土地は、ただ持っているだけでは税金がかかってしまいます。せっかくの土地も活用をしなければ宝の持ち腐れです。つまり、土地をもっているだけではマイナスになることが多いのです。
そこで、多くの地主さんは土地の収益化を考えはじめますが、土地活用にも色々な種類があり、悩まれる方も多いはず。
土地所有者としては、土地活用の方法を決めることは、極めて難しい悩みといえるでしょう。
そこでこの記事では、土地活用を検討中の方のために「土地活用の種類」を一覧でご紹介していきます。それぞれのメリット・デメリットを比較する際に、ぜひお役立てください。
目次
土地活用の方法を覚えて有効活用しよう(売る、貸す、自己・共同活用)
まず、土地活用の種類にはさまざまな方法がありますが、大きく分けると以下の4つに分類できます。
- 売る
- 貸す
- 自己活用
- 共同活用
土地活用を始めるときは、「所有している土地はこの土地活用が向いているんだな」と冷静に判断することがポイントです。
ここからは、代表的な17種類の土地活用法の特徴をお伝えしていきます。
大きな分類が4つあって、さらに、細かく分けると17種類の方法があるということですね。
そうですね。この記事では17種類を一覧で紹介していきますので、それぞれを比較するのに便利ですよ。
土地活用の王道パターン!住居系としての活用方法について
土地活用の王道ともいえるのが、賃貸住宅経営ですが、住居系の土地活用は「立地」がとても重要になります。
せっかく住宅ローンを組んでマンション一棟などの建物を建てても、入居者が集まらなければ大きな負債となってしまうリスクがあります。
しかし、満室を保った賃貸経営を続けることができれば、建物を建てるのにかかったお金を数年程度で回収することができます。
将来的には家賃収入で安定した不労所得を得ることができるので、住居系の土地活用は大変魅力的な活用方法のひとつといえます。
土地活用の中でも大きく分けて以下の3つの種類に分けられます。
- アパート経営
- マンション経営
- 戸建経営
それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説していきますので、住居系の土地活用例として、参考にしてみてください。
アパート経営やマンション経営は一番イメージがわきやすいですよね。
王道的な土地活用ですからね。それぞれ詳しく見ていきましょう。
アパート経営のメリット・デメリット
アパート経営は、マンションと比べると基本的には木造住宅が多いことが特徴です。そのため、アパート一棟にかける費用を抑えつつ、部屋数で勝負できる土地活用方法です。
アパート経営に向いている土地とは、所有している土地の近くに会社や大学などがあり、その土地で生活したいと考える人が多い場所です。
アパート経営の場合は、学生や単身者向けのワンルームアパートの需要があるため、大学や専門学校が近くにある土地が理想的です。
メリット
・低コストでスタートできる
・税制面で大きな優遇措置を受けることができる
・節税効果が高い
・金融機関にはアパートローンという定型商品があり、建設費の融資を受けることも可能
・アパートローン借入で「団体信用生命保険」加入の場合、相続人にローンが残らない
デメリット
・入居者トラブルが起こりやすい
・空室や家賃滞納などのリスクがある
・地震や災害時などのリスクがある
マンションや戸建と比較すると、手軽にスタートできるのが魅力です。
マンション経営のメリット・デメリット
マンション経営は、先ほどのアパート経営より建築費用や建物のメンテナンスをおこなうための修繕費が高くなるため、初期費用と修繕費の負担が大きくなってしまいます。
しかし、アパートよりマンション経営のほうが入居者トラブルが起こりにくく、気に入ったら長く住み続けてくれる可能性が高いというメリットがあります。
都市部や駅近などの利便性がある場所に土地を所有しているのであれば、アパート経営よりマンション経営のほうがおすすめです。
メリット
・収益性が高い
・節税効果が高い
・入居者トラブルが起こりにくい
・空室リスクが少なく長く住み続けてくれる
・部屋数が多いほど空室リスクの分散につながる
デメリット
・初期費用と修繕費の負担が大きい
・地震や災害時などのリスクがある
初期費用は高くなりますが、アパートよりも安定しているのが魅力ですね。
賃貸戸建経営のメリット・デメリット
賃貸戸建経営はアパートやマンション同様、建築にかかるコストは高くなります。ただ、その分家賃を高く設定できるため利回りが極端に低下することはありません。
さらに、ファミリー層の入居者が多く、長期的な契約に結び付きやすくなっています。
しかし、一度空室になると空室期間が長くなる可能性があるというデメリットもあります。
アパートやマンションを建てるには狭すぎるような土地であれば、戸建経営がおすすめです。
メリット
・競合が少なく経営が安定している
・一度入居すると入居期間が長い
・将来的に売却しやすい
・特殊な形の土地でも建築できる
・入居者の質が高い
デメリット
・空室期間が長くなる場合がある
・建設費用やリフォーム費用の負担が大きい
・地震や災害時などのリスクがある
3つのなかで一番コストがかかる手法ですが、安定性は抜群ですね。
今後需要の高まる老人ホーム・介護施設・保育園としての土地活用
老人ホーム・介護・保育園などの事業系の土地活用は、施設運営業者が希望する施設を土地所有者が建設するだけで、基本的にはマンション経営と同じシステムです。
誤解している人もいますが、土地の所有者が保育園などを経営するということではなく、老人ホームなどの建物をそれぞれの運営事業者に一棟まるまる貸す、ということです。
一棟貸のデメリットは、対象の事業者に退去されると、後継事業者が見つからないという可能性があるため、賃料の値下げ要求に対して弱い立場になってしまう点です。
一方、管理の手間がほとんどかからず、撤退のリスクが低いという、一棟貸ならではのメリットもあります。
では、老人ホーム・介護施設・保育園について順番にお伝えしていきます。
市場拡大が期待される老人ホームの土地活用(メリット・デメリット)
老人ホームは、日本の少子高齢化により、市場の拡大が期待される分野での土地活用法といえます。
ある程度の土地の広さは必要ですが、駅から遠くてもバス停から徒歩圏内のようなエリアなら郊外の土地でも需要があります。
一般的には、土地の所有者が老人ホームを建設し、施設運営業者に一括借上げしてもらって運営します。老人ホームは20年以上の賃貸借契約が義務のため、長期間にわたって安定した収入を受けられます。
メリット
・長期安定経営が可能
・地域への社会貢献ができる
・補助金制度などを利用できる
デメリット
・もし事業者に退去された場合、賃料の賃下げリスクがある
・広い土地が必要になる
長期間安定して経営できるのが最大の強みですね。
今後需要の高まる介護施設の土地活用(メリット・デメリット)
介護施設に関しても、老人ホームの場合と同様に、日本が少子高齢化を迎えたことにより、今後も需要が高まっていくと言われている分野での土地活用法です。
そのため、アパートやマンションなどの住宅経営に比べて空室になるリスクが少なく、安定した収益を得られる可能性が高いと言われています。
ある程度の広さがある土地を所有しており、初期費用に負担がかかってしまっても、長期的に収益を得たいという方に介護施設経営はおすすめです。
メリット
・長期安定経営が可能
・日本ではまだまだ介護施設が足りておらず、今後も需要が伸びる
・駅から離れた立地でも、介護事業に適した環境であれば、計画が可能
・地域への社会貢献ができる
・固定資産税・相続税等の節税効果が高い
・補助金制度などが利用可能
デメリット
・介護士不足などのリスクがある
・広い土地が必要なので、その分初期費用が高くなる
・まとまった大きさの土地が必要
今後、確実に需要が伸びる分野なので、将来性は高いですよ。
社会問題解決へ!保育園設立の土地活用(メリット・デメリット)
保育園も、老人ホームや介護施設と同様に建物の一棟貸をすることになるため、契約期間は20年以上の長期契約が一般的です。
現在の日本は少子化が進んでいる中で、保育士や保育園が明らかに不足しています。多くの子どもたちが保育園に入ることができず困っており、待機児童は社会問題の一つになっています。
保育園を設立するまでには、自治体や保育運営事業者の様々な調査や審査がおこなわれます。
これらをクリアしてはじめて保育園を建てることができるので、土地があっても絶対に保育園をはじめられる保証がないというリスクがあります。
メリット
・収益の安定性がある
・撤退リスクが低い
・一棟貸しなので管理の手間がかからない
・補助金制度を利用できる
デメリット
・一般的な店舗よりは賃料単価は低い
・保育園を設置するための基準が厳しい
・建物が老朽化した時、立退きで揉める可能性あり
ハードルは多少高いかもしれませんが、少子化の現代では伸びが予想される分野です。
難易度高めの大規模経営!ホテル系の土地活用
ホテル系の土地活用のメリットは、アパートやマンションなどよりも多くの収入が得られることです。これは、ホテル系の土地活用をおこなう人が絶対的に少ないからです。
ただ、難易度は高めです(だからこそライバルが少ないわけですが)。
ホテル系の土地活用のなかでも、ビジネスホテルと観光ホテルに分かれており、それぞれ特徴があるので、以下でご紹介していきます。
ビジネスホテルにするメリット・デメリット
地方都市でも、観光地や駅前であればホテルの一棟貸需要があるため、有効な土地活用方法の一つといえます。
しかし、ホテルの採算性としては、200室確保できるないと採算ラインに合わないとされています。
200室確保というハードルを超えるためには、敷地としては500坪程度の広さが必要になるため、条件に見合う土地が少なく、取り組みにくいのがデメリットです。
ビジネスホテルは、宿泊料が安くて綺麗なため、ビジネスマンだけでなく、国内外の観光客も多く利用します。
地方都市における高層建物の賃貸事業としては、ビジネスホテルは最も有力な候補と言えます。
ワンルームマンションにするには少しもったいなく、オフィスビルにするには難しい土地が、ビジネスホテル用の土地としてはオススメといえます。
メリット
・一棟貸しで収入も安定し、賃料も比較的高い
・地方でも観光地であれば有効
デメリット
・条件に見合う土地が少なく取り組みにくい
・観光業は為替の変動により大きく変動するため、撤退リスクは相応にある
観光地に土地をもっていれば、取り組む価値はありますね。
観光ホテルにするメリット・デメリット
観光ホテルとは、温泉や名所などの観光地に位置する、家族が娯楽として利用するホテルのことです。そのため、観光地近辺の土地が観光ホテルに適しています。
観光ホテルのメリットとしては、娯楽としての利用であるため利用単価が高く、利用者が多ければ莫大な収益を生むことができることが挙げられます。
観光ホテルによる土地活用には、ビジネスホテルと比べると、広大な土地が必要になったり、設備の維持費も大きくなったりします。
また、ビジネスホテルと同様、観光業は為替の変動により大きく変動するため、短期間での撤退リスクは相応にあると覚悟しておくことが必要です。
メリット
・娯楽としての利用のため利用単価が高い
・地方でも観光地であれば有効
・比較的少ない土地面積であっても建設できる
デメリット
・ビジネスホテルと比べて広大な土地が必要
・設備の維持費も大きくなるため、利用者が少ないと赤字になる
利用単価はかなり高いため、収益性の良さは抜群です。
手間要らず?倉庫・トランクルームとしての土地活用
倉庫系の土地活用とは、その名の通り空き土地に倉庫を設置して貸出をおこない、毎月の賃料を得るという活用方法です。
家の収納では入りきれなかったモノを片付ける場所となったり、通販の在庫を置く場所となったり、さまざまな需要があります。
貸倉庫としての土地活用-メリット・デメリット-
近年では、ネット通販が主流となっており、在庫を置くための倉庫の需要が高まっています。
倉庫には大きな敷地が求められているため、山奥の広い土地などでも倉庫による賃貸事業ができる場合があります。都市部でなくても、高速乗り場の近くなど利便性が高い場所は活用しやすい土地といえます。
メリット
・ネット通販が拡大すると考えられるため、撤退リスクが低い
・あまり管理の手間がかからない
・山奥の広い土地でも可能
・高利回りが期待できる
デメリット
・節税効果がない
・撤退したあとは買い手がなかなか見つからない
需要は確実にあり、撤退リスクは小さいです。
トランクルームとしての土地活用-メリット・デメリット-
トランクルーム経営も駐車場経営と同様、初期費用が少なく転用性が高いことから人気の活用方法です。
ただ、集客面では難易度が高く、仮に満室になったとしても一室あたりの賃料が低いため、大きな収益は得にくくなっています。
しかし、トランクルームは荷物を保管することだけを目的とした施設のため、住環境の良くない土地でもそれほど影響を受けずに運営可能です。
そのため、全く日が当たらない、外の騒音がひどいなど、住環境には不向きな場所の土地を所有しているなら、トランクルーム経営がおすすめです。
メリット
・住環境には不向きな土地でも可能
・利回りが良い
・初期費用が少なくてすむ
デメリット
・集客面では難易度が高い
・一室あたりの賃料が低いため、大きな収益は得にくい
「こんな土地は活用できない・・・」という悪条件な土地でも、トランクルームなら活用できる可能性がありますよ。
法人向けにオフィスビル・シェアオフィスの土地活用
オフィス系の土地活用では、オフィスビルの他に、シェアオフィスなどの需要も高まっています。
それぞれのメリット・デメリットを紹介していきます。
オフィスビルの賃貸経営(メリット・デメリット)
オフィスの賃貸経営では、基本的に事務所として使用されるビルを建設します。賃料の単価を住宅系よりも高く設定できるため、高額の収入が見込めます。
アパートなどの居住用物件は、建築基準法の条件が厳しく定められています。しかし、オフィスビルに関しては条件がそれほど厳しくないため、居住用物件が建築できない土地でもオフィスビルなら建築できるという可能性があります。
そのため、都心部周辺の好立地なオフィス街などに大きな土地を所有しているなら、オフィス賃貸経営がおすすめです。
メリット
・賃料単価が住宅系よりも高く、収入が大きい
・入居者トラブルが起こりにくい
・居住用物件よりも家賃を高く設定できるため、早い段階で初期費用を回収できる
デメリット
・賃貸需要が限定的で、限られた土地しか活用できない
・空室リスクのダメージが大きい
法人なので、一般消費者相手のような理不尽なトラブルも起こりにくいですね。
シェアオフィス賃貸(メリット・デメリット)
近年では、オフィスビルの賃貸が難しくなってきたということもあり、オフィスを複数人でシェアするシェアオフィスやコワーキングスペースが増えてきました。
働き方が多様化してきたなかで、シェアオフィスの需要は増加しつつあるといえます。
メリット
・初期投資の費用を抑えられる
・物件の特性がそれほど関係ない
デメリット
・地方では需要が低い
・需要のある立地でないと収益が上がりづらい
都内の一等地に土地を持っているなら、チャレンジする価値はあります。
商業系の土地活用!飲食店やコンビニの開発・出店のメリット・デメリット
商業系の土地活用とは、飲食店やコンビニなどの商業施設を開発・出店する活用方法です。
もし、交通量や人通りの多い道路・駅近のアクセスが便利な立地に土地を所有しているなら、商業施設経営がおすすめです。
商業系施設経営の管理には、以下の2種類の方法があります。
- 自分で建物を建築する「一括借り上げ方式」
- 土地を貸すだけの「事業用定期借地方式」
商業系では、土地だけを事業者へ貸し出す「事業用定地借地方式」が一般的です。この事業用定地借地方式は、テナント事業者が初期費用などを負担してくれるケースが多くなっています。
ただ、特定のテナントに特化した建物の場合は、次の借り手が見つかりにくく、もし借り手が見つからなかった場合は空室リスクのダメージも大きくなってしまいます。
人が多く集まるエリアであれば、全面改修など費用の負担が大きくなる前に次の借り手を見つけられる可能性が高くなるため、空室リスクをカバーできます。
メリット
・人が多く集まるエリアでは収益化が多く見込める
・家賃を高く設定できる
・立地制限が緩め
デメリット
・特定のテナントに特化した建物の場合は次の借り手が見つかりにくい
・空室のリスクあり
・初期費用がかかる
アクセスが便利な立地に土地を所有しているなら、オススメの方法です。
ローリスクローリターン!駐車場経営による土地活用
駐車場経営は、これまでに紹介してきた土地活用のなかでは、収益率が少ない活用方法です。
駐車場経営をおこなうには、所有している土地に、「高低差がない」ということがポイントとなります。もし土地に高低差がある場合、単純に駐車をおこないにくく、利用者が別の駐車場を探す可能性が高くなってしまいまいます。
駐車場経営には大きく分けて、
- 月極駐車場
- コインパーキング
この2つの種類があります。
それぞれの経営方式を順番に確認していきましょう。
その1!月極駐車場で駐車場経営について
月極駐車場は、1ヶ月単位で駐車スペースとして貸し出す方式のことです。名前の通り、月ごとの賃料が利益になります。
月極駐車場は、実のところ時間貸し駐車場の需要があまりない土地で仕方なくおこなう方法で、収益性は低いです。
また空車が発生した場合は、全体収入が下がるなど、収益も不安定になりがちです。
ただ、機械の導入が要らないため初期費用を安くできるのに加え、将来他の業態に転換するときも簡単に転換できます。
稼働率が高い地域での月極駐車場であれば、安定して高い利益を生み出せる可能性はあります。
その2!コインパーキング形式での駐車場経営について
コインパーキングは、時間による駐車スペースの貸出方式です。
コインパーキング形式による方法には、専門業者に土地を一括借上げして機械を導入することにより地代を受け取る方法と、専門業者から機械を購入して管理を依頼する方法があります。
コインパーキング形式は機械を購入するリスクを負う必要がありますが、収益を高くすることができます。
一般的には月極駐車場による方法より、コインパーキング形式のほうが高い収益を得られるとされています。
駐車場経営による土地活用が向く土地としては、住宅街の中にあって、周辺に住む人の駐車場としての利用を狙える場所です。商業施設やオフィス、駅の近くなどもそうですね。
集客不要!太陽光発電による土地活用のメリット・デメリット
太陽光発電とは、土地や建物の屋根部分にソーラーパネルを設置し、変換するパネル等のシステム一式を使った発電です。
太陽光発電システムを設置した場合、電力会社からの電力買取代金が収益となります。
田舎のような、土地が余っている場所でも、集客が必要ないため有効な土地活用と言えます。
メリット
・空室リスクがないため安定して経営ができる
・補助金制度などの対象制度がある
・地価に影響することがない
デメリット
・ソーラーパネルの設置には初期費用がかかる
・天気に左右され、発電量が安定しない
・利回りが年々低下傾向
・節税効果はない
集客の必要がないのは、ほかの方法を比較すると大きな魅力です。
長期的に使う予定がない場合の借地系土地活用術
借地系の土地活用には、大きく分けて「普通借地」と「定期借地」という2つの制度があります。
【普通借地権】とはどういうもの?
普通借地とは、30年以上の期間を定めて土地を貸し出す制度のことです。期間の更新する場合は、最初の更新で20年、2回目以降の更新で10年ごとの更新になります。
普通借地で貸し出すと半永久的に土地を取り戻すことができないため、土地所有者にほとんどメリットがありません。
【定期借地権】とはどういうもの?
定期借地は、所有している土地を手放さず土地そのものを他人に貸す土地活用方法です。貸した土地が必ず戻ってくるため、期間満了時に立退き料も必要ありません。
普通借地と比べると安心して土地を貸すことができます。また、契約終了時には貸していた土地が戻ってくるため、その後土地活用ができるようになっています。
所有している土地を活用する予定がないという方は、手軽に活用できる定期借地がおすすめです。
契約期間は10年から50年程度と長めの設定となるため、一度長期の契約を結べば安定して収益を得られます。ただし、契約期間中の賃料変更ができないというデメリットもあります。
選ぶなら、リスクの小さい定期借地権がおすすめですね。
目的別のおすすめ土地活用方法を紹介します
ここまでご紹介してきたように、土地活用にはたくさんの種類があります。
何を基準として、どの活用方法を選ぶのかは人それぞれですが、土地活用を検討する人の多くが基準としている項目をここでご紹介します。
安定した収益性(マンション経営・介護施設経営)
安定した収益性で選ぶなら、マンション経営と介護施設経営がおすすめです。
マンション経営は、アパート経営に比べ入居者トラブルが起こりにくく、長く住み続ける人が多いため、長期スパンで見て安定した収益が望めます。
介護施設経営は、日本の少子高齢化により今以上に介護施設のニーズが高まっていくことから、将来性が高くおすすめです。
回収期間の早さ(オフィス賃貸・商業施設経営・トランクルーム経営)
回収期間の速さで選ぶなら、オフィス賃貸・商業施設経営・トランクルーム経営がおすすめです。
オフィスや商業施設は、家賃を高めに設定することができるため一度契約をしてしまうと、回収期間が早く済みます。
また、トランクルームに関しては、初期費用が少なく利回りもいいため、早期回収までが早いとされています。
土地の立地条件【都市部】(マンション経営・アパート経営・商業施設経営・駐車場経営)
土地の立地条件(都市部)で選ぶなら、マンション経営・アパート経営・商業施設経営・駐車場経営がおすすめです。
都市部では、さまざまな活用方法がありますが、賃貸住宅経営や商業施設(コンビニやドラックストアなど)は地域住民からのニーズが高いため、おすすめの土地活用方法です。
もし、都市部の住宅街に狭い土地を所有しているなら駐車場経営もおすすめです。人通りの多い住宅街のほか、商業施設が周辺にあればさらに安定して収益を得ることができます。
土地の立地条件【地方部】(太陽光発電・戸建賃貸経営・トランクルーム経営・売却)
土地の条件(地方部)で選ぶなら、太陽光発電・戸建賃貸経営・トランクルーム経営・売却がおすすめです。
特に人気となっている太陽光発電は、地方や田舎に最適といえます。なぜなら、大きなビルや住宅などの建物で日を遮られることがないからです。
ただし、太陽光発電は場所や広さによっても難易度が高くなるケースがあるため、その場合は地方で需要の高い戸建賃貸経営かトランクルーム経営もおすすめです。
また、全く人通りのない田舎に土地を所有しているのであれば、思い切って売却することも一つの選択肢となります。
リスクの少なさを重視する(駐車場経営)
リスクの少なさで選ぶなら、駐車場経営がおすすめです。
これまでご紹介した土地活用の中でも、一番リスクが少ない土地活用の方法といえば駐車場経営一択です。
駐車場経営を始めるには資金がほとんどなくてもスタートできることと、駐車場の契約期間も2年程度の短期設定ができることから、収益性を重要視せず、リスクの少なさを最重視している人には向いている土地活用方法です。
転用性の高さを重視する(駐車場経営・トランクルーム経営)
転用性の高さで選ぶなら、駐車場経営とトランクルーム経営がおすすめです。
土地の立地にもよりますが、転用性を重視して選ぶのなら、更地に戻すことが簡単な「平面式駐車場」と「屋外型トランクルーム」を選択すると良いでしょう。
使っていない土地を活用したほうが良い理由って?
土地活用は、大きな利益がある反面リスクもあると言われています。リスクがあるにも関わらず、使っていない土地を積極的に活用するべき理由があります。
それは、
- 節税対策が期待できる
- 土地を有効活用することで収益を上げられる
という2つの理由があるからです。
土地活用をする事により節税対策が期待できる
土地活用をすると、財産評価額を減らしてくれるため、節税対策が期待できます。
- 土地は貸家建付地としての評価減
- 建物は借家権割合による評価減
この二つの適用を受けることができ、さらには小規模宅地等の特例によっても財産評価額を減らすことができます。
また、賃貸マンション・アパートを建てると、固定資産税と都市計画税が減額されるメリットもあります。建物を建てるだけで毎年の固定資産税が6分の1になります。
このように、土地を活用することで非常に大きな節税となるでしょう。
出典:国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
土地を有効活用することによって収益を上げられる可能性がある
ただ、土地を所有しているだけでは、収益が発生しないどころかマイナスになってしまう場合があります。
しかし、所有している土地をうまく活用することで、その土地からお金を生み出す資産に変えることができます。
たとえば、土地の売却は土地の所有権譲渡と引き換えに多額の収入を得ることが可能です。
アパート経営やマンション経営、土地そのものを貸す活用方法では、長期にわたって安定的に収益を得ることができます。
ただ所有しているだけではマイナスでしかなかった土地も、その土地に適した活用方法を実施することで、不労所得生活ができるほどの安定収入を得られる資産となるでしょう。
上記2つの理由から、所有している土地を積極的に活用することをおすすめします。
持て余してしまうぐらいなら売却という土地活用も検討してみる
土地オーナーにとっては、土地を売却することも有効な活用方法と言えます。
土地売却をおこなえば、わずらわしい土地活用や税金の支払い義務から解放されますし、土地を売ることで大きな収入を得ることができます。
また、土地を売却すれば固定資産税などを負担しなくてよくなります。
土地活用にこだわらず、土地売却をしたお金を頭金として、他の土地やアパートを購入することも可能です。
ただし、土地を売却した場合、手元に高額の現金を得ることができますが、この収入分の所得税は収入を得た年(1月1日~12月31日)の間に支払う義務があります。
節税の面で考えると、土地の売却には少し注意が必要ということです。
まとめ
今回は、土地活用を検討中の方のために「土地活用の種類」のメリット・デメリットなどの特徴を解説しました。
所有している土地の活用方法が定まったら、次は不動産会社に相談して進めていく流れとなります。 まずは、さまざまな不動産総合サイトをチェックして、一括資料請求サービスや、不動産一括査定サービス(土地を売却する場合)を利用してみましょう。