不動産の査定額を調べるツールの一つに不動産査定ソフトがあります。
一般の人が査定額を調べるには、今は不動産一括査定サイトが便利に使えますが、昔はソフトを利用する場合も多くありました。
しかし不動産査定ソフトは基本的に業務用で、一般の人が使うのは難しいとされています。
ただ不動産査定ソフトの中には無料の物があり使えるのか、また不動産査定ソフトは無料でも利用価値があるのか知りたい人もいるでしょう。
無料と有料の不動産ソフトの特徴と、査定額を知るために様々なサイトの上手な活用方法について見てみましょう。
目次
不動産査定ソフトは業務用
不動産の査定額を知るための方法として、不動産査定ソフトを利用することがあります。
有料と無料のソフトがありますが、不動産査定ソフトは基本的に業務用です。
一般の人が査定ソフトを使うのが難しい理由と、そもそも不動産査定ソフトとはどのようなものなのか特徴を解説します。
不動産の査定の事を調べていたら、査定ソフトというものがあることを知りました。どのようなものですか?
不動産査定サイトは個人で初心者が使うのは難易度が高いので、通常はプロが使用しています。特徴やその理由を説明しますね。
不動産査定ソフトとは?
不動産査定ソフトは不動産会社のプロが、査定額を調べるために使うソフトの事です。
不動産会社が査定額を調べる方法は、これまでに自社で行ってきた業務の過去歴やデータ、また専門的な知識をもとに行います。
それと共に、不動産査定ソフトを利用して物件の査定額を調べています。
不動産査定ソフトは膨大なデータが必要で、過去データを収集して整理することができます。
そのためより適正な価格で査定額を算出できますが、一般人がそれを使って査定することは難しいでしょう。
査定ソフトの利用を考えている方は、不動産一括査定サイトでじゅうぶん査定額を知ることができるので、そちらがおすすめです。
不動産査定ソフトを個人が使うのは難易度高
何故不動産査定ソフトを個人が使うのが難しいのか、理由について述べていきましょう。
不動産の査定額を調べるためには、売りたい物件と似ている物件の売却事例を数多く集める必要があります。
また以下のような専門的な情報も必要になります。
- 駅までの距離
- 用途地域
- 路地状敷地
- 崖地の面積
- 設置道路の状況
- 道路と物件の高低差
査定額を知るための基本となるこれらのデータが必要です。
それだけではなく、近隣の景気の動向や将来的な環境の変化、また買い手に伝えるべき物件の魅力など、人間の判断で行ってはじめて査定額が導き出せます。
専門的な知識も必要なので、初心者が個人で行うのは難易度が高いでしょう。
不動産における専門的な知識を持っていたとしても取引事例のデータを集める必要があります。
それをひとつずつピックアップするのは至難の業です。
特に中古物件は物件の条件によって、近隣物件との差を図ることが難しいでしょう。
何%の差を出せばよいのか、ソフトを使っても自身の判断が必要な部分が出てくるため、個人にとっては使いにくいツールになり得ます。
不動産の査定額を調べたい人の中には、以下のような懸念を持っている人もいます。
- 遺産協議などで査定額を知りたい
- 個人情報を外に出したくない
上記であれば不動産査定ソフトを利用する価値はあるかもしれませんが、それでも使うことは難しいと言えます。
今では査定サイトの中でもAI(人工知能)が導き出す査定方法があります。
査定自体がサイトの中で完結し、個人情報の漏洩の心配が少ないとされています。
ただしAIの情報がどこまで正しい査定額を算出できるかは疑問が残るのも事実です。
というのも、AIでは物件の日当たりや内装の傷、周辺の騒音などの部分は評価できないからです。
あくまでも参考程度に利用し、詳しく知りたい場合は不動産会社に依頼することが近道でしょう。
成約事例がないと査定額が出せない
先ほども述べましたが、机上査定では過去の取引事例をもとに価格を算出しています。
物件は人間と同じで全く同じものは1件もないので、取引事例を持っても正確な査定額を求めることはできません。
より正確な査定額を出すためには、専門家による訪問査定で家を実際に見て導き出すことが必要になります。
また査定額イコール売却価格という訳ではないため、あくまでも概算値ということを覚えておきましょう。
不動産売買は買い手も初心者である
有料の不動産査定ソフトを使って算出すれば、詳しい査定額を知ることが可能です。
ただし中古の不動産物件では詳しすぎる査定額を算出したとしても、買い手も初心者なのでどんな方法で査定額を出したのかを知りたいという人はほぼいません。
どちらかというと買い手が気にするのは物件の中身であり、内装の傷や住宅の設備の不具合、日当たりや眺望など数値では分からない部分です。
査定額を算出する際に、あまり精度を気にしてそこに費用をかける必要はないと言えるでしょう。
不動産査定ソフトの種類
不動産査定ソフトは業者が使い、初心者の個人はあまり使わないということですが、中身や特徴が気になるという人も多いでしょう。
また小さな不動産会社を経営するために業務上で使いたいと考えている人もいるでしょう。
ここでは不動産査定ソフトの種類と、特徴について紹介します。
Excel_売買ナビ
不動産査定サイトの中にはフリーソフトもあり、Excel_売買ナビは無料で利用することができます。
特徴は不動産の査定額を調べるよりも、不動産取引の際に必要な諸経費を算出する目的でよく使われています。
例えば固定資産税の清算金の計算や、ローンの計算もできるため、不動産会社の営業担当者も使い勝手が良いためプロでも使用しています。
不動産の査定額を調べたいのであればこちらよりも有料ソフトを使う方が良いでしょう。
またExcel_売買ナビは用途地域が限られており、テナント用の物件などには対応していないので注意しましょう。
スペックをまとめると以下になります。
- 費用が無料
- 査定額ではなく諸費用を導くツール
- 不動産業者向けのソフト
Excel_売買ナビは居住用の物件に利用するケースがほとんどです。
価格査定マニュアル
不動産業者の担当者の多くが利用しているのが、価格査定マニュアルです。
不動産業界の人が使うソフトとして最もポピュラーなソフトであり、このソフトは公益財団法人不動産流通促進センターが提供しています。
価格査定マニュアルはCD-ROMでしたが、平成27年にWEB版が利用できるようになり、プロも便利に利用することができるようになりました。
価格査定マニュアルの特徴は以下になります。
- 年間利用料3240円
- 査定可能な物件種別は戸建て・土地・マンション(個人使用の類型)
WEB版の年間利用料は3240円で、外出時にタブレットからの検索もかけることができます。
以前のCD-ROMでは木造戸建ての住宅は築20年で査定額が一律0円と査定されていましたが、WEB版では改善されています。
20年以上経過した物件でも、価値がある場合は金額が算出されるようになっています。
こちらは全て自己使用でその物件を使用するための物であり、収益物件のための物ではありません。
今は収益物件専門の不動産査定ソフトはないとされています。
また戸建てとマンション、それと土地の査定額の算出のみで他のオフィスや倉庫などは算出できず、そのような類型の不動産査定ソフトもないようです。
価格査定マニュアルの特徴として、査定表の帳簿が分かりやすく綺麗に作成できるのがメリットです。
そのため多くの不動産業者の担当者が利用しているツールです。
標宅プロ
標宅プロは地価公示の評価委員を務める不動産鑑定士が利用しています。
標宅プロは地価公示価格を算出するために利用されているので、取引事例比較法、土地残余法も適用しています。
取引事例カードも作成でき、住宅地はもちろん商業地や工業地など物件の規模関係なく査定を行うことができます。
特徴をまとめると以下になります。
- 定価125000円
- 物件の規模や大小問わず住宅や商業地などの査定が可能
- 主に不動産鑑定士が利用している
価格も高く、標宅プロは主に不動産鑑定士専用のソフトなので、一般人が使うことはほぼないでしょう。
株式会社東京カンテイ
こちらのソフトは会員になると不動産情報を配信してくれ、コンサルティング業務を行ってくれる物になります。
実際は株式会社東京カンテイのサーバーにアクセスして情報を取得するので、正確にはソフトではありません。
特徴については以下になります。
- 利用料は無料
- 会員制で会員になる条件には一定の審査がある
- 会員になれば不動産情報のデータ取得が可能
ソフトという位置づけではなく、また会員になる必要があります。
そのためこれを利用するのであれば、通常の不動産一括査定サイトとあまり変わらないと言えます。
ただし不動産情報を取得できるので便利に利用することはできるでしょう。
不動産査定ソフトは少ない
結果として一般の人が使用しやすい不動産査定ソフトはあまりないことが分かります。
その理由としては以下があります。
- 計算が複雑ではなくExcelで十分対応できる
- ソフトでは多くの媒体に対応できない
計算が複雑ではないので、エクセルで十分作ることができます。
自分で計算シートを作成し、建物の数や回数など計算シートを作っておけば、後でいくらでもカスタマイズすることができます。
またプロが使えるソフトにするためには、多様な不動産のパターンが必要になるので開発が大変です。
その割に不動産業者以外はあまり需要がないため、あまり力を入れる必要が無いと考えられます。
不動産査定ソフトは便利ですが、あくまでもプロや不動産鑑定士が利用するものなのですね。
結局売りたい物件はデータだけでは導き出せないので、相場や売却価格を知りたいのであれば不動産業者に依頼することになるでしょう。
不動産の査定額の決まり方について
不動産査定ソフトは一般の人は使いにくいのですが、どうしても事前に査定額や売却価格の相場を知っておきたいという人もいるでしょう。
先生、ソフトを使えないとなると売却物件の相場や正しい査定額を知ることはできないのですか?
そもそも査定額はどのように決められているか知っていますか?一般的に行われている査定額の計算方法を知れば自分でおおよそは把握することができます。
不動産の査定方法や査定を依頼する方法にはいくつか種類があります。
査定方法を事前に知っておくことで、自分に合った査定方法を不動産業者にスムーズに依頼することができます。
一般的な査定方法は3つあり、対象物件や計算式が異なるので詳しく見ていきましょう。
また不動産査定の依頼方法は簡易査定と訪問査定があるので、こちらも詳しく解説します。
取引事例比較法
取引事例比較法とは査定したい物件と条件が似通った、類似物件の取引事例を集めて行う査定方法の事です。
主に居住用のマンションや戸建てで使われ、1坪あたりの単価を基本として、以下の様々な要因も加味しつつ査定価格を比較していきます。
- 構造
- 立地
- 築年数
- 面積
- 階数
- 方位
- 間取りや室内状況
上記の項目や分譲会社、不動産市況なども加味して取引事例のある類似物件を表のように比較を行います。
物件 | 坪数 | 売買価格 |
---|---|---|
A | 40坪 | ? |
B | 50坪 | 3000万円 |
C | 70坪 | 4200万円 |
例えばAの物件の売買価格を求めるために、BやCの取引事例を比較します。
価格と面積の違いに着目して、物件Aの査定価格を求めます。
求め方はBの坪単価60万円とCの坪単価60万円を足した数を2で割り、Aの坪数をかけた数でAの査定額が算出できます。
ここでは40坪ですから、40×60万円になり2400万円の査定額で計算できました。
物件価格から坪単価を算出するには、価格を坪数で割れば1坪当たりの単価が導き出せます。
この査定価格と上記で述べたそれぞれの物件の評点を計算して査定額を導き出します。
原価法
原価法とは査定する物件を取り壊して新築建物に建て直した場合、いくら費用がかかるのかを計算する方法です。
そして築年数を考慮して原価修正を行い、査定価格を導く方法です。
計算式があり、再調達価額×延べ床面積×(残りの耐用年数÷法定耐用年数)で価格が出ます。
再調達価額は構造によっておおよその相場が決められているので、表を参考にしてください。
構造の種類 | 再調達価格の相場 |
---|---|
木造 | 14.8万円/m2~20.9万円/m2 |
軽量鉄骨造 | 14.8万円/m2~20.9万円/m2 |
鉄骨造 | 15.6万円/m2~22.0万円/m2 |
RC造 | 18.8万円/m2~25.1万円/m2 |
SRC造 | 18.8万円/m2~25.1万円/m2 |
法定耐用年数については、以下のように国税庁で決められています。
構造の種類 | 法定耐用年数 |
---|---|
木造 | 築22年 |
軽量鉄骨造(3ミリ以下) | 築19年 |
軽量鉄骨造(3ミリ以上4ミリ以下) | 築27年 |
鉄筋コンクリート造 | 築47年 |
上記の表を参考に例を挙げてみましょう。
築18年の50坪(165m2)の木造住宅を原価法で査定すると、14.8万円×165m2×(4÷22)で約439万円の価格が導き出せます。
原価法は取引事例比較法のように、成約事例がいらなくても求められるのが特徴です。
利用できるのは建物に限られています。
収益還元法
収益還元法とは主に不動産投資で使われる収益物件に対して行う計算方法の事です。
住みやすさや築年数よりも、投資を行って利益を上げられるかという観点で計算を行い、収益還元法には以下の2つの種類の計算方法があります。
- 直接還元法・・年間家賃収入÷還元利回り×100
- DCF法・・・●年後の合計収益÷(1+年間割引率の●乗)
直接還元法は1年間の家賃収入で査定額を算出します。
DCF法は賃貸経営を行った時から、その物件を売却するまでの期間と利益を想定して算出します。
還元利回りについては類似の収益物件の数値から大体の利回りを想定して計算します。
DCF法は長期的な損益を考慮して想定しなければならないので、計算が複雑になっています。
一般的には直接還元法の計算方法が使用されます。
査定の方法は2種類
不動産の査定額を知りたいのであれば、不動産会社に直接査定を依頼するとより正確な査定額が導き出せるでしょう。
不動産会社に査定を依頼する方法は、以下の2通りあります。
- 机上査定
- 訪問査定
机上査定は現地の物件を見ずに、様々な物件の情報だけで算出する査定の方法です。
不動産一括査定サイトなどを利用して、メールなどで物件種別や所在地、面積などを入力します。
早ければ、数時間程度で査定額を知ることができます。
業者は物件情報について、不動産会社の持っている過去の類似データや、現在売り出している同じエリアの市場動向や売り出し状況と比較します。
他にも登記簿謄本や図面を見て査定を行う場合もあります。
机上査定のメリットをまとめると以下になります。
- 手間や時間をかけずに査定額が分かる
- 売るかどうか査定額を見てから考えたい人に便利
机上査定はネット上で個人情報と物件情報を入力するだけで、素早く査定額が分かります。
忙しくて時間がない人は、時間がある時に自宅でサッと査定依頼が行えるのが魅力です。
また売るかどうかまだはっきりせず、訪問査定をしてしまうと断り切れなかったら不安だという人にも向いています。
担当者と顔を合わせる必要が無いので、押しきられず電話で断ることができます。
また多くの不動産会社を比較したい時に、気に入った不動産会社に訪問査定を依頼したい場合の事前の比較として、行うこともできます。
一方訪問査定とは、業者が家に来て物件を目で見て査定を行う方法です。
机上査定だけでは分からない不動産の状態や周辺環境を見ることができるので、より正確な査定額を出すことができます。
訪問する日の調節や査定するために情報を持ち帰って精査するため、数日かかるのが一般的です。
訪問査定のメリットをまとめると以下になります。
- 机上査定より詳しい査定額が分かる
- 査定書で価格の根拠などが分かりやすい
訪問査定は物件を売ることが決まっている人に向いている方法です。
ただしネガティブな理由で物件を売る場合、業者がくると近隣に分かられてしまう可能性があるので注意しましょう。
個人で査定額や相場を知るための方法やコツ
不動産査定ソフトは無料の物もあるのですが、過去の取引事例を一般の人が調べるのは難易度が高いです。
しかし今では個人で利用ができる一括査定サイトが便利に使われています。
不動産一括査定サイトは不動産査定ソフトを簡略化したようなもので、価格を自動で算出するAIのサイトもあります。
またその他にも自分で売却価格の相場を調べる方法もいくつかあります。
自分でもできる相場の調べ方と、不動産一括査定サイトの仕組みや使い方について解説します。
ポータルサイトを利用する
不動産の物件情報が見られる大手企業のポータルサイトで、すでに販売されている価格を見て大体の相場を知ることができます。
ポータルサイトは賃貸物件を探すときに使うというイメージがありますが、売却中の物件も非常に多く掲載されています。
自分の住んでいる地域を検索し、間取りや築年数で類似する物件を探すと販売価格が出てきます。
物件を選ぶ人用に作られているので、地域はもちろん間取りの広さや築年数など様々な絞り込みがかけられるため、便利に使用できます。
ポータルサイトの中には建物の構造も詳しく書かれているサイトもあるので、自分と似通った構造のマンションや戸建てを探すことも可能です。
類似する物件が見つかったら、全て合計した上で1m2当たりの価格を算出します。
例えば5件の類似物件が見つかり、物件の価格の合計が3000万円、面積の合計が150m2だったとします。
1m2の価格は3000万円÷150で20万円と計算できるため、おおよそ1m220万円の相場だと考えられます。
そして自分の売りたい物件の面積が40m2であれば、20万円×40で800万円くらいだと想定することができます。
この方法は面積でしか求めていないため、他の周辺環境や方角などが同じではない可能性があります。
また注意点として、ポータルサイトの販売価格は査定額や成約価格とイコールではありません。
成約価格の金額が決まっていく流れは以下になります。
- 不動産業者が査定額を算出する
- 業者と売主の間で交渉や相談をして売出価格を設定する
- 売れ残りが発生した場合は値下げになる
- 購入希望者との価格交渉次第では値下げになることもある
- 双方が納得したら成約価格で取引が成立する
上記のように成約価格に至るまでには、売主が希望した価格よりも何度か値下げになっている可能性があります。
人気の物件や築年数が浅い物件では、逆に査定額とほとんど変わらずに成約する場合もあります。
ポータルサイトを見るだけでは業者が行った査定額と、実際の販売価格にどれくらい差があったのかを知ることはほぼできません。
そのため参考程度としてとらえておきましょう。
土地情報総合システムを利用する
土地情報総合システムとは、国土交通省が運営している不動産の取引価格や地価、地価調査の価格を閲覧できるサイトの事です。
直近5年間の全国の土地や不動産における成約事例が掲載されているデータベースです。
国が運営しているので正確な情報で、売りたい物件の近くの成約価格を見ることで、自分の物件の坪単価を参考にすることができます。
使い方は、通常のポータルサイトの物件情報検索と同じように、エリアや物件種別を検索でき同時に周辺地価も調べることができます。
駅までの距離や取引総額なども調べられ、その数も多いので売却したい物件との比較ができて参考になります。
土地情報総合システムは正確な数値なのですが、あくまでも過去の成約事例になります。
不動産の価格は社会情勢や経済状況の影響を受けて変動しやすいので、その時と今とでは状況に違いがあることも考慮しておきましょう。
例えば、以下のような出来事で不動産の価格は変動してきました。
- リーマンショック
- 東日本大震災
- オリンピック開催決定
今の状況はどうなのかを加味して成約事例の価格を参考にすると良いでしょう。
レインズを利用する
レインズは国土交通大臣から指定を受けたサイトで、不動産流通機構が運営を行っています。
売主が不動産会社と専任媒介契約、もしくは専属専任媒介契約を締結したら登録をしなければならないのがレインズです。
レインズは全国の不動産会社が登録しており、業者が登録されてある全ての物件情報を共有できるデータベースの事です。
簡単に言えば不動産業者向けのポータルサイトのようなものでしょう。
そのため、一般の人がレインズを見ることはできないのですが、成約事例であれば見れるレインズマーケットがあります。
レインズマーケットも、ポータルサイトのように売りたい物件種別を選択し、沿線や間取りなど詳細で絞り込みをかけることができます。
レインズには直近1年間の取引情報がグラフ化されており、中央値がすぐに目で見て分かるようになっています。
そのためどこが平均なのかを計算しなくても、すぐに分かるのが特徴です。
レインズは物件の情報は登録されていますが、土地の情報は登録されていません。
土地の情報も併せて知りたいという場合は国交省の土地総合情報システムを活用すると良いでしょう。
不動産査定サイトを利用する
不動産査定ソフトを利用しなくても、査定サイトを活用すればおおよその査定額が分かったり、依頼する不動産会社を見つけて来てくれるサイトがあります。
査定額を知りたい場合は、以下の不動産査定サイトを利用して査定額や依頼したい不動産会社を探すと良いでしょう。
もちろん有料不動産査定ソフトと違い、利用料は無料でできます。
- HowMAなどの自動算出サイト
- 不動産一括査定サイト
HowMAなどのサイトは、サイトの中に膨大な数の取引事例をデータとして持っています。
個人情報と物件情報を入れ込むだけで、すぐに査定額が算出されます。
また不動産会社の営業担当者が売り込みをしてくる、ということもありません。
査定額を気軽に調べたい、という場合に便利です。
このようなサイトはデータから的確な価格を算出し、流通性や価格格差、時点などの修正もAIが全て行います。
ではこれだけ使用していれば、全てが分かるのではというとそうではありません。
AIでは分かりにくい物件の内装や日照、周辺の騒音などは実際に人が目で見て判断する必要があるからです。
それに査定額を知った所でその先は、仲介を行う不動産会社を見つける必要もあります。
そのため、少しでも売却を考えている場合は不動産一括査定サイトを選びましょう。
次に不動産一括査定サイトは、個人情報や物件情報を入れると査定依頼をかけられる不動産会社が見つかるサイトです。
査定依頼は一社ではなく、状況によっては複数の会社に依頼をすることができるので、査定額の大体の相場をつかむことができます。
また複数の不動産会社に依頼や相談ができれば、自分に合う業者選びも行うことができるのです。
不動産一括査定サイトは利用が無料なので、こちらも気軽に登録することができます。
不動産業者から営業の電話がかかってくることに嫌悪感がある人も、比較している段階だからと言って売らなくても構いません。
また不動産一括査定サイトは以下のような査定の方法を選ぶこともできます。
- 電話が嫌な場合はメールでも可能な所を選ぶ
- 訪問査定ではなく机上査定を依頼する
不動産一括査定サイトの中には、しつこい業者に変わって断ってくれるサービスを行う査定サイトもあります。
査定サイトは複数あるので上手く活用を行って、自分と相性の良い不動産会社に納得のいく査定額で売却できるようにしましょう。
不動産一括査定サイトの利用の手順を簡単にまとめました。
①入力フォームに入力する
②不動産会社を選んで査定を申し込む
③不動産から連絡をもらい訪問査定などの日程を組む
査定を申し込んだらこちらは業者からの連絡を待つだけなので、非常に簡単で便利に利用できます。
不動産の査定額を知るならソフトではなく一括査定サイトが便利ですね。
ポータルサイトなどで取引事例を見るのも参考になりますが、売却の意思がある場合は業者選びもできる査定サイトが便利ですね。
不動産査定ソフトはどのような物なのかを見ていきました。
不動産査定ソフトの中には無料もあるので、無料でも利用価値があるのか調べてきましたが、そもそも一般人が使うようにはできていません。
不動産会社の担当者や不動産鑑定士が利用するため、査定額を知るなら相場が分かる成約価格を参考にしたり、査定サイトを利用しましょう。
最近ではAIが搭載された膨大なデータが出てきたため、今後不動産査定ソフトも状況が変わってくるかもしれません。
また査定額を算出する一般的な方法についても解説しましたが、これを知っておけば自分でもおおよその価格を把握することができます。
売却を考えている場合は業者選びも大切なので、今回紹介した情報を上手な活用方法として参考にしましょう。