家を少しでも高く売るためには、不動産の状況を把握するとともに、不動産会社選びや売却までの手順を押さえておく必要があります。基本的な流れを理解して、「何を」「いつ」行うのかタイミングを見極めておきましょう。家を売るときに気をつけておくべきポイントも交えながら、詳しく解説していきます。
家を売るタイミングって難しそう・・・
ポイントさえを押さえておけば大丈夫ですよ!一緒に確認していきましょう!
目次
家を高く売るための5つのポイント
家を売るときには、売り出し価格の設定について、事前にきちんと理解しておく必要があります。同じ物件であっても、売り出す時期や仲介を依頼する不動産会社によっては価格が大きく異なってくるため、仕組みやコツを押さえることが大切なのです。
ここでは、少しでも高く家を売るために、押さえておきたい5つのポイントについて見ていきましょう。
家を売るタイミングで価格は異なる
売り出し価格に大きな影響を与えるポイントの1つとして、家を売るタイミングが挙げられます。
売りたい時期までに時間の余裕がなく、急いで買い手を見つけなければならない場合は、どうしても価格を低く設定せざるを得ない面があるのです。
一方で、売却までにある程度の時間をかけられるのであれば、高めの売り出し価格を設定することができます。希望通りの価格で買い取ってくれる相手をじっくりと探したり、時間をかけて丁寧に交渉できたりする点で、時間のゆとりがあるほうが有利だと言えるのです。
一般的に、家を売り出してから売却が完了するまでには、およそ半年の期間が必要とされています。そのため、最終的に売却を済ませたい時期をきちんと逆算して、なるべく早いタイミングで準備を進めることが大切です。
家を売りやすい時期
家を売却する時期も、売り出し価格の設定に大きな影響を与えるポイントの1つです。一般的には、2~3月の引越しシーズンがもっとも家を売りやすい時期とされています。
異動や転職といった、ライフスタイルを大きく変化させるような出来事が多い時期でもあるため、普段と比べて家の需要が高まるのです。
売却のタイミングをこの時期に合わせれば、買い手を見つけやすくなるため、ある程度高めの売り出し価格を設定することも可能です。
一方で、8月などの閑散期には、需要の低下から高めの価格設定をすることが少し難しくなります。そのため、なるべく需要が高まる時期に合わせて売り出せるように、あらかじめ逆算をしておくことも大切です。
マンションの売りやすい時期 | 一戸建ての売りやすい時期 |
3月引っ越しシーズン前の11月 | 3月引渡しを狙った9~12月頃 |
大規模修繕が終わった後 | 次に人が動く9月に引き渡せる3~6月頃 |
新築マンションの販売価格上昇時 | 競合物件が少なければ時期は関係なし |
マンションと一戸建てでは売りやすい時期が違うんですね
地域や社会情勢、物件の条件にも左右されるし、これが全ての目安という訳ではないから注意が必要だよ
マンションと一戸建てはどちらが売りやすい?
立地や細かな条件などによっても違いはあるものの、マンションと一戸建ての物件を比較したときには、一般的にマンションのほうが買い手を見つけやすい傾向にあります。「駅から近い」「買い物に便利」といった利便性の高い物件であれば、高めの価格設定を行っても買い手がつきやすいのです。
一方で、中古の一戸建ては、近隣の相場などを細かく見ておく必要があります。着実に買い手を見つけるためには、ある程度現実的な価格設定が求められるのです。
特に税法で定められた「法定耐用年数」で比較をすると、鉄筋コンクリート造のマンションは47年であるのに対して、木造の一戸建ては22年とされています。
そのため、築年数が経過した木造の一戸建てであれば、売り出し価格はやや低めに設定せざるを得ない場合もあるのです。
ただ、一戸建てはマンションと異なり、建物だけではなく土地そのものの利用価値を考慮することもできます。建て替えや住居以外の利用方法なども見込める点は、マンションにはないメリットです。
売り出し価格は適正な水準に設定しておく
基本的に、売り出し価格は実際に売却したい金額よりも高めに設定しておくのがポイントとなります。
購入希望者と価格交渉を行う際には、事前に設定した金額にもとづいてやりとりを進めるため、話し合いに余地を持たせられるのです。
ただ、あまりにも高い価格設定を行えば、購入希望者を見つけること自体が難しくなってしまいます。買い手側はインターネットを通じて価格の目安を調べることができるため、基準から大きく外れた設定を行えば、購入を検討してもらえなくなってしまうのです。
そのため、まずは売却相場をきちんと調べたうえで、適正な水準に合わせた価格設定を行うことが大切となります。そのうえで、売り出すシーズンや売却までの時間的な余裕を考慮しながら、少しずつ設定価格を高めていきましょう。
複数の不動産会社で査定をしてもらうことが大事
家を売るときには、不動産会社に査定を依頼して、売り出し価格の目安を決定します。インターネット等でも依頼をすることができるため、早い段階で売却金額の目安を知るためにも、気軽に査定を受けてみると良いでしょう。
ただ、査定依頼を行ううえで、初めから1社に絞ってしまうのは避けるべきだと言えます。なぜなら、同じ物件であっても、不動産会社ごとに査定金額には大きな違いがあるためです。
不動産会社によって、得意とする分野や売却実績が異なるため、単一の査定依頼では適正な相場を知ることができません。そのため、複数の不動産会社に査定を依頼して、できるだけ多くの情報を得ておくことが大切となります。
不動産の査定に関しては、一括でさまざまな会社に依頼ができるインターネット上のサービスなどもあり、面倒な手続きを省略することもできます。物件の種類や所在地、面積、築年数といった基本的な情報を入力するだけで依頼が行えるため、利便性の高いシステムだと言えます。
高く売りたいなら不動産会社選びが重要!良い会社を見極める方法
家を売却するときは、売り出し価格の設定・購入希望者の募集・内覧の対応・価格交渉・書類手続き・引き渡しなど、やるべきことが多岐にわたります。そのため、家を高く売るためには、仲介をお願いする不動産会社選びが何よりも重要です。
不動産会社によって、売却までのスピード感や交渉力などが大きく違ってくるため、成功を左右するポイントといっても過言ではありません。ここでは、良い不動産会社を選ぶときに意識すべきポイントについて解説していきます。
不動産選びって大切だったんですね。
不動産といっても様々な種類があるので、選ぶポイントを見ていきましょう!
家を売るチカラを実績や得意分野で判断する
一口に不動産会社といっても、それぞれに得意とする分野や強みは異なります。売却を得意とする会社・賃貸に強い会社・管理をメインとする会社などにタイプが分かれるのです。
当然ながら、家を売るときには、売却を得意としている会社のほうがスムーズに話を進めることができます。売却実績が豊富で知識や経験もある会社であれば、さまざまな実情に合わせた提案をしてくれるため、安心度も高いです。
そのうえで、あらかじめホームページなどで専門とする領域をチェックして、売却を考えている家と同様の物件の販売実績があるかを確認しておきましょう。同じような物件を売っている会社であれば、すでに理想的な顧客を抱えている場合もあるため、スムーズな取引につながりやすくなるのです。
また、不動産会社を見つけるうえでは、会社の規模も気になりやすいポイントだと言えます。大手の企業は企業イメージの安心感や豊富な情報量、保証やサービスの手厚さといった面がメリットです。
一方で、中小規模の不動産会社にも、物件や顧客に関する細かな情報を持っているなど、大手にはない地元密着型の強みがあります。そのため、会社の規模だけにとらわれず、自分に合った不動産会社を探すことが重要なポイントとなるのです。
担当者の能力を見極めることも大切
安心して売却の取引を行うためには、不動産会社だけではなく、担当してくれる人の能力をチェックしておくことも大切となります。担当者の交渉力や知識によって、取引の条件が大きく左右される場合もあるのです。
担当者の知識量を見極めるうえでは、宅建士の資格の有無が1つの目安となります。不動産取引に関して、一定以上の専門的な知識を備えていることが証明されるため、安心してやりとりを任せられる可能性が高まるのです。
また、資格だけではなく、それまでの販売実績も担当者の力量を見分けるポイントとなります。多くの仲介を行ってきた人であれば、さまざまな状況にも臨機応変に対応できるため、細かな条件や事情があっても柔軟に話を進めることが可能です。
さらに、知識や実績とともに、何よりも重要なのは担当者の人柄だと言えます。売り手側は家の売却に不慣れであるため、どうしても不安や疑問が生まれたり、細かな確認や情報の整理をしたいと感じたりすることもあるでしょう。
そうしたときでも、親身になって対応してもらえる担当者が相手であれば、スッキリした気持ちで取引に臨めます。そのため、「話を丁寧に聞いてくれる」「メールや電話の応対が迅速」といった点も、重要なポイントとなるのです。
仲介手数料は会社によって金額が異なる
不動産会社に仲介をお願いして売買契約が成立すると、売買の価格に合わせて仲介手数料を支払うことになります。手数料の上限は、以下の表のように宅地建物取引業法によって定められているため、会社によって不当に高額になってしまう心配はありません。
ただ、手数料の下限が定められているわけではないため、会社ごとに決められた範囲のなかでは違いが生まれます。そのため、複数の不動産会社を比較する際には、手数料の面から検討することも重要です。
しかし、一概に手数料が低いほうが優れていると判断すべきではありません。サービスの内容や交渉力の充実によって、売却できる価格が左右されることも多いため、総合的な判断が必要となります。
あくまでも、複数の不動産会社を比較する手がかりの1つとして捉えておきましょう。
※2018年1月の宅建業法改正に伴い、400万円以下の仲介手数料について上限額が18万円までとなった(売主のみ適用)。
※仲介手数料の計算を簡単に行うために、売買価格が400万円以上の場合には次の速算式を用いることも多い。「(売買価格×3%+6万円)+消費税=仲介手数料」
公表されているデータのチェックも忘れずに!
信頼できる会社かどうかを客観的に判断するには、公表されているデータをチェックすることも必要です。
たとえば、宅地建物取引業の免許証番号及び有効期間から、その会社が営業されている年数を調べることができます。
免許証番号のカッコでくくられている数字は、免許証が更新された回数を示しています。免許証は5年に一度(1996年までは3年に一度)更新されるため、
数字が大きいほど営業年数が長く、仲介の経験も豊富であると判断できるのです。
また、国土交通省の各地方整備局や不動産業を所管する所轄の部署では、不動産会社の概要について宅地建物取引業者名簿を閲覧することも可能です。過去に受けた行政処分や兼業の有無などを細かく調べられるため、会社の信用度を確かめるのに役立ちます。
インターネットで検索ができる都道府県もあるため、仲介してくれる会社を選ぶ際には利用してみると良いでしょう。さらに、不動産会社が過去にされた行政処分情報については、「国土交通省ネガティブ情報等検索サイト」で調べることもできます。
1ヶ月に一度と高い頻度で情報が更新されているため、依頼を検討している会社が過去に法律違反をしていないかどうかを確かめる有効なツールとなります。
手順を押さえよう!家を売るときの基本的な流れ
家の売却は売り出しをしてから引き渡しが完了するまで、3~6ヶ月程度の期間を必要とします。査定依頼~媒介契約の締結に1~2ヶ月、購入希望者を集める~売買契約の締結に1~3ヶ月、決済~引き渡しまでに1ヶ月程度かかるといった流れが一般的な手順です。
ここでは、家を売るまでの基本的な流れと、それぞれの手順ですべきことについて詳しく見ていきましょう。
<家を売るまでの基本的な流れ>
相場をチェックして売り出し価格の目安を設定する
家の売り出しを決める前に、きちんと売却の理由を明確にしておきましょう。そして、住み替えのタイミングや現在の手元資金などにも目を向けながら、売り出し価格を決めていきます。
そのうえで、家を高く売るためには、何よりも相場をできるだけ正確に把握しておくことが大切です。いつまでに、いくらで売りたいかを判断するためにも、相場にもとづいた価格設定が必要だと言えます。
家の相場に関しては、築年数や市場動向が重要なデータとなります。建物の価値は、歳月が経過すればするほど低下していくため、築年数が価格に与える影響はとても大きいのです。
ただ、建物の価格は、築年数と単純に比例して低下していくわけではありません。種類や立地によって違いはあるものの、年月が経過するごとに価格低下の幅が緩やかに落ち着いていきます。
つまり、築浅の物件は価格低下の幅が大きく、一定の年月を越えると価格の減少が穏やかになると言えます。
一戸建ての場合、築20年を超えてくると、建物部分の価値はほとんど換算されなくなっていくのが一般的です。
また、市場動向については、国土交通省が発表している「不動産価格指数」を通して知ることができます。実際に取引された売買契約をもとにして、物件の種類別に1ヶ月ごとの価格指数が示されており、相場や売り出すタイミングを見極めるのに役立てられるのです。
不動産会社を見つけて物件の査定をしてもらう
目安の売り出し価格を決めたら、実際に不動産会社を見つけて査定を依頼します。このタイミングでは、初めから1つの会社だけに絞るのではなく、複数の会社に査定をお願いすることが大切です。
ただ、ちくいちそれぞれの会社に査定依頼をするのは、手続き上の負担が大きく面倒を感じやすいと言えます。そのため、一括で複数の会社に依頼を申し込めるインターネットサイトなどの利用を検討しましょう。
複数の会社に依頼をしても、査定の段階では利用料がかからないため、適正な相場を知るうえで重要なステップとなります。また、利用する査定サイトについては、口コミや実績の内容、提携している会社数などから判断するのが有効です。
媒介契約を結んで家を売り出す
仲介を依頼する不動産会社を見つけたら、次は媒介契約を結んで実際に家を売り出す段階に入ります。媒介契約には3つの種類があり、それぞれに異なった性質を持っているため、特徴を正しく押さえておくことが重要です。
「一般媒介契約」は、売り手側が複数の不動産会社へ同時に仲介を依頼できる契約です。1つの会社に制限されることなく、複数の会社とのやりとりから、希望に近い契約を選べる点に大きなメリットがあります。
また、一般媒介契約においては、自分で買い手を見つけた場合、不動産会社の仲介を挟まずに販売することも可能です。そのため、3つの契約形態のなかで、もっとも自由な売却活動が行えるのが大きな特徴だと言えます。
「専属専任媒介契約」は、1社のみに絞って仲介を依頼する契約を指します。1週間に一度の販売状況報告が不動産会社に義務付けられるなど、もっとも積極的な働きが期待できるのが特徴です。
契約期間にも3ヶ月以内といった制限が設けられているため、売れるまでのスケジュールを明確にしやすいといったメリットもあります。
ただ、専属専任媒介契約では、自分で買い手を見つけた場合であっても不動産会社の仲介が必要となる点に注意が必要です。
3つの契約形態のうち、中間の性質を持っているのが「専任媒介契約」です。専属専任媒介契約と同様に、依頼できる会社は1社のみに絞られるものの、不動産会社からの報告義務は14日に一度と定められています。
また、自分で買い手を見つけた場合には自ら売買契約を行うことも可能です。それぞれに異なる特徴があるため、「自分で買い手を見つける可能性」があるかどうか、「ほかの不動産会社にも依頼する余地」を残すかといった点が、契約形態を決める判断基準となります。
購入希望者と交渉を進めて売買契約を結ぶ
購入を希望する人が現れたら、実際に売却価格などの交渉に入ります。それぞれの希望を円滑にすり合わせるために、あらかじめ大事にしたいポイントを明らかにしたうえで、優先順位を定めておきましょう。
買い手との間で交渉すべきポイントは価格以外にもあります。引き渡しのタイミングや補修の必要性など、幅広い視野で条件を考慮しておくことが、交渉をスムーズに進めるカギとなるのです。
そのうえで、必要に応じて物件調査を行い、売買条件がまとまったら売買契約を結ぶこととなります。このタイミングでは、不動産会社の宅建士から、買い手に対して重要事項の説明が行われます。
そして、正式な売買契約を結んだうえで、買い手から手付金を受け取るのが一般的な流れです。
証約手付である場合の手付金は契約をより確かなものにする証拠として扱われ、具体的な金額としては売却価格の1~2割程度が目安です。
家を引き渡して代金を精算する
引き渡しの手続きにおいては、売買代金を受け取るのとともに、登記申請を行います。
売り手から買い手へ所有権が移転されたことを示す重要な手続きであり、司法書士に依頼をするのが一般的です。
また、家を売却する際には、以下の表のようにさまざまな費用が発生します。引き渡しのタイミングでトラブルを起こさないためにも、あらかじめ漏れがないように注意しておきましょう。
必要な費用と書類を整え、代金の領収書とカギを合わせて買い手に引き渡すと、売却の手続きが完了します。
少しでも高く売るならどちらが良い?仲介と買取の違い
家を売るときには不動産会社に仲介を依頼する方法のほかに、直接買い取ってもらう方法もあります。どちらが有利に売却を進められるかは、売り手の事情や物件の状態によって異なるため、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。
ここでは、仲介と買取の違いについて解説し、それぞれのメリット・デメリットについて取り上げていきます。
仲介と買取のそれぞれの特徴
仲介とは、売主と買主との間を不動産会社が仲介として入り、売買契約を取りまとめる方法を指します。媒介契約を結ぶことによって、購入希望者を募ったり、内覧に対応したりすることを不動産会社に任せられるのが特徴です。
一方で、買取は不動産会社自体に物件を買い取ってもらう方法を指します。第三者を相手にするわけではなく、不動産会社と直接的にやりとりができるため、価格や条件がまとまればすぐに売却ができるのです。
仲介と買取でそれぞれ違ったメリットがあるんですね。
それぞれのメリットを比較して、自分に合った方法を選びましょう。
即時買取と買取保証の違い
買取にはさらに「即時買取」と「買取保証」の2種類があります。即時買取とは、価格交渉が済み次第、すぐに買い取ってもらう方法のことです。
不動産会社がすぐに買取を行ってくれるため、売却までの期間を短く済ませられる点が最大のメリットだと言えます。ただ、市場での販売を想定しないやりとりとなるため、相場よりも安い価格での売却となりやすい点がデメリットです。
買取保証は、即時買取と仲介を併用したような仕組みであり、それぞれのデメリットを解消できる方法でもあります。一定期間は仲介が行われ、売買契約がまとまらなければ、不動産会社と事前に契約した金額で買い取ってもらえるのです。
仲介ではいつ家が売れるのか分からず、予定を立てにくい面があるため、最終的に買取保証が行われる点は売り手にとって大きなメリットとなります。
また、期間内に売買契約が成立すれば、即時買取より家を高く売れる可能性もあるのです。
家を買い取ってもらうメリット
不動産会社に家を買い取ってもらう最大のメリットは、短い期間で家を売ることができ、現金化しやすい点にあります。買い手を見つける手間や負担が省かれる点は、売り手にとって大きな利点だと言えるのです。
また、買取であれば仲介手数料が不要となります。仲介手数料率については上限が定められているものの、大きな金額が動く不動産売買では、あまり無視できるポイントでもありません。
さらに、直接不動産会社に買い取ってもらえば、「契約不適合責任」も免れます。契約不適合責任とは、引き渡した不動産などが契約通りでなかった場合に、履行の追完や履行の追完がなされなかった時の売り手側が負うべき代金の減額といった責任のことです。
しかし、通常の売買契約とは異なり、買い手側が宅建業者の場合は免除されるため、買取の大きなメリットとなります。また、販促活動を行わないため、近隣に知られずに売却できる点も隠れた利点の1つです。
家の買取で気をつけたいデメリット
利便性が高く、取引にかかる期間を大幅に短縮できる買取には、市場よりも売却価格が安くなってしまうといったデメリットもあります。
物件の買取を行った不動産会社は、そこからリフォームなどを行ったうえで市場に売り出すため、相場価格よりも、10~30%程度は安く買い取るのが一般的です。
また、一般的に買取は築古物件のほうが向いているとされています。築浅の物件であればリフォームやリノベーションを行う必要もないため、仲介のほうが高く売れる可能性があるのです。
そのため、物件の条件や売り出すタイミングなどを見極めたうえで、より有利になる方法を検討していくことが大切となります。
買取を検討するほうが向いているケース
すぐに現金化したいと考えていたり、売りたい時期が決まっていたりする場合には、買取のほうがメリットも大きいと言えます。
たとえば、急な転勤が決まってしまった場合には、あまり売却までに時間をかけることはできません。
また、今の住まいから離れた土地を相続するケースにおいても、買取は有効な手段となります。こまめに行き来ができないなど、仲介ではさまざまな負担が想定されるため、できるだけ早く現金化するためには買取のほうが便利なのです。
築古物件を売却するケースにおいても、買取のメリットを活かすことができます。仲介で買い手を見つけるために、改築や修繕を行わないといけないといった場合には、買取を検討してみると良いでしょう。
そのほかにも、家の売却を近隣に知られたくない、仲介で1年以上売れていない、立地が悪いといった場合も買取が向いていると言えます。また、接道義務を果たしていない物件は、売買により複雑な手順を踏まなければならないため、買取のほうが手軽に現金化を行うことができます。
家の魅力を高めて有利な条件で売ろう!査定や内覧での印象をアップさせる方法
家を高く売るためには、物件の魅力を高めて、丁寧に不動産会社や購入希望者へ伝えることも大切だと言えます。物件そのものに購買意欲をそそるポイントがあれば、交渉をより優位に進められるのです。
ここでは、査定金額や売却価格をアップさせるために、意識しておくべきポイントについて見ていきましょう。
家の外観は査定金額を高めるカギとなる
不動産の査定方法には、簡易査定(机上査定)と訪問査定の2種類があります。簡易査定は物件の情報を入力するだけで、すぐに大まかな価格を査定してもらえる方法です。
一方で、訪問査定は担当者が実際に物件を見たうえで、細かく状態を確認しながら査定していく方法です。図面や物件のデータだけでは分からない、周辺環境や日当たりといったポイントも査定の対象となり、価格にも大きな影響を与えます。
特に一戸建ての場合には、外観の状態が査定金額に大きな影響を与えます。買い手の心理を考えれば、見た目の良さは家の印象を大きく左右するポイントとなるのです。
また、外観の手入れ具合を通して、物件全体のメンテナンス状況をある程度知ることもできます。
そのため、外壁の塗り替え時期など、家のメンテナンス記録を説明することも大事です。
内覧時の印象を良くするために取り組んでおくべきこと
購入希望者に物件を見てもらうときには、できるだけ良い状態が保たれている様子をアピールすることが、家を高く売るための第一歩となります。
ある程度の築年数があったとしても、きちんと手入れのされた家への評価は高くなるのです。
たとえば、まずは室内の整理整頓をきちんと済ませておくことが基本となります。また、室内の雰囲気を明るく見せるために照明を工夫したり、湿気や匂いがこもらないように充分な換気を行ったりすることも大切です。
また、水回りの汚れは目立ちやすく、内覧時の印象を大きく左右するポイントでもあります。キッチンやバス・トイレは特に念入りに掃除しておきましょう。
室内だけではなく、庭やベランダも重要なアピールポイントとなる場合があります。雑草の処理を済ませておくなど、小さな心配りが見た目の印象を向上させるコツとなるのです。
ここに住みたい!と感じてもらえるホームステージング
物件の印象を向上させる方法の1つに、ホームステージングがあります。ホームステージングとは、売り出している家の室内をモデルルームのように演出し、売却の交渉をサポートしてくれるサービスのことです。
ホームステージングには値段に合わせていくつかのプランがあり、数万~数十万円のなかから選ぶことができます。
洗練されたインテリアや緑などで室内を演出し、購入希望者に積極的なアピールを働きかけることで、希望価格よりも高く売れる可能性を期待できる有効な手段です。
どうしても買い手が見つからないときには、安易に値下げをするのではなく、少しお金をかけて希望価格で売ることも検討してみましょう。
売主としての人柄も大事なポイントとなる
買い手の立場からすれば、物件の特徴や状況とともに、「以前にどんな人が住んでいたのか」といった点も気になるところだと言えます。ときには、売り手の人柄やイメージによって、室内の使い方などが判断される場合もあるのです。
顔合わせや内覧のタイミングでは、できるだけ笑顔を心がけ、誠実な人柄を知ってもらいましょう。売り手の人柄が伝わることで、買い手も安心できるのでスムーズな取引につながりやすくなります。
購入希望者から質問があったときには親身になって応じ、できる範囲で要望に応えていくことも大切です。また、これまで住んでいて気付いたことや、近隣の情報などをメモにまとめておくと喜ばれることが多いと言えます。
担当者からのアドバイスもどんどん取り入れてみよう
交渉をスムーズに進めていくうえでは、専門家からの客観的なアドバイスも重要なヒントとなります。信頼できる不動産会社に仲介を依頼していれば、担当者に家を高く売るためのアドバイスを求めることも可能です。
プロの視点から見たコツや改善点は、自分の視点だけではなかなか気が付かないものでもあります。そのため、気になる点があればむやみに遠慮をせず、積極的に担当者とのコミュニケーションを図りましょう。
有効なアドバイスをもらえるだけではなく、物件の情報を正確に伝えることで、担当者も販売がしやすくなるのです。
まとめ
家を高く売るためには、不動産会社選びのポイントや売却の手順や流れを押さえたうえで1つ1つの項目をきちんとチェックしていくことが大切です。
ただ、何でも自分だけで進めようとせずに、信頼できる不動産会社を選んでサポートしてもらうことが家を高く売るコツです。一括査定サイトで複数の不動産会社を見比べたうえで、自分に合ったところを選んでみましょう。
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