土地活用を考えるうえで、田舎と都市部では全く話が異なります。
地形の違いもありますが、人々の潜在ニーズも田舎と都市部では大きく変わります。
例えば都市部では成り立つ商売でも、田舎では上手くいかない場合がありますし、逆もまた然りです。
よって集客を伴う活用方法を検討しているのであれば、田舎のニーズを深く探っていかなければなりません。
またそれ以前の問題として、田舎の中には法規制による制限を受ける土地もあり、用途が限定されがちです。
しかしながら、田舎の土地の特徴を捉えて、上手に活用している人がいるのも事実です。
田舎の土地における不動産売買と活用法を考えていきましょう。
目次
そもそも田舎の土地を活用する必要はあるのか?
田舎の土地を放置しておくことはデメリットしかないです。
その理由の一つとして、管理の手間があげられます。
土地が存在する以上は、除草しなければあっという間に草で覆われてしまいます。
特に夏場はこまめな除草作業が必須です。
また建物に関しても、定期的なメンテナンスが欠かせません。
放置してしまうと劣化の進みも早く、倒壊など危険な状態に陥る可能性もあるでしょう。
状態の悪い住宅は、不法投棄の被害などにも遭いやすいです。
そのため定期的に管理する必要がありますが、維持するとなるとそれ相応の労力がかかることになります。
もう一つ、土地は活用してようがしてなかろうが、固定資産税がかかります。
つまり何も使っていなくても固定資産税が発生する状態は、大きな損失でしょう。
上手に土地活用できれば、固定資産税分を払えるくらいには利益を生み出してくれるはずです。
費用負担を抑えることができるため、田舎の土地とはいえやはり何かしら活用した方がよいでしょう。
ちなみに固定資産税の金額は、下記の一覧表の通りです。
土地にかかる固定資産税額 | 家屋にかかる固定資産税額評 |
---|---|
価額×6分の1×1.4% | 評価額×1.4% |
ちなみにこちらの一覧表は、土地の上に建物があり軽減を受けられた場合の税額です
建物がなければ軽減されないのですか?
その通りです。更地は土地に対する6分の1の軽減がなくなります。また空き家の場合にも軽減適用されません
土地の固定資産税が6倍になってしまうから、土地活用した方がいいのですね
田舎の土地の特徴を把握しよう
田舎の土地を活用するには、まず土地の特徴を知る必要があります。
都会の土地と比べると活用方法に限りがあるため、田舎ならではの特性を理解したうえで活用しなければなりません。
一般的な田舎の土地の特徴を解説します。
地形に難あり
田舎の土地は広大です。
都会であればすでにあらゆる土地が開発され、整地しつくされていますが、田舎は違います。
これまでに誰も着手してこなかった、いわゆる整備されていない土地が多いです。
整備されていないとなると、まずは整地作業から開始しなければなりません。
これは土地活用において大きなマイナスです。
整地費用は意外と高く、業者に依頼すると少なくとも1m2あたり15,000円はかかります。
仮に100m2の土地を整地するとなると、それだけで150万円ほど用意しなければなりません。
また田舎の土地を新たに活用する場合、単純な整地作業だけで済まない可能性も高いです。
土地によっては木々が生えており、伐採作業が必要になるケースもあります。
見た目上は問題なくても、小さなくぼみや丘が生じているなど、建物を造るのに適さない土地が多いです。
このように田舎の土地を活用する際には、地形に難ありな場合を想定しておかなければなりません。
需要がなく使いにくい
当然のことですが、田舎は都会と比べると人口が少ないです。
人口が少なくなると、土地を経済的に利用することが難しくなります。
つまり需要が見込めません。
需要がない場合ですと、例えば店舗を作って商売をするといった使い方は厳しいです。
また賃貸経営なども、集客力が見込めてこそ成り立つ土地活用法になります。
よって田舎の土地の場合には、集客ありきの活用法が極めて難しいでしょう。
もちろん一言で田舎といっても、その度合いはさまざまです。
田舎であっても駅からのアクセスが良かったり、商業施設が近くにあるエリアですと需要が見込めます。
他にも以下のような条件が整っているエリアは、田舎であっても人気が高いです。
- 観光地
- 工場周辺
- 高速道路のインターチェンジや道の駅近く
要は集客力が見込める場合ですと、田舎であっても土地活用の選択肢はわりと多いでしょう。
一方で需要のない閑散としたエリアにおける土地活用法は非常に限られてしまいます。
法規制があり活用しにくい
田舎の土地の場合、法規制によって活用が難しいケースが多くあります。
法の縛りがあると、例えば建物を建築するのがNGになります。
建物を作れなければ、活用法が非常に限られてしまうため、土地を活かしきれません。
特に気を付けなければならないのは、市街化調整区域に該当している場合と、農地の場合です。
これらの土地に住んでいる際には、土地の使用用途が限られてきます。
活用法の選択肢が狭められてしまうことを、覚えておかなければなりません。
市街化調整区域について
市街化調整区域は、無秩序に市街化してしまうのを防ぐことを目的とした地域です。
すでに市街化されている地域とは異なり、市街化抑制のための地域になるため、一般的な建物を建てることが基本的に出来ません。
また既存の建築物を建て替えたい時も、制限を受けることになります。
このことは都市計画法における第7条で定められています。
建物を建築する際には、行政の許可を得なければなりません。
つまり簡単に言うと、市街化調整区域は建築物を減らすことで発展を抑える地域になります。
要は田舎のままにしておく地域です。
実は市街化調整区域は、関東圏にも多く存在します。
東京都23区内にはほぼないですが、東京都に隣接する県であっても市街化調整区域は多く残されています。
そのため土地活用を検討する時は、どこの都道府県にお住まいの場合でも、市街化調整区域に該当していないか確かめておきましょう。
確かめ方としては下記の3種類です。
- スマホのアプリやインターネットのコンテンツを使う
- 自治体が作成したウェブシステムを使う
- 市役所の都市計画課で確かめる
最も手軽な方法は、スマホアプリなどを利用することです。
ただし自治体など行政が提供しているもの以外は、正確性に欠けている可能性もあるでしょう。
試しに調べてみる程度には構いませんが、きちんとした情報を取得したい場合には行政が提供しているものを利用しましょう。
農地について
農地法の縛りがある土地の場合には、単に市街化調整区域に該当するだけよりさらに厄介です。
農地はその名の通り、農業をおこなうための土地です。
よって活用使途は必然的に耕作のみに限られてきます。
なぜこのように農地は法規制が厳しいかと言いますと、農家の保護を目的としています。
乱雑に建物が建築され、既存の農家が減少してしまうことのないように、農地法があるのです。
農地に建てられる建造物は、基本的に農家の人の居住物件のみです。
自分の土地であっても、農地の場合は使用用途を勝手に変更することはできません。
そのため農地は土地活用が極めて難しくなります。
選択肢がほぼないため、農地のまま土地活用はしにくいのが現状です。
よってもし農地を別の用途で使いたいのであれば、農地転用の手続きをおこないましょう。
農業委員会の許可を得ることができれば、地目を農地から別のものに変更することができます。
ただし行政の許可のため、時間がかかります。
一般的には許可が下りるまでに2か月から3か月は費やすことになるため、地目変更の手続きは早めにおこなうようにしましょう。
どんな農地であっても、地目変更可能ですか?
農業振興地域は許可がおりません。また行政が現況を確かめたうえで判断するため、農振地域以外でも許可してもらえないことが多いです
判断基準が厳しいのですね
そうです。手続きには費用もかかるため、変更するかどうかよく考える必要があります
市街化調整区域でもできる!メジャーな土地活用アイデア
基本的に建物が建てられない市街化調整区域でも、土地活用する方法はあります。
建物を建てなくてもできる土地活用であれば問題ないでしょう。
また建築物によっては許可を貰える可能性もあります。
市街化調整区域でも大丈夫な土地活用方法をご紹介します。
駐車場
市街化調整区域における土地活用の代表格が駐車場です。
立体駐車場でなければ建物を建築する必要がないため、非常に始めやすい土地活用法でしょう。
駐車場には主に次の2つの形態があります。
- コインパーキング
- 月極駐車場
コインパーキングは観光地や商業施設の周辺など、人が多く集まるエリアに向いています。
病院や役所などの大きな施設があるところも、良いかもしれません。
一方の月極駐車場は、住宅密集地向けです。
自宅に車を置くスペースがない人や、2台目の駐車スペースを確保したい人向けの商売となります。
駐車場経営のメリットは、初期費用を抑えられることです。
月極駐車場であれば、専用の機材なども不要です。
自己資金のみで経営をスタートさせることもできるでしょう。
しかしながら駐車場はある程度の需要が見込めないと、十分な収益を確保するのが難しいです。
田舎の中でも、エリアによって向き不向きを見極めなければなりません。
また業者に委託せず自分で経営をおこなうのであれば、労力を費やすことになります。
資材置き場
資材置き場も駐車場と並び、市街化調整区域における土地活用法の代表格です。
駐車場のようにアスファルト舗装なども必要ないため、初期費用がほぼかかりません。
資材置き場として活用するには広大な土地が必要ですから、田舎と非常に相性の良い活用方法ではないでしょうか。
とはいえ田舎ならどのような土地でも良い訳ではありません。
大型車や重機などが出入りできるくらいの道路幅が必須です。
また資材置き場のニーズは、ほぼ企業です。
個人には需要がない商売になります。
資材置き場を必要としている企業はそれほど多くないため、そもそも需要を見込むのが難しいです。
むしろ資材置き場として有望な土地の場合には、企業側から声をかけられることが多いです。
活用するうえでの負担が少なく魅力的ではあるものの、資材置き場として活用するのは意外とハードルが高いかもしれません。
太陽光発電
太陽光発電用地としての利用は、市街化調整区域の活用法における有力な選択肢でしょう。
電力の買取価格は年々下落傾向にあるものの、それでも安定した収益を得られる数少ない土地活用法です。
集客力に左右されないため、田舎の土地でも十分に採算が取れます。
また電力の買取価格は下がってきていますが、装置の設置費用も近年では安くなってきています。
以前よりも初期投資を抑えられるのも、魅力でしょう。
太陽光発電を行う場合には、200m2以上の広さがある土地が望ましいです。
そのため都市部では難しい活用法になりますが、田舎ですとこのくらいの広さも確保しやすいのではないでしょうか。
また太陽光発電に適している土地の条件は以下のとおりです。
- 長方形に近い形状の土地
- 接道が広い土地
- そばに電柱がある土地
- 日当たりが良い土地
これらの条件を満たしている場合には、太陽光発電用地として非常に活用しやすいです。
一方、太陽光発電をする際のデメリットとして、災害リスクを考慮しなければなりません。
台風などによって設備が壊れてしまった際には、修繕費用がかかります。
災害リスクを極力抑えたい場合ですと、駐車場経営など他の活用法を検討した方がよいかもしれません。
霊園・墓地
霊園や墓地を営んでいる事業者に、土地を貸し出すのも手段の一つです。
もちろん、難易度は高いですが自分で霊園事業を営む方法もあります。
霊園及び墓地の場合、建物を建てる訳ではないため、市街化調整区域であっても十分に活用できます。
電気水道など、インフラが充実していなくても成り立つ事業です。
そのため開発の段階でお金をかける必要がなく、初期費用が比較的抑えられるのも霊園・墓地のメリットでしょう。
また霊園や墓地は、基本的に何十年にも渡って運営していくことが前提です。
利用者もそのつもりで契約しますので、今後長期的な収益が見込めることになります。
よほどのことがなければ閉園に追い込まれる心配がないです。
しかしながら、何十年も続けていかなければならないのは、メリットでもありデメリットであります。
別の土地活用をおこないたくても、一度霊園や墓地にしてしまった場合、簡単には止められません。
霊園及び墓地として活用する場合には、それ相応の覚悟が必要になります。
農地でもあきらめない!土地活用アイデア
農地は農地法による制限を受けるため、農地以外の使い道がないです。
とはいえ全く土地活用が出来ないという訳ではありません。
ここでは農地でも可能な土地活用アイデアをご紹介します。
他の農家に貸し出す
同じ農家の人になら、農地の需要があるはずです。
特に近隣の農家の人にとっては、農地を広げるチャンスになります。
離れた場所で農業を営むのは大変ですが、近場の農家であれば資材の利用などにおける不便性も解消できます。
新たに土地を購入するよりも負担を抑えられるため、意外と前向きに検討してくれるケースも多いです。
そのためまずは近隣の農家の人に声をかけてみるとよいでしょう。
また個人だけではなく、農業関連の企業にも需要があるかもしれません。
いずれにしろこちらから声をかけないと、話が進むことはないため、まずは話を持ち掛けてみましょう。
農地を貸し出す際の注意点として、農業委員会による審査を受けることになります。
貸し出す相手が農業関連の人であれば、基本的に許可されます。
しかしながら、これまで農業の経験がない人物に貸し出す際には要注意です。
今後も農地として継続できないと判断されるため、審査が非常に厳しくなります。
市民農園にする
農地の有効的な活用手段の一つとして、市民農園にする方法があげられます。
市民農園は、これまでに農業を営んだことがない人が、小規模なスペースで花や野菜などの栽培をおこなえる農園です。
趣味として一般市民が利用したり、職業体験として学生が利用するなど、幅広い目的で使われます。
近年では市民農園が人気を集めており、年々数が増加傾向にあります。
特に郊外のエリアでは、市民農園を目にする機会も多いのではないでしょうか?
農地の土地活用法として、非常に現実的な選択肢でしょう。
一言で市民農園と言っても、形態として以下の3タイプに分類されます。
- 市民農園整備促進法による形態
- 特定農地貸付法による形態
- 農園利用方式による形態
タイプによって開設できる場所や申請先が違います。
要件を満たしているか調べたうえで、活用法を探っていきましょう。
このような農園は、実は海外ではメジャーなものなんですよ
気軽に農業を楽しめる機会が得られるのは嬉しいですね
地域コミュニティの活性化にも繋がりますし、社会貢献の形の一つではないでしょうか
他にもいっぱい!田舎ならではの土地活用アイデア5つ
市街化調整区域や農地以外で、法の制限を受けない場合ですと、選択肢は広がります。
例えば田舎の場合、次にご紹介するような活用法が人気です。
トランクルーム
トランクルームとは、ご自宅に収納スペースがなく困っている荷物を保管できる場所です。
自分で運営する方法もありますし、専門業者に業務委託することも可能です。
土地にコンテナもしくは倉庫を建築する必要がありますが、アパートやマンション経営よりは初期投資を抑えることができます。
郊外であってもトランクルームニーズはあるため、立地条件が悪くてもチャンスはあるでしょう。
立地は選ばないものの、荷物の出し入れを行う際に、車を利用する人がほとんどです。
駐車スペースが確保できる土地でなければ、トランクルームを運営するのは難しいかもしれません。
一方で駅から徒歩で利用する人はほぼいないため、駅からのアクセスは気にする必要がないです。
アクセスの良し悪しよりも、周辺にライバルとなるトランクルームが存在するかどうかの方が、重要なポイントです。
トランクルームは土地活用法の中では、高利回りを実現しやすい部類に入ります。
しかし最初の集客が難しいため、借り手が見つかるまでの期間、収益が少ないことを覚悟しておく必要があるでしょう。
介護施設
田舎の土地と相性の良い活用方法として、介護施設があげられます。
介護施設の場合には、立地条件をあまり気にする必要がありません。
と言いますのも、介護施設内で暮らす老人は、日常的に施設の外に出ることがないです。
駅からの近さや周辺施設の充実具合などはあまり関係ないため、比較的郊外の田舎でも需要があります。
大切なのは立地条件よりも、土地の広さです。
介護施設を建築するためには、ある程度広い土地がないと難しく、400坪以上は確保したいです。
そのため都市部では建築することが難しいですが、田舎であれば土地活用の選択肢として加えられるのではないでしょうか。
しかしながら介護施設は初期費用が高くなりがちです。
特殊な設備などを付ける必要があるため、通常のアパートあるいはマンション経営よりも初期費用がかかります。
また介護サービスを提供することになるため、自分で運営をおこなうのが難しいです。
運営会社を見つけて業務委託をしなけばなりません。
コンビニ
コンビニは土地だけをコンビニ事業者に貸し出す方法と、建物を自前で建築して両方を貸し出す方法があります。
土地だけを貸す場合には初期費用が全くかからないため、負担の少ない土地活用方法です。
人口の少ない田舎であっても、コンビニはニーズがあります。
買い物だけでなく、ATMの利用や公共料金の支払いなど、日常生活において欠かせないサービスを取り扱っているからです。
周辺にスーパーや郵便局などがない場合、周辺住民の社会インフラを支える施設として重宝されます。
またコンビニは土地活用の中でも収益性が良いです。
もちろんコンビニの経営状態次第にはなりますが、他の土地活用法よりも高い収益が見込めます。
一方コンビニのデメリットとしては撤退リスクがあることです。
毎年数多くのコンビニが新規出店する一方で、撤退するコンビニも非常に多いです。
よほど安定した収益を見込めるコンビニでないと、常に撤退リスクとは隣り合わせになります。
コインランドリー
コインランドリーは人口密度の高いエリアの方が有利ではあるものの、共働き世帯が増えている昨今では、田舎でも十分にチャンスがあります。
1人暮らしの学生や社会人だけでなく、共働き世帯の主婦も利用するため、幅広い層をターゲットにできます。
コインランドリーのメリットとして、一度設備を導入した後は基本的に何もすることがありません。
設備のメンテナンスは必要ですが、アパート及びマンション経営と比べると運営における労力ははるかに楽です。
そのため土地を貸すだけではなく、自分自身での運営も選択肢に入ってくるでしょう。
またコインランドリーは固定客になってもらいやすいため、安定した収益が見込めます。
最初の設備導入費こそ高いですが、その後は設備のメンテナンス費程度しかコストがかからず、建物の修繕費などは比較的抑えやすいのも魅力です。
一方でコインランドリーのデメリットとしては、やはり初期費用の高さです。
洗濯機はもちろんのこと、両替機なども設置する必要があるため、コストがかかります。
また最近では差別化を図り、個性的なコインランドリーが登場しています。
それらの競合に負けないように、サービス面の充実なども考える必要があり、経営手腕が問われるでしょう。
産業廃棄物中間処理所
田舎だからこそニーズが高い活用法は、産業廃棄物の中間処理所です。
最終処理場ではなく中間処理場所は数が不足しているため、条件に合う土地なら需要が高いです。
自分で運営することはできないため、借地事業として業者に土地を貸すことになります。
言うまでもなく産業廃棄物の処理施設には、広大な土地が必要です。
都市部では条件に合う土地がそもそもありません。
また人口密度の高いエリアになると、周辺住民の反対も大きいです。
結果として、田舎にしかつくれない施設となるため、田舎における有効な土地活用法でしょう。
一方で一度業者に土地を貸した後は、別の土地活用をしたくても返却してもらうのが難しいです。
またやはりイメージの良くない施設ですから、周辺住民との関係性なども考慮したうえで決める必要があります。
活用が難しければ売却も有効な手段
探っていけば田舎の土地であっても、それなりに活用法は存在します。
とはいえ人それぞれ事情や条件は異なるため、土地活用に活路を見いだせないこともあるでしょう。
そんな時は、売却も有効な手段ですから検討してみましょう。
田舎の不動産は売買が難しい?理由を探る
田舎の土地は活用が難しい以前の問題として、売買ニーズも少ないです。
基本的に人口密度が高いエリアほど、不動産の需要は高まります。
田舎はその反対ですから、必然的に売買における市場規模が小さいです。
そのためまずは売買が難しい事情を知っておく必要があります。
需要が少ないこと以外に、田舎特有の問題も土地売買が難しくなる要因でしょう。
住むうえでの不便性・不自由さの問題
田舎の問題点として、都市部ほどインフラが発展していません。
もちろん電気やガス、水道に関してはカバーできている地域がほとんどでしょう。
しかしながら山間部の奥地などですと、このようなライフラインが引き込まれていないエリアも存在します。
インフラ整備からおこなう必要があるとなると、土地の需要は一気に下がります。
また田舎の場合、インターネット回線が不十分なエリアが多いです。
いまやインターネットは重要なインフラの一つですから、これが十分でないのは大きなアドバンテージになります。
もう一つ問題点として、田舎には独自の風習が残っている地域は珍しくありません。
伝統やしきたりを重んじるのは田舎の良さでもある一方で、よそ者からすると不自由さを感じ新規参入しづらいです。
外部からの人口流入が少ないため、不動産売買が難しくなります。
アクセスの問題
交通インフラが脆弱である点も、田舎の問題点です。
アクセスが悪くなると、その分商業施設などの出店が難しくなります。
人を呼び込む効果が期待できないからです。
またアクセスが悪いということは、通勤や通学に時間を費やすことになります。
利便性においてデメリットが多いことから、アクセスの悪い土地は選ばれにくいです。
また転勤などによる、外部からの人口流入も見込めません。
必要に迫られて不動産購入を検討している人も、駅から離れた商業施設の少ないエリアは避ける傾向にあります。
このような要因が絡み合うことで、アクセスの悪い土地の需要は非常に少ないです。
需要のなさは不動産売買に直接的な影響を及ぼすため、田舎の土地の売買は不利になってしまいます。
田舎の土地を高く売るコツは?
田舎の土地を高く売却するためには、田舎の土地の特性をしっかりと理解している不動産会社に依頼する必要があります。
地域事情をきちんと把握していないと、適切な相場で売却できないからです。
とはいえ田舎の場合、不社動産会社自体少ないかもしれません。
特に大手の不動産会社が出店しておらず、逆に地元密着型の中小企業が目立つ傾向あります。
そのため不動産会社情報を手に入れるところからスタートしなければいけませんが、おすすめなのが一括査定サイトを活用することです。
一括査定サイトを利用することで、簡単に複数の不動産会社に査定依頼を出せます。
知らなかった不動産会社を見つけるチャンスにもなるため、積極的に活用するとよいでしょう。
以下に一括査定サイトのメリットとデメリットを、分かりやすく解説した一覧表を記載します。
不動産一括査定を利用するメリット | 不動産一括査定を利用するデメリット |
---|---|
簡単に売却の相場を知ることができる | 契約を取りたいために査定金額を高く見せかける業者もある |
複数の不動産会社の特徴を一度に把握できる | しつこく営業電話をかけてこられる可能性がある |
自分では調べるのが難しい大手以外の不動産会社も探しやすくなる |
田舎の土地を売る際の注意点
田舎の不動産を売却する際に、一番気を付けなければならないのが、相続物件の場合です。
一般的に相続時の不動産を売却すると、その利益に対して譲渡所得税が発生します。
しかしながら3000万円特別控除があるため、3000万円までは課税対象になりません。
これは空き家であっても適用されます。
非常に節税効果が高い控除のため、売却を検討しているのであれば活用しない手はありません。
しかしながらもし売却前に住居を貸していた場合には、この控除の対象外になってしまいます。
よって売却する際に税金が発生するため、支払わなければなりません。
土地活用のため、空き家を賃貸として貸し出したいのですが…
その場合は当然、売却時の控除が受けられません。どちらが果たしてメリットはが大きいかよく考える必要があります
まとめ
田舎の土地活用は、都市部と比較すると難しいです。
人口密度が低いため、需要のある事業を見つけるのが難しく、活用法が限られてきます。
また市街化調整区域ですと建物を建てることができないですし、農地の場合には農地以外の使い道がありません。
このように田舎の土地活用を考える際には、法規制も無視できない問題です。
とはいえ例えば駐車場や資材置き場など、建物を建てずに済む土地活用法もあります。
農地であっても、市民農園にするなどの手段も残されています。
田舎の土地でも活用法を探れば、使い道を見いだせる可能性は少なからずあるでしょう。
それでも土地活用が厳しいようでしたら、売却も視野に入れましょう。
売却するにあたっては、地域の不動産事情に精通した不動産会社に依頼するのがポイントです。
一括査定を活用することで、複数社の見積もりが簡単に出せますので、不動産売買を考えているのであれば活用しましょう。