不動産を売却する理由は様々ありますが、新しい家への住み替えなど前向きな理由ばかりではありません。
子供のいじめや会社の倒産、離婚などマイナスな理由での売却もあります。
その場合売却することを近所の人に知られたくない、というケースも少なくないでしょう。
不動産売却は意外と近隣に知られやすいので、近所に内緒で戸建てやマンションを売る方法を知っておきましょう。
売却時のリスクは通常の売却よりも安くなるという点ですが、その理由や注意点についても解説していきましょう。
目次
戸建てやマンションを近所に内緒で売却するのは難しい?
不動産を内緒で売却することは可能か不可能なのかで言えば、可能です。
しかし内緒で売却することは簡単ではないので、どういったケースで知られてしまうのかを知っておきましょう。
また内緒で不動産を売却するリスクは、売却価格が通常よりも安くなってしまう可能性がある、ということです。
その点についても解説します。
実は商売がうまくいっていないので、店をたたんで家を売ろうと思っています。近所にうわさ好きの人がいるのでできるだけ内緒で売りたいです。
不動産を内緒で売却することはできますが、難しいので知られやすい状況やリスクをまずは知っておきましょう。
戸建て・マンションの買主は意外と近所というケースが多い
売りたい不動産を高値でも良いから買いたいと思っている人は、実は近所に住んでいる人というケースがあります。
例えば近所の賃貸に住む人が、近くに広い分譲の戸建てやマンションが売りに出されるとなれば、買いたいと思うパターンはよくあります。
何故高値で売れる可能性があるかというと、近所で引っ越しをすれば自分の生活を変えずに新しい家に引っ越せるからです。
新しい環境は、それはそれで新鮮味があるかもしれませんが、馴染みの店やかかりつけの病院などに行けなくなるリスクが減るからです。
また近所の人はその物件の立地条件など良さについて、一番わかっているため高値でも買いたいという人は現れやすいでしょう。
また一般的に仲介を行う不動産業者は、まずは物件の近所から販売活動を行います。
ポスティングやチラシ広告で営業活動を行っていくため、広く知られやすくなります。
不動産売却には広告を打たなければならない
一般的な仲介での不動産の売却活動は、市場にいる顧客に対して物件を宣伝することです。
そのため以下のような様々な広告を打ち出すため、様々な媒体を通じて近隣の人がその情報を目にすることもあるでしょう。
- チラシ
- フリーペーパー
- 店頭の広告
自分の家にも不動産業者のチラシがポストに入っている、というお宅は多いのではないでしょうか。
チラシは宣伝している物件の情報をじかに潜在顧客に訴えかけることができるので、よく用いられています。
基本は物件の有る位置を中心にチラシを近隣にまくので、ご近所さんに知られることになります。
また地元エリアに配布されているフリーペーパーも、物件情報を記載する媒体になります。
フリーペーパーは近所のお店の配布スタンドや駅など公共施設に置いてあるので、空き時間に手に取って見られる可能性があります。
不動産業者を家から近い所に依頼すれば、当然店頭広告を近所の人が見て知られてしまうといったこともあるでしょう。
戸建て・マンションの内覧希望者でバレるケースがある
近所の人に知られている理由は広告だけでなく内覧もあります。
内覧は物件の販売活動の一環で、ネットなどで物件情報を見た購入希望者に、家の中を案内することを言います。
内覧は物件の情報を掲載している限り、気に入ればその都度多くの人が内覧に訪れます。
不動産担当者と内覧希望者がひっきりなしに来れば、近隣の目にもとまります。
またオートロックのマンションの玄関先で〇〇不動産ですという声を耳にすると、勘の鋭い人に気づかれやすくなります。
不動産売却を内緒で行うなら高値は期待できない
不動産の売却を内緒にするためには、不動産業者にこういった広告などを大々的に行わないように相談する必要があります。
ということは近隣にいる高値で買ってくれる人は無視をせざるを得ない状況になる、ということです。
またネット広告に関しても物件の詳細を記載しないなどの工夫をして、売却してもらう必要があります。
ネットを見て内覧をしたいと希望を出す人は購入意欲が高いのですが、遠方であってもこのような人たちを逃してしまうリスクが増えます。
不動産売却を内緒で行う場合は様々な面から売りにくくなるため、売却価格が安くなる可能性があることを把握しておきましょう。
通常の売却よりも買い手が付きにくいデメリットを把握した上で売却する必要があります。
内緒で家の売却はできるけど、金銭面でのリスクがあるということなのですね。
内緒で売ってもタイミングが良ければ良い買い手にあたる可能性もゼロではありません。次に不動産を売却する方法の中でも、できるだけ知られにくい売却の方法について知っておきましょう。
戸建て・マンションの買取で売却を行う
不動産の売却方法には仲介と買取の2種類があります。
その中でも不動産買取という直接不動産業者に家を買い取ってもらう方法は、最も周囲にバレにくい売却の方法と言えます。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、不動産の売却方法について仲介と買取はどう違うのか知っておいてください。
戸建てやマンションの業者買取と仲介の違い
不動産の売却方法である買取と仲介の違いを知るために、各特徴について説明します。
まず仲介は自分の家を買ってくれる買主を、自分に変わって不動産業者が行ってくれる方法のことです。
レインズをはじめ、不動産のポータルサイトに広告を打ち、買い手を探す方法なので様々な人に広く知られます。
物件の情報を知られることが目的ですから、当然近所で不動産ポータルサイトを見る人の目にもとどまりやすいでしょう。
一方で、買取は不動産業者に物件を買ってもらう方法のことです。
不動産業者が買うので広告掲載を行う必要がなく、周囲に売却活動を行っていることが知られにくい特徴があります。
購入した物件は、不動産業者がリフォームなどを行い再販という形で市場に販売します。
広告を打つのか打たないのか、この部分に大きな違いがあります。
そして内緒で不動産売却を行いたいのであれば、買取が向いていることが分かります。
内緒で不動産を売却したい人にとってはメリットが大きい買取ですが、実はメリットだけでなくデメリットもあります。
両者を詳しく知ったうえで判断してください。
不動産買取のメリットは4つ
内緒で不動産を売却する上で買取の最大のメリットは、宣伝や広告で人の目に晒されず売却することができるという点です。
また他にもメリットはありまとめると以下になります。
- 不動産業者が提示した価格で売れる
- 仲介手数料がかからない
- 広告のために内装の綺麗さにこだわる必要がない
- 契約不適合責任がない
不動産買取は不動産業者が買主になるので、業者が提示した価格がそのまま売却価格になります。
その金額で売主が納得すれば、他は印紙代などの諸費用のみ支払えば問題ありません。
また金銭的なメリットとして、仲介で買い手を探す訳ではないので仲介手数料がかかりません。
仲介手数料とは、不動産業者に仲介を依頼するとかかる報酬の事で、かかる額は以下のように決まりがあります。
売買価格 | 仲介手数料の上限 |
---|---|
200万円以下の部分 | 18万円 |
200万超400万円以下の部分 | 18万円 |
400万円以上の部分 | 売買価格の3% |
あくまでも上記は上限ではありますが、上限までなら提示することができます。
例えば売却価格が3000万円の仲介手数料は、200万円以下の部分に18万円、400万円までの部分に18万円がかかり、残りの2600万円の部分に78万円がかかるので計114万円かかることになります。
買取だとこれがかからないことになります。
また不動産買取では再販の時に自社で見栄えをよくするためのリフォームを行います。
そのため、汚れや見栄えに関して売却の段階で査定額に影響がありません。
現状のままで査定を行ってもらえば良いので、ホームステージングを行うといった手間や費用が発生しないのがメリットです。
また家を売る場合、契約不適合責任という責任が売主に課せられます。
これは契約書の内容と合った物件を売らなかった場合、欠陥等について修繕などの保証を売主が負わなければならない責任の事です。
契約不適合責任は引渡しから3か月までといった期限が決められており、それまでは責任を負うことが民法で定められています。
買取の場合は契約不適合責任を免責されて契約をしてもらえることがほとんどです。
そのため、責任が問われるリスクがなく、またリスクなしで売るためのインスペクションなどの費用や手間が省けます。
不動産買取のデメリットは3つ
一方で不動産買取にはデメリットもあります。
- 仲介よりも売却価格がさがる
- 買取り業者の知名度があまりない
- 業者買取を依頼方法の認知度が低い
不動産買取の最大のデメリットは売却価格が安くなってしまうことです。
一般的に仲介で売却する相場価格の7割~8割程度が目安とされています。
例えば通常の売却では3000万円で売れる物件が、2100万円~2400万円になるということです。
不動産業者は買取で仲介手数料が発生しないため、買い取った物件をより良い状態で再販し、そこで利益を得る必要があります。
そのためには見栄えをよくするために増改築やリフォームを施す必要があるからです。
また広告を打つ必要もあるため、その分売却価格が安くなってしまいます。
さらに不動産での売却イコール仲介というイメージが定着しているため、買取を知らないという人も多いはずです。
仲介と比較すると買取を行う大手不動産業者は少なく、見つけづらいのもデメリットです。
買取り業者が見つかっても、新耐震基準を満たしているか、床面積は何m2以上などの条件がついている業者も多いです。
不動産仲介で近所に内緒で売却する
買取と違い、仲介は買主を業者が見つけてくる方法で、仲介手数料はかかるものの買取よりも高く売れる可能性が高いです。
近所に何が何でも知られたくない訳ではなく、売却価格も重視したいなら、内緒で仲介を依頼することも可能です。
しかしそれには注意点があります。
大々的に広告ができないため不動産売却が長期化する
不動産業者が行う売却活動で効果的なのは、インターネットへの掲載での広告を行う方法です。
不動産ポータルサイトは誰でも物件情報が閲覧でき、検索時に上の方に表示させることもできます。
それを知られずに売るとなると、露出が減るので売却が長引く覚悟をしておかなければなりません。
広告の範囲をどこまで行うのか慎重に検討する
仲介を依頼する業者と、広告の範囲についてどこまで慎重に行わなければならないのか、相談を行う必要があります。
例えばマンションであれば号室までは掲載せず、どこの部屋の人が売却しているか分からないようにする、などです。
広告についてどこまで妥協できるのか、入念に相談した上で仲介を依頼しなければならなくなります。
そこで信頼できる業者を見つけることがポイントになってくるので、複数の業者に査定依頼をして、安心して任せられる業者選びが重要です。
広告掲載をせずに不動産仲介を行うのは難易度が高い
広告掲載を一切せずに売却を行うとなると、不動産業者が持つ顧客や来店客に良い物件が他にもありますよ、といって紹介する形のみになります。
顧客は限られた人になり、飛び込みで来るお客さんは今はほとんどいません。
そのためネットで見つけた良い物件を見たくて来た人に、他の物件を見せても興味がわくかと言えば難しいでしょう。
戸建て・マンション内覧に配慮してもらう必要がある
内覧に来てもらった時、不動産業者と一目でわかるようなロゴの入った作業着などは避けてもらう必要があります。
またマンションのオートロックも、大きい声で〇〇不動産ですというと、住民に聞かれる可能性があります。
その辺の配慮も行ってもらわないといけません。
不動産買取でなく仲介で依頼するならどの契約を結ぶべき?
不動産の売却を内緒で行い、また買取ではなく仲介で依頼する場合、どのような契約を選ぶべきなのでしょうか。
不動産業者との契約方法には以下のように3つの契約方法があります。
項目 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
---|---|---|---|
複数社との契約 | 〇 | × | × |
自分で買い手を見つける | 〇 | 〇 | × |
レインズへの登録 | 任意 | 契約から7日以内 | 契約から5日以内 |
売主への進捗状況の報告 | 任意 | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
契約有効期限 | 制限なし | 3か月 | 3か月 |
時と場合にもよるでしょうが、それぞれのケースからおすすめの契約方法を紹介します。
時間に余裕があるなら一般媒介契約
売却までに時間に余裕があり、急いでいない時は一般媒介契約でも問題ありません。
一般媒介契約は表にもある通り、レインズへの登録義務がありません。
そのため全く事情を知らない不動産のミスで、物件が広告掲載されることが少なくなるでしょう。
ただし一般媒介契約は他の媒介契約よりも長期化する可能性があるため、長期化によって近隣の人に知られるリスクは高まります。
一般媒介契約で契約する場合は、以下の事を不動産業者に相談しましょう。
- 一般媒介契約でも一社のみの契約とするので内緒に売却してほしい
- レインズへの登録はしない
- 店頭広告をしない
- 住んでいるマンションや近隣にチラシをまかない
通常一般媒介契約で契約すると、他社との契約をすることができるので、多くの人の目に売りたい物件を宣伝することができます。
ただし一般媒介契約だと両手仲介の可能性が低くなり、進捗状況の報告も任意になるためあまり力を入れて営業活動を行わない業者もいます。
「一般媒介はレインズへの登録をしないためで、契約は一社のみで行うので近隣に分からないように売却をしたい」と申し出ましょう。
そうすれば一般媒介契約でも、担当者は快く受けてくれる場合もあります。
注意点として広告については大々的に行えないので、物件を探している自社の顧客を多く抱えている企業を選ぶ必要があります。
でないと販売が長期化してしまう可能性があるでしょう。
また親身に対応してくれる業者については複数社の査定をして選ぶと良いでしょう。
早く不動産売却してバレるリスクを減らすなら専任媒介契約
不動産の売却活動があまりにも長期化すると、近隣に分かられてしまうリスクもあります。
そのため少しでも早く売って引っ越してしまいたいと考えるなら、専任媒介契約を結びましょう。
専任媒介契約を結ぶ際は、以下のように相談しましょう。
- 近隣に知られないように売却してほしい
- 店頭広告やチラシの配布をしない
- 店頭での広告は窓ガラスではなく店内のみ
- レインズへは備考欄に広告非掲載として設定
- 客付け不動産に対しても内緒の売却という連絡をしてほしい
一般媒介契約と同様に、近隣に知られたくないことを相談しましょう。
また店頭では窓ガラスや店頭の看板に物件情報を貼るなどの広告をしないようお願いしてください。
専任媒介契約は基本的にレインズへの登録が必須です。
その際に、レインズへは備考欄に広告非掲載の設定をしてもらうように相談しましょう。
また客付けのために複数の不動産が取り扱うとなると、人的ミスで内緒だという連絡が行かずに知られてしまう可能性があります。
そのため、内緒で売却することを徹底して他の業者にも認知してもらっておきましょう。
専任媒介契約は一般媒介契約と比較すると両手仲介になりやすく、物件の価格が安くなる可能性もあります。
しかし今回の場合は人に知られないことが一番の目的のため、専任媒介契約でお願いするメリットがあります。
また専任媒介の場合一社のみとの契約になるため、両手仲介を狙えると担当者のやる気がアップし、早く売却できる可能性も高まります。
広告はしなくても、違う物件が目当てできた顧客に、こちらの物件をプッシュしてくれるようになります。
専任媒介契約は両手仲介になると価格が安くなりがちですが、そもそも内緒で売却するとなると高値は見込めません。
そのため値段を重視する必要はなくなります。
不動産業者を介せず個人売買を行う手段もある
個人売買は文字通り不動産業者を介せず個人間で売買を行う方法を言います。
結論から言えば時間や手間、またトラブルが発生することもあるためおすすめはできない方法ですが、近隣に秘密にして売却を行うことができます。
どんな方法なのか、特徴やリスクを簡単に知っておきましょう。
不動産の個人売買は合法なのか
不動産の個人間での売買は合法な取引になるので、法律違反をすることはありません。
不動産業者のように、仲介業務を行うためには国の資格を取得した上で行わなければ違反になります。
しかし個人間で家の売買を行うのに、資格などは必要ないのです。
不動産業者に依頼した場合は売買契約書や重要事項説明書など書類の作成が義務付けられています。
しかし個人の売買では規制がないため、取引で問題になることは全て自己責任で行わなければならなくなります。
そのためトラブルに発展しやすく危険が伴うことを把握しておかなければなりません。
個人売買で不動産売却するリスクを知っておこう
個人売買で不動産売却を内緒で行う際には、メリットがいくつかあります。
以下にメリットをまとめました。
- 仲介手数料がかからない
- 自由度の高い取引が可能
個人売買も買取と同じように仲介ではないため、仲介手数料が発生しません。
また契約内容や売買価格は売り主が自分で自由に決めることができます。
仲介では不動産会社が主となり売却活動を行うため、取引内容を決める上で売主の意見が通りにくいケースもあります。
そういった制限なく売れることが個人売買のメリットです。
一方でデメリットも複数あります。
- 買主を見つけるのが難しい
- トラブルが発生しやすい
- 手間や時間がかかる
自分の身の回りに買ってくれそうな人がいるのであれば問題ありませんが、なければサイトなどで探す必要があります。
不動産業者のように、物件をプロ目線でアピールしてくれる人はいませんので、買い手が見つかるまでひたすら待つといった状態になります。
買主もわざわざ個人間のやりとりを行うリスクを取らずに、手数料がかかっても安心を取りたい人の方が多いので、買い手が見つかりにくいデメリットがあります。
また個人売買は専門家の手助け無く自分で行うため、書類の不備などが多々発生します。
そのため買主とのトラブルがつきもので、これこそが個人売買の最大のリスクと言えます。
書類の不備などが生じれば時間は倍かかりますし、取引相手との日程調整に至るまですべて自分で行わなければなりません。
時間に余裕があり、不動産の知識をよく知っている人であれば、個人売買で秘密裏に不動産を売却することもお勧めできます。
そうでない場合はトラブルを防ぐために、多少売却価格が安くなっても買取を選んだ方が賢明な判断だと言えます。
不動産を内緒で売却するには、不動産買取が効率的なようです。ただし仲介でも注意点を把握していれば売れそうですね。個人売買についてはリスクが大きいので知識を持たない私には難しそうです。
買取りにせよ仲介にせよ、通常の売却よりも高値での売却が難しい、これが売却時のリスクです。また仲介で売る場合は信頼できる業者選びが最重要となるでしょう。
戸建て・マンション売却を内緒で行う注意点
不動産売却を内緒で行うのであれば、それに伴う注意点を知っておきましょう。
また買取してくれる業者を選んだり、内緒の売却であることを親身に対応してくれる業者を選ぶには複数の査定がポイントです。
そのポイントについても見ていきましょう。
必ず不動産業者にはっきり伝えること
当然ですが、内緒で売却する場合は最初の段階で、「近所に知られずに売却したい」とはっきりと伝えることが大事です。
でないと、不動産会社は良かれと思いどんどん近隣に広告をうってしまいます。
また買主を探す流れは、通常の売却とは異なることを把握しておくことが大切です。
通常の売却であれば広告を大々的に売って、気になったり興味を持った人が直接その不動産会社に連絡してきます。
しかし大々的に広告をうたないのであれば、このような手順を踏むことができません。
違う物件目当てで来たお客さんに対して、このような物件もありますと紹介する形でおすすめしてもらうことになります。
不動産売却活動の期間が長期化する
先述したように違う物件目当てで来た客に、内緒の物件をおすすめしてもあまり良い返事をもらえないことが多いでしょう。
そのため売却活動が長期化する可能性があります。
内覧に来てもらっても、あまり乗り気でないとなるケースも多く、それを繰り返しているとよく人が来ているな、と近所の人に知られてしまう可能性もあります。
内覧でいくら綺麗に部屋を見せても、中々買い手がつかない可能性を覚悟しておく必要があるでしょう。
内覧で近隣に知られることが不安な場合は、不動産買取で家を買い取ってもらう選択肢を取る方が安心できます。
不動産の査定額は安く見込んでおくこと
不動産会社が提示する査定額は、通常の売り方をし広告を大々的に打つ前提で算出した査定額です。
そのため内緒で売却するとなると広告の出し方などが異なるため、通常の査定額での売却は難しくなるでしょう。
不動産会社が提示する査定額というのはイコール売却価格ではなく、営業するために少し盛った形での査定額になりがちです。
そのため高値での価格が提示され、うちならしっかり営業を行うのでこれだけ高値ですとアピールのために行われることがあります。
こちらは内緒での売却が望みなので、その査定額で売れることはより一層ないと考えておいた方が良いでしょう。
では提示された査定額をどのように参考にすれば良いのかというと、複数業者にお願いし出た最低価格を参考にします。
売却価格を重視できない以上、査定額に期待することは避けておきたい所です。
複数の不動産業者に査定依頼をして信頼できる業者を選ぶ
複数の業者に査定依頼をして、出た査定額の最低価格を大体の相場だとしておきます。
内緒で売却を行う場合は、以下の条件を満たす不動産業者を選ぶ必要があります。
- 信頼が厚く信用できる会社
- 広告に頼らなくても多くの顧客を抱えている会社
- 買取を選択するなら不動産買取を行っている会社
まずは信頼できる会社でないと、内緒の不動産売却の実現は難しいでしょう。
会社として売主の希望をしっかり聞いてくれ、対応してくれる業者でないと安心して任せられないはずです。
また広告を大々的に行えないので、独自のルートで買主を探してくれる会社や、購入希望者を顧客として多く持つ会社を選びましょう。
大手企業であれば多くの顧客を持っているため、相談してみると良いでしょう。
また買取を選択する可能性があるのであれば、不動産買取を行う会社にも査定依頼をしておくと後々便利です。
このような業者選びのポイントを踏まえた上で、複数社の査定依頼を行いましょう。
複数の不動産業者に査定依頼を行うなら、一括査定サイトが便利で効率的です。
一括査定サイトとは、個人情報と物件情報を入力するだけで、査定サイト側が査定依頼を行える不動産業者を探してくれるサイトです。
査定は机上査定か訪問査定か選べるので、何度も営業担当者が見に来るのが不安な場合は、気軽な簡易査定を選ぶこともできます。
買取をしたい場合は、買取に対応していない不動産業者もあるので、必ず一括査定サイトで確認して査定依頼をしましょう。
大手企業は多くの顧客を持っていますが、中小企業も独自のルートを使い、買主を探してくれる所もあるかもしれません。
そのため、査定依頼を行う際は大手だから安心と決めつけず、様々な不動産業者の査定依頼をすることが良い企業に出会うコツです。
どんな売却方法を選ぶとしても、また売却価格があまり期待できなくても複数の不動産業者への査定が大事なのですね!
査定額の最低ラインを知るためにも、また信頼できる不動産業者に依頼するためにも、一括査定サイトの利用は必ず行いましょう。内緒で不動産を売却する場合は、必ず不動産会社にその旨を伝えることを忘れずにね。
まとめ
近所に内緒で戸建てやマンションを売る方法には、仲介でお願いし近所に内緒で売りたい旨を相談する方法があります。
また仲介以外にも、スピード重視で家を売りたいなら不動産買取を行う不動産業者に売る、という方法があります。
個人間売買も視野に入れても良いですが、時間と手間がかかり、トラブルのリスクが上がるためあまりおすすめはできません。
内緒で家を売却するリスクは、高値での売却ができない点です。
不動産買取を選択すると相場の8割程度に価格が下がり、また仲介での依頼も買い手が中々見つからないため、値段を下げざるを得ない状況になることもあるでしょう。
またスピード重視で専任媒介で売る場合は両手仲介になり、物件の価格が下がりがちです。
どの売却方法を選ぶとしても、複数の不動産業者に査定依頼を行い、最低価格ラインを掴んでおくことが大事です。
また親身になってくれる業者を選んで内緒の売却を成功させましょう。