温泉大国の日本では、全国どこでも温泉を楽しむことができます。
中には趣味が温泉巡りという人もいるくらい、私たち日本人にとっては身近な存在ですね。
温泉をもっと手軽に楽しみたい、そんな温泉ファンの間で、今温泉付き住宅へ注目が集まっています。
その中でも中古物件は新築よりもお得に買えるとして大変人気が高まり、問い合わせの数も増えています。
そんな人気の温泉付き中古物件を賢く探す方法と、温泉付きの家のメリットやデメリット、さらに購入者の声も併せて一挙公開しましょう。
目次
温泉付き中古物件の売買が注目される背景
先生、温泉付き中古物件が今人気だそうですが、一体なぜでしょうか?
それには時代の流れが大きな要素です、まず温泉付き中古物件が生まれた背景を考察してみましょう。
1980年代の日本はいわゆるバブル経済で空前の大好況、当時の現役世代は今では考えられないくらいにお金を持っていました。
加えてその時代は、マイホームの他にも温泉のあるリゾート地に別荘を持つこともまたステータスの一つでした。
確かに、父もバブル期に現役でしたがお金を持ってたと言ってました。
次に、その後の変化も見ていきましょう。
しかしバブル崩壊後の日本経済は下落へと転じ、さらに社会保障費の増大などで国民の可処分所得は年々減少しています。
そんな中、別荘の住宅ローンを払えず手放さざるを得ない人が続々と出始めました。
その一方で別荘を買えるほどの経済的余裕を持つ人も減り、買い手もつかないので別荘物件は売れ残っていきます。
いわゆるバブルの崩壊ですね。
その後も不況は続く一方ですが、2020年に起こったある出来事に注目です。
不況はその後も続きますが2020年1月、新型コロナウイルスCOVID-19の大流行によって、経済の流れは再び大きく変化しました。
感染流行を防ぐため人々は外出を控え、人が密集するのを防ぐために企業ではリモートワークをあちこちで導入しはじめました。
そんなワーカーたちの間から再びリゾート地に目が向けられ、自然豊かでリラックスした環境でリモートワークという新しいスタイルが提唱されました。
その流れを受け、かつて別荘だった家が中古物件として売りに出され、割安に購入することも可能となりました。
さらに外出を控える巣ごもり生活の定着により、旅行に行けない分自宅で温泉を楽しめるとあって温泉付き中古物件の人気が見直されました。
コロナウイルスで生活が一変しましたが、悪いことばかりでもないですね。
これまでの生活を見直す良い機会という解釈もできます。自宅で寛ぐこと、家族で過ごす大切さ、温泉付き中古物件がそれを手助けするかもしれませんね。
温泉付き中古物件の上手な探し方
ライフスタイルの変化によって高まってきた温泉付き中古物件ですが、一体どうすれば手に入れられるのでしょうか。
まず中古住宅売買の基本として知っておくべきことが、仲介する不動産会社選びを慎重にすることが成功のカギです。
確かに、温泉の出る家に住んでいる人はそれほど多くありませんね。
温泉付き中古物件は、一般の中古物件と比べて少し特殊です。そのため仲介する不動産屋探しにも特徴が出ます。
不動産会社は温泉の多い地域で探す
上手な不動産会社選びの第1歩は、温泉の多い地域で探すことです。
不動産会社は大手から中小までその規模も様々ですが、今では蕎麦屋の数よりも多いと言われるくらい、あらゆる地域に出店されています。
温泉付き中古物件の取り扱いは、業界最大手会社の支店ではもちろん、温泉付き住宅にある程度特化して行う会社、さらに温泉地にある町の不動産屋で取り扱いがある傾向です。
しかし物件そのものの量は、やはり温泉資源が豊富な場所ほど多くなります。
それを考えると、温泉地で活動する不動産会社に依頼が集まるのも必然ですね。
一般中古物件とは違って、場所選びがカギなんですね。
会社探しも場所探しから、温泉付き中古物件の場合はまずそこからです。
候補が出たら不動産会社の得意分野に注目する
仲介する不動産会社の候補を見つけたら次に吟味すべき点は、温泉付き中古物件の取り扱い件数がどのくらいあるかを見ます。
不動産会社には以下のように、それぞれに得意分野があります。
- 賃貸の仲介に強い
- 新築物件の販売が得意
- 中古物件の売却やリノベーション住宅に実績が多い
- デベロッパーなど開発系が強み
- 投資用物件の扱いが多い
- リゾート物件を積極的に売買している
温泉付き中古物件の場合では、中古物件の売買を多く取り扱っていることが第一条件、さらにそこから温泉付き物件実績の割合がどのくらい高いかがポイントです。
温泉付きの家は、一般の中古物件にはない2つの特徴があります。
1つ目は温泉を自宅に引くためには所定の手続きがいること、2つ目は浴槽システムが特殊なので定期メンテナンスが必要なことです。
こうした温泉付きの家ならではのやり方を熟知している会社であれば、安心して取引ができますね。
必ず複数の不動産会社を比較すること
不動産会社を探していくと、どこも似たような感じなのでなかなか決められませんが、今ではインターネットを使えば手軽に行えます。
不動産業界でもネットでの宣伝に力を入れている会社が増え、昔に比べると情報集めはぐっと楽になりました。
そこで必ず行いたいのが、複数社比較です。
温泉付き中古物件を扱っている不動産屋を、大中小3つくらいの規模に分けてピックアップします。
見るポイントは購入の場合は販売価格、売却の場合は査定金額を基準にすると分かりやすいです。
同じ物件が会社によって異なるのは不動産業界ではよくあることなので、賢く売買するにはもはや比較検討は不可欠です。
ただし小規模の町になると、該当する会社が一つ、またはヒットしないということもあります。
その場合は少し範囲を広げ、近隣地区の会社も当たってみましょう。
中古物件を買うなら、仲介会社を見極めることはとても大切ですね。
その通りですね。悪い口コミには、よく見ると会社選びのミスマッチや複数社比較をしなかったことが原因で、必ずしも会社側が悪いとは言い切れないようなものもありますよ。
気になる温泉付き中古物件の相場を徹底分析
温泉付き中古物件を買いたい人にも売りたい人にも、どちらにとっても気になるのが地域ごとの相場ではないでしょうか。
以下、全国にある温泉付き中古物件の相場について、2020年現在での価格帯をまとめました。
地域名 | 相場範囲(単位、万円) |
---|---|
北海道 | 400~3,000 |
東北地方 | 500~1,580 |
関東地方 | 300~20,000 |
甲信越、北陸地方 | 300~17,000 |
東海地方 | 600~9,000 |
関西地方 | 約2,000 |
中国、四国地方 | 約600 |
九州地方 | 500~7,000 |
温泉付き中古物件の相場は金額の幅が大きく、特に最高額についての差がかなり大きいことが分かります。
上の表で例を挙げると、関東と東海では価格帯に大きな差がありますがその一つの基準となるのが東京からの距離、主要都市からアクセスが便利な場所ほど価格も上昇します。
また甲信越、北陸地方に見られたのは、知名度が高く人気の観光地ほど高値が付きやすい傾向があります。
では安い物件の特徴は、その逆と考えたらいいのでしょうか?
それもありますがプラスアルファ、温泉を使用するための費用が別途必要という物件も少なくありません。
それは注意ですね。
でも、その部分に目をつぶれば人気の温泉地で暮らせることも可能性はあるので、諦めずに探していく価値は十分あります。
温泉付き中古物件のメリットと注意点
自宅に居ながらにして、毎日好きなだけ温泉に入れる、このように温泉付き住宅には大きな魅力があります。
その一方で、温泉特有の一般住宅にはない苦労があるのも事実です。
温泉付き物件のメリットと注意点について、まとめました。
家で温泉なんて最高ですよね!
私も憧れますねえ、まずは温泉付き中古物件のメリットを挙げてみましょう。
温泉付き中古物件のメリット
温泉付き中古物件を買うと、温泉がもたらすメリットを存分に味わうことができます。
温泉を身近に感じるだけでなく健康的な生活も送れる他、少し意外な楽しみ方もあります。
温泉の楽しさを身近に手軽に
温泉付き住宅の一番のメリットと言えば、何と言ってもいつでも好きな時に温泉ライフを楽しめることでしょう。
一日の疲れを取ってリラックスできるのが入浴の時間、一般の住宅に住む人の中には入浴剤を使って自宅温泉気分を味わっている人もいますね。
しかし温泉付きの家に住めば自宅にいながらにして、毎日好きな時に好きなだけ温泉タイムを味わえます。
もちろん市販の入浴剤を使ったものではなく、天然温泉かけ流しそのものをです。
健康的な生活が送れる
温泉付き住宅に住むメリットのその2は、健康的な生活を送れることです。
国内の温泉地に見られる特徴は
- 自然が豊か
- 空気や水がきれい
- 地元の新鮮な食材がある
など、体と心にとっては良いこと尽くしです。
都心での生活は確かに大変便利ですが、自然環境の面ではストレスを感じることも多々ありますね。
そんな都会から離れ、静かな土地で暮らすことを希望する人は、全ての世代で今増え始めています。
また湯船に浸かると体がほかほかと温まって大変リラックスしますが、それは気のせいではありません。
温泉水には実際に健康にとって有益な成分を大変多く含んでいます。
主なものには
- 美肌効果
- 精神安定
- 血流促進
- 内蔵機能改善
- 生活習慣病症状の緩和
に効果が期待されています。
さらに、温泉上級者となると、温泉水を飲んで健康作りをする人もいます。
以下、主な泉質と期待される効能、湧き出る量の多い主な地域を一覧表にまとめました。
泉質名 | 主な効能(浴用) | (飲用) | 主な地域 |
---|---|---|---|
単純温泉 | 自律神経を整える、うつ症状を抑える | ――― | 全国各地に分布 |
塩化物泉 | 切り傷、冷え性改善、美肌効果、血流促進 | 胃腸機能改善、便秘予防 | 全国各地に分布 |
炭酸水素塩泉 | 切り傷、冷え性改善、美肌効果、血流促進 | 胃腸機能改善、糖尿病や通風症状の緩和 | 全国各地に分布 |
硫酸塩泉 | 切り傷、冷え性改善、美肌効果、血流促進 | 肝機能改善、高コレステロール血症の緩和、便秘予防 | 全国各地に分布 |
二酸化炭素泉 | 切り傷、冷え性改善、美肌効果、血流促進 | 胃腸機能改善 | 群馬県下仁田町、長野県茅野市、岐阜県下呂市の一部 |
酸性泉 | アトピー改善、糖尿病合併症状の緩和 | ――― | 全国各地に分布 |
硫黄泉 | アトピー改善、美肌効果 | 糖尿病、高コレステロール血症の改善 | 北海道上川郡、東北地方、群馬県吾妻町、富山県、九州北部の一部地域など |
放射能泉 | 痛風改善、関節リウマチ緩和 | ――― | 全国各地に分布 |
泉質のほとんどは一部を除けば、全国どこでも共通しています。
しかし同じ地区であっても土壌の性質は微妙に異なっているので、物件ごとに泉質が違ってくることもあります。
物件を購入する予定の地区で湧き出る泉質の種類を知っておくと、健康作りにも大いに期待できそうですね。
なお温泉水の中には、一部は飲用に適さないものもあります。
温泉療法を行う際には、事前に医師や専門家による適切なアドバイスを受けることが強くすすめられます。
誤った方法で行うと体調不良を起こすなど逆効果の可能性もあるので、十分注意しましょう。
家にいる楽しみが増える
温泉付き住宅の3つ目のメリットは、新たな楽しみの発見です。
温泉旅行の人気の高さは昔から変わらないものの、経済の縮小で遠方への旅行そのものを控える人が増えてきました。
さらに2020年は未知のウィルスが大流行したことにより、感染予防で外出そのものを自粛しようという動きが出てきました。
そんな流れの中で注目されたのが、自宅で楽しむいわゆる巣ごもり消費、オンラインでの飲み会やライブがオンエアされたり、また旅行会社ではオンライン旅行なるものまで生み出されました。
温泉旅行が趣味だった人たちもまた、遠出を控えて自宅ライフを充実させる流れになってきましたが、それを実現するために温泉付きの家に需要が高まっています。
実際に、これまで見向きもされなかったような、山の中にある物件に突然問い合わせが殺到するという事態まで起こっているほどです。
また温泉旅行を趣味とする人たちは旅行だけでなく、健康作りに関心が高い人の割合も高いです。
持病があったりがんの治療を受けている人の間では、東北地方への湯治の旅は人気が高いですが、同じことを外出せずに行える手軽さも受けています。
コロナウイルスに限らず、乾燥する冬は季節性インフルエンザも流行しますね。
そうなると5日間会社や学校には行けなくなりますね。
前のように熱があっても出勤するのでなく、体調が悪い時はしっかり休むのが適切な健康管理です。そのために温泉で自宅療養できると、十分回復してパワーアップして復帰できますね。
温泉付き中古物件を買うと、健康にとってはもはやメリットしかないですね!
温泉付き中古物件の注意点
好きなだけ天然温泉を味わえる温泉付きの家ですが、意外な注意点が潜んでいることも見逃せません。
それは維持費用の問題、実は温泉付き住宅に住めば無制限に温泉を楽しめるわけではありません。
温泉を自宅の水道に引くために必要な3つの費用の他、浴槽への維持費も考えなければなりません。
え?温泉地で温泉を使うのは無料ではないんですか?
そうなんですよ。温泉資源を利用するためには3種類の費用が必要であり、それは温泉法という法律にも定められているので必ず守らなければなりません。
温泉権利金
温泉権利金とはその名の通り、自宅や別荘に温泉を引く権利を持つための契約です。
温泉資源は地域の共有財産として認識されているため、家で使用するためには所定の手続きを踏んで契約を結ばなければなりません。
その相場は地域によって異なりますが、新規契約の場合は150万円~300万円くらいと言われています。
さらに温泉権は有期契約のため更新があり、その都度更新料として平均50万円くらいの金額がかかります。
ただし中古物件では温泉権利付きの価格で売り出されているものもあります。
その場合は名義変更の手数料を支払えばすぐ使うことができます。
手数料の相場は5万円~15万円くらいです。
引き込み工事費
温泉付き中古物件には、温泉権付きの他、温泉引き込み可もあります。
温泉引き込み可の物件の場合は温泉権の新規契約が必要で、さらに引き込みのための工事費用がかかります。
工事費用の主な内容は、敷地内の配管やメーターの設置です。
相場は地域や業者によって大変幅があるので、不動産会社に確認してみましょう。
温泉使用料
自宅の水道から温泉を使用するためには、通常の水道代の他に温泉使用量が毎月必要です。
その相場は物件や地域によって様々ですが、安いところで3,500円~、平均的には2万円くらいと考えて家計を立てましょう。
なお、気になる水道光熱費ですが、オール電化の場合はガス代がかからないのでそれほど心配する必要はありません。
浴槽システムの維持費
温泉水には硫黄などの成分を多く含むため、浴槽のシステムが通常より早く寿命がくるケースを多く見かけます。
一般的な浴槽システムの寿命は約15年ほどですが、温泉が通った場合は硫黄成分による劣化があるためそれよりも短いです。
気になる費用相場については浴槽のタイプやメーカーによって大きく変わりますが、本体の他に設置、工事のための費用も合わせると最低でも100万円くらいは見積もっておくとよいでしょう。
設備を少しでも長持させるコツは日常的な清掃を入念に行うこと、蛇口や金属の錆をこまめに除去する、定期メンテナンスを必ず行うなど、浴槽の手入れを続けていきましょう。
温泉付き中古物件を買うには、良い部分だけでなく注意点も見なければいけませんね。
温泉もまた、石油などと同じように有限の天然資源と考えます。その恩恵を受けるには大切に使っていかなければならないのです。
温泉付き中古物件を早く売るためのノウハウ
温泉付き中古物件への需要が増える中、それに比例して売りたい人も増えています。
今持っている温泉付き住宅を近々売買したい、そんな所有者たちが知りたいのが自宅をできるだけ高く早く売る方法でしょう。
今度は売る時のお話ですね。
温泉付き中古物件と一般の中古物件の違いは少しありますが、基本的な考え方は通常の売却と同じです。
温泉付き中古物件の実績の多い不動産会社を選ぶ
温泉付き中古物件はやや特殊な一面もありますが、実際の売却のコツや手順は一般の中古物件とそれほど変わりません。
そこでまず大事なのが、仲介する不動産会社の選択です。
中古物件の売買は大きな金額での取引というだけでなく、細かい法律や手続きを踏むため不動産会社なしでは行えません。
買う時と同様、売る時もまた会社選びは慎重になりたいものです。
上手な探し方の例でも挙げたように、売却時もやはり温泉付き中古物件の売却実績が多い会社に依頼するのがベターです。
会社選びの原則もまた買うときと同じですね。
そうですよ。さらに、売却の流れもつかんでみると計画が立てやすくなります。次で紹介しましょう。
温泉付き中古物件でも内覧に手を抜かないこと
温泉付き物件とはいえ、売却の手順は通常の物件と同じ方法で行われます。
中古住宅の売却の流れは、以下のような手順で行われます。
売却の流れ
手順 | 内容 | 注意事項 |
---|---|---|
1.査定依頼 | 物件を詳細に見て、売却しうる概算価格を割り出します | ――― |
2.媒介契約 | 査定金額に同意したら、買主とのやり取り(媒介)をするための契約を結びます | 契約期限は平均的に3か月程度、希望により延長も可能 |
3.販売活動 | 広告やチラシなどを使い、売り出し物件のセールス活動を行います | ――― |
4.内覧 | 買取希望者から依頼があれば、物件の内部を実際に見られる内覧をします | ――― |
5.売買契約締結 | 購入する客から希望があれば、売買のための契約を結びます | この時に仲介手数料の一部を支払うことがあります |
6.引き渡し | 売買契約が完了したら、実際の物件を買主に引き渡します | 仲介手数料をはじめ所得税の精算や所有権の移転など、各種の支払いや手続き、引っ越しなどやるべきことが増えます。1か月くらいかかります。 |
7.確定申告 | 売却した翌年の確定申告にて、所得税の申告を行います | ――― |
売主にとって、価格の他に大切なのができるだけ早く成約させることです。
それを左右するのが4.の内覧、その理由は、購入前に買主が実物を見られる数少ないチャンスだからです。
人生でたった一度の大きな買い物なので、買主の目線は売主が考える以上に厳しいです。
温泉付き中古物件の場合、買取希望者が最も重視しているのはやはり浴室です。
最低限、浴室の水回りは念入りに掃除しておくこと、時間がない時はハウスクリーニングに依頼する手もあります。
また温泉設備が古い場合は定期メンテナンスを行い、交換の時期であれば事前に新しくする、これだけで印象が大きく変わります。
想像以上に細かい部分まで見られていますね。
よく見られるのは水回り、ベランダ、眺望、室内の明るさ、それだけでなく売主の人間性も決め手になると聞きますよ。
へえ、そんなところまで!
さらに、買主のほとんどが複数の物件を比較しているから、内覧には万全の準備で臨みましょう。
温泉があることの他にも良い部分をアピールすること
一般中古住宅の場合、高く売れるには3つの要素があります。
それは
- 立地条件が良い
- 築年数が浅い
- 設備が新しい
しかし温泉付き中古物件の場合必ずしもこれが全て当てはまるとは限りません。
そこで大切なのが、買主の要望をつかむこと、売却では一見不利になるような条件に対して、このような見方もできるというサンプルを挙げてみましょう。
条件 | 具体例 | 見方を変えると・・・ |
---|---|---|
立地条件 | 都心ではなく山間部にある 最寄り駅から遠い、など | ・自然環境が豊か ・空気がきれい ・水が美味しい |
築年数 | 築年数が古い | ・古いからこそ格安にできる ・後から自分好みにリフォームできる(欧米ではこのような買い方が主流) |
利便性 | 都心よりも不便 | ・地域で新鮮な野菜や魚が安く手に入る ・住人に良い人が多い ・のんびりした暮らしができる |
その他 | 設備が古い | ・古いから安くできるので、その分浮いた予算で新品の好きな設備を買える |
さらに、要望は買主の家族構成によってもアピールポイントは異なります。
子育て中の家庭には学校や公園などの遊び場所が充実している、治安が良い、地域が子育てに積極的であると嬉しいですね。
一方、高齢者がいる家庭には病院などの公共施設が近い、静かな環境で安らげる、きれいな空気と水や美味しい食材なども、アピールポイントとしては高いです。
確かに、どんな住宅でも全てを満たしていてなおかつ手頃な価格でということはまずないですね。
そのためには買主が何を求めているかをよく理解し、相手にとってのメリットをしっかり伝えることが確実な売却のためには肝心です。
実際に温泉付き中古物件を購入した人からの声まとめ
最後に、温泉付き中古物件を実際に購入した人がどのような暮らしをしているか、実際の声をまとめてみました。
メリットの部分で紹介したほかに、どのような良いことがあるのでしょうか。
わざわざ温泉付き中古物件を買うから、みなさん満足しているはずですよね。
そうですね、しかし初めからうまくいくわけでもないようです。
老後に田舎で温泉暮らしを満喫
都心に住み長年サラリーマンとして第一線で活躍してきた男性、子供たちも独立し定年を迎えたころに高齢の両親の介護で移住を検討、実家の地は有名な温泉地だったこともあり、温泉付き中古物件の購入を決めました。
しかし当初、妻は移住に反対、その理由は便利な都心を離れることに不安があり、子供たちの住む場所からも遠くなるからです。
しかし子供たちは実家に温泉があるのは歓迎とむしろ移住を後押しし、引っ越すことに決めました。
初めは移住先に慣れなかった妻も少しずつ地元での生活に溶け込み、今では住宅の敷地内にある小さな畑で家庭菜園を行いながら、地元での暮らしを楽しめるようになりました。
さらに時々帰省で訪れる子供や孫たちも温泉付きの実家には大喜びです。
また毎日温泉に浸かる習慣ができてからは現役の頃よりもずっと体調がよく、地域の行事も積極的に参加するなど、充実した地元ライフを送っています。
都心の便利さはなくとも健康を取り戻せたことで、夫婦は移住してよかったと今では思っています。
私の両親はまだ現役ですが、確かにこのような暮らしに憧れているようですね。
温泉付き中古物件はシニア世代だけでなく、子育て世代にもまた喜ばれています。
温泉効果で子供のアトピーが劇的に改善
幼い子供が二人いるある一家、子供たちは重度のアトピー性皮膚炎に悩んでいました。
食事療法や体質改善プログラムなど、やれることは何でも試したものの改善の傾向は見られず、毎晩肌をかきむしる音で目が覚め、シーツについた血の跡を眺めてはため息の日々でした。
そんな時、温泉療法に効果が期待できるという情報をキャッチ、かつて父がガンを患ったときに湯治で症状が劇的に良くなったことを思い出しました。
会社へも通勤可能なエリアに温泉地があることを知り、足しげく地元の不動産屋に通っていくうちに優良な中古物件を見つけました。
毎日温泉に入ることで子供たちのアレルギー症状は日に日に良くなり、ステロイド剤が要らないほどまで回復し、もう夜中の掻く音や血だらけのシーツに悩まされることもなくなりました。
さらにアレルギー治療へのプレッシャーからも解放されて、妻は自身も温泉生活を楽しむ余裕ができ、若い頃より美肌になって大変満足しています。
温泉のおかげで家族みんなが健康に、温泉の効能が成功した一例ですね。
私もアトピーひどかったから気持ち分かります。
自然の温泉療法で健康になったのは嬉しいですね。では最後に、少し変わった例も紹介しましょう。
リモートワークの普及で応募殺到の人気物件に
有名な温泉地に暮らす1人の男性、両親が他界してから実家は誰も住まないまま残っていました。
もともと温泉風呂がついていたものの、駅から遠い山間部の地域性のため、これまでは敬遠されていました。
しかし2020年の新型コロナウイルス大流行によって、多くの企業でリモートワークが導入された時、自然豊かな別荘地で働くいわゆるワーケーションが注目されました。
その時に、物件を提供するオファーもいくつか受けました。
藁をもずがる思いでこの話に乗ったところ、男性の物件に対する問い合わせが急増、これまでになかったことに始めは戸惑ってしまったほどでした。
結果として、ある企業がリモートワーク用に物件を購入し、これまで抱えていた実家の売却問題を見事に解決しました。
良かったですね、家だって誰かに住んでほしいですよね。
かつて積極的に買われた別荘が時を経て温泉付き中古物件として生まれ変わり再び見直される、不動産の流れは常に時代の動きと連動しているのです。
まとめ
現代のライフスタイルの変化により、温泉付き中古物件への人気は今急速に高まっています。
上手に売買するためには、温泉付き物件に精通した不動産会社に依頼すること、一般の中古物件にはない温泉引き込みの手続きについてのアドバイスや、温泉設備のメンテナンスでも長いお付き合いとなります。
気になる価格については一般と同様、立地条件、築年数、設備の充実度合いで高くなる傾向がありますが、温泉以外のメリットも探し良い妥協点を見つけられれば、賢く買うことも十分可能です。
温泉付き中古物件を購入した人からは快適な生活や健康を取り戻すなど、多くの喜びの声が聞かれています。
温泉付き中古物件を買って、豊かで充実した健康的な生活を満喫しましょう。