不動産売却にかかる広告費は不動産業者が負担します。
不動産業者に仲介を依頼すると高額な広告費を請求されるのではないかと心配する人も少なくありませんが、広告費は仲介手数料の中に含まれています。
そのため売主が広告費を請求されることは基本的にありません。
ただし例外もあり、宣伝活動の範囲や広告の種類によっては広告費が発生することがあります。
どのようなケースで広告費が発生するかというのは宅地建物取引業法によって決められているため、宅地建物取引業法で定められている内容を確認しておくことが大切です。
広告を使った宣伝活動は不動産業者と媒介契約を結んだ後に始まります。
媒介契約の種類によっては広告内容について自分の意見を伝えることも可能です。
広告の内容次第で売却期間に差が出ることもあるため、売主側も魅力的な広告にするための方法を考えておくと良いでしょう。
ただし不動産の広告には掲載が禁止されている文言もあります。
もし禁止事項を掲載すると罰則を課せられるため注意しなければなりません。
もっと魅力的なキャッチコピーを使って宣伝して欲しいと考える売主は少なくありませんが、いくら購買意欲をそそるような魅力的なキャッチコピーでも使えない文言があるということを理解しておく必要があります。
目次
広告費は不動産業者の仲介手数料に含まれている
不動産業者に仲介の依頼をして買主が決まった場合、売主は不動産業者に対して仲介手数料を支払うことになります。
仲介手数料は営業担当者への報酬と考える人もいるかもしれませんが、担当者への報酬以外に以下の費用も含まれます。
- 広告費
- ガソリン代
- 売買契約書の作成
- 必要な書類の準備
- 重要事項の説明など
上記の内容を見てもわかるように、仲介手数料には広告費も含まれています。
そのため基本的に売主が広告費用を支払うことはありません。
不動産業者に仲介手数料以外の費用を支払うことはないと覚えておくと良いでしょう。
ただし通常の広告の範囲を超えた広告を作ったり宣伝活動をしたりする場合は、別途広告費用が発生します。
仲介手数料には様々な費用が含まれているんですね
広告費や交通費などの売却活動をする上で必要な費用は仲介手数料に全て含まれているため、仲介手数料とは別に広告費を請求されることはないんですよ
仲介手数料以外の費用は請求されないと覚えておけば良いですね
ただし例外もあるため、別途広告費が発生する場合の広告の内容についても確認しておくことが大切ですよ
不動産業者に支払う仲介手数料の上限は決まっている
不動産業者に支払う仲介手数料には広告費の他に営業担当者の人件費やガソリン代などの様々な費用が含まれるため、高額な費用がかかるのではないかと心配になる人もいるでしょう。
確かに高額な価格で不動産を売却した場合は仲介手数料も高額になるのが一般的です。
しかし仲介手数料の上限は宅地建物取引業法によって決められています。
そのため事前に仲介手数料を調べれば、費用についての不安を解消できます。
以下の表で仲介手数料の上限を確認しましょう。
不動産の売却費用 | 仲介手数料の上限(売主の場合) |
---|---|
400万円以下 | 18万円以内+消費税 |
400万円を超える費用 | 売却価格×3%+6万円)+消費税 |
売主と買主では不動産業者に支払う仲介手数料が違います。
以前は売主も買主も同じ仲介手数料を支払っていましたが、平成30年に宅地建物取引業法が一部改訂され、売主の場合は400万円以下の売却代金の仲介手数料に関しては18万円以内に統一されました。
そのためもし売却価格が400万円以下の場合は、18万円以上の仲介手数料を支払うことはありません。
ただし売却価格が400万円を超える場合は、売却価格が高くなればなるほど仲介手数料も高額になります。
とはいえ仲介手数料の上限は決まっていても下限は決まっていないため、不動産業者によっては仲介手数料を抑えられることもあります。
仲介手数料は売買が成立したときに支払う費用
仲介手数料を支払うタイミングについても把握しておく必要があります。
費用のスケジュールを立てやすくなる他、一般的な不動産業者と悪徳な不動産業者を見極めるのにも役立つからです。
仲介手数料は不動産売買が成立したときにはじめて支払う費用です。
無事売却が決まった際に、売却活動にかかった費用や人件費を成功報酬として支払うのです。
そのため売買契約のときに仲介手数料を支払うのが一般的です。
もし売買契約の前に仲介手数料を請求された場合は、なぜ売買契約が成立していないのに手数料を支払わなければならないのか聞いてみましょう。
また一般的に仲介手数料は売買契約時と不動産の引き渡し時の2回に分けて半額ずつ支払います。
売買契約時と引き渡し時には買主から売却代金の一部を受け取るため、住宅ローンの残高と売却代金とのバランスによっては受け取った売却代金で仲介手数料を支払うことも可能です。
契約期間内の解約には注意が必要
売買契約が成立したときに仲介手数料を支払えばその他の費用を請求されることはありませんが、媒介契約の期間内に解約をした場合は罰金を請求されることもあります。
媒介契約には3つの種類があり、いずれの契約方法を選んだ場合も契約期間は基本的に3カ月と決まっています。
しかし一般媒介契約については一般的な期間を採用しているに過ぎないため、3カ月以内に解約をしても罰則を課せられることはありません。
しかし一般媒介契約以外の契約方法を選んだ場合は費用を請求される可能性があるため注意が必要です。
もし不動産業者に非があって解約をするのならば、罰金を支払う必要はありません。
しかし売主の自己都合で解約をする場合はそれまでにかかった広告費やガソリン代、人件費などを請求される可能性があります。
ただし契約期間内に解約したときに支払う費用は仲介手数料の上限までと決められているため、それ以上の費用を支払う必要はありません。
罰金の上限が決まっているとはいえ罰金は余計な出費です。
無駄な出費を防ぐためにも、違う不動産業者に仲介を依頼したいと思ったときは契約期間が過ぎるまで待ちましょう。
不動産が遠方にある場合は別途費用が発生する?
通常の宣伝費や広告費は仲介手数料に含まれますが例外もあります。
宅地建物取引業法施行規制の規定による標準媒介契約約款には以下のように記載されています。
(特別依頼に係る費用)
- 第9条 甲が乙に特別に依頼した広告の料金又は遠隔地への出張旅費は甲の負担と
し、甲は、乙の請求に基づいて、その実費を支払わなければなりません。
上記の標準媒介契約の約款に記されている内容を要約すると、次のようなケースは別途費用を請求される可能性があるということです。
- 遠方の不動産を売却する
- 検索結果に関連付けて広告を表示させる検索連動型広告やフルカラーのチラシなどの特別な広告を依頼する
売却予定の不動産が遠方にある場合は別途費用が発生する可能性が高いです。
宣伝活動をする際や不動産のリサーチをする際に、広告費や移動費などが余分にかかるからです。
チラシを作るときやインターネットに広告を掲載するときも、少し手の込んだ広告にしようとすると別途費用がかかります。
ただし仲介手数料の他に広告費がかかる場合は事前に別途費用がかかることを売主に伝えるのが一般的です。
売主の同意のもとで特別な広告を掲載したり宣伝活動をしたりするため、後で不明な費用を請求されることはありません。
どのような方法で不動産業者は宣伝広告するの?
不動産を宣伝する際は以下のような方法で宣伝するのが一般的です。
- チラシをポスティングする
- 売却予定の不動産がある場所に看板を立てる
- 店舗にチラシを貼る
- 地元の新聞に掲載する
- 不動産情報サイトに掲載する
- 不動産流通機構に登録する
- ダイレクトメールを送る
最近はインターネットを使って不動産の情報を得る人が多いため、情報サイトに不動産の情報を掲載するのが一般的です。
より多くの人の目に触れるように、自社の情報サイトや他社の情報サイトに不動産情報を掲載します。
1つの方法で宣伝するのではなく、いくつかの方法を組み合わせて宣伝するのが基本です。
特に資金が潤沢な不動産業者は宣伝方法のバリエーションが豊かな傾向にあります。
ただし媒介契約の種類によっては宣伝方法が限られることもあります。
複数の宣伝方法がありますが、最も効果的なのはどの方法なのですか?
この方法が最善の方法と断言することはできませんが、インターネットを使った宣伝は宣伝スピードが違うため、最近は情報サイトを利用して宣伝するのが主流なんですよ
情報サイトへの掲載と同時にポスティングなどの他の方法も併用してもらえれば、すぐに購入希望者が現れそうですね
ただし媒介契約の種類によっては利用できない宣伝方法もあるため、よく考えてから媒介契約の種類を決める必要があるんですよ
不動産業者との媒介契約の種類によって宣伝方法が違う
不動産業者の資金力による宣伝方法の違いもありますが、媒介契約の種類によっても宣伝方法は異なります。
まず以下で3種類の媒介契約の概要を確認しましょう。
- 一般媒介契約…複数の不動産業者に仲介を依頼できる
- 専任媒介契約…仲介を依頼できるのは1社のみ
- 専属専任媒介契約…仲介を依頼できるのは1社のみ・専任媒介契約よりも契約内容が厳しい
一般媒介契約は複数の不動産業者に仲介を依頼できるため、他の契約方法よりも多くの人に自分の不動産の情報を見てもらえます。
しかし積極的に宣伝活動をしてもらえる可能性が高いのは、専任媒介契約や専属専任媒介契約です。
1社としか契約できないため、他の不動産業者に契約をとられる心配はありません。
つまり仲介手数料を受け取れる可能性が極めて高いため、積極的に宣伝活動をしてくれることが期待できるのです。
それはそれぞれの媒介契約の宣伝方法を見てもわかります。
媒介契約の種類 | 主な宣伝方法 |
---|---|
一般媒介契約 | 情報サイト、看板、店舗 |
専任媒介契約 | 情報サイト、看板、ポスティング、店舗、不動産流通機構への登録、地元の新聞への掲載、ダイレクトメール |
専属専任媒介契約 | 情報サイト、看板、ポスティング、店舗、不動産流通機構への登録、地元の新聞への掲載、ダイレクトメール |
専任媒介契約と専属専任媒介契約は宣伝方法が豊富です。
そのため一般的な不動産の場合は、専任媒介契約か専属専任媒介契約のどちらかを選んだほうが不動産を早期に売却できるでしょう。
媒介契約の種類によっては広告に対して意見を言うことも可能
専任媒介契約や専属専任媒介契約には、1社にしか仲介を依頼できなかったり自分で買主を見つけることが認められなかったりなどのいくつかの決まりがあります。
しかしこの2種類の媒介契約には媒介契約者に対する報告義務があるため、売主は宣伝活動の状況をこまめに確認できます。
そのため安心感を持って売却までの期間を過ごせるでしょう。
専任媒介契約と専属専任媒介契約の売主に対する報告ペースを以下にまとめました。
- 専任媒介契約…2週間に1回のペースで報告
- 専属専任媒介契約…1週間に1回のペースで報告
また専任媒介契約や専属専任媒介契約を選んだ場合は、広告に関して売主の意見を伝えることも可能です。
もし希望があるのならば担当者に伝えてみましょう。
むしろ売却するのは自分の不動産のため、積極的に広告の内容を考えて担当者に伝えるのが望ましいです。
ただし不動産の広告には禁止事項があるため、売主の希望が全て通るわけではないということを理解しておく必要があります。
広告の禁止事項については後の章で詳しく紹介します。
売却に直結!?魅力的な不動産広告のポイントは?
いくら複数の方法を利用して宣伝しても、印象に残るような広告でなければ広告をしっかり見てくれません。
チラシの場合は家に持ち帰る前に捨てられてしまうこともあります。
広告を見てもらうためには、印象に残るような魅力的な広告を作ることが大切です。
不動産における魅力的な広告とは次のような広告のことを言います。
- 写真が豊富
- 周辺環境の情報が豊富
- ターゲットが明確になっている
- メッセージがある
まず写真で広告を目にした人を惹きつけます。
その後に物件や周辺施設についての豊富な情報で興味を抱いてもらい、メッセージで行動を促すのが理想的です。
戸建てやマンション売却は写真を豊富に
これから不動産を購入しようとしている人はまず不動産の所在地や間取りの他、写真にも注目をします。
現地に行かなくてもどのような不動産なのかをイメージすることができるからです。
広告に図面だけが掲載されていたり写真の数が少なかったりする場合は、不動産業者に問い合わせをして写真を送ってもらわなければなりません。
写真を見るために不動産業者に連絡をするのは面倒なため、少し興味があると思ってもそれ以上の進展はなくなってしまうのです。
そのため広告にはなるべく多くの写真を入れるのが望ましいです。
例えば戸建て住宅やマンションを売却する場合は、以下の場所の写真を掲載するようにしましょう。
- 玄関
- リビング
- キッチン
- 収納
- 浴室
- トイレ
- ベランダ・庭
- 外観
- エントランス(マンション)
購入希望者にとっては情報が多ければ多いほど物件をイメージしやすくなります。
ただし写真の質には気を配ることが大切です。
あまりにも暗かったりぼやけていたりすると、かえってマイナスの印象を持たれる可能性があります。
だからといって汚れやキズを加工してキレイに見せたり、違う物件の写真を掲載したりするのは避けなければなりません。
現状を丁寧に撮影しましょう。
広告を見てもらうためには写真を多く掲載することが大切なんですね
写真が多ければその物件に住んだときの生活をイメージしやすくなります。新しい生活を具体的にイメージできれば積極的に行動しようと思いやすくなるため、不動産業者に連絡をするときには内覧の予定を立てていることも多いんですよ
写真は重要なんですね。もしマンションに住んでいて家の中が片付いていないときは、違う部屋の写真を掲載しても大丈夫なのでしょうか?
必ず売却予定の不動産の写真でなければなりません。実際の部屋とは異なるという文言を入れたとしても、異なる部屋の写真を掲載することはできないんですよ
不動産物件の周辺施設の情報が豊富
情報は多いに越したことはありません。
そのため不動産に関する情報だけでなく、周辺の情報も掲載しましょう。
周辺の情報がわかれば、そこで生活したときのイメージがしやすくなります。
周辺の情報を掲載する際は、次の情報を掲載するのが望ましいです。
- 最寄り駅
- 公園
- スーパー
- コンビニエンスストア
- 金融機関
- 病院
- 学校、幼稚園、保育園
多くの情報を掲載できる情報サイトを利用する場合は、周辺施設の写真も掲載すると良いでしょう。
ただしターゲットに合った情報を掲載する必要があります。
例えばシングル用の物件の広告に学校や保育園の情報を掲載しても、自分の生活に役立つ情報とは感じられないからです。
そのためターゲットを意識して周辺の情報を掲載することが大切です。
不動産を売却するターゲットが明確になっている
どちらかといえば不動産広告はターゲットが明確になっていないものが多いです。
ターゲットを絞らずに多くの人に向けて広告を作ったほうが早く買主を見つけられるのではないかと考えるからです。
しかし情報やメッセージが心に届きやすいのは、ターゲットを絞っている広告です。
例えばファミリー向けのマンションを探しているとしましょう。
ターゲットが明確になっていない広告とファミリー向けなどと記載されている広告では、どちらの広告に興味を持つでしょうか?
ファミリー向けとターゲットが明確になっていれば、詳細を見てみようと思いやすくなります。
情報に関しても同様です。
単身向けの物件を探している人に、小学校や子育て支援センターなどの情報を伝えても役立ちません。
コンビニエンスストアやコインランドリーなどの、単身者の生活に役立つ情報を多く掲載したほうが興味を持つでしょう。
逆にファミリー向けの物件の場合はスーパーや学校、公園などの情報があれば、子育てをしやすいか否かなどを判断できます。
そのためなるべくピンポイントにターゲットを絞って、メッセージや情報を伝えたほうが良いです。
不動産の買い主向けのメッセージがある
写真や周辺施設などの情報の他にメッセージも掲載されていれば、より広告を見てみようと思いやすくなります。
メッセージを掲載する際は長文のメッセージではなく、短いフレーズで不動産の魅力を伝えることが大切です。
実際に不動産売却の際に反響があったキャッチコピーを以下で見ていきましょう。
- 小さなお子さんがいらっしゃるあなたへ
- 子育て世代のパパ・ママへ
- ママに嬉しい間取り 家事応援の家
- 「実際に自分自身が住む家を見て納得して買いたい」そんなあなたの為にご用意しました
- 「趣味は読書」と仰る知的なあなたに、お勧めしたい物件です
- 共稼ぎで頑張っておられる子育て世代のあなた。自宅から徒歩1分の場所に保育園があれば、嬉しくないですか?
- これであなたも節約家!!ついに登場!!太陽光発電システム標準搭載の家!
- 5万円以上の家賃を支払うのは勿体ない。何故なら、月々48,852円の支払いで、南向きの分譲マンションが買えるの ですから
上記のキャッチコピーを見てもわかるようにターゲットを絞り、そのターゲットに合った魅力的なフレーズを考えることが大切です。
またご家族揃って内覧にお越しくださいなどと行動を促すメッセージを記載するのも重要なポイントです。
キャッチコピーは担当者に任せることもできますが、自分の不動産の魅力は売主が一番わかっているはずです。
そのため担当者に任せきりにせずに売主も考えるようにしましょう。
不動産広告を作る際は宅地建物取引業法のルールに注意
不動産広告を作成する際は、宅地建物取引業法によって定められたルールを守らなくてはなりません。
以下に不動産広告を作成するにあたってのルールをまとめました。
- 誇大広告の禁止
- 広告開始時期の制限
- 取引態様の明示(売主と代理、媒介について記載)
つまり誇大表現のない取引態様が明示された広告を利用し、宅地建物取引業法によって定められた時期に宣伝をスタートさせなければならないということです。
ただし広告開始時期の制限については造成工事や建築工事が完了する前の宅地や建物に関するルールのため、中古物件の場合は広告開始時期について気にする必要はありません。
一方誇大表示については気をつける必要があります。
つい使いたくなるフレーズが禁止ワードに指定されていることもあるため、使ってはいけない用語を必ず確認しましょう。
誇大表現に注意!特定用語の使用基準を確認しよう
誇大表示の禁止のルールの中には、さらに特定用語の使用基準というルールがあります。
使用する人によって意味が異なる用語に関しては定義が規定されているのです。
例えば築1年未満の住宅を新築と捉える人もいれば、2年以下の住宅を新築と考える人もいるでしょう。
仮に売却する住宅の築年数が2年未満だったとします。
広告を見た人が1年未満の住宅を新築と考えている場合、広告に記載されている新築という表現はオーバーな表現だと思うでしょう。
このように使用する人による意味の違いや言葉を受け取る人による意味の違いを防ぐためにも、宅地建物取引業法によって定められた6つの特定用語については以下のような規定があります。
- 新築…建築後1年未満
- 新発売…新しく造成された宅地もしくは新築住宅
- ダイニング・キッチン…居間と台所、食堂が1室にある
- 宅地の造成工事の完了…宅地にすぐに建物を建てられる状態
- 建物の建築工事の完了…建物をすぐに使用できる状態
さらに広告を見た人が広告の内容を疑わしく思うような誇大表現も使わないようにしなければなりません。
売主がつい使いたくなる魅力的な用語には注意が必要
売主は自分の不動産を少しでも良く見せるために、抜群や最高などのフレーズを使いたくなることもあるでしょう。
しかし判断の基準は人によって違います。
そのため不確実な言葉を使うことは禁止されています。
また完璧や絶対などの根拠のない言葉も使えません。
以下で主に禁止されている用語を確認しましょう。
- 完全
- 完璧
- 絶対
- 万全
- 日本一
- 業界一
- 当社だけ
- 抜群
- 特選
- 最高
- 最高級
- 買得
- 格安
- 破格
- 安値
中古物件の価格については破格やお買得などの言葉をつけたくなるでしょう。
しかし破格やお買得などの誇大表現はルール違反です。
とにかくオーバーな表現をしないように注意することが大切です。
広告作成や宣伝が上手い不動産業者の見分け方は?
自分の不動産を宣伝してもらうのならば、宣伝能力の高い不動産業者に依頼したいと思うのが当然の心理です。
しかし不動産売却に慣れていない場合は、優秀な不動産業者をどのようにして見つけたら良いかわからないケースがほとんどです。
その場合は以下の方法で不動産業者を見極めると良いでしょう。
- 情報サイトやチラシで宣伝方法や広告の作り方を確認する
- 無料査定をする
まず不動産の情報サイトやチラシを見て、魅力的な広告だなと感じた不動産業者をチェックしておきましょう。
広告には不動産業者のカラーが出ます。
全く同じ広告はないため、複数の広告を見ていれば自分好みの広告が見つかります。
その後一括査定サイトを通じて不動産の査定をしてもらうのが望ましいです。
査定をしてもらう際は売却相場価格だけでなく、宣伝方法についても質問してみましょう。
必ず数社に無料査定を依頼することが大切です。
机上査定で査定価格や宣伝方法、対応などを確認してから訪問査定を依頼する不動産業者を選ぶと良いでしょう。
大手の不動産業者と中小の不動産業者の広告の違い
不動産業者には大手の不動産業者と地元密着型の中小の不動産業者があります。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、不動産業者選びに迷う売主は少なくありません。
宣伝だけに的を絞ると、大手の不動産業者と中小の不動産業者には以下のような特徴があります。
不動産業者の種類 | 特徴 |
---|---|
大手の不動産業者 | 大々的な宣伝が可能 |
中小の不動産業者 | 店舗での宣伝やチラシを使った宣伝が得意 |
大手の不動産業者は資金力があるため、大々的に宣伝をすることも可能です。
またインターネットを使った宣伝も得意です。
インターネットは宣伝スピードが早いため、早期に売却できる可能性があります。
ただし多くのお客さんを抱えていることから、事務的な対応をされる可能性も否定できません。
一方中小の不動産業者はインターネットなどを使った大々的な宣伝よりも、店舗での宣伝やチラシを使った宣伝が得意な傾向にあります。
大々的な宣伝をするのは苦手というデメリットはありますが、地域のことをよく理解しているため安心感を持って取引できるでしょう。
はじめからどちらかの不動産業者に偏って査定依頼をするのではなく、大手の不動産業者と中小の不動産業者を数社ずつピックアップして無料査定をしてもらうのが望ましいです。
その後何度かやりとりを重ねて仲介を依頼する不動産業者を決めると良いでしょう。
自分の不動産を大々的に宣伝してくれる大手の不動産業者に仲介を依頼すれば多くの人に見てもらえるので早く売却できそうですね
ただし大手の不動産業者は買主の仲介をしていることも少なくありません。つまり両手仲介をしている可能性もあるということです。その場合は担当者から値引き交渉をされることもあるんですよ
では1対1で取引できる中小の不動産業者を選んだほうが安心感を持って取引できそうですね
どちらにもメリットとデメリットがあります。ホームページでは優秀そうに見えても実際にやりとりをすると良い印象を受けないこともあるため、大手の不動産業者と中小の不動産業者に査定依頼をしてから判断することが大切ですよ
まとめ
広告費は不動産業者に支払う仲介手数料に含まれているため、広告費としての費用を支払う必要はありません。
ただし売却予定の不動産が離れた場所にある場合や特別な広告を作る場合は広告費を請求されます。
通常の広告や宣伝活動では広告費が発生しないということと別途広告費が発生するケースについて理解しておけば、万が一不動産業者に広告費を請求されたときも質問できるでしょう。
仲介手数料の上限についても把握しておき、少しでもおかしいと感じたら質問することが大切です。
媒介契約をしたら宣伝活動がスタートしますが、広告については売主も理解しておく必要があります。
不動産の広告には必ず記載しなければならない項目がありますが、記載できない言葉もあります。
特に禁止されている言葉には注意しなければなりません。
不動産業者は広告を作ることに慣れていますが、全ての不動産業者がルールを守っているとは言い切れません。
そのためルールについては売主も把握しておく必要があるのです。
また魅力的な広告を作るためのいくつかのポイントについても把握して、広告を見た人が次の行動に移したくなるような広告を作りましょう。
特にキャッチフレーズは重要です。
売主が知る不動産の魅力を短いフレーズを使ってターゲットに届けましょう。
広告は不動産業者だけが作るものでもなければ売主だけが作るものでもありません。
不動産業者と売主が一緒に作っていくため、無料査定を利用して優秀で相性の良い不動産業者を見つけることが大切です。