不動産投資をするなら物件を購入し、運用していく方法がありますが、大体の価格は1,000万円以上します。
そのため、不動産投資を躊躇してしまう方は少なくないです。
一方、「REIT(リート)」は不動産を購入せず、少額からでも始められる不動産投資信託です。
安全で手間もかけず、100万円から始められる不動産投資に興味がある方なら、REITを検討してみるのも良いでしょう。
こちらの記事では、REITについて詳しく紹介しています。
メリットや注意点、REITの仕組みなど、これから始められる方にとって、有力な情報となります。
不動産投資を始めるにあたって、何から始めたら良いでしょうか?
不動産投資を始めるには、知識がないと危険なので、是非この記事を参考にしてください。
目次
REITとは?
REIT(リート)とは
1960年頃にアメリカから始まり、色々な国でも導入され、日本は2000年に解禁となりました。日本の場合、頭文字に「J」が付いてJ-REITと呼びます。
REITとは、資金を投資家から集めて不動産投資をし、賃料などから収入を得て、その収益を投資家たちに分配する不動産投資信託です。
信託とは
色々な手続きを自分で行うのではなく、信頼できるプロに任せる事を言います。
つまり、不動産投資信託のREITは専門家に投資運用を任せるという事です。
仕組みに付いて
REITは他の投資信託の仕組みと、基本的に一緒です。
REITを動かしているのは、法人の組織になるので、投資家は、その不動産投資法人に資金を預ける事になります。
投資法人は、集めた資金で投資をして、投資証券を投資家に発行。
投資法人は投資した不動産から賃料などの収入を得て、その利益を投資家は配当金として受け取る仕組みになっています。
また、投資法人は利益の90%以上を分配すると法人税が免除されるので、ほとんどの利益を投資家に分配しています。REITにはこの様な優遇制度があるのです。
不動産の種類
数百件の不動産をREITは運用していて、それぞれ好きな不動産に投資をする事ができます。
REITで投資できる不動産は主にこちらです。
- 住宅、マンション
- 都市部にあるビル
- 物流施設や工場
- ショッピングモールなどの商業施設
- ホテルや旅館
- 高齢者施設、医療関連のヘルスケア
この中では住宅が安定していますが、ホテルや工場、商業施設は景気に左右されやすいです。
物流施設は通販事業の拡大で関心が集まり、こちらも安定していると言えます。
高齢者施設などのヘルスケア施設は、今後伸びるだろうと予想されていますが、現時点ではまだ確定できていないです。
オフィスビルは一番還元率が高いと言われています。
しかし、商業施設と同じく景気の悪化でオフィスビルが撤退するなど、収益が悪くなる事もあるでしょう。
また、複数の不動産に投資を行うことを「総合型」、2つの不動産に投資をする事を「複合型」といい、リスクの分散ができるので安定した利益を得られます。
一方、「特化型」は一つの特定した不動産に投資をしたいという方に向いています。
実物の投資と比較
実物の不動産投資とREITでは、どの様な違いがあるか比較してみました。
不動産投資とREIT
REIT | 不動産投資 | |
金利回り | 3.8%(2021年2月) | 4%〜10% |
資金 | 1万円〜 | 約1,000万円 |
換金期間 | 最短3営業日 | 約1ヶ月〜 |
分散投資 | 複数可能 | まとまった資金がないと困難 |
対象の不動産 | 様々な不動産(ビル、旅館、商業など) | 住宅が多い(アパートやマンション) |
かかる費用 | 運営管理費売買手数料 | 仲介手数料固定資産税管理費 |
流動性 | 高い | 低い |
税金 | 一律20.315% | 最高55% |
REITと不動産投資を比較してみると、初期費用は格段に違いがあり、換金にかかる期間はREITの方が早く、かかるコストも少ないです。
REITの金利回りは、不動産投資に比べると低くはなりますが、通常の株式投資の金利回りの2%よりは高いと言えます。
税金について
税金に関して不動産投資の場合、不動産所得に当たるので、所得税と住民税の税率がかかり最も高いと55%になります。
もし、不動産所得がマイナスなら、給与所得と通算して給料の税金を少なくする事も可能です。
一方、REITの場合、株式と一緒で「配当所得」になり、不動産所得の様に給料と通算はできません。
株式の配当金は、配当控除が適用されますが、REITは配当控除がないです。
とはいえ、REITは配当所得なので、分配金が高額でも税率が20.315%で不動産所得より低くなります。
加えて、不動産所得の場合、毎年確定申告を行わなければいけないですが、REITはしなくても大丈夫です。
NISAの口座でREITに投資をすれば、一定の金額は非課税になります。
NISAとは
投資家のために税金が優遇される制度の事です。
REITのメリットとは
次にREITの7つのメリットを紹介していきます。
- 少額でも始められる
- 何もせずにプロに任せる
- 分散投資でリスクが少ない
- 流動性が高い
- 高額な不動産に投資できる
- 比較的安全な投資
- 金利回りが良い
少額でも始められる
REITは、1万円〜70万円の価格から投資を始められます。
初心者の方や、資金があまりないけど投資をしたい方にはREITは参入しやすい投資になります。
ちなみに、2021年2月現在の一番安い投資口価格は「¥14,960」でした。
一口の価格が1万円程なので、さらに複数投資する事で、投資効率を上げられるでしょう。
100万円もあったら十分な投資ができるというもの。
不動産投資情報ポータルの「JAPAN REIT」を見ると、投資口価格や金利回りを確認できます。
何もせずプロに任せる
REITの投資家は特にも何もしなくても、専門家が運用を行ってくれます。
不動産投資の様に、特別なノウハウを身につけなくても良いのです。
REITの投資家は、購入する事と、売る事以外はする事がなく、放置しておくだけで分配金を得られます。
不動産投資の場合は、売買するタイミングを見極めておかないといけません。
何かと売買活動に手間と時間がかかるので、忙しい方には不動産投資は難しいでしょう。
資金も安く、放置しても収益を得られるのはREITのメリットと言えます。
分散投資でリスクが少ない
分散投資は、投資のリスク管理をする上で基本的な考えです。
一点集中で投資をすると、リターンも大きいですが、リスクも大きいです。
例えば、実物の不動産投資だと、物件が自然災害を受けたり、借主がなかなか現れず空室のままだったりすると所有している投資家が直接リスクを被る事になりますが、REITの投資信託は、複数の不動産に投資をしている事になるので、分散投資でリスクを減らせます。
不動産投資信託だけではなく、他の投資信託と一緒で、資金を預けると色々な所に分散して投資をする事になるので、リスクが少なくなるのです。
流動性が高い
REITは証券会社で購入する事ができて、株と同様な取引になります。
実物の不動産投資だと、株の様に早く売買できません。
最低でも1ヶ月、平均すると3ヶ月〜6ヶ月くらいの期間は売買にかかります。
よって、実物の不動産投資に比べると、REITは毎日市場で取引されているため、流動性が高くメリットと言えます。
高額な不動産に投資できる
個人だとマンションなどの居住用の投資をする事はできます。
しかし、ビルやホテル、ショッピングモールなどの商業施設に個人で投資するには高額な費用がかかるので難しいです。
REITは、その様な高額な不動産にも投資ができてしまいます。
不動産の種類も多いので、好きな不動産に気軽に投資ができます。
また、専門家が運用してくれるので、高額な不動産でも安心して投資ができるのはメリットです。
比較的安全な投資
投資をする上で意識しなければいけないのが、リスクとリターンについてです。
投資には色々な種類がありますが、REITは投資の中でも比較的リスクの少ない安全な投資と言われています。
何故なら、REITを運営しているのは投資法人で、投資している不動産は投資法人が保有しているからです。
資金は投資家から集めて不動産を購入しているので、資産がなくなるという事は少ないです。
仮に、投資法人が倒産してしまっても、保有していた不動産を売る事で、資産が確保されるので、全て失ってしまう可能性は低いです。
よって、初心者も安全に投資を行えると言えます。
金利回りが良い
REITは様々な銘柄がありますが、金利回りは銘柄によって違いがあります。
2021年2月だとコロナの影響でホテルの金利回りが一番低く0.7%で、最も高い金利回りは6%になります。
銀行の普通預金の金利は一番高い所でも0.2%になるので、REITの金利回りは良いと言えるでしょう。
また、REITの平均金利回りはで約4%です。
株式投資の配当金の金利回りは東証一部で平均2.61%、東証二部で1.66%なので、REITの方が高いと分かります。
低金利時代と言われる昨今では、REITの金利回りは、かなり魅力的なものでメリットになります。
REITのデメリットと注意点
REITのメリットについて紹介してきましたが、次にデメリットも紹介していきます。
- 不動産の保有が不可、レバレッジが低い
- 倒産のリスク
- 価格の下落と金利の変動
- 不動産の災害被害
不動産の保有が不可・レバレッジが低い
REITは証券を保有しているので、実際の不動産の保有をしている訳ではありません。
実物の不動産を保有していた場合、もし不動産投資に失敗したとしても、自分で住む事ができます。
REITは投資をしても現物の不動産を手にする事はできません。
また、REITはレバレッジ効果が得られないのがデメリットです。
レバレッジとは
借入金で投資をして、その借入金より高い利益を得る事を言います。
実物の不動産投資だと、個人の条件によっては銀行の融資を受けられて、少ない元手の資金でも高額な不動産を購入できます。
高額な不動産から収益を得られると、利益も大きいものになるというもの。
REITの投資だとこの様に、借入れをして高額な投資をする訳ではないので、その分大きな利益を得るは難しいです。
信用取引の場合は、証券会社から現金などを担保に借入れをして、REITで取引する事はできますが、担保にした金額の3.3倍までしか取引できないので、実物の不動産投資に比べるとレバレッジが低いと言えます。
倒産のリスク
REITを運営する投資法人も、上場会社と一緒で、売上高などの基準が下がってしまった場合、上場契約違反となり上場廃止になってしまいます。
また、投資法人の倒産も全くゼロという事はなく、もし倒産してしまったらこの時も上場廃止になります。
上場廃止とは
証券取引所で売買できる対象から外される事です。倒産した時には、不動産が売却されるので、その金額が投資家に返金されます。
しかし、投資したお金は全額戻ってくる訳ではないという事。万が一、倒産した時はリスクになると言えます。
価格の下落と金利の変動
REITは実物の不動産投資に比べると、毎日売買されているので、価格の変動が起きやすく不安定です。
流動性が高いのがメリットではありましたが、価格が下落してしまったら、デメリットになってしまいます。
株式市場よりRITEの市場は、とても規模が小さいため、大口売りが行われると通常の価格より大きく下落するでしょう。
経済状況によっても不動産は影響を受けやすく、物件の価値が下がったり、賃料が下がったりする事で、REITの価格も下落をして、投資家の分配金が少なくなります。
また、金利の変動でも分配金に影響が出るというもの。REITの資金は銀行から借入れを行っている事も多く、低金利だと支払いが少なく済みます。
一方で、金利が上がってしまうと、負担が増えるので利益が減ってしまいます。そうなると、REITの価格も下がり、分配金にも影響が出てくるでしょう。
不動産の災害被害
REITの投資では、実物の不動産を保有している訳ではありませんが、投資している不動産は実際に存在している資産です。
その不動産が、自然災害にあってしまったら多大なダメージを受ける事があります。
自然災害だと事前に防ぎようもない場合が多いです。
例えば、火災によって不動産が燃えてしまう事や、台風で浸水の被害、大地震が起きればビルや施設が倒壊してしまい、賃料の収入を得る事ができなくなります。
その時はREITの価格が下がったり、投資家の分配金も少なくなったりするので、大きなリスクです。
しかし、保険をかけていた場合は、保険金で建て直す事や修繕などができます。
どうしても、また営業できるまで期間がかかってしまうので、その間は収益が減ってしまうでしょう。
注意点と対策
REITにはメリットもあれば、デメリットも潜んでいる事が分かりました!
不動産投資をこれから始めるのであれば、注意点や対策をしっかり把握しておきましょう。
- 市場の動きをみる
- IR資料をみる
- リスク管理には分散投資
- 金利回りだけで判断しない
市場の動きをみる事についてですが、REITの市場だけではなく、不動産市場の動きも確認しておきます。
不動産市場の動きが分かっていると、REIT市場の動向も掴めるようになるからです。
不動産市場の動きをみるためには、インターネットからでも直ぐ確認ができます。
IR資料を確認する事も重要なポイントです。
IR資料とは
「決算説明会資料」などの事で、投資家に対して情報を提示するものです。REITの投資法人ごとに詳しく載っています。
主な内容は「決算概要、資産運用状況、業績予想、分配金予想、各物件の収益状況」などです。
それぞれ投資法人のIR資料を確認しておく事で、今後の推移を予想できるため、投資の失敗を防げるものとなるでしょう。
投資をする前にIR資料はしっかり目を通しておいてください。
また、前述しました分散投資はリスク対策に繋がります。
総合型や複合型は2つ以上入っているので、こちらを選ぶ事で自動的に分散投資になります。特化型だと1点集中になるので何種類か購入しておくと良いでしょう。
金利回りが高いだけで投資をしようとすると失敗する恐れがあります。
確かに、金利回りが高いと分配金がその分高くなるので、魅力的にみえますが、そこには金利回りが高い理由があるというもの。
隠れたリスクを知らないで、投資をしてしまうと金利回りが高くてもダメージを受ける事になります。
金利回り以外の時価総額や不動産の詳しい情報を調べておく事が重要です。
東証REIT指数
東京証券取引所に上場している、REIT全体の動きを示す指数の事を「東証REIT指数」と言います。
指数は全ての銘柄を対象とした、時価総額加重型です。
不動産市場の動向が、今どのようになっているか分かる指標となります。
これからREITで投資を始めるなら、東証REIT指数の推移をみて、市場の動きを理解しておきましょう。
また、銘柄にはホテル型、オフィス型、商業型などがあって様々な特性があります。
銘柄によって価格も変わってくるので、東証REIT指数を確認しながら種類別の指数も一緒にチェックしましょう。
REITの始め方と選ぶポイント
早速、REITを始めたいと思っている方に、これから手順を紹介していきます。
REITは少額でも始められるので、直ぐに投資家として参入できます。
銘柄を選ぶのも重要なポイントになるので、しっかり抑えておきましょう。
始め方
手順はこちらです。
- 証券会社で口座を開設
- REITに投資する準備
- 銘柄を選び購入・売却
REITは上場しているため、証券会社で投資証券を売買できます。
そのため、REITで投資を行うには、証券会社で口座を開設しなくてはなりません。
口座を開設するには「インターネット又は、実店舗」で作れます。
インターネット | 実店舗 |
サイトで申し込みをする 本人認証をする 本人確認書類を提出する 口座開設完了の通知 | サイトで申し込みできる店舗を探す 予約する 本人確認書類を持って行く 申し込み書類の記入 口座開設完了の通知 |
基本的に口座開設は無料です。
インターネットなら家からでも開設完了できます。
書類の郵送などがあるので、数日かかってしまう事もありますが、わざわざ出向かなくても良いのでおすすめです。
最短だと当日に作れる証券会社もあります。
実店舗で口座を開設するには、申し込みができる店舗を探す所から始まり、予約をしないといけません。
窓口で詳しく説明を受けながら、開設できるのはメリットですが、予約をして店舗に行かないといけないのでネットに比べると少し手間がかかるでしょう。
実店舗の開設完了までは、数日〜1週間程かかります。
証券会社によって異なりますが、口座開設に必要な書類は以下になります。
- 運転免許証
- パスポート
- マイナンバーカード
- 住民基本台帳カード
- 住民票の写し
- 印鑑証明書
- 年金手帳
- 健康保険証
本人確認書類を提出して、審査が通れば無事に口座開設完了です。
証券会社も様々あるので悩むと思いますが、選ぶポイントとしては、自分が普段使っている銀行と連携しているか確認すると良いです。
銀行と連携する事で、入出金が早くできたり、手数料を安く抑えられたりできます。
また、証券口座に資金がなくなってきたら、銀行から自動で振り込まれるサービスもあるため、取引がスムーズにできて便利です。
次にREITに投資をする準備をしていきます。
口座にまず投資資金を入金しますが、REITの銘柄は安いもので1万円代から、高いものなら70万円以上します。
100万円の投資資金があるなら、1番高い銘柄を購入する事ができ、他の銘柄も購入して分散投資が余裕でできるというもの。とりあえず、初心者だし少額で始めたいと思うなら、安い銘柄を購入しておくのも良いでしょう。
銘柄の選び方
投資資金の入金が終わり、次に投資証券を購入します。
銘柄は色々あり、2021年では62の銘柄があるので、何を選んで良いか悩む所ですが、選び方のポイントがあるので紹介していきます。
- 運用資産の種類
- 金利回りと時価総額を確認
- NAV倍率を確認する
- NOI利回り
- 安全な銘柄
運用資産の種類
銘柄には運用資産の種類が様々ありますが、総合型や複合型、特化型あり、それぞれこちらです。
種類によっては、景気に左右されるので安定を取るか、利益を取るか判断します。
種類 | 特徴 |
事務所特化型 | 会社が入るオフィスビル 都内だと安定した収益 |
ホテル特化型 | ビジネスホテルや宿泊施設 景気で変動 |
住居特化型 | 都内の築浅のワンルームマンションは安定 |
物流特化型 | 大手の物流会社だと比較的安定 |
商業特化型 | ショッピングモールなどの施設 景気で変動 |
ヘルスケア施設特化型 | 今後成長すると見込まれているが、まだ不確立 |
総合型 | 物件を特定しないで、色々な物件に投資をする分散投資 |
複合型 | 2つの特化型に投資を行う(ホテル+事務所など)分散投資 |
また、REITで投資をするならインカムゲイン(分配金)で儲けるか、キャピタルゲイン(安く購入して高く売却する)で儲けるか、自分の投資スタイルを設定しておくと良いです。
インカムゲインなら安定的に稼げるので、金利回りが平均より上の銘柄を選ぶと良いでしょう。
キャピタルゲインなら、安い時に購入し、価格が上がった時に売却すれば利益になるので、銘柄ランキングの価格騰落率を見て選ぶと良いです。
価格がどのくらいの割合で上昇したのか分かるので、キャピタルゲインで儲けるなら是非チェックしてみてください。
2021年2月の銘柄ランキング
順位 | 運用資産 | 価格騰落率 | 分配金利回り | NAV倍率 | 時価総額(百万円) |
1 | 物流施設 | +13.49% | 3.33% | 1.38 | 734,514 |
2 | 物流施設 | +7.68% | 3.13% | 1.20 | 277,857 |
3 | 複合型 | +6.84% | 3.49% | 1.52 | 374,880 |
4 | 物流施設 | +6.31% | 2.96% | 1.39 | 846,324 |
5 | 物流施設 | +6.18% | 3.84% | 1.08 | 78,317 |
引用元:J-REIT不動産投信情報ポータル 銘柄ランキング
www.japan-reit.com/ranking/all#price
上記の銘柄ランキングでも分かるように、運用資産のTOP5のほとんど物流施設特化型が占めています。
コロナの影響で在宅の人が多くなった事によって、ネット販売を利用する人が増え、より物流の会社が忙しくなったという事です。
今はコロナの影響を受けて変動していますが、今後の動向も予測しながら判断すると良いでしょう。
なるほどです!
金利回りと時価総額を確認
金利回りは銘柄を1年保有して、自分が投資した資金に対して、どのくらい分配金が支払われるかの指標になります。
インカムゲイン(分配金)で安定したい人は、金利回りを確認しておくと良いです。
金利回りが4%の銘柄に100万円を投資資金にしたら、1年間で4万円の分配金が受け取れます。
選ぶポイントとしては、平均金利回りが4%だとしたら、4%より高い銘柄を選ぶのがおすすめです。
しかし、REITでは決算が年に1、2回行われるのですが、収益によっては金利回りが変わってくる事もあります。
時価総額は、REITの資産額になり、総額が大きい銘柄は、投資をしている人が多いという事になります。
時価総額が大きい銘柄は、価格の変動が少なく資産力もあるため、倒産しにくいです。上場廃止にもなりにくいので、安全な投資をするなら判断目安にすると良いでしょう。
また、時価総額は1,000億円以上の銘柄を選ぶのもおすすめです。
時価総額が低い銘柄だと価格の変動は大きくなりやすく、下落しやすいリスクがあります。
NAV倍率を確認する
NAVとは
「Net Asset Value(ネットアセットバリュー)」の略で、日本語に訳すと「純資産価値」です。読み方は「ナブ」又は、「エヌエーブイ」です。
純資産価値とは
保有する不動産の時価から借入金などの負債を引いたものになります。
- REITの不動産時価-借入金や負債=NAV(純資産価値)
NAV倍率を出すには、こちらです。
- 投資口価格÷1口あたりNAV=NAV倍率
NAV倍率を算出すると大体が「1倍前後」になります。
NAV倍率がちょうど1倍になると、純資産価値が合致しているという事になります。
NAV倍率が1.2倍だと銘柄の価値が割高で、反対に0.7倍だと価値が割安という事です。
倍率が1.2倍の銘柄は、投資家が今後も価値が上がっていくと期待していると言えます。
倍率が0.7倍の銘柄は、これから価値が低くなると予想されているという事になります。
- NAV倍率1.2=100円が120円で売られている状態
- NAV倍率0.7=100円が70円で売られている状態
NAV倍率だけで判断するものではありませんが、一つの指標として参考にしてください。
NOI利回り
NOI利回りとは
不動産投資を行う際の指標になり、「営業純収益」の事です。
NOIは「Net Operating Income(ネットオペレーティングインカム)」の略で、読み方は「エヌオーアイ」と言います。
簡単に言うと、「運営費などの費用を差し引いて、手元に入る実際の収益」の事です。
NOI利回りが高いと、銘柄の収益が高いという判断ができます。
安全な銘柄
REITの初心者におすすめの銘柄は、「総合型」と「複合型」の分散投資です。
前述した特化型には色々な種類がありましたが、その種類をまたいで投資するのが分散投資です。
リスクを軽減する効果もありますが、大きい分配金を得る事も難しくはなります。
失敗する可能性は低いので、とにかく始めてみたい!という初心者の方は、選択肢に入れておいても良い銘柄でしょう。
投資した時のイメージをしてみよう
REITの投資を始めたら、どのくらい分配金が受け取れるのか、実際にシミュレーションができるサイトがあるので、試してみましょう。
CASIO ke!san生活や実務に役立つ計算サイト
例えば、100万円の投資資金で金利回り4.4%の銘柄を10年間、保有し続けたらどうなるでしょうか。
年数 | 元利合計 | 利息 | 実質金利 |
1年目 | 1,044,000 | 44,000 | 4.4% |
10年目 | 1,538,172 | 538,172 | 53.8172% |
100万円の資金で4.4%の銘柄を10年保有したら、54万円弱の資産が増えました。
何もしなくても安定した銘柄を選ぶ事で、このくらい資産を増やす事ができます。
10年で約54万円もの収益を得られたのは、複利効果があるためです。
10年間ずっと保有する事で、利息が利息を増やします。
結果的に、どんどん資産が増えていく効果を「複利効果」と言います。
REITの不動産投資にはこの複利効果を上手く利用して、大きな収益を得る事が可能です。
分配金を受け取ったら、再投資をしていく事で複利効果を得られるのです。
売買する際に気をつけておく事
REITの銘柄を売買する際に気をつけておきたい事があります。
- 手数料
- 売買できる時間帯
REITの取引には手数料がかかってきます。
手数料は証券会社によって違ってくるので、確認しておくようにしましょう。
銀行と連携している場合は、手数料を抑えられるので、なるべく連携できると良いです。
REITは取引できる時間が決まっています。
- 平日の前場 9:00〜11:00
- 後場 12:30〜15:00
上記の時間以外は、REITの取引ができないので、よく時間帯をみておきましょう。
売却する時ですが、購入した時よりも、価格の変動があって下がってしまった場合、損失が発生してしまうので、銘柄の価格をしっかり把握しておきます。
購入する時は、決算日を含めて4営業日前までに取引をしておいてください。
分配金を受け取るのは、決算期から3ヶ月以内に「支払通知書」が送られてきて、投資法人から支払われます。
受け取る方法は銀行口座や、証券会社の口座、その他郵便局などの指定機関があります。
まとめ
REITについてメリットや注意点を学ぶことができました!
不動産投資を始めてみたかったけど、まとまった資金がなくて中々難しいと感じていた方も、REITの不動産投資信託なら少額で参入できるので、是非試してみてください。
実物の不動産投資よりレバレッジ効果が低いかもしれませんが、REITは初心者でも安全に投資を始められるというもの。
REITの銘柄を長く保有する事で、資産がどんどん増えていくので、得た収益は再投資に回して資産を作っていくのも良いでしょう。
利息が利息を生んでくれるので、上手くいけば雪だるま式に資産を増やす事も可能です。
100万円の資金があれば、高い銘柄や分散投資ができるので、リスク対策をしっかり行い、REITで収益を上げていきましょう。
なお、REIT(リート)については下記サイトも参考になりますので、よかったらご覧ください。
参考:そもそもJ-REITとは? – 投資信託協会