多くの人が人生に一度、経験するかしないかの不動産売却。
家や土地などの不動産を売却しようと思ったとき、まず何から手を付けてよいのか分からない方も多いことでしょう。
不動産はどうやって売却するの?どこに依頼するの?個人でも取引していいの?など、不動産の売却方法に疑問をお持ちの方も多いようです。
不動産売却といえば、間に不動産会社が入る仲介という形が一般的ですが、買取業者に売る方法や個人間で取引する方法もあります。
この方法で売却しなければならないという制約はありません。
しかし、不動産に合わせた売却方法をとることで、より良い条件で売却することができる可能性が高まります。
そこで今回は、不動産売却3つの特徴についてお伝えしていきます。
メリットやデメリット、不動産にあった売却方法などについて詳しくご紹介していきます。
併せて、売却を成功させる6つのポイントもお伝えしてまいりますので、不動産の売却をご検討されている方は是非最後までご覧ください。
不動産売却といえば、不動産会社に仲介を依頼する方法が一般的ですよね。
プロのサポートを受けて売却活動ができるメリットから、多くの人が仲介による売却を選択しています。
目次
仲介による不動産売却の際の必要書類や仲介手数料とは
まずは、不動産売却の方法として最も多く利用されている仲介についてご説明します。
仲介とは、不動産会社が売主と買主の媒介を行って契約を成立させることです。
仲介を行う業者は宅地建物取引業の免許を取得していることをが条件と定められています。
不動産会社はあくまでも売却の仲介を行う立場であり、買主は個人となります。
不動産会社が行うのは、売るための手伝いと買うための手伝い。
売る手伝いでは市場に物件を流通させたり紹介したりするため、不動産情報を掲載するポータルサイトや自社サイトへ登録したり、住宅広報誌やチラシを利用して購入希望者を募ります。
では、不動産会社仲介の具体的な内容を知るため、仲介の流れについてみてみましょう。
- 売却相談受付・査定
- 媒介契約
- 販売活動
- 内覧対応
- 契約条件の調整・交渉
- 売買契約締結
- 残金決済引き渡し
売主は不動産会社に査定を依頼し、査定額に納得したら媒介契約を結びます。
その後の売却活動は専任媒介契約、専属専任媒介契約、一般媒介契約の3つの媒介契約のうち、どれで契約するかによって契約の有効期間や販売活動の内容が異なります。
購入希望者が現れたら、売主の売却条件に合わせて交渉をしたり、売買契約書の作成を行ってくれます。
契約の履行となる残金決済引き渡しまで、責任を持ってサポートしてくれるでしょう。
仲介で不動産売却をするメリット
仲介で不動産を売却する最大のメリットは、プロのサポートを受けて販売活動が行える点です。
不動産マーケットはとても大きいため、プロでない個人がその中で不動産をアピールするのは容易ではありません。
多くの売却実績をもつ不動産会社なら、不動産の購入需要やターゲット層、ニーズに合わせた適切な販売活動が期待できるでしょう。
不動産売却は動く金額も大きく、様々な条件設定をして売買を行うため、契約書の内容や必要書類に不備があってはなりません。
仲介であれば契約書は不動産会社が作成してくれますし、売買に必要な書類は不動産会社が整理してくれるため、トラブル回避にもなります。
不動産売却方法3つのうち、もっとも相場に近い価格で売却できるのもメリットといえるでしょう。
価格交渉は売主ではなく不動産会社が代わりに行ってくれるため、絶対に売却価格を下げたくない場合も仲介での売却がおすすめです。
仲介で不動産売却をした場合のデメリット
仲介は不動産会社から手厚いサポートを受けられるものですが、それはタダではありません。
買主が決まって売買契約が結ばれたら、仲介手数料いわゆる報酬を支払う必要があります。
その額は売買代金のおよそ3~5%となっており、決して安い金額とは言えません。
また、いつ頃売却できるのかの目途が立ちにくく、スケジュールを立てにくいのもデメリットです。
不動産会社と結んだ媒介契約の有効期限内に買主が見つからなければ、再度媒介契約を結び直してやり直さなければなりません。
買取りによる不動産売却の流れや査定相場は
不動産売却方法二つ目、買取についてです。
買取りとは、不動産会社が売主から直接不動産を買い取ることです。
よって、買主は不動産会社となります。
市場に流通させないため、売主と不動産会社との間で売買が成立すればすぐに買い取ってくれます。
買取った不動産はその後不動産会社がリノベーションやリフォームをし、その分の金額を上乗せする形で市場に流通させるのが一般的です。
不動会社だからといって必ずしも買取を行っているわけではありませんので、買取を依頼する場合は事前に確認しておくことが大切です。
では、買取りの流れについて確認していきます。
- 査定依頼
- 買取業者の選択
- 売買契約締結
- 残金決済・引き渡し
仲介に比べ、売却の過程が少なく、スケジュールも短くなります。
市場に流通させて買主を探し、条件交渉するなどのステップも必要ないため、早ければ査定から1週間程度で売却が成立することもあります。
不動産売却を買取りで行うメリットについて
買取りのメリットは、売却までの時間が短くて済むことでしょう。
仲介での売却は一般的に販売活動に3ヶ月程度を要しますが、買取の場合は売主と不動産会社間で合意が得られれば1週間程度で契約が完了します。
時間をかけずに不動産を売却したい方におすすめの売却方法です。
また、内覧対応が必要ないこと、瑕疵担保責任を負う必要がないことも、不動産会社と直接やり取りする買取だからこそのメリットといえるでしょう。
市場に流通させない=販売活動費がかからないということで、仲介手数料を支払う必要もありません。
仲介に比べると、売却にかかる費用を抑えることも可能です。
不動産売却を買取りで行った際のデメリット
買取りのデメリットは、相場の6~7割程度の安値で取引される可能性が高いことです。
不動産会社は安く買い取ってリフォーム等をし、その分を上乗せして相場に近い価格で再度売りに出します。
相場価格で買い取ってしまうと利益が出にくいため、安く買い取るのです。
急いで売却しなければならない事情がない限り、買取を選択する売主はあまり多くありません。
擁壁の老朽化など、再構築不可能と判断された場合は買取が難しくなることもあります。
個人売買による不動産売却は仲介手数料がない!?リスクは?
個人売買とはその名の通り、不動産を個人間で直接取引する方法です。
売主と買主の間で価格や条件が合えば、売買は成立します。
不動産会社が仲介を行う場合は販売活動を一任できますが、個人売買で買主が決まっていない場合は自身で市場に不動産を流通させる必要があります。
ターゲット層を絞ってチラシ製作や情報サイトへの掲載などの販売活動を行いたい、媒介契約に縛られない自由な売却を行いたい方に合った売却方法といえるでしょう。
個人間売買の流れは下記の通りです。
- 相場価格を調べる
- 書類を準備する
- 売却価格を決める
- 販売活動
- 売買契約締結
- 決済・引き渡し
個人売買で不動産売却をするメリット
個人売買の最大のメリットは、売却にかかる費用を安く抑えられるという点です。
不動産の売却価格はおおよそ相場に近くなりますし、仲介を依頼しないため不動産会社に支払う仲介手数料も発生しません。
不動産の売買では、不動産そのものに消費税はかかりませんが、手数料の部分には課税されます。
従って、手数料の発生しない個人売買なら、消費税も節約できるということになります。
制約の無い自由度の高い売却活動ができるのもメリットといえるでしょう。
不動産会社は多くの物件を扱っているため、自身の物件を特別に扱ってもらえるわけではありません。
個人売買なら活動も個人の力量に委ねられますので、第三者に任せずに自身で売りたいという方に合う方法です。
個人売買で不動産売却をするデメリット
個人売買のデメリットは、あらゆるリスクが大きいということです。
最も多いのは売買契約書と瑕疵担保責任によるトラブルです。
契約書は標準形式の書類が用いられますが、内容に関しては専門的知識や交渉の末に記載されるものも多く、どの内容も非常に重要なものです。
合意を得られないまま契約書を記載してしまい引き渡し後にトラブルになるケースは多く、その場合は契約解除による違約金が発生することもあります。
売却の複雑な手続きで困ったとき、プロの意見を聞いたりアドバイスをもらえないのもデメリットとなるでしょう。
個人売買はデメリットが目立ちますね。
そうですね。
不動産売買契約書の不備によって、親族や友人間で大きなトラブルに発展するケースも少なくありません。
買主を自身で見つけても、売買契約書は専門家に作成してもらうなど、リスクに対する対策が必要となるでしょう。
不動産の条件によって3つの不動産売却方法を駆使しましょう
不動産の売却方法3つには、それぞれ下記のような特徴があります。
売却方法 | 特徴 |
---|---|
仲介 | プロのサポートを受けて相場に近い価格で売却できる |
買取り | 販売活動を行わずに短期間で売却できる |
個人売買 | 制約のない自由な売却活動ができる |
売却する不動産は千差万別。
それぞれ特徴があり、売主が希望する売却条件というものもあるでしょう。
例えば、やむを得ず新築から3年しか経っていない物件を売却するとなった時、早く売買成立させたいからといって不動産会社に買取りしてもらうのはおすすめできません。
まだまだ新しく、買い手が付きやすい物件を相場の6~7割程度の価格で売却してしまうと、住宅ローンの残債を支払えなかったり、その後の資金計画にも大きな支障を来す可能性があるからです。
この場合、不動産会社に仲介を依頼するのがベストな選択です。
築年数経過が少ない物件は早めに不動産売却するのがコツ
築浅不動産は購入需要が多いため、市場に大きく打ち出せば早い段階で買い手が見つかるでしょう。
大幅値下げをせずとも、限りなく相場に近い価格で売却できるチャンスはあります。
そのチャンスを掴むには、不動産会社がもつ売却活動のノウハウや手腕、集客力や拡散力を最大限活用するに限ります。
このように、できるだけ条件の良い売却をしたいなら、売却方法の特徴と不動産の特徴を照らし合わせ、ベストな方法を選択することが大切です。
下記の表は売却不動産の特徴や条件に合った売却方法をまとめたものです。
売却不動産の条件や特徴 | おすすめの売却方法 |
---|---|
時間がかかっても希望の価格で売却したい | 仲介 |
築年数は古いが立地条件は良い | 仲介 |
個性的な家 | 仲介 |
旧耐震基準の戸建て・マンション | 買取り |
借地付きの建物 | 買取り |
早く売却してまとまった金額を手に入れたい | 買取り |
事故やトラブルがあった物件 | 買取り |
仲介で長期間売れない物件 | 買取り |
買い手が既に見つかっている | 個人売買 |
基本的には仲介での売却が最もおすすめの方法となりますが、仲介では買い手が見つかりにくい不動産の場合は買取での売却も視野に入れると良いでしょう。
個人売買での売却方法は、親族などの買い手が見つかっている場合を除き、リスクが大きいためあまりおすすめできません。
もし個人売買を行う場合は、専門家に契約書を作成してもらうなどの対策が重要となるでしょう。
不動産売却を成功させる6つのポイント
ここからは、売却を成功させるために押さえておきたい6つのポイントについてご紹介してまいります。
売却を成功させるために押さえておきたい6つのポイントは以下の通りです。
税金や費用を把握しておく
査定は複数の不動産会社に依頼する
信頼できる不動産会社を選ぶ
媒介契約は一般媒介契約
相場を把握しておく
売却の注意点を押さえておく
では一つずつご説明します。
不動産売却には税金や費用が発生するのを把握しましょう
不動産の売却には費用や税金が発生します。
費用をすぐに準備できるよう、また売却後の資金計画やライフプラン構築のためにも、売却金額からどのくらいの金額が差し引かれるのか、売却後にどれくらいの税金がかかるのか知っておくことが大切です。
不動産の売却でかかる費用について下記をご覧ください。
費用項目 | 内容 | 費用目安 |
---|---|---|
仲介手数料 | 不動産会社の仲介に対する報酬 | 売却代金×3%+6万円+消費税(上限金額) |
印紙税 | 課税文書に当たる売買契約書に貼るため | 1000円~6万円程度(売却代金によって異なる) |
登録免許税 | 抵当権抹消登記や住所変更登記など | 1件当たり1000円 |
司法書士への報酬 | 司法書士に対する報酬(登記手続きなど) | 1.5万円~3万円程度 |
住宅ローン一括返済費用 | 一括繰り上げ返済の手数料 | 1~3万円 |
リフォーム費用等 | 売却のためのハウスクリーニングや補修費用 | ハウスクリーニング1万円~/補修3万円~ |
引越し費用 | 物件を引き渡すための引越し代 | 十数万円~ |
上記の表は一般的な不動産売却でかかる費用とその目安となります。
不動産種別や売買の条件によってかかる費用は異なりますので、自身で確認することが大切です。
では次に、不動産売却後にかかる税金についてです。
不動産売却で税金がかかるのは譲渡所得が発生した場合です。
譲渡所得とは、以下の計算式で求められます。
譲渡所得=売却代金-取得費-譲渡費用-特別控除
売却代金から諸々の費用を差し引いた譲渡所得がプラス=売却益=課税譲渡所得が発生したことになりますので、譲渡所得に対して課税されます。
出典:国税庁 No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)
売却代金そのものに課税されるわけではありません。
課税譲渡所得が発生するかしないかは、特例の適用可否によって大きく変わります。
下記の表は個人の不動産を売却したとき、要件を満たしている場合に適用される特例とその控除額についてです。
特例 | 控除額 |
---|---|
マイホーム(居住用財産)を売却した場合 | 3000万円 |
公共事業等のために不動産を売却した場合 | 5000万円 |
特定土地区画整理事業等のために売却した場合 | 2000万円 |
特定住宅地造成事業等のために売却した場合 | 1500万円 |
農地保有の合理化などのために売却した場合 | 800万円 |
それぞれの特例には適用されるための要件が定められています。
要件に該当していれば控除額を差し引くことができるため、課税譲渡所得を大幅に抑えることが出来るでしょう。
特例を利用する場合は確定申告が必要となります。
特例による特別控除を差し引いても課税譲渡所得が発生した場合は、その金額に対して所得税・住民税・復興特別税が課税されます。
なお、譲渡所得税には軽減制度が設けられており、不動産を所有していた期間によってかかる税率が異なるのが特徴です。
下記の表は、不動産売却で課税譲渡所得が発生した場合に課税される税金とその税率についてまとめたものです。
区分 | 所有期間(売却する年の1月1日時点) | 所得税 | 住民税 |
---|---|---|---|
短期譲渡所得税 | 5年以下 | 30.63% | 9% |
長期譲渡所得税 | 5年超 | 15.32% | 5% |
復興特別税は、基準所得税額(所得税額-所得税額から差し引かれる金額)に2.1%をかけた額となります。
不動産売却で譲渡所得が発生したら確定申告を行い、所得の申告と税金の納付を行いましょう。
譲渡所得がマイナス、つまり損益が出たときにも使える特例があります。
どんな内容ですか?
損益通算して他の所得分の控除や還付を受けられるもので、節税効果が期待できます。
こちらについても特例を受ける場合は確定申告が必要となりますので覚えておいてくださいね。
売却の査定依頼は複数の不動産会社にお願いしましょう
不動産売却が成功するか否かは不動産会社にかかっているといっても過言ではありません。
仲介、買取どちらも不動産会社選びが重要となりますので、不動産会社選びのポイントを押さえておきましょう。
不動産会社選びを成功させる秘訣は、複数社に査定を依頼することから始まります。
どこの不動産会社に依頼するか以前に、その選択肢を広く確保しておきましょう。
査定は3社以上に依頼する
査定に関しては、少なくても3社以上には見積もりを依頼しましょう。
不動産の査定は、取引事例比較法や原価法による方式がベースとなった公益社団法人不動産流通推進センターが定めている価格査定マニュアルをもとに算出されるのが一般的で、多くの不動産会社はこの方法を用いて査定額を出しています。
その算出法においては対象不動産と似た条件の売却事例を用いて比較するのですが、どの物件と比較するかは不動産会社の担当者によって変わります。
また、高値売却を目指す売主と媒介契約を結ぶため、上記の方式で算出した査定額に上乗せした額を提示する不動産会社も存在します。
このような理由から、不動産会社によって査定額に違いが生じます。
複数社に査定を依頼すれば、それぞれの査定額が違っていたとしてもおおよその中央値を把握することが可能です。
査定結果と同時に売却のアドバイスや提案をしてくれる所もあるため、自分の条件に合った不動産会社が自ずとピックアップされていくでしょう。
一括査定サービスを利用すると便利
複数社に査定を依頼するなら、インターネット上の一括査定サイトを利用すると良いでしょう。
どのサイトも無料で利用できますので、相談費用や手数料を請求されることはありません。
利用方法はサイトによって異なりますが、不動産種別や所在地、専有面積や間取りなどといった情報を入力するだけ。
査定に対応できる不動産会社が自動でピックアップされますので、その中から選んで査定申し込みを行う仕組みです。
情報を入力したからといって自動的に査定申し込みされるわけではなく、自身で依頼する会社を選ぶ形となりますので、不動産会社の口コミや評判を見てから申し込めるのもメリットです。
一括査定サイトを利用する場合は、不動産会社の提携数が多いところ、大手だけではなく地域密着型の会社も登録しているサイトを選ぶことが大切です。
一括査定サイトを利用したら信頼できる不動産会社を選ぶ
一括査定サイトを利用して複数社から査定額が提示されたら、その中のどこに依頼するかを選択しなければなりません。
その際には以下の点を見極めましょう。
- 査定額の根拠を明確に説明できるか
- 過去に同じような不動産の売却実績があるか
- 担当者が相談しやすいか
前項でご説明した通り、不動産会社によって査定額は異なります。
高額査定してくれたところに惹かれていしまいますが、大切なのは中身。
査定結果が記載された査定書の内容を確認したり、直接連絡でその根拠を聞いてみましょう。
似た条件の不動産の売却実績があるかを確認することも大切です。
会社によってマンションの取り扱いが豊富、土地を専門的に扱っている、郊外の戸建てに強いなどという特徴がありますので、自身の不動産がそれらに合致しているかどうかも確認しましょう。
合致している業者なら売却のノウハウも蓄積されていますし、既に顧客を抱えているかもしれません。
担当者の対応にも注視する
連絡を取る際は是非、担当者の話し方や態度にも注目してみましょう。
契約を結びたいからと強引な営業をかけてきたり、根拠を聞いてもはぐらかしたりするような担当者であれば、たとえ高額査定であろうと売却依頼はおすすめしません。
相談をしやすい人、信頼できる人柄かを見極めることが大切です。
また、売却の経験が豊富で宅建士の資格を保有している人ですと、専門的な知識とノウハウを兼ね備えていると考えられます。
直接聞きにくい場合は名刺を頂いて確認すると良いでしょう。
仲介売却の際、媒介契約は一般媒介契約がおすすめ
仲介売却する場合は、不動産会社と媒介契約を結びます。
媒介契約には3つの契約があるのですが、その中でも一般媒介契約を結ぶのがおすすめです。
その理由をご説明する前に、まずは3つの媒介契約の違いについてみていきましょう。
契約内容 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
---|---|---|---|
複数社との媒介契約 | ○ | × | × |
自身で買い手を見つけた場合 | ○(仲介なし個人売買が可能) | ○(仲介なし個人売買が可能) | ×(自身で見つけた場合も仲介での売買となる) |
契約期間 | 特になし | 3ヶ月 | 3ヶ月 |
不動産流通機構レインズへの登録 | ×(登録義務はない) | 契約から7日以内に登録 | 契約から5日以内に登録 |
状況報告 | 規定なし | 2週間に一度 | 1週間に一度 |
一般媒介契約は唯一複数社と契約を結べますので、それぞれに販売活動を頑張ってもらえるというメリットを得られます。
何社と媒介契約を結んでいたとしても仲介手数料を支払うのは売買契約が締結したときのみとなりますので、金銭的なデメリットはありません。
不動産の売却成功のためには拡散力や集客力が重要となりますので、より多くの会社に広く拡散してもらい、多くの買い手に目につくようにしてもらった方が早期売却が目指せるでしょう。
前項でお伝えした不動産会社選びのポイントをクリアした会社の中から大手・地元密着型をバランスよく選び、契約を結ぶことをおすすめします。
不動産売却の成功は相場を把握しておく事!
不動産は固有資産のため、定価はありません。
しかし、相場はあります。
その相場を売主自身が知っておくことは、売却成功のために大変重要なことです。
例えば、不動産会社に査定を申し込んだとき。
提示された査定額の根拠を聞いたとしても、自身が相場を把握していなければ、それが本当かどうかを知ることはできません。
売却活動で売り出すとき、相場とかけ離れた価格で売り出してしまったら買い手には見向きもされないでしょう。
相場を調べ得る方法は簡単ですので、不動産会社に査定を依頼する前に確認しておきましょう。
相場を調べる方法
不動産の相場は下記のサイトで取引事例を見て調べることができます。
- レインズマーケットインフォメーション
- 土地総合情報システム
- 不動産ポータルサイト
レインズマーケットインフォメーションは、直近1年間の不動産成約事例を確認できるサイトです。
エリア別に、平米単価・間取り・築年数などの情報が一覧表示されるため、その中から売却予定の不動産と似た条件を探してみましょう。
過去1年間の市場動向によって価格推移も知ることができますので、売り出し価格の設定にも役立つでしょう。
土地総合情報システムは、国土交通省が不動産取引を行った人を対象としたアンケート結果をまとめ、データ化したものです。
対象エリアは全国にわたり、土地と建物両方の価格を確認することも可能です。
不動産ポータルサイトは、現在市場に流通している不動産を調べることが出来るサイトです。
不動産種別はもちろん、地域・間取り・平米数など詳細条件を設定して検索できるため、より近い条件の価格を調べられます。
ただしこちらのサイトは現在売出し中の価格であり、成約価格ではありません。
売出しから成約までには価格交渉による値下げが行われるのが通常となりますので、それを踏まえてチェックしましょう。
不動産売却の注意点を押さえておく
売却を成功させるためには、家を売るときの注意点やリスクについて知っておくことが大切です。
瑕疵担保責任について
瑕疵担保責任とは、物件引き渡し後に瑕疵(不具合や欠陥)が見つかった時、売主が負う賠償責任のことです。
つまり、売却後であっても売主に責任が生じるということになります。
瑕疵担保責任を巡るトラブルは大変多く、特に築古の中古住宅に目立ちます。
仲介による売買であれば瑕疵への対策は常識となっていますが、担当者が不慣れだったり、個人間売買の場合は不備が生じ、訴訟問題にまで発展するケースも少なくありません。
トラブルを未然に防ぐため、売買契約前に瑕疵についての調整を申し出るなど、売主自身が積極的に対策を講じることが大切です。
中古住宅の場合は瑕疵が発生しやすいため、瑕疵担保責任を免除してもらう、またはその期間を3ヶ月程度に短縮してもらうなどといった条件を付けてもらうと良いでしょう。
売却期間が長期間続いた場合
不動産を売り出しても、一向に買い手が見つからない、内覧にすら来ないという事態を想定しておくことも大切です。
近年は住宅供給過多の時代ですから、不動産市場にも多くの不動産が流通しています。
人口減少地、築古、長年空き家だった不動産の場合はその中では埋もれてしまい、買い手が見つかりにくいかもしれません。
たとえ築浅でも、売り出し価格が高すぎたり、近隣に競合物件があれば売却までに時間がかかってしまうでしょう。
売却期間が長くなるということは、その分不動産の資産価値も落ちているということ。
買い手が現れるのを待っている間も、不動産の価値はどんどん落ちていきます。
そのため、絶対に価格を下げたくないという場合を除いては、方向転換をし、早期売却を目標に切り替えることが大切です。
売れ残り感があった不動産でも、思い切って値下げしてみると値ごろ感から需要が高まる可能性があります。
相場よりも安値売却となりますが、買取業者に売却すれば、より良い形で活用されるかもしれません。
売れないリスクを想定し、いつでも柔軟な対応ができるようにしておくことが大切です。
相場を調べたり、不動産会社を選んだリ、やることがたくさんありますね。
売却を成功させるためには、売主が売却に関する知識をもち、積極的に関わることが大切です。
事前の準備や調査は大変ですが、早期・高値売却を目指して頑張りましょう。
まとめ
ここまで、不動産売却方法3つの特徴と売却を成功させる6つのポイントについて解説してまいりました。
最も一般的な売却方法である仲介、業者に直接買い取ってもらう買取、個人間で売買を行う個人売買のメリットデメリットについてお伝えしました。
売却においては、不動産の特徴や条件に合った売却方法を選びましょう。
最適な売却方法を選ぶことで、より良い条件での売却が目指せます。
売却を成功させるポイントのなかでも、特に不動産会社選びは重要です。
売却活動を共に進めるパートナーとなりますので、親身なアドバイスをくれる、信頼できるところを選びましょう。
売却活動をスムーズに進めるためには、自身が売却に関する知識を付けること、売却活動に深く関与していくことも大切です。
全てを不動産会社や専門家に任せっきりにするのではなく、調べながらステップを踏んでいきましょう。