気があります。
新しいマンションに比べて家賃が安いというのも人気の理由です。
そのため築年数が古くても地域によっては入居者を見つけやすいです。
入居者が見つかれば安定して家賃収入が入ってきます。
家賃収入には所得税がかかりますが、経費として計上できる項目が多いので節税しやすいのもメリットです。
不動産所得に対して以下の点を経費として計上できます。
- マンションの管理費
- 退去時の修繕費用
- 部屋の設備入れ替え費用
- 管理会社への支払い費用
- 固定資産税
- 減価償却費
マンションを維持する費用は、ほぼ全て経費として計上可能です。
上記の経費の中で大きな金額を占めるのが減価償却費です。
減価償却費とは、マンションを取得したときの費用を毎年経費として計上できる費用のことです。
計算方法は以下の通りです。
減価償却費= | 建物取得価格×0.9×償却率×経過年数 |
減価償却費はときに数十万円にもなるため、数ヶ月分の家賃収入を相殺することができます。
計算が少し複雑なので、難しいと感じるのであれば不動産会社や管理会社へ相談してください。
三つ目のメリットは思い出の部屋を残せることです。
長く所有していたマンションには愛着がわき、色々な思い出が詰まっていることがあります。
売却してしまうと人の手に完全に渡ってしまいますが、賃貸であれば自分が引き続き所有することができます。
いつかリフォームやリノベーションをして住むことも可能でしょう。
古いマンション賃貸のデメリットを考察
古いマンションのデメリットを考えてみます。
- 空き室リスクがある
- 家賃は下落する
- 維持費がかかる
- 入居者とのトラブル
- 特別控除が利用できない
一つ目のデメリットは、空き室リスクがあることです。
当然ながら入居者が見つからないと家賃収入がはいってきません。
入居者を探す広告費用と建物の維持費だけが出ていくリスクがあります。
古いマンションですから家賃は下落していく一方です。
特に築年数が10年や20年、そして30年などの大台に入ったときには大きく家賃を下げなければ借り手が見つかりません。
築年数が増えるごとに建物の経年劣化が進みます。
建物の外部塗装やタイルが劣化してきますし、室内の床材や壁紙も傷んできます。
給湯設備なども傷んでくるため常に修繕が必要です。
修繕費用の他に固定資産税や都市計画税の支払いがありますし、管理会社へ支払う費用もあります。
古いマンションほど維持費がかかることを覚えておきましょう。
賃貸にすると入居者とのトラブルを避けることはできません。
ゴミ出しやペットなどの生活ルールを守らない人に加え、古いマンションの場合は設備の不具合に関するクレームを細かく入れる人がいます。
賃貸にすることで特別控除が受けられなくなることも忘れてはなりません。
古いマンションを賃貸にすると、二つの特別控除を受けられなくなります。
- 住宅ローン控除
- 3000万円の特別控除
住宅ローンを利用していたマンションを賃貸にする際、賃貸住宅専用ローンやアパートローンへ変更しなければいけないことがあります。
賃貸住宅専用ローンやアパートローンになることで、住宅ローン控除が利用できなくなります。
3000万円の特別控除は自分が入居している住宅へ適用される制度です。
他の人へ賃貸した時点で適用が受けられなくなるので気をつけてください。
古いマンションを賃貸するために必要な知識をチェックしよう
古いマンションを賃貸するために必要な知識をチェックしておきましょう。
賃貸に出す流れや、賃貸契約の種類について解説します。
古いマンションであっても賃貸がオススメなマンションについても説明していきます。
マンションを賃貸する6つの手順
賃貸にする流れは6つの手順へ分けられます。
- 賃貸に出すか判断する
- 信頼できる不動産会社を探す
- 貸し出し方法を決める
- 家賃と管理会社を決める
- 入居者募集
- 入居者の審査と契約
最初の手順は賃貸に出すか判断することです。
上記で説明した古いマンションを賃貸するメリットとデメリットを比較し判断してください。
賃貸に出すことでどれくらい利益があるか確認するために利回りの計算もしましょう。
賃貸に出すことを決めたなら信頼できる不動産会社を探さなければなりません。
不動産会社は家賃の価格設定や入居者の募集などをしてくれます。
一括査定サイトを利用することで、良い条件で高い家賃価格を設定してくれる不動産会社を探せます。
貸し出し方法は3つあります。
- 普通借家契約
- 定期借家契約
- サブリース
次の項でそれぞれの貸し出し方法の特徴を説明していきます。
各方法の特徴を把握した後、どの方法で入居者へ貸し出すか決めてください。
家賃を決める際、築年数の高さと周辺物件の相場を考慮して適正価格を設定しましょう。
管理会社も決める必要がありますが、不動産会社によってはマンションの管理も請け負ってくれることがあります。
入居希望者が見つかったのであれば審査と契約を行います。
審査は保証会社が行い、希望者に家賃を支払う能力があるかをチェックしていきます。
問題がない場合に賃貸契約を締結し、賃貸に出す一連の作業が完了します。
マンションの貸し出し方法の種類を検討する
3つの貸し出し方法の特徴について説明します。
貸し出し方法の種類 | 特徴 |
---|---|
普通借家契約 | 契約期間の縛りがない |
定期借家契約 | あらかじめ定めた期間の契約 |
サブリース | 不動産会社が一括で借り上げをし、毎月一定の賃料をオーナーへ支払う |
普通借家契約は契約期間の縛りがない契約です。
もちろん契約期間を定めることができますが借主側が望むなら更新を続けられます。
普通借家契約は、オーナーの都合で契約を終わらせられないので注意してください。
定期借家契約は、あらかじめ定めた期間の契約を行う特徴があります。
一般的には1年から2年の契約となり、期間満了の1年か半年前にオーナーが借主へ期間終了の通知をしなければなりません。
借主とオーナーが合意したときにのみ、再契約をすることができます。
サブリースとは、不動産会社が一括で借り上げをし、毎月一定の賃料をオーナーへ支払う契約です。
入居者が見つからなくても毎月賃料を得られますが、相場の賃料よりは安くなります。
マンション賃貸の利回りの計算方法
賃貸に出すか判断するために利回りの計算が必要です。
利回りとは、マンションを購入した金額に対して家賃収入がいくらあるか計算し、投資金に対して収益がどれくらい大きくなるか表す数値のことです。
計算方法には、家賃収入と購入額だけを考えた表面利回りを知る方法、賃貸経営に必要な経費を加味した実質利回りを知る方法の2種類があります。
表面利回りの計算方法 | 年間の賃貸収入÷購入額×100 |
---|---|
実質利回りの計算方法 | (年間の賃貸収入-年間経費)÷購入額×100 |
理想的な表面利回りは5%前後、実質利回りは3%前後です。
古いマンションの場合、現実的な利回りの数値は様々な条件によって変わるので、不動産会社へ相談してください。
賃貸がオススメな古いマンションとは
賃貸がオススメな古いマンションは、賃貸需要が高い地域にあるマンションです。
大学や工場の近くなど安い賃料の需要がある地域であれば、入居者を見つけやすいでしょう。
立地条件が良いことも賃貸をオススメする理由の一つです。
ただ単に駅に近いというだけではなく、急行が止まる駅に近いマンションや、乗り換えがしやすい駅に近いマンションは、古くても好立地と見なされて需要があります。
古いマンションで賃貸に出すメリットがあるケースは限られそうですね
賃貸需要が高いかどうかが判断のポイントになってきますよ
まとめ
古いマンションを建て替える場合、土地のニーズに合わせた建て替えができることや家賃を高くしても入居者を確保できるメリットがあります。
一方、建て替え費用が高い、さらに入居者の合意が必要なことや、法律上建て替えられないケースといったデメリットがあるので気をつけてください。
売却する場合は、入居者の合意が必要ないことや家賃収入が途切れにくいこと、そして維持費が節約できるメリットがあります。
しかし古いマンションは売却価格が安くなったり、売却がいつできるか読めないなどのデメリットがあることを忘れないようにしましょう。
賃貸には節税できるメリットがあるものの、空き室リスクや家賃の下落、そして維持費や特別控除が利用できないデメリットがあります。
どの方法にもメリットとデメリットがあり、一概にどれが正解とも言えません。
この記事の情報を参考にしながら自分の状況に合わせて判断してください。